【製造業編】今、企業から求められる人材像とは?採用・育成方法も解説

​​​​​​​何度もテストして最適の製品やサービスをムダなく提供する従業員

ビジネスのグローバル化やIT・ICT化にともなうAI技術の発展と、現代のシステム思考から導入が進むDX(デジタルトランスフォーメーション)により、企業が求める人材像に大きな変化が生じました。そこで、採用や育成に携わる人事担当者へ向けて、求められる人物像の基礎要件や特に製造業に求められる人物像、優秀な人材の採用や育成のポイントについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.今、企業から求められる人材とは?
    1. 1.1.当該分野の基礎的な知識に関して、徹底的な理解がある人材
    2. 1.2.グローバル感覚のある人材
    3. 1.3.マネジメント力がある人材
    4. 1.4.社会人基礎力の高い人材
  2. 2.グローバル化の進行にともない求められる人材像
    1. 2.1.英語力は大前提、異文化への理解力とコミュニケーション力も重要
    2. 2.2.能動的な発信能力が問われる
    3. 2.3.グローバルな変化に対応できる立案能力
  3. 3.AI化が進んでもなお求められる人材像とは? 
    1. 3.1.マニュアル化できる仕事は必要なくなる
    2. 3.2.求められるのは「AIを使える」人材
    3. 3.3.コミュニケーションは人間の領分のまま
  4. 4.製造業に求められる人材像とは
    1. 4.1.製造業の現実を受け入れられる人材
    2. 4.2.発想力が豊かで、粘り強く変化を求め続けられる人材
    3. 4.3.関係者を説得させるシナリオを持てる人材
  5. 5.「企業に求められる人材」を確保するための育成と採用方法
    1. 5.1.人物重視の採用をおこなう
    2. 5.2.自発性を発揮できる環境と社風をつくる
    3. 5.3.責任を持たせ多様な職務に就かせる
    4. 5.4.必要なくなる人材は抑制も必要
  6. 6.経営資源を「求められる人材」へと集中させる

今、企業から求められる人材とは?

現代の日本社会で求められているのは、以下のような特徴が備わった人材です。

当該分野の基礎的な知識に関して、徹底的な理解がある人材

将来的に自社の社員がどのような役職やキャリアを目指す場合においても、その分野の基礎的な知識や技術の習得は不可欠です。どんな仕事内容であっても、基礎がしっかりしているとその上のステップとなる人材教育や研修の成果も上がりやすくなります。
また、多くの企業が求めるスペシャリスト兼ゼネラリストとなるT型人材を目指す上でも、専門性の土台となる基礎知識の徹底は必要になるでしょう。


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グローバル感覚のある人材

ビジネスのグローバル化が進む近年では、多様な地域で様々な人々とともに働けるだけのグローバル感覚が求められるようになりました。この素質には、地球環境や社会の調和や共存といった視点で物事を考えられるあたたかい配慮も含まれます。
また、競合優位性を高めようとする企業では、自身の専門領域を他分野で活用し、新たな領域を構築する能力も求められています。


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マネジメント力がある人材

企画開発から製品化、サービス展開といった会社における一連のバリューチェーンを俯瞰し、プロジェクトを遂行できる人材も企業から重宝されます。
また、管理職の立場で企業に貢献するためには、新たな技術やトレンドをうまく取り入れることで自ら市場を掘り起こすスキルも必要です。


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社会人基礎力の高い人材

経験から習得した知識を現場で有効活用していくためには、経済産業省が公開する「人生100年時代の社会人基礎力」の概念として掲げられている3つの能力と12の能力要素を満たすことも必要です。


社会人基礎力の定義

3つの能力
前に踏み出す力
考え抜く力
チームで働く力
12の能力要素
主体性
課題発見力
発信力
働きかけ力
計画力
傾聴力
実行力
創造力
柔軟性


情況把握力


規律性


ストレスコントロール力

優秀な人材への教育では、この基礎力を土台として専門性を高めるための研修などを進めていきます。その際、最初にゴールを設定し、途中で見直しや改善を加える流れにすると、将来のキャリアアップに向けて高いモチベーションを維持しやすくなるでしょう。


