生産性向上とは?正確な意味をつかみ実践を可能に!

​​​​​​​生産性を向上させるために業務内容の洗い出しと効率化の検討をする従業員

人事関連の記事を検索すると「生産性向上」という言葉をよく目にしますが、具体的にどのようなことをすれば生産性を向上させることができるのか意味を知らないまま、日々の業務で使っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、行政機関でも用いられる「生産性向上」の正しい言葉の意味を紹介し、そのメリットや向上させるために実施すべきポイントと、この言葉と混同されることの多い「業務効率化」との違いなどについて、詳しく解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.生産性向上とは
    1. 1.1.生産性とは
    2. 1.2.生産性向上と業務効率化は違う
    3. 1.3.生産性向上の余地の大きい日本社会
  2. 2.生産性向上のメリット
    1. 2.1.人手不足の長期的解消
    2. 2.2.従業員のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上
    3. 2.3.競争力の確保
  3. 3.生産性向上をおこなうには
    1. 3.1.人材や業務の可視化
    2. 3.2.従業員が能力を発揮できる環境
    3. 3.3.IT技術の活用
  4. 4.組織を可視化し生産性向上へとつなげる

生産性向上とは

生産性向上の定義や意味を知るためには、まず「そもそも生産性とは何なのか?」ということから考えていく必要があります。

生産性とは

まず生産性には、以下3つの種類があります。

1. 労働生産性:労働の視点から見た生産性
2. 資本生産性:資本の視点から見た生産性
3. 全要素生産性:投入した生産要素のすべてに対して、どのぐらいの産出ができたかをあらわす指標

この中で一般的に多く使われるのは、付加価値を投入労働力で割った「労働生産性」です。この労働生産性は、就業者一人あるいは就業1時間あたりの経済的な成果を指します。
生産性を定量的にあらわす労働生産性は、その国の経済的な豊かさを示す国内総生産(GDP)とも関わりの深い言葉です。

総務省のサイトでも労働生産性について言及しており、国や各企業が労働生産性を高め、より効率的に経済的な成果を生み出す取り組みであると定義できます。

生産性向上と業務効率化は違う

生産性向上と混同されやすい言葉に業務効率化があります。目指すものが近しいために混同しやすい言葉ですが、これらは取り組み方にはっきりとした違いがあります。

業務効率化とは、業務における無駄を省くことによって、時間やお金のコストカットを目指す考え方です。
一方で、生産性向上とは、労働生産性を高めアウトプットを増大することによって、国内経済や企業経営に好循環をもたらすことを指します。
したがって、これらはベクトルが大きく異なる言葉なのです。

しかし、人材を含めた経営資源を最大限に有効活用し、小さな投資で大きな成果を生み出すという意味では、「業務効率化は生産性向上のひとつの施策である」という見方もできます。

生産性向上の余地の大きい日本社会

日本における労働生産性は、G7に加盟する先進国の中でも最低レベルです。アメリカの数字と比較すると、おおむね3分の2程度にとどまっています。

こうした状況に陥ってしまっている背景には、戦後から続く劣悪な労働環境や労働慣行などの原因があります。そのため近年の日本では、働き方改革などの制度改正を通して、企業における労働生産性が高まる取り組みを推進する流れが強まっています。


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生産性向上のメリット

ワークライフバランスを高めていきいきと業務に取り組む従業員

企業が生産性を向上させると、単純に収益が改善する他に、以下のようなメリットが得られます。

人手不足の長期的解消

少子高齢化や団塊世代の退職の本格化によって、多くの日本企業が慢性的な人手不足に陥りつつあることが現在の大きな課題です。しかし、早い段階で労働生産性を高める取り組みを始めれば、深刻な人手不足は避けられるでしょう。

例えば、自社における労働生産性が上がらない根本的な原因を解消できれば、焼け石に水のような人手不足への対応など、悪循環を起こしてしまっている業務への課題を改善することもできます。さらに、採用活動をおこなう人事部門の負担も軽減できるはずです。

従業員のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上

生産性の低い会社では、残業続きの毎日や劣悪な労働環境などによって社員の生活の質、いわゆるQOLが低下している可能性も非常に高いです。こうした状況下で労働生産性を高める取り組みを実践すると、心身の負担が軽減した社員が健康的に仕事に励めるようになります。

