選択制企業型確定拠出年金(選択制DC)とは?メリット・デメリット、注意点を紹介

	選択制企業型確定拠出年金(選択制DC)とは?メリット・デメリット、注意点を紹介

※この記事は2020年9月7日に更新しました。


一般的によく聞く「年金」は、大きく分けると以下のように分類できます。

・20歳以上の国民が加入する「国民年金」
・サラリーマンなどが加入する「厚生年金」
・自営業者が加入する「国民年金基金」
・企業が独自で運営する「企業年金制度」
・加入者(従業員)が自己責任で資産運用を行う「確定拠出年金」


日本の年金制度は年々複雑化してきているため、社内の福利厚生を充実させるためにも正しい知識と理解が欠かせません。
そこで今回は、「企業年金制度」に分類される「選択制企業型確定拠出年金(選択制DC)」について解説します。
選択制確定拠出年金の導入を検討中の経営者・社内担当者の方へ向けて、選択制企業型確定拠出年金の概要やメリット・デメリット、導入の際の注意点をわかりやすく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.選択制企業型確定拠出年金(選択制DC)とは
  2. 2.選択制確定拠出年金のメリット
    1. 2.1.【選択制企業型確定拠出年金】会社側のメリット
    2. 2.2.【選択制企業型確定拠出年金】社員側のメリット
  3. 3.選択制確定拠出年金のデメリット
    1. 3.1.【選択制企業型確定拠出年金】会社側のデメリット
    2. 3.2.【選択制企業型確定拠出年金】社員側のデメリット
  4. 4.選択制確定拠出年金と退職金の違い
  5. 5.選択制企業型確定拠出年金の注意点
    1. 5.1.原則、60歳まで引き出しが不可
    2. 5.2.社会保険料の軽減により、各種給付金が減る
    3. 5.3.給与明細上の変更項目
  6. 6.まとめ

選択制企業型確定拠出年金(選択制DC)とは

確定拠出年金には、「個人型(※1)」「企業型(※2)」と呼ばれる2種類の異なる年金がありますが、選択制企業型確定拠出年金とは、個人で拠出(加入)を選択できる確定拠出年金の一種です。




<確定拠出年金>

<個人型>
名称:個人型確定拠出年金
通称:iDeCo
<企業型①>
名称:企業型確定拠出年金
通称:企業型DC

<企業型②>
名称:選択制企業型確定拠出年金
通称:選択制DC

※1:個人で掛金を決め拠出する「個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)」
※2:企業が規定する掛金を企業側が拠出する「企業型確定拠出年金(企業型DC)」


企業型確定拠出年金では通常、全社員に拠出を義務付け、企業側が掛金を負担します。一方、選択制企業型確定拠出年金では社員が拠出を選択でき、拠出する場合は社員が掛金を負担することが特徴です。
拠出する場合の掛金は企業型確定拠出年金と同様に扱い、拠出しない場合は給料として支払うため、社員としては以下のような選択肢が生まれます。

・選択制確定拠出年金を拠出して、60歳以降に受け取る年金(もしくは一時金)を企業で管理してもらう
・選択制確定拠出年金を拠出しないで、給料を毎月全額受け取る


選択制確定拠出年金は企業・社員に多くのメリットがある年金制度のため、導入しない手はありません。しかし、社員にとってはいくつかのデメリットも存在するため、導入の際は社内担当者の正しい理解と慎重な準備が必要です。


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選択制確定拠出年金のメリット

選択制確定拠出年金のメリットを会社側・社員側に分けて解説します。

【選択制企業型確定拠出年金】会社側のメリット

費用負担なく年金制度を導入できる
会社側が掛金を拠出する企業型確定拠出年金と異なり、選択制確定拠出年金は社員の給与の一部を掛金として拠出するため、会社に掛金の拠出で負担が出ることはありません。「社員の将来をサポートするために、企業独自の年金制度を導入したい」という場合は、選択制企業型確定拠出年金を導入することで年金制度にまつわる悩みを解消できるでしょう。


