残業削減はどう実現する?成果の上がるユニークなアイデアについて

残業時間が長時間労働を助長しているイメージ

近年、企業にとって大きな問題となっているのが従業員の残業です。
残業をするのが当たり前だった時代もありましたが、サービス残業などのブラックな働き方を経て、企業は残業を減らそうという意識に変わってきています。

働き方改革によって残業の削減が求められるようになりましたが、削減をしようと思っても、すぐに実現できるわけではありません。安直な残業削減では企業が立ちいかなくなってしまうため、実際にはハードルが高いといえるでしょう。
そこでこの記事では、適切な残業削減の方法について、実例を交えながら解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.なぜいま残業削減なのか?
    1. 1.1.働き方改革による時間外労働の上限規制導入
    2. 1.2.労働条件への厳しい視線
    3. 1.3.残業に起因する日本企業の低い生産性
  2. 2.残業削減がもたらすメリット
    1. 2.1.残業代を削減できる
    2. 2.2.労働生産性の向上
    3. 2.3.人材流出の予防
    4. 2.4.企業の評価を高める
  3. 3.残業削減が失敗する原因とケーススタディ
    1. 3.1.退社だけを強制している
    2. 3.2.運用上の支援がない
    3. 3.3.オンとオフの区別がない
  4. 4.残業削減をどう実現すべきか
    1. 4.1.残業を削減できた従業員に対してインセンティブを付与する
    2. 4.2.不必要な業務もなくしていく
    3. 4.3.生産性を向上させるツールを導入
    4. 4.4.仕事の流れを適正化する
    5. 4.5.仕事量そのものも見直す
  5. 5.残業削減を実現した企業のユニークなアイデア例
    1. 5.1.社内で意識的に取り組んだ事例
    2. 5.2.ツールやアウトソーシングを利用した事例
  6. 6.適切な残業削減は、企業と従業員双方の負担を軽減します

なぜいま残業削減なのか?

残業削減がなぜ求められるようになったのか、その背景について見てみましょう。

働き方改革による時間外労働の上限規制導入

働き方改革によって時間外労働、つまり残業時間の上限規制が導入されました。
大企業では2019年4月から、中小企業は2020年4月から規制が始まりました。これまで残業時間は行政指導のみでしたが、法律によって明確に規制されるようになったのです。

日本政府が主導する働き方改革では、多様な働き方の選択や生産性の向上を目指し、長時間労働の改善施策として残業時間の削減など様々な取り組みがおこなわれています。


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労働条件への厳しい視線

現在、残業が多い企業では人材確保が難しくなっています。「残業があっても短時間か」「残業代をきちんと支払ってくれる会社なのか」など、求職者からは残業に対する厳しい視線が向けられています。
このように、残業のあり方は企業の採用活動に大きな影響を与えているのです。


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残業に起因する日本企業の低い生産性

残業を原因とする生産性の低さは、日本企業の大きな課題です。誰かが残業をしていると周囲の人が帰りにくくなることや、自分の仕事を効率良く終わらせても誰かの仕事が新たに割り振られてしまうことなど、生産性の低下を招く問題は山積みとなっています。


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残業削減がもたらすメリット

残業代を削減する経営陣

残業削減をおこなうことは、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

残業代を削減できる

残業削減によって、企業にとって非常に大きなメリットとなるのが、残業代の削減です。無理に残業を減らしてコストを削減するのではなく、業務効率化などによって生産性を下げることなく、適切に残業削減をおこなうのがポイントとなります。
これによって得た余剰資金を、新たな人材を確保したり既存の人材の待遇を手厚くする資金に充てられます。

また、テレワークでの残業申請は可能ですが、残業を原則として禁止している企業も多いようでそれが残業削減につながっています。ただし、会社から見えない環境だからといってサービス残業状態にならないような仕組み作りが必要です。

労働生産性の向上

残業削減によって、抱える業務を定時には終わらせるよう、従業員が努めるようになります。
これが従業員それぞれの作業効率向上につながり、結果として企業全体の労働生産性もアップします。仕事にメリハリが生まれることで、職場の士気も上がるでしょう。

人材流出の予防

残業削減は従業員の負担を直接的に減らすことにつながるため、離職や休職を未然に防ぐことができます。労働時間の長さが勤務を続ける上でのネックになっていることが多いため、従業員にとっては大きなメリットといえるでしょう。

企業の評価を高める

残業をしない方針が社内外に広まって実際に残業が減れば、人材流出を防げるだけでなく、新たな人材確保につながる可能性もあります。長時間の残業を強いるブラック企業が取りざたされる中、残業削減によってホワイト企業と認められれば、評価と注目度が上がって採用活動を有利に進められるでしょう。


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残業削減が失敗する原因とケーススタディ

業務量過多で長時間労働に追い込まれる従業員

ここからは、残業削減が失敗に終わったケースを見ていきましょう。
従業員にとって大きなメリットであり、企業にも恩恵がある残業削減ですが、適切に進めていかなければ様々な問題が生じますのでしっかりと対策しましょう。

退社だけを強制している

残業をしないことに固執し、従業員を定時で帰宅させたとしても、自宅で仕事をさせていては意味がありません。残業時間を少なくするためには、そもそもの仕事量を減らし、従業員が自宅に仕事を持ち帰ることがないよう徹底が必要となります。

