「社内コミュニケーション」の重要性と活性化のための施策・ポイント
※この記事は2020年11月12日に更新しました。
ビジネスで成果を挙げるためには、従業員同士のコミュニケーションが円滑に進んでいることが重要な要素のひとつであるといわれています。しかし、なぜ円滑なコミュニケーションがビジネスに良い影響を与えるのでしょうか?今回は社内コミュニケーションが重要である理由、コミュニケーション不足が生まれる理由やその弊害、そしてコミュニケーションを活性化させるための取り組み方法について考察していきます。
目次[非表示]
- 1.企業における社内コミュニケーションの重要性
- 2.円滑な社内コミュニケーションが従業員に与えるメリット
- 3.多くの企業が抱える社内コミュニケーションの課題
- 4.社内コミュニケーション改善のポイント
- 4.1.伝える力を向上させる
- 4.2.受け取る力を向上させる
- 4.3.スピードを向上させる
- 5.社内コミュニケーション活性化の施策・取り組み
- 5.1.社内SNSの導入
- 5.2.ツールの活用
- 5.3.定期的な1対1のミーティング
- 5.4.社内旅行、合宿、イベントの開催
- 6.コミュニケーションの基本はまず相手を知ることから
企業における社内コミュニケーションの重要性
業務を遂行していく上で、社内コミュニケーションがうまく取れないと、互いの意思疎通が図れずストレスが生まれてしまう可能性が高まります。社内の人間関係でストレスが生じれば当然、スムーズな業務遂行も難しくなり、結果として業績が落ちてしまうことにもなりかねません。
実際、日本法規情報が2018年2月に発表した「職場でのストレスについての実態調査」によると、多くの従業員が職場でストレスを感じており、その理由として、従業員の57%が「人間関係」と回答しています。さらに「人間関係でストレスを感じるものはどのような事か」という問いに対しては、従業員の33%が「噂話・陰口」と回答し、次に「コミュニケーションのミスマッチ」の26%と続いています。
しかし、実は「噂話・陰口」も互いのコミュニケーション不足が原因であることは少なくありません。そうした意味では、円滑なコミュニケーションを取れないことは、社内の雰囲気を悪くし、それが業務の遂行にも悪い影響を与えているということがわかります。逆に言えば、それだけ社内コミュニケーションを円滑におこなうことが重要であるということになるのです。
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円滑な社内コミュニケーションが従業員に与えるメリット
円滑な社内コミュニケーションを取ることは、社内の雰囲気を良くし業務のスムーズな遂行を実現します。では円滑な社内コミュニケーションが具体的に従業員にどういったメリットをもたらし、業務のスムーズな遂行につながるのか紹介します。
業務の進め方について誤解が少なくなりミスが減る
会社での業務は基本的にチームでおこないます。そのため一つの業務をどうやって進めていくのかをチームのなかで話し合っておかないと、その都度誤解が生じることになり、ミスも起きやすくなります。社内コミュニケーションをしっかりとおこなっていれば、そうしたミスも軽減します。
ゴールへの意識を共有できるようになり、業務スピードが上がる
チームで仕事を進めていく際、業務の進め方だけでなくゴールへの意識も共有するようにします。そうすることで無駄な寄り道をすることがなくなり、業務スピードが上がります。
会話から新たなビジネスのアイデアが生まれやすくなる
悩み事があって業務が停滞している場合、周りの同僚や上司と会話をすることで新たな気付きが得られることもあります。また、自分の小さなアイデアを周りに話すことでそれが膨らんでいき、大きなアイデアになることも少なくありません。円滑なコミュニケーションはそうしたメリットも生み出します。
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多くの企業が抱える社内コミュニケーションの課題
円滑な社内コミュニケーションにはさまざまなメリットがあることはわかっていながらも、なかなか現状を変えることができないといったケースは少なくありません。その理由の多くは、コミュニケーションを取るための土台ができていないことであり、具体的には次のような問題があります。
チームや部署の垣根を超えたコミュニケーションが生まれない
普段、関わりのないチームや部署の人とも積極的にコミュニケーションを取ることで、新たなアイデアがひらめいたり、コラボレーションが生まれたりします。しかしそうした環境がなく、自分たちのチームや部署のなかだけで固まってしまうと、アイデアが行き詰まってしまった際の出口がなくなってしまいます。
企業理念やビジョンが明確でない
チームで企業理念やビジョンを共有することで、業務の進め方やゴールの設定がしやすくなります。逆にそうしたことが明確でないと、互いの意見に食い違いが出た際、着地点を見つけることができずに、コミュニケーションのミスマッチが起きやすくなります。
上司に対して部下から意見しづらい雰囲気になっている
社内コミュニケーションを活性化させるポイントのひとつにトップダウン形式からの脱却があります。意見が常に上から下へという流れができてしまっていると、部下から上司へ意見することができず、形だけのコミュニケーションになってしまうおそれがあります。
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社内コミュニケーション改善のポイント
伝える力を向上させる
コミュニケーションの語源はラテン語の「コミュニス」であり、この語には「共有」「共通」という意味が含まれています。社内コミュニケーションにおいても、一方的に情報を伝えるだけではなく、相手にどうしたら「伝わる」のかを考えるべきです。
企業は年齢や部署、業務内容、役職、場合によっては国籍すら異なるさまざまな人たちから構成されています。自分にとって当たり前のことでも、相手がその情報に精通しているとは限りません。そのことを念頭に置いて、どんな形のコミュニケーションであっても話の前提と目的を伝えるようにするなら、コミュニケーションのミスマッチが避けられます。