また、生産性の向上によって必要以上の残業や休日出勤がなくなれば、趣味や家族との時間が増えることで、ワーク・ライフ・バランスの改善も可能になるでしょう。

競争力の確保

国内外での価格競争や品質競争に負けない企業になるためにも、生産性を向上させる取り組みは非常に重要です。例えば、製造ラインに携わる現場で一人ひとりの労働生産性が高まれば、人件費が抑えられ、低コストで商品を作れるようになります。

さらに、劣悪な労働環境が改善すると、製造ラインにおけるミスやエラーが少なくなり、高品質の商品をたくさん生み出せるようになる、という好循環が生まれます。


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生産性向上をおこなうには

さまざまなICT機器を駆使してデータを抽出するイメージ

企業において生産性を向上させるためには、以下のように具体的な対応を実践していく必要があります。

人材や業務の可視化

生産性向上で非常に大切なのは、労働生産性を高める上で欠かせない人材や業務に関する情報を可視化することです。例えば、新たなソフトウェア開発に向けてメンバーを選ぶ場合、従業員の適性やスキルがわからなければ、適材適所の人材配置ができません。

また、各部署やプロジェクトごとの問題点などを可視化しなければ、何を改善すれば労働生産性が高まるか、といった適切な判断もできないでしょう。したがって、生産性向上や業務効率化に向けて対応策を考えるときには、組織や業務、人材など、すべての資源を可視化するのが理想です。


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従業員が能力を発揮できる環境

生産性を向上するには、各従業員がストレスなく最大限のパフォーマンスを発揮できる環境も必要です。業績が向上しても、従業員の労働時間が増えていたら生産性が向上したとはいえません。つまり、毎日のように遅くまで残業しなければならないプロジェクトでは、どんなに優秀な人材であっても、疲労やストレスで失敗をしやすくなります。

こうした問題を改善するには、人員不足や協力体制といった原因をすべて洗い出し、どんな環境なら最大限に能力を発揮できるかを考える必要があります。また、経営陣や人事部門による客観的な分析が難しい場合は、パフォーマンスの低いチームのメンバーへ個別にヒアリングなどをしてみても良いでしょう。


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IT技術の活用

生産性向上や業務効率化の成果を高めるためには、最先端のIT技術もぜひ活用したいところです。これらの目的で特に注目されているのが、RPAとIoTという2つの技術です。

パターン化された定型業務を自動化できるRPAを使うと、余計な人件費を削減するとともに、成果量の増大が実現しやすくなります。また、身の回りにあるさまざまなものをインターネット接続するIoTは、製造業や建設業における設備のリモート管理や稼働情報の把握といった、さまざまな対象をつなげられる仕組みです。農業においては、RPAを活用して人による作業工数の削減と同時に、IT技術によって品質を向上させるスマート農業に取り組んでいる事例があります。

このようにIT技術を取り入れると、少ない工数で多くのものを生み出すことができます。また、大規模な技術の導入が難しい場合は、比較的容易に使える分析ツールや管理ツールなどから使い始めてみても良いでしょう。


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組織を可視化し生産性向上へとつなげる

企業における生産性向上とは、従業員一人あたりの労働生産性を高めることで、利益などを増大させる考え方です。生産性向上と混同されやすい業務効率化は、どちらかといえば人材活用や労働環境などにおける無駄を見直すことで問題点を改善していく概念です。会社の中で生産性が向上すると、以下のようなメリットが得られます。

人手不足が解消する
従業員のQOLが向上する
競争優位性が高まる   
など

一般的な企業で生産性向上をおこなうときには、人材や業務における情報を可視化した上で、IT技術の活用や高いパフォーマンスを発揮できる就労環境を整えるのが理想となります。

JTBベネフィットの「flappi(フラッピ)」は、労働生産性を支える従業員一人ひとりの情報を収集し、AI技術などを使って分析できる画期的な人材育成ツールです。従業員のスキルやマインドを可視化して生産性向上に役立てたい、という企業担当者の方は、ぜひflappiをご検討ください。


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