IoTでのデータ活用が世界のビジネスと働き方を変える!

​​​​​​​​​​​​​​スマートフォンを活用することで様々なモノやコトとつながる

私たちの生活に定着しつつあるIoT(モノのインターネット)ですが、IoT市場の本格的な拡大はこれからといわれています。国内IoT市場におけるユーザー支出額について、2019年~2024年の年間成長率は12.1%で、IDC Japan株式会社によると、2024年にはその市場規模が12兆円を超えることが予想されています。また、大手通信会社は2020年から第5世代移動通信システムの5Gをスタートさせたことから、IoTにおけるビジネスでのデータ活用がますます加速していくことでしょう。

こうした中で、IoTによって収集した情報をどのように活用するかが重要です。今回は、IoTでのデータ活用法やそのための基盤づくりのポイントについて、事例を交えて紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.IoTとは?
    1. 1.1.IoTの定義と活用例
    2. 1.2.IoTとクラウド
  2. 2.ICTとは?
    1. 2.1.ICT・IT・IoTの違い
    2. 2.2.世界のICT市場の動向
  3. 3.IoTがこれからのビジネスを変えていく
    1. 3.1.Society5.0とは?
    2. 3.2.ビジネスとSociety5.0
    3. 3.3.IoTプラットフォームとは?
  4. 4.働き方を変えるIoT活用法
    1. 4.1.IoTによる業務効率化
    2. 4.2.IoTでDXを推進
    3. 4.3.IoTによる快適なオフィス環境の整備
    4. 4.4.IoTによる従業員の健康管理
  5. 5.まとめ

IoTとは?

オフィスにおけるデジタルトランスフォーメーションのアイコン

IoTの定義と活用例

「IoT」とは「Internet of Things 」の略であり、日本語では「モノのインターネット」と直訳されます。総務省の調査レポートによると、日本での導入状況は約20%です。
IoTは、「モノ」で表されるスマートフォンなどのデバイスや機器、センサーなどでデータを収集し、接続されたネットワーク回線へアクセスしてサーバーやクラウドにそれらのデータ(ビッグデータ)を集積し、AIによって解析します。そして、その分析結果に基づき「モノ」にフィードバックがもたらされて適切なサービスやソリューションを提供することで、人が恩恵を受けるという仕組みです。

この仕組みからスマートシティ化を目指している、スペインのバルセロナを例にして説明します。スマートシティはIoTの活用によって効率的な都市運営を目指す試みですが、バルセロナの道路には、スピードセンサー(モノ)が埋め込まれており、そのポイントを自動車が時速30km以上で通過すると、そのデータを感知し、ネットワークによって先にある信号(モノ)にフィードバックすることで自動的に赤になり、歩行者が安全に道路を渡ることができます。
また、公園のスプリンクラーにも土壌の湿度を感知できるセンサー(モノ)が設置されており、センサーが「乾燥している」というデータを感知した場合には、スプリンクラー(モノ)と連動して自動的に散水するようになっています。これは土壌の状況にかかわりなく、毎日散水するのと比べ水道代を節約できる上に、散水する人や調査する人にかかわる人件費の削減にも貢献します。

IoTとクラウド

IoTという仕組みの中で、重要な役割を果たす構成要素がクラウドです。従来、データやソフトウェアはすべて手元のコンピューターやサーバーに保存されていましたが、これではIoTを導入する場合に対象地域が限られたり、設備投資のコストがかさんだりするという課題がありました。しかし、クラウドの登場によって、企業は低コストで、幅広い地域にわたって、しかも高速で、データの収集・集積・分析をおこなうことが可能になったのです。ですから、IoTの浸透拡大にはクラウドが欠かせない役割を果たしているといえます。

また、書き換えることが少ないアーカイブなどや元データのバックアップなど一時的な保管が必要な大容量データの場合、ファイルごとに管理する場合に比べ、データのサイズや個数の制限がないobj(オブジェクト)を活用したクラウド型ストレージでの管理も適しています。


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ICTとは?

