業務効率化と生産性向上の違いは?本質的な生産性向上を実現する考え方

​​​​​​​生産性とはインプットの量に対してアウトプットの量をより大きくすることのイメージ

近年の日本では、働き方改革や少子高齢化の影響もあり、業務効率化と生産性向上は同時に使われることが多くなりましたが、これら2つは混同されがちな言葉かもしれません。実のところ、生産性向上は業務効率化より遥かに幅広い意味を持つ本質的な概念です。

今回は、業務効率化と生産性向上の違いや関係性を解説し、業務効率化に向けた実践例や、生産性を上げるためにできる業務効率化以外の取り組みを紹介します。業務効率化の本来の目的でもある組織の生産性向上を実現させるために、ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.業務効率化と生産性向上の関係と違い
    1. 1.1.業務効率化とは
    2. 1.2.生産性向上とは
    3. 1.3.業務効率化と生産性向上の違い
  2. 2.業務効率化のための実践例
    1. 2.1.不必要な業務そのものをなくす
    2. 2.2.書類やファイルのフォーマットを統一
    3. 2.3.業務を扱いやすい単位に統合・分割
    4. 2.4.情報のデータベース化
    5. 2.5.業務を自動化
    6. 2.6.マニュアル化
    7. 2.7.コミュニケーションツールの合理化    
  3. 3.業務効率化以外の生産性向上の例
    1. 3.1.ダイバーシティの実現によるイノベーション
    2. 3.2.従業員の健康と幸福の実現による労働の質の向上
    3. 3.3.従業員のスキルアップによるアウトプットの増大
    4. 3.4.コミュニケーションの促進による知見の創出
    5. 3.5.他社などとの協働によるシナジー
    6. 3.6.ITやロボットなどによる生産量の増大
    7. 3.7.人事評価のクラウド化
  4. 4.本来の生産性向上を実現するためには
    1. 4.1.事業規模の拡大・縮小
    2. 4.2.適材適所への人員配置
    3. 4.3.従業員のモチベーションアップ
  5. 5.人事を効率化し企業全体の生産性を向上させるサービスとは

業務効率化と生産性向上の関係と違い

まず、業務効率化と生産性向上がどのようなものなのか、それぞれの特徴を解説します。これら2つの概念の明確な違いを理解していきましょう。

業務効率化とは

業務効率化とは、「ムダ」な作業をなくし、仕事を効率化することです。何かを生み出す(仕事)には、時間を費やします。さらに労力、コスト、設備などの投資(インプット)も必要です。業務効率化とは、少ない時間と投資で効率よく生産物(アウトプット)を作り出すことを指します。

生産性向上とは

生産性向上とは、インプットの量に対してアウトプットの量をより大きくすることです。例えば、10人で100の利益を創出するチームと5人で100の利益を出せるチームでは、後者のほうが労働生産性が高いといえます。

先に触れた業務効率化も、生産性向上を成功させる手段の一つです。より少人数で同じ利益を出していくには、作業のムダを省くことが有効となるケースは多々あるでしょう。ただし、良質なインプットが確保されなければ、ムダを省いても生産性向上を実現できない場合もあります。

業務効率化と生産性向上の違い

業務効率化と生産性向上では、着眼点が異なります。業務効率化で意識されるのは、インプットをできるだけ抑制することです。一方、生産性向上はアウトプットを増大させることに主眼が置かれます。この点で、2つの概念は明確に区別されるものなのです。


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業務効率化のための実践例

業務効率化に向けてさまざまな調査をおこなう従業員とそのデータ

生産性向上に向けた業務効率化と一口にいっても、そのためにできる施策はたくさんあります。社内においても効率化をおこなえる課題は多く存在します。その中から、有効視されている具体的な実践例をいくつか挙げてみましょう。

不必要な業務そのものをなくす

一つの仕事を細かくわけてみると、打ち合せや会議、資料作成、顧客訪問、報告書の作成など、様々な作業で成り立っていることがわかります。こうしてすべての作業を洗い出し、有効活用されていないものや利益に貢献していない作業を省くことで、不要な労働時間を削減します。その時間を活用し、必要な作業により多くの時間と労力をかけられるようになるでしょう。

