働き方改革に業務効率化は不可欠!進め方から成功事例までを紹介

​​​​​​​​​​​​​​業務効率化されて短時間で生産性が向上しワークライフバランスが実現できている女性従業員

働く一人ひとりが柔軟な働き方を選択できる社会を作る働き方改革。柔軟な働き方を選択できるように改革を進める手段として、ビジネスシーンでは業務効率化が不可欠です。しかし、「業務効率化の手順がわからない」、「業務効率化に成功するとどのような良いことがあるのかイメージが湧かない」という企業担当者の方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、自社の業務効率化をおこなえるよう、効率化の進め方やコツとなるポイントと、他社の成功事例を紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.業務効率化は働き方改革推進に不可欠
    1. 1.1.働き方改革とは?
    2. 1.2.働き方改革に業務効率化が不可欠なワケ
  2. 2.業務効率化の流れ
    1. 2.1.現状把握
    2. 2.2.業務フローを見直す
    3. 2.3.優先順位を決める
    4. 2.4.業務を自動化する
    5. 2.5.実施・効果測定
  3. 3.業務効率化の成功事例
    1. 3.1.業務可視化で有給休暇の取得率アップ
    2. 3.2.オリジナルアプリ開発で業務効率化に成功
    3. 3.3.社内研修を実施して自主性を重視
  4. 4.間違った業務効率化に注意
    1. 4.1.コミュニケーションの減少
    2. 4.2.本来必要なコストまで削減してしまう
    3. 4.3.導入したツールや開発したシステムが機能しない
  5. 5.業務効率化の重要な人材マネジメントにはツールを活用

業務効率化は働き方改革推進に不可欠

子育て中でもテレワークで業務ができ、ツールを活用して業務効率化を実現できている女性従業員

「働き方改革」というワードは今や一般的に浸透するようになりました。また、働き方改革を進めるには日常の業務効率化が欠かせません。ここでは、働き方改革とは何かということと、働き方改革に業務効率化が不可欠な理由を説明します。

働き方改革とは?

厚生労働省によると、働き方改革とは、「働く人が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための改革」と定義されています。企業の労働環境や従業員への処遇を改善し、誰もが働きやすい社会を構築することで、一億総活躍社会を実現することが目的です。

2017年3月、当時の安倍晋三内閣総理大臣を議長とする「働き方改革実現会議」は、働き方改革を進めていくため、「非正規雇用の処遇改善」や「長時間労働の是正」など9つの検討テーマに言及した「働き方改革実行計画」をまとめ、実現に向けた工程表を作成しました。課題の対応策である「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」は、2018年から施行準備・改正法の施行がおこなわれています。

働き方改革は大企業だけが対象ではなく、日本の雇用の7割を担う中小企業・小規模事業者においても着実に実施することが求められています。一見すれば、労働者側にだけメリットがあるように見えるかもしれませんが、働きやすく魅力ある職場環境を構築することは、生産性向上や人材定着などの面で企業側にとってもメリットがあります。


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働き方改革に業務効率化が不可欠なワケ

以下は、働き方改革の3本柱といわれる対応策です。

1. 長時間労働の是正
2. 正規・非正規の不合理な処遇差の解消
3. 多様な働き方の実現

これらのうち「長時間労働の是正」においては、業務効率化が非常に重要となります。業務効率化の本質は、日本は他国に比べて労働生産性が低く、今の状態で他国と同じような成果をあげるためには長時間労働をせざるを得ない状態だからです。そこで、これまで長時間労働によって支えられていた業務を短時間で取り組むには、「ムリ」「ムダ」「ムラ」の3つの作業を削減して本来取り組むべき業務に割り当てる時間の創出が必要です。短い時間で効率良く業務を進めることができれば、企業にとっても生産性が向上するうえに業績もアップし、新たな人材の採用や育成などにかかる人件費削減にもつながるといったさまざまなメリットも生まれます。


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業務効率化の流れ

業務効率化を実現するためにタブレット端末でも業務できる環境を構築した会社の従業員

業務効率化とは、具体的にどのようにおこなっていけば良いのでしょうか。ここでは、業務効率化に必要なプロセスと、そのプロセスを支援する手法について、順序に沿って解説します。

