コーポレートアイデンティティ(CI)とは?企業のブランド戦略に欠かせない構成要素や事例とともに解説

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大企業でも中小企業であっても、事業場規模にかかわらず業績を着実に伸ばしている会社には一つの共通点があります。それは企業のブランディングに成功しているということです。今回は、ブランディングに欠かせないコーポレートアイデンティティについて解説します。本記事において重要なことは、知識の蓄積だけで終わらせるのではなく、得た知識を活用して自社のアイデンティティを開発して作り上げ、一つの文化にまで押し上げることですので、企業の価値向上のためにも、内容をよく理解して正しいコーポレートアイデンティティを構築してみましょう。

目次[非表示]

  1. 1.コーポレートアイデンティティとは何か?
    1. 1.1.コーポレートアイデンティティ(CI)の定義
    2. 1.2.コーポレートアイデンティティ(CI)の役割
  2. 2.コーポレートアイデンティティ(CI)の構成要素
    1. 2.1.マインド・アイデンティティ(MI)
    2. 2.2.ビヘイビア・アイデンティティ(BI)
    3. 2.3.ビジュアル・アイデンティティ(VI)
  3. 3.コーポレートアイデンティティ(CI)の作り方
    1. 3.1.基盤づくりはMIから
    2. 3.2.BIを作成する際にはMIを意識する
    3. 3.3.VIはデザイナー任せにしない
  4. 4.コーポレートアイデンティティ(CI)構築の事例
    1. 4.1.大手農作業機械メーカーの事例
    2. 4.2.大手総合商社の事例
  5. 5.まとめ

コーポレートアイデンティティとは何か?

コーポレートアイデンティティ(Corporate Identity)の画像

コーポレートアイデンティティ(CI)の定義

「アイデンティティ」とは、そもそもある存在の価値を唯一無二にしている特性や行動様式のことを指します。すなわち、コーポレートアイデンティティ(Corporate Identity)とは、自社が他の企業と異なるオリジナリティをいかに持っているのか追求することを意味します。具体的に言うならば、企業の特性や理念をビジュアルやメッセージの形で社内外に発信して共有することにより、企業価値を高めていくことと定義づけられます。

CIに似た概念として「ブランディング」という言葉もあります。「戦略的ブランド・マネジメント」の著者である経済学者のケビン・レーン・ケラーによると、「ブランディングは精神的な構造を作り出すこと、消費者が意思決定を単純化できるように、製品・サービスについての知識を整理すること」と定義づけることができます。

このことから、CIは自社に属する従業員や社員といった内部の構成員が自社に持っている視点に基づいていますが、ブランディングは自社に対する顧客や消費者のような外部の視点をより重視することがわかります。
ただ、CIは決して内部だけで完結することが目的ではなく、その企業が何たるかは社会や消費者に向けて発信され、認知されていくことになり、最終的には市場優位性を獲得しようとしますから、ブランディングとベクトルが別の方向に向いているわけではありません。


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コーポレートアイデンティティ(CI)の役割

CIは会社や社員にどのような効果をもたらすことができるのでしょうか。
まず、CIにより、社内において経営理念を共有することができます。社員一人ひとりが「自分がどこに所属していて何者であるのか」を認識していれば、モチベーションや幸福感にも繋がり、相互のコミュニケーションも活発化します。
また、社員全員がCIによって明確な方向性を共通認識として把握していれば、企業全体としても業務効率を向上させることができます。長期的に見れば、無駄を省き、時間的・金銭的コストを削減することになるでしょう。

対外的には、CIの明確化は自社を他社と差別化することになります。戦略的に展開すれば、顧客やステークホルダーにも自社がどんな企業かを認識してもらえるというメリットがありますので、企業価値や市場優位性を高めることに繋がります。そういう意味では、CIはブランディングともかなり重なるといえます。


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コーポレートアイデンティティ(CI)の構成要素

CI,MI,BI,MIの構成イメージ

CIを構成しているのは、以下3つのアイデンティティがあります。

1. MI(マインド・アイデンティティ)
2. BI(ビヘイビア・アイデンティティ)
3. VI(ビジュアル・アイデンティティ)

マインド・アイデンティティ(MI)

マインド・アイデンティティ(Mind Identity)は3つのアイデンティティの中で最も重要度が高く、他の2つのアイデンティティを既定するものといってよいでしょう。他の言葉で言い換えるとしたら「企業理念」に相当します。

個人のアイデンティティを支えているものは、その人の信念や価値観、信仰といった精神的なもので、企業にとってのMIも「自社が他社と異ならせている根本的な哲学」、「社会における存在理由」といえます。具体的には会社のスローガンやクレド(行動規範)、社是などにも反映されています。


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ビヘイビア・アイデンティティ(BI)

ビヘイビア・アイデンティティ(Behavior Identity)とは、MIを達成するための企業の行動様式のことです。この行動様式には、組織体系、サービス体系、販売方針、社員の行動指針、社員教育の方針など、具体的な行動が含まれます。

また、このBIについて、一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会は「自社を、あるいは自社が提供する製品やサービスを『顧客にどう思われたいか』を明確にすること」と定義しています。やや抽象的で、曖昧なMIを明確化、具体化したのがBIであるといってよいでしょう。


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ビジュアル・アイデンティティ(VI)

MI、BIをさらに具体化したものがビジュアル・アイデンティティ(Visual Identity)です。例えば、企業のロゴデザインやシンボルマーク、コーポレートカラーなどにより、MI、BIが視覚化、ビジュアル化されます。これは消費者にとって1番目に入る分野であり、企業のホームページや名刺などに表示されているロゴを見た瞬間、その企業についてのイメージが想起されます。

