シニア世代へやりがいのある仕事をサポート!おすすめの資格、マッチング方法とは

​​​​​​​健朗シニアと呼ばれる世代

少子高齢化による労働力の減少が起因している人手不足の現在、シニア世代の雇用を歓迎する企業が増えており、仕事におけるシニアの果たす役割が注目されています。定年退職が近い世代であるシニア自身には、再雇用など長く働き続けるためにはどんな意識が必要でしょうか。また、企業はシニアの経験やスキルにあった仕事を見つけ、一生涯やりがいをもって活躍し続けられるようにどのようにサポートできるでしょうか。

目次[非表示]

  1. 1.シニアの役割が注目されている理由とは?
    1. 1.1.社会の変化
    2. 1.2.法制度の整備
    3. 1.3.生きがいの提供
  2. 2.企業におけるシニア活用の現状
  3. 3.セカンドキャリアを充実させるためにシニアができること
    1. 3.1.意識改革
    2. 3.2.資格の取得
    3. 3.3.セミナーやカウンセリングに参加
  4. 4.シニアのセカンドキャリアを企業がサポートする方法
    1. 4.1.シニアに求められている能力とは?
    2. 4.2.セカンドキャリア支援事例 
  5. 5.まとめ

シニアの役割が注目されている理由とは?

人手不足でシニア世代でも長く働き続けることができ、食事を共にする従業員

社会の変化

日本社会は、少子高齢化による労働人口の減少が懸念されています。2019年の有効求人倍率は1.60倍の高水準だったのに対し、完全失業率は2.4%まで下がっています。2020年は新型コロナウイルスの拡大で状況が大きく変化しましたが、2019年の有効求人倍率では働きたいと希望すれば仕事に就ける状態でしたので、コロナ前からすでに採用難で多くの企業では人手不足の兆候が表れ始めていたことがわかります。

この状況下で、65歳以上のシニア層ができるだけ長く元気に働き続けられれば、解決策の一つになります。実際、令和2年の高齢者白書によると、労働人口の減少に呼応して、シニアの就労人口は増加しており、2019年(令和元年)の労働力人口は6,886万人で、そのうち65~69歳は438万人、70歳以上は469万人でした。労働力人口に占める65歳以上の人の割合は13.2%と2018年の12.8%をさらに上回り、過去最高となりました。


あわせて読みたいおすすめの記事

  企業の人手不足が深刻化する原因と解消するための対策とは? 現在の日本社会において、大企業の6割、中小企業の7割以上が慢性的な人手不足に悩んでいるといわれています。今回は、人手不足の原因と企業の業種ごとの問題特性を分析し、深刻な人手不足を解消するための対策について解説します。 株式会社JTBベネフィット

法制度の整備

政府は、働き方改革の一環として積極的にシニア世代の人材活用を提唱しており、それにともなった法制度も整備されてきました。


1. 年金制度改正法

2022年4月から施行される年金制度改正法の大きなポイントとして、受給開始時期の選択肢拡大が挙げられます。現在、60歳から70歳の間となっている受給開始時期の選択肢が60歳から75歳の間に拡大されます。そして、60歳で年金を受給開始する場合は24%減額されますが、受給開始の年齢を75歳にすると、年金額は最大で84%増額されます。


2. 改正高年齢者雇用安定法

2021年4月から施行され、「70歳就業確保法」と呼ばれることからもわかる通り、70歳まで働ける機会を確保することが企業の努力義務になりました。もっとも、これは企業が自社で70歳まで雇用し続けなければならないということではなく、65~70歳の雇用支援をおこなうという主旨であることに注意が必要です。


あわせて読みたいおすすめの記事

  継続雇用制度とは?概要や対象者、契雇用約の流れなど基本情報を紹介 継続雇用制度とは、定年を迎えた高齢者の雇用を一定の年齢に達するまで保証する制度です。現在、定年年齢を65歳未満に定めている事業主は、2013年に改正された高年齢者雇用安定法に合わせた対応が求められます。本記事では、継続雇用制度について解説するとともに、関連するサービスを紹介します。 株式会社JTBベネフィット

生きがいの提供

アデコ株式会社が2019年12月に働くシニアの意識をテーマにおこなった調査によると、「あなたは何歳まで働きたいと思いますか」という質問に対して、60~64歳では14.5%、65~69歳では28%が「働き続けられればいつまでも働きたい」と回答しました。65歳は年金の受給が始まる年齢であることから、経済的理由だけでなく、シニアが仕事に生きがいを求めていることがうかがえます。


あわせて読みたいおすすめの記事

  健朗シニアの特徴とは?職場でいきいきと活躍するための3大要素を解説 今年1月、株式会社リクルートは、雇用、進学、アルバイトなど7領域における2020年のトレンド予測を発表し、シニア領域のトレンドは「健朗シニア」でした。「健康」で心身ともに「朗らか」なシニア世代は、70歳を超えても働きたいと願う一方、体力に不安も。企業はどのようにサポートできるのでしょうか? 株式会社JTBベネフィット


