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実は運用が難しい?「ノー残業デー」を成功させる8つのポイント

働き方改革が進むなか、「ノー残業デー」の実施を検討する企業が増えています。しかし、十分な準備をせずに運用すると、形だけの制度になりやすいのがこの取り組みの難しいところ。そこで今回は、ノー残業デーで何を得られるのかを改めて整理し、成功に導くためのポイントを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.ノー残業デーとは?
    1. 1.1.ノー残業デーとは
    2. 1.2.ノー残業デーが生まれた背景と実態
    3. 1.3.ノー残業デーの目的
  2. 2.ノー残業デーのメリット・デメリット
    1. 2.1.従業員側のメリット
    2. 2.2.企業側のメリット
    3. 2.3.従業員側のデメリット
    4. 2.4.企業側のデメリット
  3. 3.ノー残業デーを成功させる8つのポイント
    1. 3.1.(1)トップダウンで始める
    2. 3.2.(2)全従業員を対象に実施する
    3. 3.3.(3)ITツールを導入してコア業務に集中させる
    4. 3.4.(4)顧客への周知も忘れない
    5. 3.5.(5)フレキシブルに運用する
    6. 3.6.(6)残業できない環境をつくる
    7. 3.7.(7)残業しないことを評価する
    8. 3.8.(8)アフター5を充実させる制度を作る
  4. 4.人事担当者が環境づくりを推進

ノー残業デーとは?

長時間労働が取り沙汰されることの多い昨今、ノー残業デーという制度が広く浸透するようになりました。近年生まれた取り組みのように感じる方もいるかもしれませんが、実は1970年代にはすでに導入されていた制度です。まずは、ノー残業デーとは何かについて整理していきましょう。

ノー残業デーとは

企業が従業員に対して、残業をせずに定時(所定労働時間)に退社することを促す取り組みのことです。各企業の自主的な取り組みとなるため運用方法はさまざまですが、一般的には週に一度決まった曜日に実施する企業が多く、曜日は週の真ん中の「水曜日」に制定するケースが多いようです。

ノー残業デーが生まれた背景と実態

ノー残業デーは、高度経済成長期後に日本が抱えた長時間労働という問題を是正するために、1970年代に生まれた取り組みです。1990年代に入ると過労死が社会問題となり、長時間労働に対する具体的な対策としてノー残業デーにさらに注目が集まるようになりました。現在は「働き方改革」のひとつとして、ノー残業デーを導入する企業が増えています。
2016年に日本経済団体連合会が270社の企業を対象に行った調査「2016ワーク・ライフ・バランスへの取り組み状況」によると、労働時間削減の施策として最も多かったのが「ノー残業デーの徹底」です。67.8%の企業がノー残業デーを実施していると回答しています。

ノー残業デーの目的

ノー残業デーを導入する目的は大きく分けて以下の二つです。


■長時間労働による従業員の負担を軽減
■ワーク・ライフ・バランスの推進

ノー残業デーを実施する際には、この二つをきちんと押さえて進めることが重要です。ノー残業デーがうまく機能していないと感じたときは、この目的に沿った運用ができているかをいま一度確認してみてください。


ノー残業デーのメリット・デメリット

それでは、ノー残業デーが従業員と企業にもたらす影響について考えてみましょう。

従業員側のメリット

■睡眠時間の確保
■プライベートの充実が図れる
■スキルアップのための個人活動ができる
■時間管理能力が身に付き、業務効率がアップする


体を休めたり、家族と過ごす時間や自分の時間を確保できたりすることは従業員にとって大きなメリットです。この時間を使って、これまでできなかった活動にチャレンジする従業員もいるでしょう。また、一人ひとりが時間内に仕事を終わらせる工夫をすることで、業務効率の向上が期待できます。

企業側のメリット

■長時間労働による従業員のストレスを減らせる
■従業員の個人活動との相乗効果を期待できる
■企業の労働生産性もアップする
■割増賃金、光熱費などを削減できる


ノー残業デーによって従業員のワーク・ライフ・バランスが整えば、企業にも多くのメリットをもたらします。二次的要素ではありますが、割増賃金や光熱費などをカットできる点もメリットのひとつです。

