VUCAとは?その意味と変動性の時代における3つの変化

​​​​​​​先が見えないVUCA時代をなんとか見ようとしている従業員

この記事のまとめ

・VUCAとは、「変動性が高く予測が難しい複雑化した社会」を意味する

・VUCA時代の背景には社会や経済基盤の大きな変化がある

・VUCA時代には、ルールや経験に縛られず、予測しづらい変動性に対応する能力が求められる

・ルールやマニュアルがない状況での対応力を身に付けるには、実践経験が何より重要である

目次[非表示]

  1. 1.VUCA(ブーカ)とは?
    1. 1.1.VUCA(ブーカ)の意味
    2. 1.2.VUCA(ブーカ)の豆知識
  2. 2.Volatility(変動性・激動性)
  3. 3.Uncertainty(不確実性)
  4. 4.Complexity(複雑性)
  5. 5.Ambiguity(不透明性)
  6. 6.変化が激しく予測できない時代は過去にもあったが、今回は何が違う?
    1. 6.1.モノづくり社会の限界
    2. 6.2.終身雇用の終焉
    3. 6.3.デジタル社会への推移
  7. 7.VUCA時代に関連する3つの変化  その1:サービス化
    1. 7.1.サービス化とは
    2. 7.2.サービス社会はなぜ「変動性が高く予測が難しい」のか
  8. 8.VUCA時代に関連する3つの変化 その2:ジョブ型雇用
    1. 8.1.ジョブ型雇用とは
    2. 8.2.ジョブ型雇用が普及する背景
    3. 8.3.ジョブ型雇用のデメリット
  9. 9.VUCA時代に関連する3つの変化  その3:OODA(ウーダ)ループ
    1. 9.1.OODA(ウーダ)ループとは
    2. 9.2.OODA(ウーダ)ループで重要なのは共通概念
  10. 10.VUCA時代に「求められる人材」とは
  11. 11.まとめ

VUCA(ブーカ)とは?

企業におけるダイバーシティ施策の推進のために重要となる意識改革2

VUCA(ブーカ)の意味

VUCA(ブーカ)とは、以下4つの単語の頭文字を取った造語です。

VUCAを構成する単語
意味
Volatility
変動性・激動性
Uncertainty
不確実性
Complexity
複雑性
Ambiguity
不透明性

VUCA(ブーカ)を構成する4つのワードは互いに関係し合っています。例えば、「変動性」が高いから「不確実性」が生まれるように、相互に影響し合っているということです。VUCA(ブーカ)を構成する4つの単語の意味をまとめて、「変動性が高く予測が難しい複雑化した時代」と定義されます。

VUCA(ブーカ)の豆知識

VUCA(ブーカ)は軍事用語だった

実は「VUCA」というワードは古くからある言葉です。その起源は1991年にまでさかのぼり、アメリカ陸軍戦略大学校(US Army War College)が軍事用語として用いたことが始まりと言われています。その際は、冷戦の終結により、表立った争いから水面下での争いへと変化したことで到来した「予測不可能な時代」をVUCAと表現しました。


VUCA(ブーカ)浸透のきっかけはダボス会議

その後、2016年のダボス会議(世界経済フォーラム)で、軍事用語としてではなく、世界が直面する不確実な時代を指す言葉として、「VUCA World」と使われたことをきっかけに、徐々に世間に浸透しました。


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Volatility(変動性・激動性)

Volatilityは変動性や激動性を意味します。これまでは、大きな力やお金を持った組織が多額の広告費を支払い、テレビやラジオ、新聞や雑誌、電車の中吊り広告など様々な媒体を通じて自社の商品やサービスを紹介し、時には流行を作り出してきました。

しかし、ITの進化にともなって、個人が多様な情報を受発信(インタラクティブ化)できるようになったことで、消費者の選択肢が増え、需要は多様化・細分化し、その移り変わりも頻繁になりました。


【以前の社会(Volatilityが低い時代)】   【現在の社会(Volatilityが高い時代)】

VUCAのVolatilityが低い時代と高い時代のイメージ


Uncertainty(不確実性)

Uncertaintyは不確実性を意味します。経済や社会がグローバル化することで世界は大きな発展を遂げた一方で、世界中が互いに強く関係し合うことより、リーマンショックのように一国の証券会社の破綻が、世界同時不況の引き金になることもあります。内資系企業も海外との関係がますます強くなっています。

そして、グローバル化とは、世界のどこでいつ何が起き、その影響を予測し切れない「不確実性」を抱えることでもあり、経済や政治だけでなく、新型コロナウイルス感染症などの疫病・自然災害も該当します。


Complexity(複雑性)

Complexityは複雑性を意味します。Uncertaintyで説明したように、グローバル化にともない競合や協働の関係に加えて、その市場も世界各国にまたがり、Volatilityで説明した変動性、多様性、細分化の促進も相まって、非常に複雑性の高い状況が生まれています。


Ambiguity(不透明性)

Ambiguityは不透明性を意味します。Volatility(変動性・激動性)によって、商品やサービスの需要がいつまで続くかの見通しが立てにくくなった上に、Uncertainty(不確実性)やComplexity(複雑性)も相まって不透明性が増しています。

そして、国民の寿命は伸び続けている一方で、会社の盛衰は激しさを増し、終身雇用の維持が難しくなっていることも、不透明性の一例として挙げられます。


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変化が激しく予測できない時代は過去にもあったが、今回は何が違う?