受け取る力を向上させる
どれだけ伝わるように努力しても限界がありますから、自分の発信に対する相手の反応を受け取る力が必要になります。対面か、テキストを問わず、相手が言いたいことは何か正確にくみ取るようにしましょう。
ただ、相手の発信を受動的に受け取るだけでなく、情報が足りない部分や、十分に理解できていないことは質問することも大切です。この際、重要なのは相手に気持ちよく答えてもらえるように質問する、ということです。相手の気持ちや立場に配慮し、「責められている」と感じないような配慮が必要です。コミュニケーションはチームとして同じゴールを目指すためのものであり、ライバルと論戦する場ではないのです。
スピードを向上させる
質の高いコミュニケーション、ビジネスにおいてはスピードも重要です。
コミュニケーションのスピードを向上させるためには、単に従業員の心がけだけでは不十分です。指揮命令系統や組織の形態がスピーディーなコミュニケーションを阻害している場合もあります。テレワークを実施している実施していないに関わらず、コミュニケーションツールやオンライン会議を積極的に導入することも検討しましょう。
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社内コミュニケーション活性化の施策・取り組み
社内コミュニケーションを円滑にするためには、コミュニケーションを取るための土台づくりが重要であることはご理解いただけたと思います。ここでは人事部ができるコミュニケーションを取るための土台づくりとして、おすすめの方法を紹介します。
社内SNSの導入
いきなり面と向かって話すことは難しくても、社内SNSであれば比較的コミュニケーションが取りやすいでしょう。SNSの場合、メーリングリストのように何か議題がなければ進まないということはなく、気楽に投稿のやり取りができます。社内SNSを活用すれば、チームや部署の垣根を超えたコミュニケーションも可能です。
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ツールの活用
社内SNS以外にも、社内コミュニケーションを取りやすくするツールは存在します。例えばプロジェクト管理ツールや人材マネジメントツール、ビジネスチャットツールなどです。特に人材マネジメントツールは、目標管理、営業販売管理といった数字や情報の管理だけではなく、従業員のモチベーション管理も可能なため、ツールを活用して部下をサポートしながらコミュニケーションを取ることができ、結果としてエンゲージメントを高めるといったことにもつながります。
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定期的な1対1のミーティング
コミュニケーションの活性化は一朝一夕では実現できません。まずは上司、部下の垣根を超えて互いに話しやすい雰囲気をつくることが重要です。そのためには、定期的に1対1でミーティングをおこなって互いをよく知ることが有効です。その際、業務の話だけではなく、雑談も含め、部下からでも意見を言いやすい環境をつくることがポイントです。
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社内旅行、合宿、イベントの開催
古くから使われている手法のひとつですが、コロナ禍の現在は実施が困難ですので今後の参考として紹介します。
これらは職場から離れた場所で普段は気付かない面を見ることで、コミュニケーションのきっかけをつくることができます。社内SNSやツールを活用してある程度の土台をつくり、その後にこうした直接的なコミュニケーションの場をつくることで互いの距離が縮まります。
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コミュニケーションの基本はまず相手を知ることから
一般的に相手のことをよく知らない状態で円滑なコミュニケーションを取ることは簡単ではありません。それはビジネスにおいても同様です。常に会社で顔を合わせている相手であっても表面的なことしか知らなければ、なかなか積極的にコミュニケーションを取っていこうとはならないでしょう。
そこで重要になっているのが、相手をよく知ろうとすることです。これはコミュニケーションの基本ですが、この部分を飛ばして形式的にコミュニケーション活性化を掲げているケースも少なくありません。まずは相手をよく知ること、その手段としてイベントの開催や合宿といった直接的なコミュニケーションを取れる機会をつくることはもちろん、ツールを使うことでコミュニケーションの取りやすい環境を構築することをお勧めします。
JTBベネフィットでは組織やチームの一体感や従業員同士のコミュニケーション活性化を支援するサービスを多数ご用意しています。一例になりますが、以下に内容を紹介します。
インセンティブポイントプログラムの「サンクスコレクト」では、個人やチームを成果や業績に応じてポイントを付与して表彰することで、従業員やチームのモチベーションを向上させることができます。
また、「リモートワークリアル宝探し」では、在宅勤務でコミュニケーションが希薄になったチーム内のメンバーが宝探しというゲームのなかで、同じゴールを目指すことで一体感が醸成できます。事業所が全国に点在している企業でも、オンライン上でのゲームを実施することで普段顔を合わさない従業員同士のコミュニケーションに効果があります。
そして、「脱3密運動会」は、コロナ禍で課題となっている「密閉」「密集」「密接」の3つの密を避けて実施する非接触イベントです。競技についてもリレーや玉入れなど運動会にあるような種目に感染症対策のアレンジを加えて実施し、チームワークを育み、コミュニケーションを活性化します。
従業員が共通して利用できるこれらのサービスをきっかけに、上司、部下の垣根を越えたコミュニケーションが生まれることも期待できますので、ぜひ導入をご検討ください。
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