企業が成長し続けるためには従業員の意識改革が急務。その方法と成功事例とは?

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コロナ禍やDXは、私たちの働き方を大きく変化させ、企業は分散・自律化へと進んでいます。それに加え、企業を取り巻く環境は不安定かつ不透明であり、その中で競争を勝ち抜き、業績を伸ばしていくためには従業員一人ひとりの意識改革が必要です。今回は、今、企業に意識改革が急務である理由がどこにあるのかを説明し、そのための具体的方法と成功事例を紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.意識改革が求められる理由
    1. 1.1.新型コロナに触発された働く場所の分散化
    2. 1.2.時代はVUCAへ
    3. 1.3.企業が成長し続けるために
  2. 2.意識改革をおこなう手法「ジョン・コッターの変革の8段階プロセス」とは?
    1. 2.1.危機意識を高める
    2. 2.2.変革推進のための連帯チームを築く
    3. 2.3.ビジョンと戦略を生み出す
    4. 2.4.変革のためのビジョンを周知徹底する
    5. 2.5.従業員の自発を促す
    6. 2.6.短期的な成果を実現する
    7. 2.7.成果を生かしてさらなる変革を推進する
    8. 2.8.新しい方法を企業文化に定着させる
  3. 3.意識改革の成功事例
    1. 3.1.医療関連サービスを扱うA社
    2. 3.2.IT企業B社
    3. 3.3.電機メーカーC社
  4. 4.まとめ

意識改革が求められる理由

リアルに伝わるオンラインコミュニケーションを実践する従業員

新型コロナに触発された働く場所の分散化

新型コロナウイルス感染症拡大は外出自粛を余儀なくし、ニューノーマルな働き方としてテレワークを一気に加速させました。場所や時間に縛られない働き方を可能にした一方で、働き場所が分散化したことで労務管理のなどのマネジメントやコミュニケーションが、コロナ以前よりも難しくなったことが指摘されています。DXによるマネジメントのデジタル化は確かにソリューションの一つですが、働き方のより根本的な変化には、従業員の意識改革が必要です。そして、これまで以上に主体的、自律的に考えて行動し、企業と協調できる人材が求められています。


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時代はVUCAへ

VUCAとは「Volatility(変動性)」、「Uncertainty(不確実性)」、「Complexity(複雑性)」、「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字をとって作られた、現代の予測不能な状態を表す造語です。企業がこうした時代を乗り切るためには、これまでの成功事例や積み上げてきた経験、知識だけインプットするような研修では不十分であり、柔軟な考え方で臨機応変に対応することが必要になります。小手先だけで行動パターンや思考を変化させることは難しく、抜本的な従業員の意識改革が必要になるのです。


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企業が成長し続けるために

前述した2点とも関連していますが、企業が意識改革を目指すべき根本的な理由は業績を向上させ、成長し続けるためです。世の中が変化し、どの企業も働き方改革を進める中で、これまでと同じやり方では、業績は右肩下がりになります。そのため、業績を伸ばし、成長し続けるためには従業員一人ひとりが労働にかかるコスト削減に対して高い意識を持ち、生産性を向上させなければなりません。

1973年の創業以来、50社以上のM&Aを繰り返し、そのたびに買収した赤字企業を黒字経営に再建してきた日本電産の社長である永守信重氏は「人の能力差はあると言ってもせいぜい5倍。しかし、意識の差は100倍もある。能力は磨いて上げるのは難しいが、意識は磨けば磨くほど上げられる。企業を強くしたかったら、社員の意識を磨け」と述べています。この言葉にも示されるように、先行きの見通せないVUCAの時代にあっても成長しつづけるためには従業員の意識改革が急務です。


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意識改革をおこなう手法「ジョン・コッターの変革の8段階プロセス」とは?

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意識改革の手法としては大手自動車メーカーがおこなった「5s(整理、整頓、清掃、清潔、躾)」などがよく知られていますが、テレワークが進み、出社する機会がますます減り続ける働き方においては限界があります。

ハーバードビジネススクールの名誉教授であり、リーダーシップ論の権威として知られるジョン・コッター氏によると、企業が真の組織改革を成し遂げるためには、以下の表のように8つの変革プロセスを段階的に確実に踏んでいく必要があると述べています。意識改革を成し遂げるためには、各プロセスを従業員レベルで落とし込んでいかなければなりません。


ジョン・コッターの変革の8段階プロセス

段階
プロセス
1
危機意識を高める
2
変革推進チームをつくる
3
適切なビジョンを掲げる
4
ビジョンを周知徹底する
5
自発的な行動を促す
6
短期的な成果を実現する
7
さらに変革を進める
8
変革を根づかせる

危機意識を高める

意識改革の最初のステップとして、経営層や管理職だけでなく、部下やメンバーなど従業員一人ひとりにも危機意識を共有してもらう必要があります。そのためには単に危機感をあおるだけでなく、自社の現状について十分な根拠やデータに基づき、納得できる仕方でメッセージを提示しなければなりません。

例えば、大企業の傘下にいる企業の場合、表面的には業績が安定しているように見えたとしても、データを示してどれだけ親会社から恩恵を享受しているのかを示す必要があります。その上で、万が一、親会社が経営不振に陥ったり、倒産した場合、自社がどのような影響を受けるのかを各従業員に考えてもらい、危機意識を持ってもらうようにします。