マスク着用しソーシャルディスタンスを保ちながら仕事をする従業員

これまで何度も「不透明な時代」「変化が激しい時代」と言われてきました。実際に変わったコトやモノはあるものの、何となく乗り越えられた感覚をお持ちの方も多いと思います。しかし、今回の変化はこれまでと大きく異なる点がいくつかありますので、その具体例を紹介します。

モノづくり社会の限界

1950年代から日本を支えてきたのは主な産業は製造業ですが、モノの飽和コト社会への推移にともなって、その停滞が叫ばれています。日本を支え続けてきた製造業は変化の岐路におり、日本の根幹産業が危機に瀕していることは、これまでと大きく異なる点です。

例えば、キヤノン株式会社の「製造業の国際競争力の推移」によると、機械産業における「収益率(売上高営業利益率)×世界シェア(売上高シェア)」の比較ですが、北米はやアジアの企業は伸び続け、欧州の企業はアップダウンを繰り返しながらも結果的には伸びていますが、日本の製造業のみプレゼンスが落ちています。

終身雇用の終焉

Ambiguity(不透明性)では、日本国民の平均寿命は伸長し、企業の寿命は短縮していることを紹介しました。以下は総務省の統計ですが、就業者に占める非正規職員・従業員の割合(赤の折線)は、この30年間で倍増しています。


正規の職員・従業員、非正規の職員・従業員数及び役員を除く雇用者に占める非正規職員・従業員の割合の推移(平成元年~平成30年)

正規の職員・従業員、非正規の職員・従業員数及び役員を除く雇用者に占める非正規職員・従業員の割合の推移(平成元年~平成30年)のグラフ

出典:総務省統計局 統計トピックスNo.119 統計が語る平成の歩み


このように、終身雇用は名実ともに終焉を迎えており、労働者にとっては不安定な生活を強いられる状況が現実となっています。

デジタル社会への推移

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、リモートワークを導入する企業が増えました。これまでのオフィスに出社して仕事をする「オンサイト」のワークスタイルが、リモートワークにより「オフサイト」に変化し、対面会議はWEB会議となるなど、仕事のデジタル化が一気に加速しました。

同時に、VR(仮想現実)といったデジタル技術が話題を集め、その一方で、都内のオフィス解約や自社ビルの売却はこれまでにない速度で進んでいます。この社会のデジタル化はこれまでにない「根幹の変化」であり、幼い頃からインターネットやスマートフォンに慣れ親しんだデジタルネイティブ世代が本格的に社会人となることで、さらに加速することが予想されます。


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VUCA時代に関連する3つの変化  その1:サービス化

社外レクリエーションで農業体験をする従業員

サービス化とは

冒頭で紹介したVolatility(変動性・激動性)や、ものづくり産業の停滞ともリンクしますが、時代はサービス社会に推移しています。サービス社会の概要について、詳しく紹介します。

製造業が伸び続けていた時代は、モノやサービスそのものに価値を求めていました(GDL)。一方で、昨今では、モノやサービスを通して得られる体験や経験(コト)に価値を見出す(SDL)時代に推移しています。いわゆる、モノ社会からコト社会(サービス社会)への変化です。

サービス社会はなぜ「変動性が高く予測が難しい」のか

GDL社会は、大企業が圧倒的な資金力で設備を整え、大量生産し、様々な媒体でプロモーションを仕掛け、大量消費を生むモデルでした。よって、資金力の乏しい新規企業の参入は難しく、市場のサプライヤーが限定されることで変動性は高くありませんでした。

しかし、SDL社会(サービス社会)は、体験や経験に価値の主軸があるために、大規模な設備投資が必須ではなくなりました。また、Volatility(変動性・激動性)で紹介した通り、個々が自由に情報を受発信する時代において、多額の資金を要するマスメディアのプロモーションも必須でなくなり新規企業の参入障壁が低下しました。

このように、市場にサプライヤーが多い上に人それぞれの自由な情報受発信により、顧客ニーズが多様化されることで、変動性が高く予測が難しい社会になるのです。


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VUCA時代に関連する3つの変化 その2:ジョブ型雇用

誌面の校正にあたり、PCとの突合に取り組む従業員

ジョブ型雇用とは

ジョブ型雇用とは、職務を固定した雇用です。日本企業では、企画から営業に異動というように職務変更も有り得るゼネラリスト雇用が一般的ですが、ジョブ型は職務の変更を前提としないスペシャリストの雇用です。

