従業員のモチベーションをアップさせる「エンパワーメント」とは?

​​​​​​​従業員のモチベーションをアップさせる「エンパワーメント」とは?

※この記事は2021年3月10日に更新しました。


上司が部下のやる気を出させたり、モチベーションを上げたりする施策のひとつとして「エンパワーメント」があります。元々、ビジネスで使われる言葉ではありませんでしたが、現在では人材教育としても大きな効果が期待できるとして多くの企業で取り入れられています。そこで今回はエンパワーメントについて、その概念や歴史といった基本情報から、企業で導入することのメリット、デメリットまでを解説するとともに、成果を挙げるポイントについて考察していきます。

目次[非表示]

  1. 1.エンパワーメントとは?
    1. 1.1.エンパワーメントが実践された背景
    2. 1.2.ビジネスシーンへの普及
  2. 2.エンパワーメントがもたらすメリットとデメリット
    1. 2.1.メリット
    2. 2.2.デメリット
  3. 3.エンパワーメントの導入方法と成果を挙げるためのポイント
    1. 3.1.エンパワーメントの導入と流れ
    2. 3.2.エンパワーメントで成果をあげるための2つのポイント
    3. 3.3.エンパワーメント成功の最大のポイントは結果を焦らないこと
  4. 4.エンパワーメントを成功に近づけるためにはツールの活用がおすすめ

エンパワーメントとは?

エンパワーメントとは、日本語で「権限を与える」「自信を与える」「力をつけてやる」などと訳される言葉で、具体的には社会や組織に存在する一人ひとりが、誰かに抑え込まれることなく、自身の力をつけて成長していくことで、組織や社会など周りに対して大きな影響を与えられるようになることを目指すものです。

エンパワーメントが実践された背景

元々は、ブラジルの教育思想家であるパウロ・フレイレ氏が提唱したもので、20世紀にアメリカで起きた市民運動や先住民運動、女性運動などの場面で用いられ、実践されるようになりました。フレイレ氏が提唱したエンパワーメントとは、「能力開花」「生活変革」といった意味を持ち、ラテンアメリカの非識字者に対する識字教育で実践されていました。読み書きができるようになることは、単純に生活が便利になるということではなく、自分たちが置かれている状況を認識した上で、気づかなかった能力が開花し、生活を大きく変えるものであることを教えました。この考え方はその後、子どもたちへの教育にも引き継がれています。

ビジネスシーンへの普及

エンパワーメントがビジネスシーンにおいても普及した背景には、他社との競争で生き残っていくために、スピーディーな意思決定や判断の重要性が増してきたなどがあります。従来のピラミッド型の組織構造は、意思決定や判断をおこなう上で非常に時間がかかり、非効率であるというデメリットがあります。

しかし、エンパワーメントを導入し、権限委譲を進めていくことで、従業員一人ひとりの意思決定能力が高められ、スピーディーに業務を遂行していけるようになれば、競合に差をつけることも可能になってきます。また、従業員一人ひとりの能力が開花すれば、企業全体の力の底上げにつながるということもあり、ビジネスシーンにおいても、エンパワーメントが広く普及していくようになったのです。


あわせて読みたいおすすめの記事

  組織の種類とは?企業に適した組織づくりのポイントを解説 組織には事業部制組織や職能別組織などの種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。また、新たな組織の形成や既存の組織改変をする際は、企業や目標に適した形態を取ることが求められます。今回は、企業の組織構造の種類や企業組織をおこなう上でのポイントおよび最適な組織づくりについて解説します。 株式会社JTBベネフィット


エンパワーメントがもたらすメリットとデメリット

実際に、企業でエンパワーメントを導入した際にもたらされるメリットとデメリットについて見ていきます。

メリット

従業員の自主性が育ち、本来の能力が開花する

ビジネスシーンにおけるエンパワーメントの最も重要なポイントは、「権限委譲」です。上司から権限を与えられ、仕事を任された部下は、その仕事で成果を挙げるためにさまざまなことにチャレンジします。その過程で自主性が育ち、本来持っていた能力が開花することにつながります。