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グローバル化の進行にともない求められる人材像

経済社会の国際化が進む今の時代は、企業のグローバル化に対応できる以下のような人材像が多くの企業から注目されています。

英語力は大前提、異文化への理解力とコミュニケーション力も重要

グローバル化する社会で高い能力を発揮して活躍するためには、外国の顧客や取引先とのコミュニケーションに用いる英語力だけでなく、日本以外の文化や考え方を理解する姿勢も必要です。
多様な働き方が推進される近年の日本では、ダイバーシティの概念に基づいて、国籍や人種、宗教などにおいて多彩な属性を持つ人材の採用がますます進むことが予想されます。その上でも、語学力のみならず、異文化への理解力を持つ人材が求められるようになっています。

能動的な発信能力が問われる

グローバル化する世界では、バックグラウンドの異なる人や企業と交渉したり、自身の考えや良案を能動的に発信したりする力も必要です。
そのため、例えば、企画や計画などを文章や図表にあらわし、効果的にプレゼンテーションできるスキルがあると理想的です。高い発信力を目指す人材には、結論から物事を説明するアンサーファーストの意識も必要となるでしょう。

グローバルな変化に対応できる立案能力

目まぐるしく変化するグローバルな世界では、柔軟な思考で課題を探りつつ事業の構想を練る力も求められます。個々の人材に高い立案力や事業構想力が身につくと、個人レベルの最適化だけではなく企業全体の利益や成長につながり、企業が理想的な組織へと成長しやすくなります。
「いつまでに何をするか?」を考える立案能力は、将来リーダーや経営幹部になるにあたっても必要な資質となるでしょう。


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AI化が進んでもなお求められる人材像とは? 

顧客満足度の向上のために何度もテストをして品質を保って改良を加えようとする従業員

AIによる人間の仕事の代替が進む中、それでも企業から求められる人物像には、以下の特徴があります。そして、これらは今の日本社会で最も需要のある人物像とも共通しています。

マニュアル化できる仕事は必要なくなる

まず、AI技術が普及すると、マニュアル化できる定型業務の大半で置き換えが進みます。例えば、高度な知識を必要とする弁護士や医師の仕事においても、裁判例の照合や単純な質問への回答は、AIに任せられる可能性が高いです。
したがって、AI普及後でも求められる人物像を考える際には、職種や資格よりも「単純作業ではない仕事ができるかどうか?」という視点が鍵になります。

求められるのは「AIを使える」人材

こうした社会で重宝されるのは、AIに的確に指示を出すなど、新技術を使いこなして成果を生み出すことができる創造的な人材です。例えば、AI技術に精通したプランナーやコンサルタントは、AIエンジニアとコミュニケーションを図りながら、顧客の問題解決につながる提案ができます。
周辺技術とAIを組み合わせるエンジニアや、統計や数値からAIモデルの開発をするデータサイエンティストのようなスキルがあれば、デジタル化する産業界で引く手あまたの人材になるでしょう。

コミュニケーションは人間の領分のまま

人材のコントロールなど、コミュニケーションを通して他分野と協調する仕事は、AIが普及しても置き換えられない可能性が高いです。このように、将来的にもそのまま人間がおこなう可能性の高い業務については、今後も従業員のコーチングや人材育成が必要となります。
ミーティングなどで相手の気持ちを推し測り、チームの雰囲気を良好にするなど、感受性を使うこともAIには難しい領域です。


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製造業に求められる人材像とは

デジタルトランスフォーメーションで立体的に製品説明をする従業員

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製造業の現実を受け入れられる人材

製造業は、コト社会化にともなって大きな過渡期にあります。右肩上がりの市場が想定しにくい中で、これまでのビジネスモデルを前提としていては、終身雇用や安定した年収、福利厚生やワークライフバランスの充実が保てなくなる状態にあります。

自社では、実際に全社のトイレにおける洗浄便座を停止するなどしてまでコスト削減に努めていますが、日本の大手企業のイメージに反するこの現実を受け入れられる人材か否かが、大前提として重要になると思います。


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発想力が豊かで、粘り強く変化を求め続けられる人材

 製造業はノンコア業務が多いと言われていますが、従業員数が多く、ステークホルダーも多岐にわたるため、ノンコア業務を外部委託や自動化した際の影響が大きく、その整理が進まない実態があります。