変革推進のための連帯チームを築く

社内に危機意識が醸成されたら、改革を推し進めていくための強力なチームを立ち上げます。そして、ふさわしいリーダーシップとマネジメント能力、コミュニケーション能力を持った人材を選択します。

ビジョンと戦略を生み出す

従業員の意識改革とビジョン・戦略は密接不可分です。ただ単に、経営者が内容を充分に詰めずに「うちの会社は意識改革が必要なのだ」と唱えているだけで、どう改善したいのか、どんな施策が必要かを説明できなければ絵に描いた餅になってしまいます。改革を推進するチームが中心になり、短時間で説明しても従業員の誰もが具体的にイメージできるようなシンプルなビジョンにまとめておきます。

変革のためのビジョンを周知徹底する

このステップで重要なのは従業員同士のコミュニケーションです。コロナ禍でテレワークが進み、オフィスが分散化しているため、ビジョンの周知徹底は決して容易なことではないと思いますが、リーダーが率先してあらゆる機会をとらえ、ビジョンの普及を目指します。会議や社内報だけでなく、朝礼など日常の会話でもビジョンと戦略について言及し、一人ひとりの意識の中に少しずつ確実に浸透していくようにします。

従業員の自発を促す

意識の中に危機感とビジョンや戦略が浸透すれば、従業員から改革のための自発的な行動が湧き上がってきます。ポイントとしては、自発的な動きを阻害する要因を取り除き、その芽の成長を促すということです。

短期的な成果を実現する

水面下で動き出した従業員の意識改革ですが、成果を感じることができなければ、途中でその火種は消えてしまうことでしょう。小さくても良いので成果を感じることができるように目標や計画を設定し、それを達成することができた従業員にはインセンティブを与えたり、表彰したりするなどの工夫も必要です。

成果を生かしてさらなる変革を推進する

前のステップで小さな成果が見られるようになってきたら、その流れをさらに大きな成果や難しい課題に向けていきます。場合によっては、これまで組織の成長を阻害してきたシステム・制度・習慣などを新しいビジョンに基づいて大きく転換することが必要になります。

新しい方法を企業文化に定着させる

改革のためにおこなってきたことがどのように企業の業績や成長の向上につながっているのか、結果と施策の関連性を明確にします。リーダーたちがその改革のプロセスでおこなってきたことを深く意識しておくべきです。そして、ポイントを社内報やミーティングなどでアピールしていくことで、新しい文化として従業員の意識の中に根付かせていきます。


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意識改革の成功事例

服装自由化初日はけん制してスーツで出社する従業員

ここでは、従業員の意識改革に成功した3社の事例を取り上げます。特に、課題を洗い出し、ゴールが設定された次の取り組みとして、どのようにそのビジョンが従業員全体に周知徹底され、新しい文化として置き換わるようになったかに注目してみましょう。

医療関連サービスを扱うA社

電子カルテシステムに関連する製品の調達・導入・保守サービスを手掛ける国内企業A社は、「受け身で指示待ちの社員が多い」、「管理職とメンバーのコミュニケーションがうまくいっていない」という課題を抱えていました。

そこで新たなプロジェクトチームを立ち上げ、「メンバー一人ひとりがプロの仕事人として自律すること」を目的とし、従業員の意識改革が始まりました。ビジョンを周知徹底する上で功を奏したのはコミュニケーションの取り方だったといいます。メンバーの努力している点を「3S(すばらしい・すごい・さすが)」という言葉で褒めて、認めることを続けたところ、メンバーに自己肯定感が生まれ、ポジティブ思考に変わっていったそうです。


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IT企業B社

法人向けITサービス企業B社のコールセンターでは、現場スタッフの業務面、精神的な負担が大きく、離職率が高止まりしていました。その原因を洗い出したところ、従来の教育が知識のインプットに偏りすぎて、マインド醸成が不十分だったことが明らかになりました。

解決策として、意識改革のためのトレーニングを実施し、オペレーター自身が目指すべきオペレーター像を設定したことで、自発的に課題を見つけ、学ぶ工夫がなされました。また、さまざまなケースに基づいて、顧客とのコミュニケーションのベストプラクティスをモデル化し、ロールプレイングを繰り返すことで、意識の変化が行動変容につながるようになりました。


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電機メーカーC社

国内大手電機メーカーC社では、「戦略はあるがやりぬく力がない」、「一人ひとりの社員の力が最大限に発揮されていない」という課題に直面していました。変革をおこなうべく2018年に「カルチャー変革本部」が発足され、そのプロセスの中で意識したことの一つに「伝え方」がありました。
従来は、企業としての行動基準を従業員に向けて発信するときに固い、端的な言い回しだったのを、従業員の心を動かし、行動を起こしやすくするために「なぜそうするのか」「具体的にどうするのか」を織り込んだといいます。

また、マネージャーから始め、全メンバーを巻き込んだ「どんな働き方が理想か」という問題について意見を出し合えるワークショップを企画しました。組織が抱える課題から始め、最終的には個人としてどう動くと良いかに着地できるようにしたそうです。そして、そこには管理職や人事部がかかわらないようにし、本音を言えるように工夫をしたとのことです。


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まとめ

従業員の意識改革は一朝一夕でおこなえるものではありません。一つ一つのステップを着実に、段階的に踏んでいくためにはまず自分たちの立ち位置、現状を把握しなければなりません。
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