重要な仕事を任されるようになることで責任感が芽生える

最終的な責任は上司が持ちますが、それでも権限を委譲され一定の責任を持つことで、自主性とともに責任感も芽生えます。責任を与えることは、リーダーとしての素養を育てることにもつながり、単純に仕事を任せるよりも成長スピードが速くなるメリットもあります。


自分で権限を持って仕事をすることで達成感が生まれ、満足度もアップする

権限を与えられた仕事を成功に導くことができれば、サポートとして仕事をする以上に大きな達成感を得ることができます。その結果、仕事や会社に対する満足度もアップし、離職率の低下にもつながります。


あわせて読みたいおすすめの記事

  自律型人材とは?求められる要素や育成方法について解説 自律型人材とは、任された仕事に対して自分で考え、能動的に行動し、経営者の意図に沿った結果を出せる人材のことです。自発的に仕事に取り組むDX人材は、高い判断力やオリジナリティーによって企業に多くのメリットをもたらします。本記事では、自律型人材に求められる資質や育成時のポイントを紹介します。 株式会社JTBベネフィット

デメリット

権限を与えられてもすべての従業員が対応できるわけではない

従業員には、それぞれ得意とすることや成長スピードに違いがあります。それを把握した上で権限委譲をおこなわないと、思ったような成果に結びつかないといったことにもなりかねません。やみくもな権限委譲は、逆に従業員の成長を止めてしまう場合もあります。


企業理念やゴールの共通認識がないと目指す方向がバラバラになってしまうこともある

エンパワーメントを成功させる重要なポイントとして、上司と部下で企業理念や与える仕事のゴールを共有することが挙げられます。仕事のやり方や進め方は個人の裁量に任せるとしても、ゴールをどこに設定するかは、事前にしっかりと設定しておく必要があります。互いが見るゴールが違うと、上司のまったく考えていない着地点を選択してしまい、大きな損失を生み出してしまう可能性が高まります。


あわせて読みたいおすすめの記事

  コーポレートアイデンティティ(CI)とは?企業のブランド戦略に欠かせない構成要素や事例とともに解説 企業のブランド戦略というと、ロゴやイメージカラーなど見える部分が重視されがちですが、もっと重要なことは目に見えない企業理念やビジョンで、これらはコーポレートアイデンティティ(CI)といわれています。今回は、コーポレートアイデンティティについて解説し、自社で最適な構築にあたり、他社の事例を紹介します。 株式会社JTBベネフィット


エンパワーメントの導入方法と成果を挙げるためのポイント

エンパワーメントを企業に導入することのメリットとデメリットを把握した上で、具体的にどういった方法で導入していけばよいのか、そして、成果を挙げるためにはどうすればよいのか、そのポイントについて説明します。

エンパワーメントの導入と流れ

エンパワーメントを導入する場合、まず、個人やチームでこれからおこなう仕事の目標やゴールを共有します。そして、全員の合意が取れたら、その仕事をおこなう上で必要な情報を公開し、権限委譲をおこないます。実際に仕事が始まったら、上司は支援やサポートはおこないますが、基本的にゴールへたどり着くための方法は相手に任せます。

しかし、仮に失敗したとしても、それが致命的にならないようなバックアップ体制をつくっておくことは忘れないようにしなくてはなりません。そうすることで、任された従業員は思い切ったチャレンジができるようになり、成長スピードも速まります。

エンパワーメントで成果をあげるための2つのポイント

1. 権限移譲する範囲を明確にする

仕事を任せる最初の段階で、どこまでを部下の自由裁量にするのかは明確にする必要があります。権限委譲の範囲が明確でないと、自分がどこまで判断してよいかわからなくなり、かえって業務スピードが落ちてしまうことになります。