デジタルネイティブのミレニアル世代が業務を進めるイメージ

ICT・IT・IoTの違い

すべてのモノがインターネットにつながるIoTを可能にしているのが、「ICT」や「IT」です。特に、最近ではICTという言葉が使われることが増えたとお気づきの方も多いと思います。
IT(Information Technology)とICT(Information and Communication Technology)はほぼ同義語ですが、ICTはインターネットやコンピューター関連技術そのものだけでなく、その活用方法・戦略・ビジョンを指すことが多いです。そして、IT・ICTを具体化した仕組みがIoTと理解しておけば良いでしょう。

世界のICT市場の動向

平成30年度の情報通信白書では、ICT市場を以下の4つの層にわけて分析しています。

1. コンテンツ・アプリケーション
2. プラットフォーム
3. ネットワーク
4. 端末(デバイス)

1.と2.の市場は現在こそ規模は小さいものの、今後の成長率が高くなることが見込まれますが、4.の市場に関しては、スマートフォンやタブレットなど「人」向けIoTデバイスは今後の成長率が鈍化するのに対し、ウェアラブル端末やドローン、サービス提供ロボットなどの成長が期待されると分析されています。
この分析から、IoTを構成する「人」向け端末の市場は、すでに飽和状態に近づいているのに対して、ビッグデータ収集に特化した端末は、今後も市場拡大の可能性があり、収集したビッグデータをどのように活用するかという点に市場の注目が集まっていくことがわかります。

また、同報告書では、近年のネットワーク上を移動する情報量を指すデータトラフィックについても言及しており、世界のトラフィックは2018年から2021年にかけて約2倍に増加し、2021年には1ヶ月あたり319エクサバイト(10の18乗バイト=1,000ペタバイト=1エクサバイト)に達するという記述があります。
他にも、2018年から2023年の5年間におけるトラフィックの割合は、5Gでの接続も後押しして約3倍成長するとされており、世界各国の市場や産業で、ありとあらゆるモノがインターネットにつながっていくことがわかります。


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IoTがこれからのビジネスを変えていく

企業におけるダイバーシティ施策の推進のために重要となる意識改革5

Society5.0とは?

IoT・ICT・ITを活用して、私たちが住む日本社会はどこに向かおうとしているのでしょうか?
平成28年度に発表された第5期科学技術基本計画では、「Society5.0」という言葉でそれが表されています。Society5.0とは、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、新たな社会のことで、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)が高度に融合されて経済発展と社会的課題の解決が両立し、人間中心の社会が営まれるとされています。

ビジネスとSociety5.0

ビジネスでは、Society5.0という将来の社会像をどのようにとらえるべきでしょうか?
例えば、適切な走行ルートを算出したり、故障などトラブル対応も自動的に発信するコネクテッド・カーの開発や製造現場での生産ラインを自動化するスマート工場の稼働など、IoTによって人件費が削減できる、あるいは生産性が向上するなど、企業側にとってのメリットかもしれません。しかし、Society5.0が想定しているのは、経済的に豊かで今よりも便利な社会というだけではなく、その先のさまざまな社会的な課題の解決です。

Society5.0とは、IoTによってすべての人とモノがつながり(「Internet of Everything」)、今までにない新たな価値が生み出されることによって、さまざまな課題や困難を克服しようとする大きな変革です。
また、これまで経済の発展だけを目指していた日本社会では、エネルギーや食糧の需要増加が常に生じてきましたが、これからはIoTによって温室効果ガスや食糧ロスをどのように削減するかということに重きが置かれ、寿命を延命するだけの医療から社会的なコストを抑えつつ、いかに健康年齢を延ばすかという視点も必要になってくることでしょう。そして、各企業はその社会変革に自社の経営方針を合わせていかなければ、遅かれ早かれ淘汰されることになります。


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IoTプラットフォームとは?

これまでIoTについて述べてきて、すでにおわかりかと思いますが、結局のところ重要なのはIoTそのものではなく、その仕組みを使って何を成し遂げるか、収集したビッグデータを使ってどのように新しい価値を生み出し、どんな魅力的なサービスや事業をおこなうかということになります。そして、企業はIoTから収集されるデータを活用して、サービス化するための基盤である「IoTプラットフォーム」を整える必要があります。

IoTプラットフォームとは、クラウドを介して、IoTデバイス、アプリケーション、ネットワークを効率的につなぐための基盤で、これを整備することで、企業が独自にシステムを構築する場合よりもコストや負担を減らし、グローバルな規模で他社と連携、協力することも可能になります。IoTプラットフォームを提供するベンダーは、2018年時点ですでに世界各国に700社以上あるとされているため、導入を検討している場合は自社に最適な選択が迫られます。そのため、最適なIoTプラットフォームの導入には、明確な経営哲学や新たな価値観の創造が求められます。


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働き方を変えるIoT活用法

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Society5.0は各企業が見据えるべき将来像ですが、もっと身近なIoTのデータ活用法として、ここでは現在の働き方やオフィス環境の改善について、事例を含めて目を向けてみることにしましょう。

IoTによる業務効率化

働き方における代表的なIoT活用法は、「RPA(Robotic Process Automation)」でしょう。RPAとは、AIや機械学習などの認知技術を搭載したロボットによる業務の自動化を図る仕組みのことです。

