社員研修の内容は?目的や計画の立て方、注意点を紹介
会社の発展や生産性向上に欠かせない社員研修には、新入社員に向けた基礎的なものから、中堅・管理職に向けた内容まで幅広い種類があります。こうした種類や選択肢の豊富さは、実際に計画を立てる担当者にとっては、かえって悩みの種になりやすいものです。
そこで今回は、社員研修の内容をどのように決めれば良いか検討中の方に、社員研修の目的や計画の立て方、注意点などを詳しく紹介していきます。
目次[非表示]
- 1.社員研修をおこなう目的とは?
- 1.1.次世代に向けた人材育成
- 1.2.社会人としての基礎力低下への対策
- 1.3.会社の魅力を高めて社員の離職率を下げる
- 2.社員研修の計画の立て方
- 2.1.目的とゴールを明確にする
- 2.2.現場担当者からヒアリングする
- 2.3.具体的なプログラムを考える
- 3.社員研修の注意点とは?
- 3.1.疑問には素早くアプローチする
- 3.2.座学だけで終わらないようにする
- 3.3.定期的に計画の見直しをおこなう
- 4.社員研修で習得させるべき内容は?
- 4.1.ビジネスマナー、ビジネススキル
- 4.2.タイムマネジメント力
- 4.3.リーダーシップ研修
- 5.flappi(フラッピ)なら従業員一人ひとりに合った研修を実現!
社員研修をおこなう目的とは?
社員研修には、一般的に以下のような目的があります。
次世代に向けた人材育成
今現在、カリスマ的なリーダーによって事業運営がおこなわれている会社においても、将来的に世代交代を考えると、早めに経営幹部の後継者となる人材を育てておく必要があります。そこで重要となるのが、これまで代々受け継がれてきた会社の理念や考え方をどのように伝えていくかということです。
一般的なマネジメント力や技術力の高い人材は、条件の良い求人を出すことで採用可能です。しかし、その人材に次世代のリーダーになることを期待する場合は、採用後の社員研修を通して、企業理念やその会社の中核を目指す目標意識などを教える必要があります。
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社会人としての基礎力低下への対策
近年の日本では、学生の課題解決力やコミュニケーション力といった社会人基礎力の低下が問題視されるようになりました。これは、地域コミュニティの崩壊や少子化、核家族化などによって、社会環境の中に習得の場がなくなったことで起きた問題であると考えられています。
企業全体の生産性を上げるためには、やはり一人ひとりの社会人基礎力を高めなければなりません。そして、従来と比べて学生の能力に低下の兆しが見られる今の時代は、採用後の社員研修によって、企業側が社会人基礎力を補う必要性が生まれているのです。
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会社の魅力を高めて社員の離職率を下げる
社員が感じる会社の魅力や満足度は、賃金や労働環境だけでなく、仕事における達成感や自分が成長している実感などの影響を受けやすい傾向があります。
ですから、優秀な人材の定着率を高めるためにも、仕事へのモチベーションを保てるような教育体系の整備は非常に大事なポイントとなってくるのです。また、自分の市場価値を高められる研修や教育プログラムの豊富な会社は、優秀な応募者の目に留まりやすい傾向もあります。
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社員研修の計画の立て方
社員研修における計画の立て方は、教育の対象者によっても変わってきます。
ここでは、数日かけて多くのことを学ぶ新人研修を中心に、基本的な計画の立て方を紹介します。
目的とゴールを明確にする
社員研修の計画立案で最も大切なのは、まず「誰にどうなってほしいか」を明確にすることです。社員研修の目的とゴールは、企業が求める理想の人材像とも関係します。そのため、会社として「当該社員をどのように教育してきたいか」という認識について、経営陣とも意識合わせをしておく必要があるのです。
また、新入社員の場合は、定期的な教育を経てステップアップさせなければなりません。ですから、初回の研修だけでなく長期的なプランを立てたほうが、企業としての人材育成を効率よく進めやすいだけでなく、社員本人の会社や仕事に対する理解がスムーズとなり、お互いにプラスとなります。
現場担当者からヒアリングする
社員研修には、新人であれば基本的なビジネスマナー、管理職であればマネジメントスキル、というように現場で使う知識やスキルを習得する目的もあります。そのため、研修の計画を立てる場合には、各事業部の管理職や教育担当の意見に耳を傾けましょう。
例えば、ソフトウェア会社の新人研修で基本的なIT知識などを教えておくと、新入社員を受け入れた現場では、配属後すぐにOJT(実務を通して業務を教える訓練方法)に入ることができます。また、新入社員研修の内容と現場のニーズに多くのつながりがあったほうが、先輩社員に講師の依頼もしやすくなるでしょう。
具体的なプログラムを考える
経営者や現場担当者との調整を経て具体的な目的とゴールが決まったら、研修プログラムにおける以下の項目について、具体的に考えていきましょう。
・研修内容(例:ビジネスマナー)
・研修のゴール(例:基本的な電話対応、名刺交換などのスキル習得)
・研修時間(例:1時間)
・研修の実施時期(例:1日目)
・講師(内部もしくは外部講師)
・コンテンツ(例:人事部で購入した市販のテキスト)
・達成度の評価、測定方法(例:1日の最後にテストをする)
研修プログラムに必要な項目を書き出すと、自社の人材育成に不足しているものも把握できます。また、この作業で出てきた問題点の早期解決ができれば、社員研修の土台ともいえる現状のプログラムに、定着率の向上や早期の即戦力化といった付加価値もつけられるでしょう。
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社員研修の注意点とは?
