真のダイバーシティ推進はコミュニケーションがカギ。その理由と実施方法は?

多様性を認め、会社や組織として一致団結して円陣を組む従業員​​​​​​​

東京オリンピックが開催され、男女混合競技が増えたことが注目されています。これは、大会のビジョンである「多様性と調和」を実現するために、ジェンダー・ダイバーシティ(性の多様性の尊重)というメッセージが込められており、多様な個性を互いに受け入れるダイバーシティ&インクルージョンの推進が目的とされています。ダイバーシティ&インクルージョンは、推進することでイノベーションを創出し、より持続可能な社会の発展に貢献できるとされています。

また、近年、企業が取り組む課題として、ダイバーシティが繰り返し取り上げられています。ただ覚えておきたいのは、ダイバーシティ自体の推進が目的ではなく、多様な人材の活用により、企業がさらに業績を向上させることが重要だということです。そのためには、多様な立場、個性、感性を持つ相手への理解が欠かせません。

今回は、ダイバーシティを推進する理由や実施方法に必要なコミュニケーションについて取り上げます。ダイバーシティは、テレワークがニューノーマルな働き方となっている中での円滑なコミュニケーションにつながるヒントを与えてくれます。

目次[非表示]

  1. 1.ダイバーシティの現状
    1. 1.1.ダイバーシティに対する取り組みの現状
    2. 1.2.ダイバーシティ2.0とは?
  2. 2.真のダイバーシティ推進のためにコミュニケーションが大切な理由
    1. 2.1.インクルージョンとは?
    2. 2.2.コミュニケーションが重要な理由
  3. 3.真のダイバーシティを推進するコミュニケーションの方法とは?
    1. 3.1.コミュニケーションの本質とは?
    2. 3.2.ダイバーシティ実現の第一歩とは?
  4. 4.まとめ

ダイバーシティの現状

オンラインでのコミュニケーションとリアルでのコミュニケーションのハイブリッド型コミュニケーションをする従業員

ダイバーシティに対する取り組みの現状

2017年10月に実施した20~60代の働く人が対象となるダイバーシティに関する調査によると、7割以上が「ダイバーシティが企業や団体にとって重要である」と認識しながら、6割以上が「ダイバーシティへの取り組みが進んでいない」と回答しました。

2020年に発表されたオーストラリアのコンサルティング企業による日本の従業員に対する調査でも同じく、「ダイバーシティに取り組んでいる」と回答した人は全体のわずか37.2%で、近年、ダイバーシティの重要性が強調されつつも、現場での導入はなかなか進んでいないことが伺えます。

ダイバーシティ2.0とは?

経済産業省によると、ダイバーシティ経営とは「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」のことです。
経済産業省は2017年3月に発表した報告書の中で「ダイバーシティ2.0」に言及しています。ダイバーシティ2.0とは「多様な属性の違いを活かし、個々の人材の能力を最大限引き出すことにより、付加価値を生み出し続ける企業を目指して、全社的かつ継続的に進めていく経営上の取組」とのことで、ダイバーシティ経営と同義に定義しています。

ダイバーシティ2.0は、女性活躍を柱に企業が形式的に女性の数を増やすことばかりに目が向きがちだったダイバーシティ1.0から、実際の仕事において女性がその能力を遺憾なく発揮できるような制度を整備したり、女性だけにとどまらず国籍、年齢、働き方を含めさまざまな個性の人材確保を目指したりすることで、ダイバーシティのステージアップを図ることがダイバーシティ2.0です。


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真のダイバーシティ推進のためにコミュニケーションが大切な理由

出社して会議で議論している従業員

インクルージョンとは?

近年、企業の取り組みとしてダイバーシティが単体で用いられるのではなく、「ダイバーシティ&インクルージョン」というように「インクルージョン」と組み合わせて用いられることが多くなっています。

インクルージョンとは直訳すると「包括」という意味ですが、ビジネスにおいては多種多様な人材が個々の能力やスキルを活かし、発揮できている状態を表します。そして、今まで女性を含め多様な人材を登用・採用することだけに終始していた日本のダイバーシティを、より実質的なものにしようとする動きがこのインクルージョンです。お気づきのように、ダイバーシティ&インクルージョンとは、経済産業省が打ち出しているダイバーシティ2.0と親和性の高い概念です。


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コミュニケーションが重要な理由

ここまで言及してきたダイバーシティ2.0やインクルージョンを推進するためには、コミュニケーションが不可欠です。それはなぜでしょうか。
経済産業省は「ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれた企業に共通する成功要因を抽出し、基本的な考え方と進め方を3段階にまとめています。


