やる気をフルに発揮させるモチベーションマネジメントの理論と実践

対面で打ち合わせをする従業員

モチベーションマネジメントは、従業員のモチベーションを引き出せるだけでなく、会社の成果や労働の生産性向上が期待できるため、取り組まない理由はないといっても過言ではありません。

今回は、モチベーションマネジメントの概念や理論、企業の成功事例について解説していきます。従業員の「やる気」をマネジメントする方法を知りたい人事担当の方は、ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.モチベーションマネジメントとは
    1. 1.1.そもそもモチベーションとは?
    2. 1.2.モチベーションマネジメントとは何か
    3. 1.3.モチベーションマネジメントの資格
  2. 2.モチベーションマネジメントの理論と実践
    1. 2.1.モチベーション理論とは
    2. 2.2.モチベーションマネジメントの実践
  3. 3.モチベーションマネジメントの成功事例
    1. 3.1.各部署の情報を共有するツールを導入することで従業員同士の距離感を縮めてモチベーションアップを図った事例
    2. 3.2.ピアボーナス制度を導入し、表面化しにくい業務でもモチベーションを維持することに成功した事例
    3. 3.3.部署異動を社員自ら希望してもらうことでモチベーションの維持を成功した事例
  4. 4.従業員を正確に把握してモチベーションマネジメントを施行

モチベーションマネジメントとは

モチベーションやマネジメントという言葉はよく聞きますが、何を指すものなのでしょうか?具体的に紹介していきます。

そもそもモチベーションとは?

そもそもモチベーションとは、英語の「motivation」、つまり「人の行動につながる動機や意欲」を意味する言葉です。モチベーションは、大きく2つにわけることができます。


1.内発的動機付け
内部的動機付けとは、自分自身の内側にある要因によって感じるモチベーションです。例えば、興味関心や達成感、やりがいなどがあげられます。外的要因によって強制されたものではなく、自己実現によりもたらされるモチベーションであるため、高い状態を長期間持続しやすい特徴があります。


2.外発的動機付け
外発的動機付けとは、内発的動機付けとは反対に、人事評価や昇給、昇格など外部の事実によりもたらされるモチベーションです。外発的動機付けは、目的意識によって生じるため、個人の感情に左右されることは少なくなりますが、他者の評価ありきとなるため内発的動機付けに比べて持続性はなくなります。


企業においては、従業員が自主性をもって仕事に取り組むモチベーション作りが重要な課題といえます。そのため、会社は従業員の内発的動機付け、外発的動機付けとなりうる要素をバランス良く提供し、自発性を高めていく必要性があります。

モチベーションマネジメントとは何か

モチベーションマネジメントとは、従業員が高いモチベーションを保ち仕事に取り組める状況をつくりだすための施策です。会社が成長、拡大していくためには、モチベーションマネジメントにより従業員のモチベーションを高めなければなりません。

従業員の精神的な豊かさを考慮すると、内発的動機付けの要素が重要ではありますが、内発的動機付けは他人から強制されて生まれるものではなく、だからといって自分自身で思い込んで保てるものでもありません。そのため、会社が従業員にできることは、内発的動機付けを生み出すきっかけともなりうる外発的動機付けを提供することです。

モチベーションマネジメントの資格

モチベーションマネジメントの取り組みの指標として、下記のような資格を取得するのも効果的です。


公認モチベーション・マネジャー資格
自分と他者がより働きがいを感じイキイキと働ける状況を目指す資格


管理職(上司)が学ぶモチベーション・マネジメント研修
部下のモチベーションを高め、チーム全体の生産性向上を図る資格


公認モチベーション・マネジャー
自分と他者に対するモチベーションマネジメント力を、論理と実践から測定、認定する資格


モチベーションマネジメントの実態を理解し身につけることは、自分や他者を理解することにも通じ、仕事はもちろん、直接的に関連がないと思われるプライベートや家族間においても好影響がもたらされます。このような資格の取得を奨励すると、モチベーションマネジメントの浸透がスムーズになるでしょう。


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モチベーションマネジメントの理論と実践

同行営業をする上司と同行営業してもらう部下のイメージ

次に、モチベーションマネジメントが施行される仕組みを、理論面から解説していきます。

モチベーション理論とは

モチベーション理論とは、人の行動を動機付ける要因について研究した理論です。なかでも有名なマズローの欲求段階説は、モチベーション理論が広がりはじめた初期から知られており、現代に展開されているモチベーション理論の基盤になっています。

モチベーション理論が展開されはじめた初期は「人の行動は何によって動機付けられるのか」という動機付けの内容に着目しているのに対し、現代のモチベーション理論は「人の行動はどうやって動機付けられるのか」という動機付けの過程に着目しています。代表的なモチベーション理論は以下のとおりです。


マズローの欲求5段階説
人の欲求は低次から高次まで、生理的、安全、社会的、承認、自己実現の5段階に分類されるという理論で、低次の欲求が満たされることにより、高次の欲求が生まれるといわれている