現状把握

職場の業務効率化を図る際には、現状を振り返って解決すべき問題を見つけることから始めましょう。日頃、当たり前におこなっているタスクを見直し、無駄や惰性でおこなっている作業を明確にしていきます。

まずは、どのような作業で従業員の負担が多く、時間がかかるのか、日常でおこなう頻度の高い作業からリストアップしてみましょう。そして、リストアップした作業は以下の4つに分類し、それぞれのケースに応じて効率的な対策を立てるとスムーズです。

1. 意識を変えるだけで効率化できる
2. フローを変更すれば効率化できる
3. 機器やシステムを導入すれば効率化できる
4. 変更できない


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業務フローを見直す

例えば、システム化されて不要になった業務フローを省略するためには、フローの見直しが必要です。不要箇所を特定し、解消するためにはどうしたら良いのか計画を立てましょう。

また、現場へ周知する際に何度も指示が変更になると混乱を招くため、フローの改善計画は業務に関わる人の意見を取り入れつつ、最善の状態となってから周知することが大切です。


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優先順位を決める

リストアップした作業を、完了期限と業務工程の2つを軸にし、完了期限まで近い・遠い、業務工程の軽い・重いなどの条件で業務を切りわけたマトリクスを作成します。

業務工程 軽い
完了期限 近い


完了期限 遠い


業務工程 重い

例えば、完了期限が近くて業務工程が重いものなど、優先順位の高いものから順番に効率化を進めていきます。

優先順位を意識せずに業務効率化に取り組むと、その時に必要ではない作業のために優先すべき作業の時間が圧迫され、現場に混乱を招いたり労働者の業務をかえって増やしたりすることになってしまいます。上の図の場合、完了期限が遠くて業務工程が軽いものが相当しますが、業務量が多い場合など時間がかかるものもありますので、業務の状況に合わせて優先順位をつけていくようにしましょう。
もし、完了期限に間に合わない場合は、他の人の支援を受けて効率良く進めましょう。また、コストはかかりますが、アウトソーシングで納期やクオリティを担保する方法も業務効率化のアイデアの一つです。


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業務を自動化する

日常よく使うExcelの処理は、マクロを組んで自動化すれば業務効率化でき、作業時間を削減できます。Excelではおこなった操作から自動的にマクロを生成する機能があるため、マクロを組めないという方でも簡単に活用できます。

また、昨今、政府が国を挙げて推進しているDX(デジタルトランスフォーメーション)は、ITツールを活用して業務効率化を図ることで従業員の業務に対する取り組み方や組織のあり方に変化をもたらしています。
人がPCでおこなうルーティンワークを、アプリやロボットなどのAI技術のシステムに代行させる「RPA化」を計画していきましょう。RPAを活用すれば、「受信したメールに添付されたExcelファイルを開き、記載された項目をWEB上のフォームに入力する」といった作業をマニュアル通り自動的におこなうことも可能です。このような作業を人がおこなった場合、1回あたりの作業時間と頻度を考慮すれば、RPAによる業務効率化の効果は大きいといえます。

RPAの導入にはソリューションの導入やソフトウェアとの連携から始まり、セキュリティ対策やプログラムの設計・開発など多数の工程が必要となります。しかし、一度導入すれば業務効率化の大きな成果が期待できるため、長期的な目線で取り組むことをおすすめします。


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実施・効果測定

これまでの計画に沿って取り組んだフローから改善案を実施します。定期的に効果測定をおこない、業務改善に取り組むことでより効果の高い施策につなげることができます。


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業務効率化の成功事例

ばらつきのあるデータから平均値を分析して最適な製品やサービスを提供するためのグラフ

業務効率化の実施にあたって、「成功のビジョンがイメージできない」、「効率化をおこなうとどれだけ成果が出るのかわからない」という人も多いかもしれません。そこで本項では、業務効率化の成功事例を紹介します。成功事例から、業務効率化が職場にもたらすメリットにはどのようなものがあるのかを把握しましょう。