書類やファイルのフォーマットを統一

社内では様々な書類やファイルが作成され、その多くが複数の従業員間で共有されます。したがって、部署や案件ごとに、さらには作成者ごとにバラバラの書式で書類やファイルが作成されていると、理解の差や誤認が生まれる確率が上がります。
書類やファイルのフォーマットを統一することで、誰が見ても同じように内容を認識しやすくなります。また、作成時のチェックも容易になるため、ミスや抜け漏れの防止になるでしょう。

業務を扱いやすい単位に統合・分割

複数人、または部署を跨いで進める仕事もあるでしょう。そのような状況では、業務全体から個々がおこなう作業を俯瞰してみると、重複した作業が見つかることもよくあります。あるいは、停滞しがちな業務の中には、作業を分割して割り振りを見直すことで、停滞リスクを下げられるものもあるでしょう。

情報のデータベース化

社内には様々な情報が整理されないまま散乱していることがよくあります。顧客情報を例にすると、名刺は紙ベース、担当者とやり取りされたメール、経理が専用システムで管理する入出金情報、アンケートや問い合せの内容も別ファイルにまとめて管理というような状況です。
顧客情報に限りませんが、社内のあらゆる情報をデータベース化することで、情報が必要になった際の迅速な抽出や閲覧が可能となるでしょう。

業務を自動化

毎回同じ作業がともなう定型業務は、積極的に自動化しましょう。同じ内容のコピー&ペーストや同じ箇所の計算など、単純作業に関わらず膨大な時間を消費する例は少なくありません。
ExcelやWordのマクロを活用したり、専用システムを導入したりして自動化するのが得策です。また、自社で構築したデータベースが役立つこともあるでしょう。担当者の業務負担が軽減されるだけでなく、入力ミスや業務の属人化の防止にもなります。

マニュアル化

各業務について、詳しくわかりやすいマニュアルを作成しておくのも有効です。準備から進め方、さらに確認方法までを明記し、誰もがいつでも閲覧・参照できる形で共有しておきましょう。
こうしておけば、作業中に疑問が湧いた際にも即時解決が可能になり、業務の停滞リスクが下がります。個々が同等の適切な確認作業を実行するための指標にもなり、アウトプットの質が一定化するというメリットもあります。

コミュニケーションツールの合理化    

仕事をするにあたって、チーム内でのコミュニケーションは不可欠ですが、その手段にも工夫が必要です。個々の社員はそれぞれに複数の仕事を抱えますが、一度に進められる業務はそれほど多くありません。
ここで考えなければならないのが、個人の集中の確保と全体のスムーズな業務進行とを両立させることです。例えば、メールのほかにチャットツールを導入してコミュニケーションの簡素化・合理化を図れば、業務効率化が期待できます。


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業務効率化以外の生産性向上の例

業務効率化以外にも生産性向上につながる要素は多々あります。以下にその事例を挙げます。

ダイバーシティの実現によるイノベーション

異なる能力や価値観、発想を持つ社員の集まるダイバーシティ組織では、イノベーションが起こりやすくなります。これまでにないイノベーションを創出できれば、市場でも競争優位となり組織の生産性も上がるでしょう。


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従業員の健康と幸福の実現による労働の質の向上

従業員の健康や幸福感は、労働のパフォーマンスや質に大きく影響します。長時間労働の是正や休暇制度の充実、パワーナップ(仮眠)の推進など、従業員の健康やワークライフバランスに配慮した制度を整えましょう。制度を設けるだけでなく、それらを有効活用できる環境を整えることで、生産性の向上が期待できます。


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従業員のスキルアップによるアウトプットの増大

従業員一人ひとりのスキルも、生産性に深く関わる要素です。従業員のスキルアップを企業がサポートする方法としては、社内研修の実施、資格取得や個人学習の支援などがあります。また、現在のレベルよりやや高度な業務を経験することでも能力やスキルはアップするでしょう。この意味では、業務プロセスやフローの改善が従業員のスキル向上や能力開発につながることもあります。


