従業員の定着率を高めるために「離職率」の計算方法を知ろう!

企業選びの指針となる「離職率」は求職者だけでなく、企業の人事担当者にとっても気になる数値です。今回は、離職率の計算方法の基本と応用をお伝えします。また、「離職率」と関連がある「定着率」「入職率」「平均勤続年数」についても合わせて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.改めて知ろう!離職率の基本
    1. 1.1.離職率
    2. 1.2.定着率
  2. 2.簡単だけれど意外と奥深い離職率
    1. 2.1.離職率の計算方法
    2. 2.2.計算のポイント
  3. 3.「定着率」「入職率」「平均勤続年数」の割り出し方と活用方法
    1. 3.1.定着率
    2. 3.2.入職率
    3. 3.3.平均勤続年数
  4. 4.基本の計算にアレンジを加える

改めて知ろう!離職率の基本

人手不足に悩む企業が多いなかで、確保した人材の流出を防ぐことは企業の、特に人事部門の大きな課題になっています。その解決策を考える際に欠かせないデータのひとつが「離職率」です

ところが、この離職率を「辞めた人の割合」という漠然としたイメージで捉えている人も多いのではないでしょうか。このイメージは間違ってはいませんが、それだけでは的確な分析ができません。そこで実際に計算する前に、改めて離職率の基本を押さえておきましょう。あわせて、離職率と対になる「定着率」についても紹介します。この二つの用語を理解することで、データを正しく活用できるようになるでしょう。

離職率

離職率とは、ある一定期間において働いていた従業員のうち、退職した人数を割合として算出したものです。

仮に、ある企業の4月1日から翌年3月31日までの1年間の離職率を割り出すとします。4月1日時点の従業員の数が10人で、翌年3月31日時点までに2人が退職していた場合、離職率は20%ということになります。また、同じ会社内であっても、計算する対象期間や人材のカテゴリー(新卒・既卒、勤続年数、部署など)を変えれば、さまざまな角度から分析することができるでしょう。例えば「新卒で入社した従業員が3年以内に退職する割合」といった、必要とする情報をピンポイントで得ることができます。

離職率の計算は分かりやすく便利であるものの、一方で前提条件を確認しないまま数字だけ見ると意味を読み違えてしまったりするので注意が必要です。離職率を分析する際は、調査の対象となる「期間」と「人材のカテゴリー」に注意して読み解きましょう。

定着率

定着率は、離職率の裏返しと言える言葉です。定着率とは、ある一定期間に会社を辞めることなく働き続けた従業員の割合のことです。先に挙げた例で言えば、4月1日から翌年3月31日の間に8人の従業員が辞めずに残っている場合、定着率は80%ということになります。こちらも対象とする期間と人材カテゴリーを変えることで、より精密なデータを得ることができます。

正反対の離職率と定着率ですが、それぞれの高低によって企業の印象も正反対になります。離職率が高いほど、職場環境が良くないから従業員が離れやすいと考える人も多いでしょう。逆に定着率が高ければ、職場環境の良い企業として好印象を持つ人が増えるのではないでしょうか。定着率を高めることが人事部門の課題だと言えます。


簡単だけれど意外と奥深い離職率

離職率は、特に人事部門にとっては重要な情報であるため、一度計算してみるとよいでしょう。離職率の算出方法には、上記で紹介したような簡単な計算のほかにもいくつかあります。法で定められた公式はありませんが、厚生労働省が採用している計算方法が分かりやすいでしょう。実際に計算して出た数値を目にすることで、企業の長所や短所を知る材料にもなることもあります。例えば「なぜライバル企業の定着率は高く、自社は離職率が高いのか」といった問題を分析することで、業績や福利厚生の充実度、社風などの離職原因の一端が見えてくるはずです。

