ダイバーシティ&インクルージョンとは?企業への影響と対応を解説

​​​​​​​多様性を受け入れる働き方をする従業員

多様化が進む社会で、ビジネスの世界でもダイバーシティ&インクルージョンという考え方が広がっています。
ダイバーシティは多様性を、インクルージョンは包括・内包するという意味を持ち、それらを組合せたダイバーシティ&インクルージョンは、多様な一人ひとりの能力を認め合うことで、各々が自信の居場所があると感じられるようになる、という考え方を指します。

今回は、このダイバーシティ&インクルージョンが、実際に企業にとってどのように役立つのか、自社で推進した場合の影響や対応を解説します。

目次[非表示]

  1. 1.ダイバーシティ&インクルージョンとは?
    1. 1.1.ダイバーシティとは
    2. 1.2.インクルージョンとは
    3. 1.3.ビジネスにおけるダイバーシティ&インクルージョン
  2. 2.ダイバーシティ&インクルージョン推進でどのような人材の活躍が期待できる?
    1. 2.1.女性
    2. 2.2.宗教・信条・文化の異なる外国人
    3. 2.3.障がい者
    4. 2.4.シニア世代
    5. 2.5.ミレニアル世代
    6. 2.6.LGBT
    7. 2.7.その他、さまざまな地位や価値観、ライフスタイル、性格、嗜好を持つ人
  3. 3.ダイバーシティ&インクルージョン推進への課題
    1. 3.1.日本におけるダイバーシティの認識の誤り
    2. 3.2.相互理解のためのコミュニケーションが必要
    3. 3.3.労働環境の整備
    4. 3.4.平等な評価制度
    5. 3.5.管理職の教育
  4. 4.多用な人材のマネジメントにはflappiをご活用ください!

ダイバーシティ&インクルージョンとは?


企業に広まりつつあるダイバーシティ&インクルージョンという概念とはどのようなものを指すのでしょうか。

まずは、ダイバーシティとインクルージョンそれぞれの言葉の意味を再確認した上で、ダイバーシティ&インクルージョンの言葉の理解を進めていきましょう。

ダイバーシティとは

ダイバーシティ(Diversity)とは、英語を直訳すると多様性という意味の言葉です。
本来は幅広く性質の異なるものが存在している状態という意味で使われていましたが、ビジネスシーンでは年齢、性別、人種、国籍、職歴、学歴、性自認、障がい、価値観、ワークスタイルなどの要素で人を制限せず、むしろ積極的に採用して多様な人材を活かす取り組みと定義されています。
ダイバーシティ経営、職場のダイバーシティを重視する、といった表現で使われます。

インクルージョンとは

インクルージョン(Inclusion)とは、英語を直訳すると包括・包含という意味の言葉です。包括は全体をまとめること、包含は包み込むことをいいます。
ビジネスシーンでは受け入れる、認めるといった意味合いの日本語が使われています。

ビジネスにおけるダイバーシティ&インクルージョン

ダイバーシティの考えにインクルージョンという条件を加えたダイバーシティ&インクルージョンは、従業員一人ひとりの多様性を受け入れつつ、従業員が互いに認め合い、尊重しながら一体となって成長・活躍することです。

一人ひとりが多様なバックグラウンドをベースとした能力を発揮し、グループやチームとして結束することで新しい価値を創造することを推進する考え方を指します。

インクルージョンの考え方のイメージ(ダイバーシティ関連)


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ダイバーシティ&インクルージョン推進でどのような人材の活躍が期待できる?

ダイバーシティ&インクルージョンを推進している会社で働く障がい者従業員

ダイバーシティ&インクルージョンを導入・推進するにあたって、人材の属性から期待できる活躍を例としてイメージしてみましょう。

一人ひとりが持つ属性への理解を深めることは、働きやすい環境や条件を把握したり、最大限の能力を引き出したりすることにつながります。

女性

女性が活躍することは、多様化する市場ニーズへの対応力向上が期待できます。現代の家庭では購買決定権を持っているのは女性が多い傾向もあり、女性ならではの視点を事業に活かすことで企業の成長を見込めるでしょう。

男女平等の意識が一般化した現代でも、女性が働きやすい職場作りを実現できている企業はまだ多いとはいえません。特に、出産後の復職の際に待機児童問題や家庭との両立の面で課題が発生しやすいため、出産後も働きやすい時短勤務の導入や男性従業員の育休取得などの対応が求められます。


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宗教・信条・文化の異なる外国人

グローバルな業界以外でも、外国人従業員を雇用することで新たな価値観や発想を得られるというメリットがあります。宗教や文化などの面で違ったバックグラウンドを持つ人材を雇用し、考えを融合することで新しい価値を創造できるでしょう。


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障がい者

障害者雇用率制度により、従業員の数が43.5名以上の民間企業では2.3%の障がい者を雇い入れる義務があります。企業は障がい者を雇用することで助成金を受けられますが、ダイバーシティ&インクルージョンの視点で考えると障がい者を雇用する目的やメリットはそれだけではありません。