企業におけるシニア活用の現状

東京都民の就業支援のために設置された「東京しごとセンター」を運営する公益財団法人「東京しごと財団」の広報担当者によると、シニアの求職者3,295人のうち就職が決まったのは727人に過ぎず、その理由として「2重のミスマッチ」が起きているといいます。それは希望より賃金が低い求人しかないという賃金のミスマッチと、希望職種に就業できないという職種のミスマッチです。

こうした現状から、シニアが退職する場合に、各自のスキルや能力に応じて企業側がセカンドキャリアを支援し、求職条件のマッチングミスをできるだけ避けることが必要であるとわかります。


あわせて読みたいおすすめの記事

  企業と人材をベストマッチングへ!助成金も活用できる「トライアル雇用」とは? 一定期間(原則3ヶ月)に実際の業務を体験してもらい、求職者の適性を判断する「トライアル雇用」の基本情報をお伝えします。さまざまな事情で就業が難しかった人に常用雇用へのきっかけを与えることが目的ですが、企業にとっても人材発掘・確保のきっかけになる制度です。 株式会社JTBベネフィット


セカンドキャリアを充実させるためにシニアができること

キャンプ場でワーケーションをするベテラン社員

「70歳就業確保法」の制度主旨に基づき、シニアの求職ミスマッチを避けるために、企業には重要な役割があります。しかし、シニア側の態度や行動も重要です。シニアが早期あるいは定年退職前にできる3つのポイントを挙げましょう。

意識改革

前述したように、日本の労働人口に占めるシニアの割合は増加しており、すでに働く人の5人に1人が60歳以上になっています。シニアの割合が少ない時代であれば、定年後も会社が自分のポストや雇用先を準備してくれると受動的に考えることもできたかもしれませんが、今後それを期待することは難しくなってくるでしょう。つまり、シニア自身が自分の強み、弱み、能力やキャリアを客観的に把握し、それを求職の際に企業側に対してアピールできるようにしておく必要があります。


あわせて読みたいおすすめの記事

  ダイバーシティ&インクルージョンとは?企業への影響と対応を解説 多様化が進む社会で、ビジネスの世界でも「ダイバーシティ&インクルージョン」という考え方が広がっています。今回は、「多様性」を表す「ダイバーシティ」と「包括・内包する」という意味の「インクルージョン」をあわせ持つ考え方とはどんなものであり、何に役立つのか、自社で推進した場合の影響や対応を解説します。 株式会社JTBベネフィット

資格の取得

シニアが培ってきた経験やスキルをアピールする上で、資格取得は大変有効です。


1. ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー(FP)は、定年を迎えようとしている世代に人気が高い資格です。FP資格を保持していれば、ライフプランニング、タックスプランニング、金融資産や不動産運用、相続・事業継承などの分野を扱えるため、金融機関などの再就職の際に有利といえるでしょう。また、活躍中の女性シニアも多く、生活に密接に関連した家族やお金の問題を扱うため、女性ならではの視点を生かせる資格でもあります。


2. 中小企業診断士

中小企業診断士は、日本で唯一の経営コンサルティングの国家資格です。そのため、セカンドキャリアとして自ら起業を考えている方にとって役立つ資格といえます。金融機関においても認知度、信用度が高いため、再就職にも有利といえるでしょう。


3. マンション管理士

マンション管理士(マン管)は、2001年から登場した比較的新しい資格で、シニア世代にも人気の高い資格です。具体的な仕事内容としては、マンションの管理組合と顧問契約を結び、管理組合の運営をサポートしたり、修繕や建て替えのプランニングへのアドバイスや住民・業者間とのトラブルを解決したりします。
現在は、災害対策や老朽化対策のために、マンションの建て替えや大規模修繕をおこなうマンションが多く、今後もマン管の需要は高まるものと思われます。


あわせて読みたいおすすめの記事

  リカレント教育とは?企業にとってのメリットと実践について解説 リカレント教育の必要性や重要度が高まり、すでに多くの企業や個人が推進や実践に移っています。キャリアアップやスキルアップはもちろん、自己の市場価値を高め、豊かな人生を続けていくための手段のひとつです。ここでは、リカレント教育の概要や企業側のメリット、国の支援策などをご紹介します。 株式会社JTBベネフィット

セミナーやカウンセリングに参加

これまでに言及したキャリアプランニングや資格取得に関しては、企業内だけでなく、ハローワークや行政機関、資格取得を専門にした教育機関や予備校などでも、定期的にセミナーやカウンセリングが開催されています。自治体によっては、キャリアコンサルタントによる個別相談も実施されています。以下は自治体による実際の事例ですが、お住まいの自治体でも同様の支援制度がないか、チェックしてみると良いでしょう。


福岡市

2019年から働きたいシニアと企業の雇用をマッチングする仕組みを整え、無料セミナーや60代以上の求職者を対象に無料就職相談をおこなっています。


東京都

2018年から都内在住または在職の55歳以上の中高年を対象に「東京セカンドキャリア塾」を実施しています。グループワークや課外活動を導入し、経験やスキルを活かし新たなキャリアを見出せるようサポートしています。


あわせて読みたいおすすめの記事

  働く人と会社が成長する社会人インターンとは?メリットと具体例をご紹介 「インターン」と聞くと対象は学生と考える方が多いと思います。しかし、社会人がインターンを活用することにより、自分が成長できるだけでなく、社内にもナレッジの増加や風土改革などをもたらしてくれます。今回は、今、社会人インターンが注目されている背景と、導入メリットや具体的について紹介します。 株式会社JTBベネフィット


シニアのセカンドキャリアを企業がサポートする方法

健朗シニアがオフィスワークするイメージ

シニアに求められている能力とは?