社員研修の成果を高めるためには、以下の点に注意をしながらプログラムを実施していく必要があります。
疑問には素早くアプローチする
どれほど優秀な講師によって価値ある研修がおこなわれても、受講者側がその内容を理解できなければ意味がありません。ですから、ゴールの達成につながる教育をおこなうためには、研修期間内に疑問を解決した上で次のステップに進める仕組みづくりが必要です。
そのためには、研修担当者や講師と受講者の距離を縮めて、質問しやすい雰囲気をつくりましょう。また、1週間や1ヶ月といった長期の研修では、定期的にレポート提出を求め、その内容から理解度を把握して補足説明をおこなう方法もおすすめです。
研修中のフォローやケアは、若手社員の定着率を高める上でも非常に役立ちます。
座学だけで終わらないようにする
講師の話をひたすら聞く座学だけでは、十分な成果は得られません。ですから、最初にある程度の基礎知識を解説した後は、受講者同士でおこなうロールプレイやグループワークなども取り入れてみましょう。
座学と実技を組み合せた研修には、社員の協力やコミュニケーションを促せるという利点もあります。また、プログラムの中に「話す」「考える」「手を動かす」といった作業があると、研修自体に飽きてしまうという問題も解消できるでしょう。
定期的に計画の見直しをおこなう
社員に求められる知識やスキルは、会社の状況や時代によっても変わります。そのため、2回目以降の社員研修を計画する場合には、成功した研修内容をそのまま繰り返すのではなく、必ず見直すことが大切です。社員研修の客観的な分析や振返りが難しい場合は、研修期間の最後に受講者からアンケートを記入してもらうことも良いでしょう。
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社員研修で習得させるべき内容は?
社員研修のカリキュラムに盛り込まれることの多いスキルには、以下のようなものが挙げられます。
ビジネスマナー、ビジネススキル
ビジネスマナーは、主に新入社員や若手社員向けの研修で学ぶ内容です。具体的には、次のような項目を、座学とロールプレイングを通して習得していきます。
・挨拶
・言葉遣い、敬語の使い方
・電話応対
・名刺交換
・身だしなみ
・ビジネスメールの作り方 など
研修初期の段階でこのスキルの習得を目指すことで、社会人としての自覚も芽生えます。また、事務職から技術職、営業職まで多彩な部署で役立つこのビジネスマナーは、新入社員の集合研修に入れやすい内容でしょう。
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タイムマネジメント力
タイムマネジメント力は、与えられた仕事に対して必要時間の予測や優先順位を考え、時間を有効活用するために欠かせないスキルです。具体的には、仕事管理やスケジュール管理、進捗管理などを学びます。
この能力が高まると、社員が自発的に作業効率化を図れるようになるため、企業における無駄なコストの削減にもつながります。また、業務遂行力とも関係するこのスキルの向上は、各社員が数多くのビジネスチャンスをつかむ上でも欠かせないものとなるでしょう。
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リーダーシップ研修
中堅社員向けの教育プログラムでは、組織をコントロールする上で欠かせないリーダーシップ研修も含まれます。このスキルを習得すると、業務効率が高まる行動指針の打ち出しや、上司として部下のモチベーション管理などもできるようになるでしょう。
ただし、管理職向けともいえるリーダーシップ研修は、新人研修と違って一部の社員だけが対象となります。ですから、中堅社員以上を対象とした社員研修を計画する場合には、人事評価制度などを活用し、対象者を選定しましょう。
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flappi(フラッピ)なら従業員一人ひとりに合った研修を実現!
企業でおこなわれる社員研修には、次世代に向けた人材の育成や社会人基礎力低下への対策、会社の魅力向上など、非常に多彩な目的があります。
社員研修の計画を立てる場合には、経営陣や現場のニーズに耳を傾けた上で、目的とゴールを明確にしなければなりません。そして、具体的なプログラムの検討段階で、研修で使うコンテンツや講師の選定、時間数などを決めていくのが一般的です。
JTBベネフィットの「flappi(フラッピ)」には、従業員それぞれの課題を洗い出し、スキル向上に向けた研修内容の提案や、企業側に組織の改善方法などを伝える機能を備えています。社員研修の内容や計画でお悩みの場合は、ぜひflappiの活用をご検討ください。
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