社会保険の削減による、福利厚生の充実
選択制確定拠出年金を導入すると加入者の課税所得が減り社会保険料が軽減されることも多く、企業が納めるべき法定福利費も軽減させることができます。節税により浮いた費用は福利厚生を手厚くすることでより優秀な人材を確保したり、社員の離職率を下げたりすることが可能です。以下は、従業員から人気のある福利厚生の一例です。

<従業員満足度が高い福利厚生(例)>
・住宅手当や家賃補助
・食堂や昼食補助
・法定外ヘルスケアサービス(人間ドックなど)の提供
・法定外休暇(育児休業やリフレッシュ休暇など)の付与
・資格取得手当
・提携施設やサービスの割引制度


社員の自助努力をサポートできる
選択制企業型確定拠出年金を導入すると、社員が将来の資金計画を練るきっかけとなります。加入者が選択制企業型確定拠出年金を拠出する場合は、無理のない範囲で加入者自身が掛金を設定し、収支のバランスを保つ必要があります。社員が自発的に老後設計や資金計画を練ることができるため、企業は制度を通じて社員の自立を促すことができるでしょう。


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【選択制企業型確定拠出年金】社員側のメリット

選択制確定拠出年金のデメリットを会社側・社員側に分けて解説します。

ライフプランに合わせた選択ができる
選択制企業型確定拠出年金は社員自身が拠出を選択できるため、具体的な計画があれば無理に拠出する必要はありません。拠出しない場合は本来の給料が全額支給されることとなるため、選択しない場合でも後ろめたさやマイナスイメージを抱える心配がありません。


税制優遇を受けられる
選択制企業型確定拠出年金で拠出する場合、3つの税金が非課税となる税制優遇措置が適用されます。これらは節税対策に効果を発揮します。

<選択制企業型確定拠出年金で受けられる税制優遇>
・拠出する掛金にかかる税金(所得税・住民税)
・資産運用で得た利益にかかる税金
・将来、年金もしくは一時金として受け取る確定拠出年金に対する税金


社会保険料が軽減される
選択制企業型確定拠出年金に拠出した給与の一部は、社会保険料を算出する際の報酬額から除外されます。そのため、毎月差し引きされる社会保険料(自己負担分)を軽減効果も期待できます。


積み立てた年金は転職や退職時も引き継げる
選択制企業型確定拠出年金により積み立てた給与の一部は個人の資産となるため、転職や退職の際も引き継ぐことが可能です。また、企業型確定拠出年金といっても運用自体は社員が選択できるため、資産額をWebなどから確認できるのも選択制確定拠出年金のメリットといえます。


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選択制確定拠出年金のデメリット

【選択制企業型確定拠出年金】会社側のデメリット

念入りな準備や説明が必要
選択制企業型確定拠出年金を導入するうえで回避したいのが、社員の混乱を招くことです。後述するように、社員にとってはメリットだけでなくデメリットも考えられることから、社内担当者はわかりやすく社員へ説明することが大切です。マイナスイメージを与えないためにも、制度そのものの仕組みを図解したり、拠出シミュレーションをサポートしたりして正しく伝えられるよう導入準備を整えましょう。

【選択制企業型確定拠出年金】社員側のデメリット

社会保険料の軽減により将来受給する年金額や各種手当が減る
社会保険のなかでも厚生年金額を重視する社員は多いでしょう。選択制確定拠出年金の拠出により社会保険料が軽減されることはメリットのひとつですが、将来受給できる年金額が減ることはデメリットともいえます。
また、社会保険料の等級ダウンは遺族年金や障害年金、失業保険や傷病手当金などの減額にもつながるため、選択制確定拠出年金を拠出するにあたり、緻密な計画を練る必要があります。