業務可視化で有給休暇の取得率アップ

社内に頼れるメンバーがいるのは重要なことです。しかし、その人が休暇取得など不在の場合に業務が回らない状況ができてしまうと、頼られるメンバーの負担が増すことに加え、他のメンバーが本来の能力を発揮できず成長するきっかけをつかめないなどの弊害が起こります。

ある企業では業務の見える化をおこない、ルーティン化や属人化した業務をリストアップし、不在のメンバーがいても仕事が遂行できるように業務を平準化して環境を改善しました。その結果、職場全体でスムーズに業務をおこなえるようになったことで職場全体の有給休暇取得率がアップし、ワークライフバランスを向上させることに成功しました。


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オリジナルアプリ開発で業務効率化に成功

運送業界では、ドライバーの待機時間が長いことが常態化しやすい傾向があります。

そこである運送会社では、社員の負担を軽減するため各種手続きを電子化し、ドライバー個人のトラック内滞在時間を55~70%削減することに成功しました。また、紙媒体の資料や文書をペーパーレス化したことで、ドライバーだけでなく管理する側のデータの一元化にも貢献できました。


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社内研修を実施して自主性を重視

従業員の能力が伸びれば残業時間を削減しつつ、売上げを伸ばすことも可能となります。

ある食品販売店では、店長のマネジメント研修を実施し、アルバイトを含む店舗スタッフの自主性を大切にする方針に転換したところ、深夜残業38%減、残業25%減を達成しながら売上げを5億円増加させることに成功しています。


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間違った業務効率化に注意

過剰な、あるいは間違った効率化をおこなうと、かえって職場全体の生産性を下げてしまう可能性があります。
ここでは、間違った業務効率化によって起こりやすい問題について説明します。

コミュニケーションの減少

効率化だけを追求してコミュニケーションをないがしろにすると、かえって生産性が低下してしまうことがあります。コミュニケーション不足は、情報共有不足によって作業が停滞しやすくなるだけでなく、従業員が悩みを相談しにくくなったり、孤独感を抱くようになったりするなど休職や離職にもつながりかねない重要な課題です。特に、テレワークを実施している企業では、コミュニケーションが減ると企業へのエンゲージメントも低下する傾向があります。

業務効率化のために制度やツールを導入する際には、社内コミュニケーションが不足する恐れはないか確認しましょう。迅速なコミュニケーションを図るためには、チャットボットというAI技術を活用した自動会話プログラムを導入することもおすすめです。

本来必要なコストまで削減してしまう

コスト削減前提で業務効率化をおこなうと、本来必要なコストまで削減してしまい、かえって業務が増えたり、作業時間が延びたりすることもあります。

作業をおこなうことで得られる結果の他、その効率化によって発生している問題がないか未来を見据えてあらかじめ予測し、実施の際も注意して確認するようにしましょう。

導入したツールや開発したシステムが機能しない

業務の効率化に有効といわれるツールの導入やシステム開発などをしても、運用のための教育を怠るとかえって弊害を起こすこともあります。

新しいシステムに慣れないまま運用を開始すれば、ツールやシステムの操作に時間がかかったり、正しく操作できず場合によっては顧客に迷惑をかけてしまったり、大切なデータを消去してしまったりと、さまざまな取り返しのつかないミスが発生する可能性もあるのです。

ですから、いくらコストをかけても、従業員に浸透しなければ意味がありません。新しくツールやシステムを導入する場合には、従業員へのオペレーション教育の時間や手間もコストとして組み込み、費用対効果を考えて必要・不必要を判別することが重要です。


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業務効率化の重要な人材マネジメントにはツールを活用

業務効率化にはフローの改善やシステムを導入することも重要ですが、従業員が自発的に行動・成長して効率化を図ることが最も効果的であり、結果的に企業の成長にもつながります。
例えば、人材育成ツールを利用して、行動データ等をもとに従業員一人ひとりに適切なフィードバックとレコメンドをおこない、従業員の自発的な成長を促します。そして、従業員と組織の課題を可視化・解決策を提供し、企業の持続的な成長をサポートしましょう。

DXを推進したい、改善すべき課題が多いと感じる、より良い職場を作りたい、と感じている企業担当者の方は、ぜひ業務効率化と従業員の成長を並行して進めてみてはいかがでしょうか。


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