学習院大学の名誉教授である今野浩一郎氏は、シニアのキャリア支援の出発点は、企業が「本気になること」といいます。これまでのような「福祉的雇用」を脱却し、実践力のあるシニアを採用する体制を作っていくべきです。
シニアに求められている態度・行動・スキルについて参考になるのが、日本人材マネジメント協会の研究グループが開発した「プラットフォーム能力」という考え方です。これは「気持ち切り替え力(態度)」「ヒューマンタッチ力(行動)」「お一人様仕事遂行能力(スキル)」の3つから構成されており、以下のように定義できます。


1. 態度

気持ち切り替え力 → 過去にとらわれず、新しい役割に合わせられるマインド


2. 行動

ヒューマンタッチ力 → 水平目線で新しい同僚と人間関係が構築できる力


3. スキル

お一人様仕事遂行力 → 部下や同僚に頼らず、担当者として業務を遂行するためのITなどのスキルを持っていること


企業がおこなうべきなのは、シニアが高度な専門領域を持つよりも、定年後に未経験の領域や業種に転職してもフレキシブルに対応し、能力を発揮できるプラットフォームを培えるようサポートすることです。そして、定年が近づいてからではなく、40代、50代のミドル世代のうちから前もって研修などを通じて、十分な時間をかけて支援することが大切です。


あわせて読みたいおすすめの記事

  高齢者雇用(シニア雇用)のメリットとデメリットは?高齢者を活かす職場の作り方 高齢者雇用(シニア雇用)は、少子高齢化が進む中で不足する労働力の確保や、シニア人材の力を活用して企業の成長に繋げるなどのメリットがある一方で、デメリットもあります。本記事では、これから高齢者雇用を検討する企業の人事担当者に向けて、高齢者雇用を推進する方法や国の支援について解説します。 株式会社JTBベネフィット

セカンドキャリア支援事例 

この大手新聞社では、各本社で「57歳ライフプランセミナー」を実施しています。定年後のプランニングをしっかりおこなっている社員は少数派ですが、セミナーを通して退職に絡む人事制度や、定年後の再雇用制度、年金額の計算などについて扱われます。希望すれば配偶者も一緒に参加できるのが特徴です。


あわせて読みたいおすすめの記事

  早期退職優遇制度とは?トラブルを避けスムーズに実施する方法 2019年に早期退職優遇制度を実施した企業はこれまでより大幅に増加し、2020年も実施する企業が確実に増える見込みです。しかし、この制度の実施にはリスクが潜んでいるのも事実です。今回は、早期退職優遇制度の現状から制度の種類や実施手順、注意点を紹介します。仕組みや注意点を知って、スムーズな実施を目指しましょう。 株式会社JTBベネフィット


まとめ

シニアが日本の労働人口に占める割合は、これからもますます伸びていくでしょう。シニアが生活のためにではなく、やりがいを持って働き続けられるようにするためには、企業側とシニア側双方の努力が求められます。

JTBベネフィットが提供する「プロキャリ」は、シニア世代を対象とした実践型ビジネスインターンです。大手や中堅企業で働いているシニア世代の社員が、優良な地方企業や有望スタートアップに一定期間出向することにより、受け入れ先にとっては出向元企業とのコラボやプロジェクト促進、出向元企業にとっては長期キャリア形成支援に活用していただけます。シニア世代のセカンドキャリア支援として、ぜひ導入をご検討ください。


  プロキャリ プロキャリは主に大手や中堅企業でビジネス経験のあるベテラン世代が、期間を定めて、新産業創造の担い手である優良な地方企業や有望スタートアップにプロジェクトベースで参画する制度です。 株式会社JTBベネフィット


あわせて読みたいおすすめの記事

  在籍出向とは?契約の仕組みやメリット、転籍との違いも紹介! 「在籍出向」をご存知の方はたくさんいらっしゃると思いますが、その詳細に至るまでは調べていない方も多いのではないでしょうか。近年では人材育成の文脈で在籍出向が注目されており、今回は、出向元や出向先のメリットに加え、転籍との違いや労働契約面で会社が注意すべき事項などを、わかりやすく説明します。 株式会社JTBベネフィット


  定年後の雇用を支援する制度「高年齢雇用継続給付金」とは 高年齢雇用継続給付金は、60歳以降に賃金がそれまでよりも下がった場合に受給できる雇用継続給付のひとつです。基本給付金と再就職給付金の2種類があり、雇用保険に加入していることや75%未満に賃金が低下している、などの受給資格が設けられています。 株式会社JTBベネフィット


記事検索

記事アクセスランキング

アーカイブ

カテゴリー一覧

タグ一覧