2. 常にコミュニケーションは欠かさないようにする

逐一、進捗状況を報告させる必要はありませんが、まったく放任にしてしまうと、部下は自分に仕事を押しつけられているという感覚が芽生えてしまう可能性があります。そのため、注目していることを相手に伝えるためにも、常にコミュニケーションは欠かさないようにします。そのことにより、相手の性格や得意分野もより把握できるようになり、次に仕事を任せやすくなります。


この2つのポイントはエンパワーメントで成果を挙げるための最低限のポイントであり、これを押さえることができないと、エンパワーメントが失敗に終わってしまう可能性があります。

エンパワーメント成功の最大のポイントは結果を焦らないこと

エンパワーメントの本質は、部下に権限を委譲することで、自主性や創意工夫をする能力を育て、眠っている才能を開花させることにあります。そのため、結果ばかりを追い求めてしまうと、失敗に終わってしまう可能性が高くなります。

仕事である以上、時間的制約を設けることはもちろん必要です。しかし、仮にそれで結果が出なかったとしても、エンパワーメントを止めてしまっては意味がありません。長期的な視点でコミュニケーションを欠かさず継続していくことが、成果を挙げるための最も重要なポイントと言えます。


あわせて読みたいおすすめの記事

  従業員満足度が上がると業績も上がる!?いま取り組むべき現場改革 労働人口が減少しているなか、企業が成長するためには生産性の向上や優秀な従業員の確保・定着が必須です。こうした課題に対する具体策として、従業員満足度向上があります。具体的な効果や、企業や人事部がおこなえる施策について解説します。「すでにES調査を実施している」という担当者にとって必読の内容となっています。 株式会社JTBベネフィット


エンパワーメントを成功に近づけるためにはツールの活用がおすすめ

エンパワーメントの実践とは、上司が業務範囲を決めながらも権限委譲することで、部下の成長スピードを加速させることです。そして、実践中は常にコミュニケーションを欠かさずとり、適度に部下をフォローすることが必要です。しかし、上司が自分の業務を抱えながら、常に部下とのコミュニケーションをとることは容易ではありません。そこで、コミュニケーション機能があるツールを活用することがおすすめです。

JTBベネフィットの組織活性化サービス「サンクスコレクト」は、働く人のモチベーション研究を通じて開発したインセンティブポイントプログラムです。サンクスコレクトでは、企業のポイント管理担当者から個々の従業員に対してだけでなく、上司から部下など従業員同士でのポイント付与が可能です。エンパワーメントの成果や途中経過に対する見えない評価をポイントで贈ることにより、コミュニケーションを活性化させ、ポイントを受け取った部下も「上司が評価してくれている」と実感し、モチベーションが向上します。エンパワーメントを成功へ近づけるためにも、ぜひサンクスコレクトをご利用ください。


  サンクスコレクト "サンクスコレクトは目標達成に合わせ従業員にポイントを付与する新たな法人向け報奨(インセンティブ)サービスです。売上貢献にとどまらず、バックヤード社員含むプロセス評価の実現、採用強化、離職率抑制、 健康増進等といった企業課題を改善し全体のボトムアップ(生産性向上)を実現します。" 株式会社JTBベネフィット


あわせて読みたいおすすめの記事

  やる気をフルに発揮させるモチベーションマネジメントの理論と実践 モチベーションマネジメントとは、従業員がモチベーションを高く仕事に取り組む環境をつくりだす施策です。今回は、モチベーションマネジメントの概念や理論、企業の成功事例について紹介していきます。人材管理のひとつの手法として知識を得たい人事担当の方は、ぜひ参考にしてください。 株式会社JTBベネフィット


  「社内コミュニケーション」の重要性と活性化のための施策・ポイント ビジネスで成果を挙げるには、従業員同士のコミュニケーションが重要な要素のひとつです。そこで今回は社内コミュニケーションが重要である理由から、コミュニケーション不足が生まれる理由やその弊害、そしてコミュニケーションを活性化させるための取り組み方法について考察します。 株式会社JTBベネフィット


記事検索

記事アクセスランキング

アーカイブ

カテゴリー一覧

タグ一覧