かつて、CIにしても、ブランディングにしても、ロゴやシンボルマークなどのデザインやビジュアルだけに経営者の目が向いていた時期がありましたが、これまで述べてきたようにVIだけが独り歩きすることはあり得ません。MIやBIがあってこそのVIである、ということを念頭に置いておきましょう。


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コーポレートアイデンティティ(CI)の作り方

コーポレートアイデンティティの構築に向けて議論する従業員

前項の点を前提にして、自社のCIを作るプロセスについて紹介します。
基本的なプロセスはあくまでもMI→BI→VIで、MIにあたる企業理念や社是が存在しないという会社は原則としてあり得ませんので、すでに存在するMIをいかにして肉付けするか、というフェーズからのスタートになるでしょう。
場合によっては、企業のビジョンやミッションの方向性そのものを見直す企業もあるかもしれません。再構築を前提とした場合、主に創立周年事業としてCIの見直しや再構築をおこなうことが多い傾向にあります。

基盤づくりはMIから

企業理念を肉付けして再構築するために、会社の歴史や創業者の考え方などを参照できます。また、社員が自社に対するエンゲージメント(帰属意識)をどれぐらい持っているのか、あるいはステークホルダーが自社にどんなブランドイメージを持っているのかについても積極的に収集しましょう。そうすることにより、新たなMIと企業イメージの乖離が生じるのを防ぐことができます。
いわば企業の「憲法」のようなものですから、これを基盤として長期的な企業戦略を策定します。また、CIは頻繁に改定するものではありませんので、5年後10年後を見据えた計画を立てることが大切です。

BIを作成する際にはMIを意識する

前項で述べたように、BIには社員の行動を既定する様々な指針や方針が含まれます。これをMI作成と同時にすべて作成したり、あるいは改定することは困難ですので、徐々におこなっていきましょう。
人事総務担当者は社内規則を作成したり、社内研修に関係する業務に携わったりすることがありますが、その場合にもMIを意識してください。そうすることにより、CIを公開した際の社員の意識や行動に、一体感や共通意識が醸成されます。

VIはデザイナー任せにしない

VIはCIを作り上げるプロセスでは最終段階のフェーズですが、顧客や消費者の視点では最初に接するものでありますので、第一印象を形作るものであるという意味では非常に重要です。
社内でVIを作成する場合、一般的にはデザインに関しては門外漢であるため、スタイリッシュなものを専門のデザイナーへアウトソーシングしようと考えるかもしれません。しかし、アウトソーシングではいくらデザイン的な観点が優れていても、社員も顧客もロゴやシンボルマークをみて、自社をイメージすることができなかったり、あるいは自社の目指すべきものを想起できなければまったく意味がありません。ですので、必ず自社MIについて深く理解している社内担当者がこのプロセスにかかわりましょう。


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コーポレートアイデンティティ(CI)構築の事例

CIに基づいた企業のロゴデザインのイメージ

大手農作業機械メーカーの事例

この企業では、2012年に100周年を迎えたタイミングで、次の100年へ向けてプレミアムブランド化するために、CIを見直すプロジェクトが施行されました。もともと国内では農作業機械メーカーとして知られてきた同社でしたが、早い段階から海外展開もしており、欧米ではヨットやクルーザーのエンジンメーカーとしても高い評価を得ていました。

そこで、100周年を機にステークホルダーが同社に持つイメージを取り込み、CIを再構築することになりました。VIも同社の原点であるモチーフを残しながら、革新やサステナブルな社会を目指すイメージを表現しました。さらに、こうしたCIは各製品のブランディングや広告展開にまで浸透し、テレビCMやSNSを活用することで新しい同社の認知度は一気にアップしました。

大手総合商社の事例

国内ではすでに総合商社として揺るぎない地位を築いていた同社は、1991年から1992年にかけて、国際的な企業に成長するためにCIの再構築をおこないました。その際、世界中の従業員から意見を収集し、従業員の持っているイメージとの共有が図られました。また、「国際総合企業」という同社のCIに合致して、企業理念は8か国語に翻訳され、ロゴマークも新しい英文社名のものへ変更されました。

このようなMIはBIにも影響を与えます。まだまだ個人の働き方が重視されていない時代に、同社はいち早く集団主義を脱却し、新しい人事評価制度を確立して名実ともに国際的な企業へと変革しました。


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まとめ

誌面の校正にあたり、PCとの突合に取り組む従業員

CIは一度確定すると簡単に変更することができません。そのため、長期的な視点に立って作り上げる必要があります。そのプロセスは経営陣だけでおこなうのではなく、従業員が一体感を持てるよう、積極的に意見を取り入れながらおこなうことが必要といえます。この構築を通じて、会社の全従業員は自社についてさらに理解を深めることで、エンゲージメントが高まるようになります。
ですから、せっかくCIを再構築しても、経営陣だけの共有にとどまるのでは組織に一体感は生まれません。MIはBI、VIへと浸透して社内外へ共有することで、初めて企業文化へと変容していきます。

この点で、いま改めて会社と従業員のパイプ役として見直されているのが社内報です。従来の社内報は「発行されていても誰が読んでいるかわからない」「内容がマンネリ化してコストがかかるだけ」とみなされてしまう節もありましたが、アウトソーシングすることによってこのような課題の解決は可能になります。

JTBベネフィットが提供する「社報制作(CI型社内報)」では、社内の一体感が向上するだけでなく、外部に対してもブランディング効果を発揮します。
例えば、社内報に割引クーポンや著名人のエッセイ、福利厚生の利用を促進するためのお役立ち情報などを掲載することによって、魅力的な紙面が制作できます。結果的に、社員だけでなく、社員の家族をはじめ、外部の方々にも手に取っていただき、特典の使用もできるというクオリティの高い社内報が実現しますので、創立周年事業を検討しているなら、ぜひ社報制作をご活用ください。


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