従業員側のデメリット

■翌朝早く出勤したり別日の残業が増えたりする
■部署間の連携がうまく取れず業務が滞る
■予想外の業務に対応できない


業務量も業務フローも変わっていないのにノー残業デーが実施された場合は、ほかの日にしわ寄せがいくだけで、従業員はかえってストレスを抱えてしまうでしょう。また、部署間で連携が取れていない場合は仕事がストップしてしまったり、対外的な周知ができていない場合はクライアントの急な依頼に対応できなかったりするなど、社外にも影響を及ぼします。

企業側のデメリット

■従業員のストレスが増え、生産性が低下するケースがある
■従業員が企業に不信感を抱く可能性もある


形ばかりのノー残業デーになってしまった場合は、従業員に新たなストレスを生み、結果として企業の生産性を低下させる可能性があります。従業員にプラスにならないノー残業デーは「残業代を減らしたいという企業のエゴ」「建前ばかりで従業員の実態を理解しようとしない」といったように、企業に対する不信感につながるケースもあるようです。

しかし、これらのデメリットはノー残業デー自体にあるわけではなく、目的を共有せず、かつ十分な準備をしないまま運用した際に起こりうることです。


ノー残業デーを成功させる8つのポイント

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特定の日だけ残業をしないルールを設けるノー残業デーは、気軽に取り入れやすい一方で、運用の仕方には十分注意する必要があります。ノー残業デーを成功させる8つのポイントをご紹介します。

(1)トップダウンで始める

ノー残業デーを成功させるには、従業員の働き方に対する意識を変える必要があります。運用をスタートさせる際には、経営陣やリーダーなど上に立つ人が舵を取り、「ノー残業デーを取り入れることで従業員に何を期待しているのか」を示すことが重要です。

(2)全従業員を対象に実施する

ノー残業デーは全従業員を対象にするのが基本です。従業員間で差が生まれると不満のもとになり、制度が浸透しづらくなります。

(3)ITツールを導入してコア業務に集中させる

ノー残業デーが形骸化するケースでは、そもそも業務量が多かったりフローに問題があったりすることが多いものです。チームが正しく機能しているかを確認しつつ、クラウド管理などITツールの導入も同時に進めていくことがポイントです。コア業務と非コア業務を整理し、コア業務に人的資本を集中できるような体制づくりを目指します。

(4)顧客への周知も忘れない

社内だけでなく顧客への周知も大切です。特に顧客窓口となる部門では、顧客の理解がないまま実施すると弊害が生まれやすいものです。周知の方法としては、書面通知する、HPで発信する、「◯曜日はノー残業デー」などの文言をメールの署名に添えるといったものがあります。企業としての取り組みである点を強調するとよいでしょう。

(5)フレキシブルに運用する

「全従業員一斉退社」はインパクトがあり周知もしやすいですが、なかには適合しない部署もあります。その場合は、「個人やチームでノー残業デーを決める」「定時退社の日数を設定する」などフレキシブルに対応します。

(6)残業できない環境をつくる

残業文化が根強い企業では、物理的な措置が必要なケースもあるでしょう。例えば、定時に消灯する、サーバーをOFFにする、電話を自動音声に切り替えるなど、残業できない環境をつくるのも一手です。

(7)残業しないことを評価する

ノー残業デーによる効果を高めるためには、評価することも非常に重要です。残業時間の少ない部署やチームを表彰したり、コストカットできた残業代分を賞与として分配したりするなど、残業しないことを評価する仕組み作りも同時に行います。

(8)アフター5を充実させる制度を作る

残業をしない環境をつくっても、仕事が気になってリラックスできない、家に仕事を持ち帰るなんてことになっては意味がありません。このような場合は、アフター5を充実させる制度を作ると効果的です。例えば福利厚生制度を整備し、スキルアップや心身のリフレッシュにつながるプランを提供できるとよいでしょう。例えば、従業員教育、スポーツ、娯楽に関するものなどが考えられます。


人事担当者が環境づくりを推進

ノー残業デーは比較的採用しやすい制度と言えますが、運用を誤ると効果を得られないばかりか、逆に会社と従業員両方に悪影響を及ぼす可能性もあります。そうならないよう、人事担当者は経営陣や管理職と連携を取り、組織全体として推進できる環境づくりを行うことが大切です。また福利厚生制度を整備して、企業が従業員のアフター5を充実させるような取り組みを行うこともポイントです。ノー残業デーを成功させて、より良い組織風土を醸成していきましょう。


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