ダイバーシティ経営の基本的な考え方と進め方(全体像)

経済産業省のダイバーシティ100選より「ダイバーシティ経営の基本的な考え方と進め方(全体像)」の図

出典:経済産業省 ダイバーシティ100選


(1)経営トップによるダイバーシティ経営の明確化

(2)多様な人材が活躍できるように(A)人事制度、人材登用(B)勤務環境(C)能力開発、教育・研修の拡充の3つの面において制度を整える

(3)多様な人材の活躍を価値創造につなげるために情報共有・意思決定プロセスを透明化し、コミュニケーション活性化する


これまでのダイバーシティ経営において、企業は(1)と(2)に注力してきました。つまり、経営者がダイバーシティを企業理念に取り入れることを明確化し、そのための制度を少しずつ整備してきたのですが、実質的な価値創造までには結びついていませんでした。そのため、今後は(3)の情報共有、コミュニケーションの活性化が不可欠になるのです。

実際のところ、終身雇用制度が崩壊しているとはいえ、まだまだ年功序列の傾向が根深く残る日本では、いくら多種多様な人材を登用・採用したところで、このような人材が考えや意見を入社後すぐ積極的に発信することは容易ではありません。そこで、彼らにも全体で共有できる場や仕組みをつくることが必要になります。


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真のダイバーシティを推進するコミュニケーションの方法とは?

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コミュニケーションの本質とは?

コミュニケーション活性化に場の提供や仕組みの構築は大切ですが、それだけでは不十分です。多様化する人材が所属している組織内では、一人ひとりがコミュニケーションの本質について理解する必要があります。

コミュニケーションの語源はラテン語の「communis」と言われていますが、その後には「共有する」という意味があります。つまり、コミュニケーションとは単に情報を一方的に伝達することではなく、共に目的地に向かうプロセスだと言うことです。
よくキャッチボールに例えられるコミュニケーションですが、投げる時には相手が受け取りやすいように配慮する必要があり、受け取る側としては必ずしも同意できないとしても相手の考え方を尊重し、その意見を受け入れることも大切です。もちろん、コミュニケーションの方法はキャッチボールと同様に、頭の中で理解するだけではなく、実際に練習しながら自ら学び取り、体得していくしかありません。


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ダイバーシティ実現の第一歩とは?

職場内の異なる立場、個性、背景を持つ相手一人ひとりと考え方の共有を目指すことは、決して簡単なことではありません。例えば、前述したように、ダイバーシティは当初、女性の活躍を目指す形で始まりましたが、オリンピックでの混合種目が増えたことも含め、ダイバーシティ推進の第一歩として、男性と女性という異なる性別間のコミュニケーションを学ぶことも必要です。

男女の間でお互い良かれと思ってやったことが裏目に出ることは誰もが経験していると思いますが、それは男脳と女脳には違いがあり、感性や思考、価値観も異なるからです。それをコミュニケーション講座や研修を通じて学び、実践することにより気づきが生まれ、相手との共有を目指すコミュニケーションができるようになるのです。


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まとめ

これまではダイバーシティ自体が目的化しており、実質がともなわない面もありましたが、人事総務担当者は今後これをダイバーシティ&インクルージョンとして高めていくことが求められます。そのための施策は、テレワーク普及によるニューノーマルなコミュニケーションにおいても有効であると言えるでしょう。

社内での定期的な講座や研修は、コミュニケーションに対する意識を変革する上で必須ですが、ダイバーシティ経営におけるコミュニケーションを体得するためにJTBベネフィットでご提供できるサービスにブラインドサッカー体験型研修「OFF T!ME Biz」があります。

ブラインドサッカーとは、そもそも視覚障がい者のスポーツですが、健常者も目隠しをして参加することにより、見えない状態で相手とのコミュニケーションをとることで信頼関係を改めて構築したり、チームにおける自分に与えられた役割に対する新たな気づきを体感することができます。時にはコミュニケーションでのギャップを感じることもありますが、ブラインドサッカーを通じてそれゆえに普段のコミュニケーションにおける再発見も得られることでしょう。そして、これらすべてはダイバーシティへの適応力につながりますので、ぜひご検討ください。


  ブラインドサッカー体験型研修「OFF T!ME Biz」 ブラインドサッカー体験型研修「OFF T!ME Biz」はコミュニケーションを前提とし、チームビルディングをはかっていきます。 株式会社JTBベネフィット


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