個人で運用するリスクがある
給与に応じて社会保険料が確定する厚生年金とは異なり、選択制企業型確定拠出年金では掛金や、それによる税額の変動を社員自らシミュレーションしなければなりません。社員が手間や労力を懸念して選択制企業型確定拠出年金制度の利用を避けている場合、メリットが正しく伝わっていない可能性もあるため、社内担当者はこうした事態を想定した対策を練っておくことが重要です。


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選択制確定拠出年金と退職金の違い

選択制確定拠出年金は退職金制度の1つに含まれますが、退職金制度との違いはどこにあるのでしょうか。
一番大きな違いは運用方法です。選択制確定拠出年金は個人が主体となって運用しますが、退職金制度は企業が主体となって運用します。

また、選択制確定拠出年金は掛金(原資)を企業と個人で用意し、受給できる金額はこれまで拠出した額と商品を運用した実績の元利合計で変動します。もし、企業が倒産した場合であっても、社外へ積み立てをおこなっていますので、倒産が原因で受け取り金額が減額されることはありませんし、前項のメリットで述べたとおり、税制上の優遇措置も受けられます。

一方で退職金制度は掛金(原資)を企業が用意し、受給できる金額は社内規定であらかじめとり決められていますので、企業が倒産した場合、社外へ積み立てしていなければ受け取り金額の減額は免れず、最悪の場合、受け取りそのものができなくなる場合があります。


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選択制企業型確定拠出年金の注意点

選択制企業型確定拠出年金を導入する際、次のような注意点が挙げられます。

原則、60歳まで引き出しが不可

確定拠出年金は、原則として社員が満60歳を迎えるまで引き出しができません。ただし、社員の希望により掛金額を0円に設定したり、自由に変更したりすることが可能です(変更は原則年1回まで)。

社会保険料の軽減により、各種給付金が減る

【選択制企業型確定拠出年金】社員側のデメリットにあるように、社員が受け取れる年金や各種給付金は選択制企業型確定拠出年金の拠出により軽減します。導入の際はこれらをいかにネガティブなイメージを与えないよう説明するかがポイントとなります。実際、選択制企業型確定拠出年金を効果的に運用できると、継続して税負担を軽減しながら将来のための貯蓄ができるため、社員にとって大きなメリットがあります。減ってしまう年金や給付金以上にメリットがあることを伝え、正しい理解のもと選択してもらえるよう工夫しましょう。

給与明細上の変更項目

確定拠出年金を導入した企業は、掛金を拠出した対象者だけでなく、全員の給与明細の変更をおこなう必要があります。

まず、給与を減額し「生涯設計手当」や「ライフプラン手当」などの項目を新設します。この手当の限度額は企業年金制度がない場合、最大55,000円までとなりますが、企業年金制度がある場合の限度額は半額の27,500円となります。給与を減額するというと従業員が損をするような誤解を与えてしまいますが、減額した給与を手当として支給しますので、総支給額に変更はないことを従業員に理解してもらいましょう。なお、掛金は社会保険料のように「控除」ではなく掛金をマイナスすることで「支給」として表示します。


まとめ

選択制確定拠出年金は、社員が自由な選択権を持つ新しい年金制度です。企業の費用負担がなく社員の税負担を軽減できるなど会社側・社員側双方にメリットがあるため、企業の税対策や年金制度の見直しではおすすめの年金制度です。
選択制確定拠出年金を導入する際は今回ご紹介したデメリットや注意点に目を向け、社員の混乱を招かないよう留意することが大切です。
選択制確定拠出年金のスムーズな導入を目指すなら、企業型確定拠出年金導入支援サービスをご検討ください。


  企業型確定拠出年金導入支援サービス 選択制確定拠出年金は、社員自身の判断で拠出することを決定できます。 会社は、労使合意に基づいて、現行の給与の一定額を社員が確定拠出年金に拠出することが可能な給与体系へ変更をします。(ここでは、選択金と仮称します) なお、選択金は、原則として確定拠出年金法で定められている月の拠出限度額となるため、現在は、55,000円になります。 株式会社JTBベネフィット


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