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コミュニケーションの促進による知見の創出

社内のコミュニケーションが活性化すると、知識や経験が広く共有される機会が増えます。リアルタイムな問題や疑問もより頻繁に共有されるようになり、解決方法は会社全体の知見として蓄積されるでしょう。コミュニケーションの促進には、交流機会の提供や交流しやすいスペースの設置などが有効です。また、リモートワークを実施しているとコミュニケーションは必然と減ってしまいますので、チャットやWeb会議システムを導入するなど、交流の機会は絶やさないようにしましょう。


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他社などとの協働によるシナジー

企業にはそれぞれ独自の強みがある一方で、弱い部分もあります。そのような自社の不得意・不備な要素を、その道に長けた他社の力で補うことで、より良いアウトプットを効率的に作り出せるでしょう。この際、他社にとって自社が補完要素であれば、Win-Winの関係に基づいた発展が見込め、双方の企業に新たな付加価値が生まれることもあるはずです。


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ITやロボットなどによる生産量の増大

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人事評価のクラウド化

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本来の生産性向上を実現するためには

IoTやICTツールを活用して生産性を向上する従業員

本来の生産性向上を実現させるには、さらに大きな視点からの抜本的な対策が必要とされます。

事業規模の拡大・縮小

自社の経営状況、戦略・事業計画などを俯瞰的に分析し、各事業の最適化を図ることで生産性は向上させられます。必要に応じて事業の拡大(投資増額、人員の増員)、縮小(不採算サービスの廃止、人員の減員)を検討しましょう。

適材適所への人員配置

生産性の高い企業では、従業員が得意とする分野やスキルと担当業務とを一致させ、適材適所の配置がなされています。より的確な分析と見極めをおこなうために、タレントマネジメントによる情報蓄積が有効です。

従業員のモチベーションアップ

従業員ができるだけ高いモチベーションで仕事に向き合えるような施策を打ち出すことも大切です。例えば、インセンティブ制度や表彰制度を活用する方法があります。ただ、モチベーションを喚起するものは金銭面だけではありません。企業と従業員との信頼関係を構築し、ロイヤリティを創出する努力も必要でしょう。


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人事を効率化し企業全体の生産性を向上させるサービスとは

業務効率化を含めた生産性向上への取り組みにおいては、社内の一部を変えるだけではなかなか大きな変化や成果が得られません。経営や事業全体から鑑みたムダやムラの削減、時代に合う有効策への変革が求められます。しかし、このプロセスに要する時間やプロセスは膨大です。

そこで、生産性向上の実現に役立つ人財(※)育成サービスである、JTBベネフィットの「flappi(フラッピ)」の導入がおすすめです。flappiは、人財管理の効率化だけでなく、従業員の適材適所の配置やスキルアップのプロセスを支援する先進サービスです。

また、従業員のモチベーションアップにつながるユニークなインセンティブ制度を実現する、ポイントプログラムの「サンクスコレクト」も展開しています。生産性向上のために、便利なサービスの活用をぜひご検討ください。


※JTBグループでは、社員の成長・活カが会社の成長、グループの発展を支えるという基本理念のもとで人は財産であるとし、「人材」を「人財」と表記しています。


  flappi(フラッピ) 従業員の「能力」と「EVP」を高め、企業の持続的成長をサポートする。EVP(従業員価値提案)を創造して組織の発展や従業員の成長に向けたソリューションを提供します。 株式会社JTBベネフィット


  サンクスコレクト "サンクスコレクトは目標達成に合わせ従業員にポイントを付与する新たな法人向け報奨(インセンティブ)サービスです。売上貢献にとどまらず、バックヤード社員含むプロセス評価の実現、採用強化、離職率抑制、 健康増進等といった企業課題を改善し全体のボトムアップ(生産性向上)を実現します。" 株式会社JTBベネフィット


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