運用上の支援がない

「残業を減らす」「残業をしない」と声をかけるだけで、実際にどのように削減するかという具体例やサポートがないと、残業削減は浸透しません。
経営陣が実際に行動に起こさなければ、従業員からはただ残業を削減するポーズをとっているだけだと思われてしまうでしょう。

オンとオフの区別がない

残業削減によって、帰宅後や休日などのプライベートな時間まで、メールやチャットの対応を求められることがあります。これでは従業員が業務に縛られることになり、残業削減をおこなった意味がなくなってしまいます。


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残業削減をどう実現すべきか

失敗例を見てきましたが、それでは残業削減はどのような流れでおこなうべきなのでしょうか。ただ声高に「残業を減らせ」といっても、残業時間は減るものではありません。
従業員にとって大きなメリットになり、かつ企業が無理なく実行できるような具体的なアイデアを確認してみましょう。

残業を削減できた従業員に対してインセンティブを付与する

残業を削減できた従業員に対し、インセンティブを与えるという方法があります。
例えば、JTBベネフィットで業績アップを支援するアウトソーシングサービスとして提供している、「サンクスコレクト」というポイントサービスです。

こういったポイント制度を導入し、例えば、前月より残業を10%削減した場合は、サンクスコレクト内で貯められる5,000ポイントを付与、20%削減すれば10,000ポイントを付与して従業員に還元する、といった活用ができます。ポイントは残業を削減するほど付与され、従業員は貯まったポイントで好きな賞品と交換できるという仕組みです。
このように、目に見えるインセンティブがあれば、より残業削減に取り組みやすくなるでしょう。


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不必要な業務もなくしていく

自宅に仕事を持ち帰ることがないよう、不必要な業務を削減しましょう。惰性で続いているような業務は取りやめるなど、無駄な業務がないか洗い出しをおこなう必要があります。


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生産性を向上させるツールを導入

業務をスムーズにおこなうために、自動化できる部分は積極的にツールの導入・運用を検討しましょう。生産性の向上は、残業の削減に役立ちます。


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仕事の流れを適正化する

タイトな納期やスケジュールが設定されている場合も、業務の見直しが必要です。
常に納期に追われている状態は、従業員にとっても大きなストレスになり、生産性やモチベーションの低下につながりかねません。こうした状況ではどうしてもミスが起きやすくなり、その結果、残業をしないと納期に間にあわなくなるという悪循環に陥ってしまいます。


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仕事量そのものも見直す

残業時間を減らすことだけにフォーカスするのではなく、仕事量そのものを見直しましょう。仕事量に無理がないか、各従業員への割り振りは適切かなどを再考することが重要です。


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残業削減を実現した企業のユニークなアイデア例

ここからは、残業削減に取り組む企業が実際におこなった施策をご紹介します。

社内で意識的に取り組んだ事例

社内全員で取り組んだ事例として最初に紹介するのは、業務カレンダーを用いることで残業削減ができた成功事例です。

これは、社員の名前と今後の業務予定を書き出したカードを掲示し、各社員の仕事量を可視化するという施策です。今週はどのような業務があるのか、今日おこなう予定の業務は何なのか、自分だけでなく他の社員のタスクも把握できます。それによって業務量に偏りがある場合は、余裕のある社員に仕事を割り振ることもでき、結果的に社員全体の残業削減につながります。

また、全員が同じ時間に退社することを目標に掲げて、残業削減に努めた事例もあります。この事例では、全員が同じ時間に退社できるよう時間内で効率良く業務をおこなう、朝礼時に退社時間を宣言して残業をしないようにするといった取り組みがおこなわれました。

他にも、社内のインテリアをあえて落ち着かないものにして退社を促すという、ユニークな取り組みがおこなわれている企業もあります。


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ツールやアウトソーシングを利用した事例

自動化できる作業については、ツールやシステムを積極的に導入するほか、アウトソーシングを利用して自社業務の幅を狭め、負担を少なくするという方法を採っている企業もあります。安価で高品質な作業を委託できるクラウドソーシングサービスを利用している企業も多く、社員のモチベーションやパフォーマンスの向上にもつながります。

実際に、企業が残業削減のために取り組んでいることは様々で、社風によっても大きく異なるようです。いきなり残業を禁止とするような極端な始め方ではなく、従業員が無理なく対応できるように、段階的な残業削減を心がけましょう。


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適切な残業削減は、企業と従業員双方の負担を軽減します

残業削減は、多くの従業員にとってメリットがありますが、生活のために残業代や諸手当を必要としている従業員がいることも事実です。ですから、仕事量や残業時間の見直しをおこなうとともに、従業員が残業削減に取り組むメリットを示す必要があります。

そのために利用したいのが、残業削減の取り組みをインセンティブ化できる、「サンクスコレクト」です。特定の条件を満たした従業員にポイントを付与し、貯まったポイントは好きな賞品と交換ができます。企業が残業削減のために大規模な取り組みをおこなわずとも、サンクスコレクトの導入によってスムーズな残業削減ができるので、ぜひご検討ください。


  サンクスコレクト | JTBベネフィット "サンクスコレクトは目標達成に合わせ従業員にポイントを付与する新たな法人向け報奨(インセンティブ)サービスです。売上貢献にとどまらず、バックヤード社員含むプロセス評価の実現、採用強化、離職率抑制、 健康増進等といった企業課題を改善し全体のボトムアップ(生産性向上)を実現します。" 株式会社JTBベネフィット


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