障がいの特性に合わせて業務の指示をおこなうことは人事管理能力の向上につながり、作業工程の切り出し・再構築などは業務効率化の推進につながるでしょう。また、障がい者本人のトレーニングもなり、ユニバーサルデザインの商品開発においては障がい者の意見が非常に重要となります。


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シニア世代

少子高齢化が進む中で、シニア世代の活躍は企業にとって大きな力となります。
厚生労働省が施行した高年齢者雇用安定法の一部改正を受けて、2013年4月からは従業員は希望すれば65歳まで働き続けることが可能となっています。シニア世代が活躍するには、成果を期待しない福祉的な雇用をやめ、能力を正当に評価することが重要です。

福祉的な雇用は成果を上げても報酬につながらないためモチベーションが上がらない、モチベーションが低いから成果が上がらないという悪循環を作り出します。
責任の集中する管理職では体力や精神面で負担となりやすいため、専門家や若手社員の相談窓口といったポジションについてもらうのも一つの手段です。


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ミレニアル世代

ミレニアル世代は1980年代半ばから2003年の間に生まれた世代を指し、現在は企業の中核を担うことの多い世代です。

物心ついた頃からインターネットが身近にあったデジタルネイティブであり、ネットリテラシーが高くインターネットでの購買活動も積極的におこないます。AIの発展やIoT社会を、現実的に実現させるための発想を生み出すことが期待されます。


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LGBT

LGBT(性的マイノリティー)と職能は関係がないものです。しかし、これまでLGBTは外見上の問題で差別的な目で見られたり、LGBTというだけで能力があっても希望する仕事や職業に就けないなど苦難に立たされてきました。

ダイバーシティ&インクルージョンの考え方では、身体の性・性自認・性的指向に関わらず能力を最大限に発揮でき、自分らしく働ける環境が求められます。


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その他、さまざまな地位や価値観、ライフスタイル、性格、嗜好を持つ人

私たち人間には、前述のような違い以外にも、人種や宗教、地位、価値観、ライフスタイル、性格、嗜好などの面でそれぞれの個性を持っています。

性別や年齢といった外見的な違いだけでなく、価値観やライフスタイルなどは一見してわからない違いもあるため、一人ひとりが違っていることを認識することも大切です。


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ダイバーシティ&インクルージョン推進への課題

多様性を認めて働く意欲のある世界中の誰もが自分らしく働ける環境を推進するイラストのイメージ

日本の一般企業でダイバーシティ&インクルージョン推進するには、解決すべき課題が多くあります。ここでは、具体的にどのような課題があるのかを紹介します。

日本におけるダイバーシティの認識の誤り

2017年にアデコ株式会社が20代~60代の働く人を対象におこなった調査では、職場でダイバーシティ推進に取り組んでいると回答した人のうち、約60%が取り組みの内容として女性の採用、登用と答えています。

調査の結果から、日本ではダイバーシティは女性の採用・登用に対して使われる言葉として認識されていることが多く、実際の意味におけるダイバーシティ&インクルージョン推進が遅れている現状があるといえます。

事業者が本来の意味でのダイバーシティ&インクルージョンを理解、周知して取り組んでいくことが重要ですが、働き方改革を進める国も周知活動をより注力しておこなう必要性があります。

相互理解のためのコミュニケーションが必要

多様な人材が入り乱れる職場では、互いを理解するためのコミュニケーションが必要です。
従業員同士が意思の疎通を円滑におこなえるよう、就業時間内に食事会を開く、通訳的な存在となる相談係を配置するなどの工夫をおこないましょう。


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労働環境の整備

ダイバーシティ&インクルージョンの考え方では、人それぞれ自身の適性となる働き方を選択できることが必要です。9:00~17:00までの画一的な働き方だけでなく、短時間勤務やリモートワーク、時差出勤などの制度を取り入れ、多様な属性の人材が働きやすい職場を作りましょう。

平等な評価制度

ダイバーシティ&インクルージョンが実現すると、さまざまな立場の従業員が増えるため、評価制度もまた画一的なものでは不満が発生する場合があります。

ポジションや給与、待遇などはどのような評価をもとに決定されるのか、働く人が納得できる制度を作らなければなりません。

管理職の教育

多様な人材がいる職場では個々の能力・スキルを把握し、組織に活かせるマネージャーを研修などで育成することも重要となります。

従業員同士が能力を引き出し合い、認め合い成長できる職場を作るには管理職がダイバーシティ&インクルージョンの基本的な知識を深め、職場に浸透させていくことが第一歩となるでしょう。


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多用な人材のマネジメントにはflappiをご活用ください!

多様な人材がそれぞれ活躍するためには、一人ひとりのマネジメントを適切におこなう必要があります。従業員の多い部署や管理職が多忙な場合、個人のニーズをつかみづらいと感じている場合などにはマネジメントを手助けするツールを導入することをおすすめします。

JTBベネフィットが提供するEVPサービスの「flappi(フラッピ)」は、従業員の情報や行動データを収集し、AI等で分析することで適切なフィードバックとレコメンデーションをおこなうツールです。職場に導入することで、きめ細やかなマネジメントのサポートが可能です。個々の力を引き出し成長につなげるflappiを取り入れ、企業を牽引する組織作りを目標におこないましょう。


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