マクレランドの欲求理論
人間が持つ動機や欲求は、達成、権力、親和、回避の4種類であるという理論


アンダーマイニング効果
内発的動機付けによってうながされた行為に対して、外発的動機付けをおこなうことで、モチベーションが低下する現象


企業は、これらのようなモチベーション理論を踏まえ、従業員の目に見えない内に秘めた思いを理解し汲み取り、従業員満足度の向上を目指すことが大切です。

フレデリック・ハーズバーグが1959年に発表した二要因理論では、仕事の満足度(動機付け要因)と不満足度(衛生要因)に関わる要因は、それぞれ別のものであると考えられています。


動機付け要因の一例
承認されること、達成すること、責任、昇進、仕事そのもの


衛生要因の一例
給与、報酬、作業条件、対人関係、監督、会社の政策と管理方式


このように、動機付け要因、衛生要因はそれぞれ異なったものであり、衛生要因を排除しても満足度は向上しないという考えが二要因理論です。そのため、従業員満足度を向上させるためには、動機付け要因にダイレクトにアプローチするほかありません。従業員の承認欲求を満たし、達成感を与えることが有効であると考えられます。

モチベーションマネジメントの実践

モチベーションマネジメントを実践するにあたっては、モチベーション理論に基づき、はじめにモチベーションの低下を招く原因を洗いださなければなりません。そして、洗いだした原因はなるべく早く解消する必要があります。モチベーションの低下には次のような要因が考えられます。


目標が見えていない
従業員自身が目標を描けている状態ではない場合、モチベーションの向かう先がありません。だからといって目標設定を強要しても、本人が心から達成したい目標設定をおこなうことは難しいでしょう。また、目標設定はあるものの、具体性に欠けているために今やるべきタスクが見えず、モチベーションを下げている可能性もあります。目標設定は、具体的な数字や期限を設けることで、モチベーションや達成の確立を向上させます。


目標設定が適切ではない(高すぎるまたは低すぎる)
本人の能力に対して高すぎたり低すぎたりする目標は、本人の現在地とのギャップからモチベーションを下げる要因となります。目標が高すぎる場合は、達成できる自分のイメージが持てません。そのため、小さな目標を設け達成していき、成功体験を積み重ねることが有効です。

反対に低すぎる場合は、達成までのプロセスが単純となり、やりがいや達成感を味わえません。自分の能力を過小評価しないよう、今までの成果を具体的に認め、次のステップにうながすなどのフォローが必要です。


上記を踏まえ、モチベーションマネジメントを実践していくためにできることをみていきます。


企業としてできること
企業として従業員にできることは、昇給や昇進などの動機付け要因や、給与やプロジェクトなどの衛生要因が考えられます。ただし、すべての従業員に同じ条件がフィットするとは限らないため、モチベーション理論を踏まえ、中長期視点での実践が求められます。


管理監督者としてできること
一人ひとりの従業員に近い位置にいる管理監督者としてできることは、以下のようなものが考えられます。


動機付け要因
承認する、達成させる、責任を与える

衛生要因
対人関係の管理、作業条件


従業員に近い立場だからこそ、一人ひとりの状態を見ながら細やかなケアをし、意識付けをおこなっていく必要があります。


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モチベーションマネジメントの成功事例

オフィス内での対話イメージ

モチベーションマネジメントの成果は、一見したら他人の目から見えにくいため、施策が曖昧にとらえられる可能性があります。ここでは、モチベーションマネジメントを実際に取り入れて成果をあげた企業の事例を紹介します。

各部署の情報を共有するツールを導入することで従業員同士の距離感を縮めてモチベーションアップを図った事例

ある企業では、組織の拡大により、同じ部署のメンバーに関する情報しか共有されず、他部署の動きが見えづらいという問題を抱えていました。そこで、社内全員に対して情報共有がおこなえて、コミュニケーション機能を活用し質問や相談ができるツールを導入したところ、コミュニケーションが活性化され、従業員同士の距離感が縮まったといいます。社内の一体感が増し、愛社精神や帰属意識が芽生えたことで、モチベーションの向上にもつながったとのことです。

ピアボーナス制度を導入し、表面化しにくい業務でもモチベーションを維持することに成功した事例

ピアボーナス制度とは、人の目にわかりにくく評価されにくい仕事に対して、従業員同士で成果給を贈り合えるものです。ピアボーナス制度により、今まで気付かなかったメンバーの良いところを知りコミュニケーションが生まれるきっかけとなり、モチベーション向上に効果を発揮しているとのことです。

部署異動を社員自ら希望してもらうことでモチベーションの維持を成功した事例

この企業では、社員の興味関心、やりがいを尊重し、欠員や増員が発生した場合は社内向けにも募集をおこなっているそうです。従来では人事部主導でおこなわれていた部署異動を、社員の意志で実現できるチャンスが与えられたことで、社員のモチベーションにつながり、会社全体が活気付いたといいます。


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従業員を正確に把握してモチベーションマネジメントを施行

従業員のモチベーションマネジメントは、従業員の個性を正確に理解することからはじまります。今日明日で即効性がある施策ではありませんが、企業、従業員双方の成長のためにも、モチベーションマネジメントへの積極的な取り組みをおこなっていきましょう。

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