例えば、伝票や領収書、請求書データなどの処理業務、アンケートのデータ入力と集計作業、問い合わせフォームに対する返信、回答などの顧客対応業務など、重要であっても毎日のルーティンワークとして繰り返しなされる作業はRPA化が可能です。ロボットは長時間労働によって疲労を感じたり、集中力の低下によって精度が落ちたりすることがありませんので、こうした機械的な作業をRPA化することにより、人手不足を解消することが可能です。そして、そのかたわらで、人間はより生産的で創造的な仕事に注力することが可能になります。


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IoTでDXを推進

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、先行きが見えず変化が激しいVUCAの時代でも、社会や顧客のニーズに対応できる新たな価値を生み出せるようにデジタル技術を活用したビジネスの変革を指します。そのためには、デジタル技術で得られる従業員の業務効率化や組織・企業風土といった従業員の意識そのものを変えていく必要があります。

製造業ではIoTを導入する動きが加速していますが、一方で費用対効果を判断する線引きの見極めが難しく、導入に二の足を踏んでいる企業も多いかと思います。そこで、複数の総合電機メーカーが工場や設備メーカー向けに、IoTデータとイメージを描いたテンプレートを組み合わせたクラウドサービスや、課題や解決策などに基づいてIoTを活用したソリューションを検索できるポータルサイトを提供しています。
こうした動きは、進化したデジタル技術によって私たちの社会をより良いものに変革しようというDXの表れといえるでしょう。大手印刷会社や商業施設で、リアルとデジタルが融合する次世代ショッピング体験のコンセプトモデルを推進しているのもその一つです。


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IoTによる快適なオフィス環境の整備

快適なオフィス環境にとって、重要な要素の一つに空調管理があるといえます。また、オフィスで計上される光熱費の6割は空調設備というデータが示すように、コスト削減の観点から見ても、最適な空調運用は企業にとって不可欠です。この点でIoTを活用するなら、センサーはオフィスの利用者それぞれの快適な温度や湿度のデータを収集し、その日の外気温も加味して、自動的に室温を調整することが可能になります。

他にも、トイレの利用状況や会議室の空き状況なども、これまでは「誰かが利用すれば他の人が利用できない」という利用の不均衡が生じていましたが、IoTによってデータ収集と解析がなされれば従業員に情報がリアルタイムでフィードバックされるため、待ち時間を短縮し、業務の手を止めることなく集中できることから生産性が向上し、ストレスからも解放され誰もが快適なオフィス環境が実現できます。


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IoTによる従業員の健康管理

従業員にリストバンド型の端末を貸与することにより、日々の心拍数など生体情報を収集するだけでなく、出退勤時間、残業時間、有給休暇の取得状況などの勤怠管理データを収集してAIが分析し、ストレスの度合いをチェックすることが可能になります。

このIoTデータ活用法では、どの従業員に負担がかかっているのか、また、退職や休職する可能性のある従業員を事前に予測することができ、このような可能性のある従業員に1on1ミーティングを実施してコミュニケーションを図ることや、福利厚生の導入でワークライフバランスやモチベーションを高めて離職の未然防止やメンタルヘルスの不調を支援します。


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まとめ

今回は、IoTを今後のビジネスやオフィス環境に反映させることやデータの活用法について紹介しました。こうしたIoTを活用した働き方は、政府も推進する働き方改革の大きな柱の一つであるスマートワークにつながります。IoTは、2022年には348億ものデバイスにつながるといわれ、2030年にもなればその数は1兆ともいわれています。冒頭にも記述しましたが、IoTの市場規模は2024年には12兆円を超え、巨大なマーケットになると予想されています。

しかし、いいことづくめに見えるIoTですが、これまで挙げたような活用法を有効にするために、IoTを導入する前の基盤づくりとして、通信速度やデバイスの整備が必要になります。クラウド上でオフィス内外のさまざまなデータのやり取りをすることになりますので、データ漏洩のリスクも生じるため、セキュリティを強化すべきことはいうまでもありません。そして、IoTによって業務効率化を図るだけでなく、快適な環境によって生産性を向上させることができれば、限られた人材でも時短勤務が実現でき、これまで物理的に不可能といわれていた産業でもテレワークが導入可能となるため、新しい働き方であるスマートワークが可能になることでしょう。これは、前述の事例で紹介したリアルとデジタルを融合した次世代ショッピングはもちろん、医療業界での遠隔医療や金融業界での紙媒体廃止と窓口業務などでも可能といえます。

IoTは目的ではなく、あくまでも手段です。IoTを単なるコスト削減のためのツールにするのではなく、長期的、俯瞰的にみて、企業が掲げている理念や従業員とともに目指すべき方向性を実現するために活用しましょう。


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