離職率の計算方法

それでは、要となる計算方法をご紹介します。厚生労働省が実施し、一般的にも使われている離職率の計算式は、以下のとおりです。

離職率=離職者数÷1月1日現在の常用労働者数×100%

「常用労働者」は期間の定めのない従業員や1ヶ月を超える期間を定めている従業員などです。厚生労働省が毎年公表する「雇用動向調査結果の概況」は、1月1日から12月31日を対象にしているため、ここに1月1日時点の労働者数が入ります。

計算のポイント

繰り返しになりますが、計算のポイントは対象とする「期間」と「人材」を、どう設定するかということです。離職率の計算の具体例としては、人事部門の悩みのひとつである「新卒者の3年以内の離職率」があります。「大卒新入社員のうちの3割が3年以内に辞める」ということを耳にすることがありますが、自社ではどうなのか、実際に3年以内に辞めた人の割合を割り出してみましょう。そこに「3ヶ月以内で辞めた人」「1年以内で辞めた人」という条件を加えれば、より精密なデータが取得できます。その数字をもとにして、離職が多い時期や離職動機まで踏み込んでいければ、離職防止策や定着支援策など具体的な施策が打ちやすくなるでしょう。

また離職率をグラフ化することで、より実態が見えやすくなります。例えば過去10年の離職率を一覧にすると、「○年から上昇している」などの経年変化が一目瞭然です。


「定着率」「入職率」「平均勤続年数」の割り出し方と活用方法

離職率の計算をマスターすれば「定着率」はもちろん、「入職率」や「平均勤続年数」といったものも計算しやすくなります。離職率とともにこれらの用語と、数値の出し方、データの活用方法を解説します。

定着率

前述のとおり、定着率は一定期間に企業に残り続けた人の割合です。離職率の対義語となります。すでに離職率が算出されていれば、すぐに定着率も出すことができます。最も簡単な計算方法は下記の式です。

定着率(%)=100%-離職率

入職率

入職率はある一定期間中に、その企業に入社した人数の割合を示します。入職率が高い場合、企業は積極的に採用に取り組んでいると考えられます。ただし入職率と離職率の両方が高い場合は、人の出入りが激しいと見ることができるのです。つまり辞める人が多いから、次々求人していると解釈できるのです。この入職率を割り出す計算式は以下のとおりです。

入職率(%)=「一定期間中の入職者数」÷「1月1日現在の常用労働者数」×100%

この式の場合は中途採用者も含みますが、「新卒者のみ」「中途採用者のみ」など条件を限定して計算することもできます。

平均勤続年数

「平均勤続年数」は、従業員の勤続年数の平均のことです。平均勤続年数が長いということは働きやすい優良企業と考えられ、短い企業はその反対という見方ができます。ただし、すべてがそうとは言い切れません。例えば平均勤続年数が短いのは、事業拡大のため新規雇用を増やしたからという可能性もあります。逆に平均勤続年数が長いのは、経営層や管理者層の人材が固まりすぎて、若い従業員に昇進のチャンスが与えられていないという可能性も考えられます。この平均勤続年数の計算式は次のとおりです。

平均勤続年数=「常用労働者の勤続年数の合計」÷「常用労働者の人数」

例として、従業員が5人だった場合の計算を見ていきましょう。5人の勤続年数が「12年・9年・6年・2年・1年」とします。

計算例:(12+9+6+2+1)÷5=6 

上記の場合は、平均勤続年数は「6年」ということになります。このように、あくまでも平均であるため従業員の年齢や人数を確認し、ほかのデータと合わせて総合的に判断しましょう。例えば離職率と入職率がいずれも低い上で、平均勤続年数が高い場合は、職場環境が良く安定して働き続けられる可能性が高いと言えます。


基本の計算にアレンジを加える

離職率を計算することで、人事に関する問題点が浮かび上がってきます。初めは基本の方法で計算し、次に企業の特徴によって工夫を加えると、より正確なデータが得られるでしょう。入職率など複数のデータとあわせて判断することも肝要です。計算した結果を分析して対策を講じることで定着率を高めていきましょう。


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