また、ジョブ型雇用は終身雇用を前提とせず、仕事(プロジェクト)単位で会社と個人が契約をすることが一般的です。よって、評価は年功序列ではなく成果ベースとなります。先に紹介した終身雇用制度の終焉もジョブ型雇用の普及を後押ししていますが、背景はその他にもありますので以下に紹介します。

ジョブ型雇用が普及する背景

・デジタル社会への推移にともない、知見のある専門職のニーズが高まった。

・働き方改革の文脈で、総合職社員がおこなっていたノンコア業務(専門性が低い業務)の委託化や効率化を受けて、コア業務(付加価値が高く専門性の高い業務)の集約が進んだ。

・リモートワークの定着で、成果重視の評価にシフトせざるを得ない企業が増え、成果重視と親和性の高いジョブ型雇用が脚光を浴びた。

このように、「1つの企業で働き続ける」モデルは徐々に崩れつつあり、その傾向はジョブ型雇用が前提とする転職だけではなく、副業クロスアポイントメントの一般化にも見て取れます。

ジョブ型雇用のデメリット

働き方の自由化や成果主義というポジティブな文脈で語られることが多いジョブ型雇用ですが、労働者にとっては安定雇用や安定収入の基盤喪失などのデメリットもあります。


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VUCA時代に関連する3つの変化  その3:OODA(ウーダ)ループ

OODAループ

OODA(ウーダ)ループとは

仕事のサイクルとしてはPDCAが一般的ですが、変化の早いVUCA時代に対応するフレームワークとしてOODA(ウーダ)ループが注目されています。
OODA(ウーダ)は、元々はアメリカ空軍の意思決定に取り込まれていた理論で、以下の英語の頭文字で構成されます。


OODAを構成する単語
意味
Observe
観察
Orient
方向づけ(状況判断)
Decide
判断(意思決定)
Act
行動


下の図のように、OODA(ウーダ)ループはPDCAのように計画を立てるのではなく、観察された状況に応じて判断し行動するため、即時的な対応が求められる環境で有効です。よって、変化が激しいVUCA時代においても、OODA(ウーダ)ループが注目されています。

OODAループのイメージ

OODA(ウーダ)ループで重要なのは共通概念

OODA(ウーダ)ループは、Planをじっくり練らないことでスピードに長けますが、その反面で熟考する時間がないため、例えば、OODA(ウーダ)を回す社員によって、対応にバラつきが生まれる可能性もあります。そこで重要になるのが共通概念です。これはビジョン企業文化にも置き換えられます。この共通概念が社員の根幹に根付いていることで一貫性が保たれ、OODA(ウーダ)​​​​​​​はその効果を発揮します。


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VUCA時代に「求められる人材」とは

	思いのほかアリ!従業員間のコミュニケーションや企業のブランディングに欠かせない「社歌」という施策!4

VUCA時代に求められる人材は、「自律型人材」です。現在は、これまでと異なる変化の激しい状況の中で、的確にOODAを回すことが求められます。つまり、これまでのルールや経験に依存せずに、曖昧性の高い状況で自律的に判断し、行動できる人材が求められるのです。
具体的には以下のスキルが必要となります。

・新しい環境に応じて、新しいビジネスを着想する能力
・自社に足りないモノを外から取り込める能力

・過去の古い成功体験を捨てて変わり続けられる能力

このような能力を涵養するためには、座学だけではなく、これまでのルールや経験が通用しない曖昧性の高い環境に身を置き、実践経験を積むことが不可欠ですが、そのような機会を提供するのは容易ではありません。

そこで、JTBベネフィットでは、越境学習型の人材開発研修である「仕事旅行」というプログラムを提供しています。自社とは異なる環境や文化を持つ企業(職人さんも含む)を、170以上の候補から選び、価値観や文化、ルールが違う環境の中で、主体的な情報収集やトライアンドエラーを経験し、問題解決能力を向上させることができます。

通常業務への影響を考慮し、1day完結型を豊富にご用意しておりますので、ぜひリンクから詳細をご確認いただき、お気軽にご相談ください。


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まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はVUCAについて詳しく紹介しました。この記事のポイントは以下の4つです。


この記事のまとめ

・VUCAとは、「変動性が高く予測が難しい複雑化した社会」を意味する

・VUCA時代の背景には社会や経済基盤の大きな変化がある

・VUCA時代には、ルールや経験に縛られず、予測しづらい変動性に対応する能力が求められる

・ルールやマニュアルがない状況での対応力を身に付けるには、実践経験が何より重要である


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