また、同様の理由で新しい変化やチャレンジに非常に慎重な面がありますので、現状ありきではなく、豊かな発想力でアイデアを出せる人材が求められます。また、すぐに意見が取り入れられなくてもアイデアを出し続け、粘り強く変化を求め続けられる力はとても重要です。


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関係者を説得させるシナリオを持てる人材

製造業では、様々な職種の社員(同僚)が在籍しています。工場においては、生産管理のような事務系に加え、技能系や技術系などの社員がいますので、立場の異なる者をまとめる力、より実情に近い表現を使えば、「関係者を説得させるシナリオを用意できる力」が重要です。

例えば、生産現場におけるAI関連事項の代表例は「ラインの自動化」ですが、これは技能系職種の業務領域を狭める話でもあります。そのような点を配慮せずに、コスト削減や不良率の低下のみを前面に押し出してラインの自動化を進めようとすれば、職種間における不和が生まれる可能性は高くなります。実際には、それらに加えて自動化ラインの監視やメンテナンスなどの新規業務も発生します。

このように、自分の立場だけでなく社内の関係者の立場を認識しつつ、関係者を説得させるシナリオを持てる人材は、製造業において重宝されます。


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「企業に求められる人材」を確保するための育成と採用方法

応募者とリアル面接をしている人事採用担当者の従業員

ここまで紹介した特徴を持つ人材をどのように確保すべきかについて、採用と育成の両面から考えていきます。

人物重視の採用をおこなう

まず、採用時に注意すべきなのは、新卒・転職にかかわらず応募があった人物の成績や学歴、経歴といった履歴書の情報にこだわらず、伸びしろのありそうな人材を選ぶということです。人材教育の業界では、新たなスキルは3年あれば十分に身につけられるといわれています。
したがって、企業が求めるスキルを今持っているかよりも、グローバル感覚を含めた柔軟性や社会人能力の有無を重視した採用活動を進めるのが理想です。

自発性を発揮できる環境と社風をつくる

同調圧力が強く、上司が部下を支配するような職場では、従来型の受動的な人材しか育ちません。これからの社会で役立つ人材を企業が育成するにあたり、まず経営陣や管理職の意識を変えて、従業員が自発的に能力を発揮できる環境をつくるようにしてください。
管理職の意識改革に向けて社内研修などをする際には、グローバル化やダイバーシティなどに強い外部講師に依頼をしても良いかもしれません。

責任を持たせ多様な職務に就かせる

従業員の考える力を育むためには、あえて上司が正解を与えず、試行錯誤しながら答えを導き出す体験を積ませるのがおすすめです。自分自身の考案でプロジェクトが進むと、その成功体験によって、自信を持って仕事ができる人材へと成長していきます。
また、チームリーダーなどの責任ある仕事に就かせることは、外発的動機づけにもなります。従業員のモチベーションを高いレベルで保つ上でも非常に役立つことでしょう。

必要なくなる人材は抑制も必要

限られた経営資源の中で、効率的な人材育成や採用活動を進めるためには、AIの普及などによって代替可能となった業務を外部へアウトソーシング化する試みも必要です。こうした工夫によって削減できたコストは、ハイレベルな人材の育成や新たなイノベーションの創出などにまわすことができます。
コロナ禍で先行きが見えない中でも社会が目まぐるしく変化する今の時代では、事業運営をおこなう企業にも臨機応変な対応や方向転換が求められます。人材などの経営資源においても、アウトソーシング化などを活用しながら、必要なものに集中すべき世の中になりつつあるといえそうです。


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経営資源を「求められる人材」へと集中させる

近年の日本では、多くの企業で以下のような人材が求められるようになりました。

・業務分野の基礎知識を徹底的に理解している人材
・グローバル感覚のある人材
・マネジメント力の高い人材
・社会人基礎力の高い人材

また、グローバル化やAI技術の発達により、これらに加えてさらに多くの条件を満たす人材の採用・育成が企業にとって必要な時代になりつつあります。そのためには、グローバルな事業展開とそれに見合った人材確保が至近での課題です。

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