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「労働生産性」とは?正しい計算方法を知って企業活動に活かす!

企業の業績を向上させるためには、販促を行うことも重要ですが、それ以前に自社の現状を把握することが欠かせません。そして現状を把握する指標のひとつとして「労働生産性」があります。しかしひと口に労働生産性と言っても、そもそも何を表しているものなのか分かっていなければ意味がありません。そこで今回は労働生産性の概念から、計算方法、企業活動への活かし方について考察していきます。

目次[非表示]

  1. 1.似ているようで異なる「労働生産性」と「労働分配率」の違い
    1. 1.1.付加価値労働生産性
    2. 1.2.物的労働生産性
    3. 1.3.労働分配率
  2. 2.労働生産性を算出する際の計算基準となる人件費と利益とは?
    1. 2.1.事例で見る労働生産性の比較
  3. 3.労働生産性や労働分配率改善のポイントと企業活動での活かし方
    1. 3.1.産業別の労働分配率平均値
  4. 4.労働生産性や労働分配率改善のポイントは適切な人件費の配分

似ているようで異なる「労働生産性」と「労働分配率」の違い

労働生産性とは、労働者1人当たり、もしくは1時間当たりに生産できる成果を数値に表したものです。労働生産性には、生み出された成果を付加価値で表す「付加価値労働生産性」と、生産量や金額で表す「物的労働生産性」の二つに分けられます。それぞれの労働生産性の計算方法は次のとおりです。

付加価値労働生産性

1人当たりの計算方法 : 付加価値額÷従業員の人数

1時間当たりの計算方法 : 付加価値額÷(従業員の人数×労働時間)


物的労働生産性

1人当たりの計算方法 : 生産数量÷従業員の人数

1時間当たりの計算方法 : 生産数量÷(従業員の人数×労働時間)

この労働生産性に近いものとして、「労働分配率」というものがあります。労働生産性は従業員一人ひとりがどのくらいの利益を出しているかを示すものであるのに対し、労働分配率は稼いだ粗利益を人件費にどの程度の割合(%)で分配しているのかを示すものです。この労働分配率の計算方法は次のとおりです。

労働分配率

人件費÷付加価値額×100

どちらも企業経営を行う上で必要な指標ですので、両方確認することが重要です。


労働生産性を算出する際の計算基準となる人件費と利益とは?

前項で労働生産性、労働分配率それぞれの計算方法をご紹介しましたが、そのどちらでもキーポイントになるのが人件費と利益(粗利益)です。ひと口に人件費と言ってもそのなかには何が含まれているのか、利益とはどういった利益のことなのかが理解できていないと正確な数値を算出することはできません。そこで労働生産性や労働分配率を算出する際の計算基準となる人件費と利益について説明した上で、ここでは分かりやすい例として物的労働生産性の計算事例をご紹介します。

まず主な人件費は、従業員の給与、残業代、諸手当、賞与、通勤交通費などがあります。しかし人件費には、従業員にかかるすべての費用が含まれるため、次のようなものも人件費に含まれます。

法定福利費
企業が負担すべき社会保険料など

福利厚生費
従業員優待制度や従業員用の保養施設、社員旅行、行事など従業員の福利厚生にかかる費用

研修教育費
従業員研修会や勉強会にかかる費用

接待交際費
取引先への接待、贈答などにかかる費用

旅費交通費
従業員の外出交通費、出張などにかかる費用

その他の費用
従業員が業務を行うオフィスの
水道交通費や地代家賃などにかかる費用

これらすべての費用を人件費として計算することで、より現実に即した労働生産性が算出できるようになります。労働生産性を算出する際の利益は「粗利益」のことを指しますが、これは売上金額から売上原価を差引いた金額です。

事例で見る労働生産性の比較

次に、物的労働生産性(時間当たりの労働生産性)の事例をご紹介します。なおここでは、人件費は付随するすべての費用を含め1人当たり2倍、売上総利益率は50%、売上総利益高貢献利益(採算ライン)も50%で計算します。

日給15,000円の従業員3人が、ある商品についてA市とB市で各3日間のキャンペーン販売を行った際の労働生産性を比較してみましょう。

売上 A市80万円 B市40万円
売上総利益 A市(80万円×0.5)40万円 B市(40万円×0.5)20万円

人件費 A市・B市((15,000円×2)×3人×3日間)27万円

貢献利益 A市(80万円―27万円)53万円 B市(40万円-27万円)13万円

貢献利益率 A市(53万円÷80万円)66.25% B市(13万円÷40万円)32.5%

採算ラインを50%と設定しているため、貢献利益率が66.25%のA市は労働生産性が高く、32.5%のB市は低いということが分かります。


労働生産性や労働分配率改善のポイントと企業活動での活かし方

前述したとおり、労働生産性はどうすれば粗利益を上げることができるかを考えるための指標です。前項の計算事例を見れば分かるように、労働生産性を下げる要因のひとつとなっているのは人件費です。人件費を下げれば粗利益は上がります。もちろん無駄な人件費は削る必要がありますが、人件費を削った分だけ業務効率化を進めなければ、その分、売り上げも下がってしまいます。

そこで重要となるのが、労働分配率です。企業全体の費用のなかでどれだけ人件費に費やされているかを算出することで、人件費が必要以上に高くなっていないかを知ることができます。労働生産性だけで見るとどうしても人件費の削減を考えてしまいがちですが、労働分配率も合わせ全体のバランスを見ることが改善のポイントです。

ただし労働分配率は業種によって平均値が異なるため、一般的な平均値に惑わされてしまうと自社の正確な状況把握ができなくなります。そこで政府統計総合窓口が公表している「平成30年企業活動基本調査速報-平成29年度実績-」から主要な産業別の労働分配率平均値をご紹介します。この数字を参考に自社の労働分配率を分析してみましょう。

産業別の労働分配率平均値

   製造業 46.1%
   電気・ガス業 21.5%
   情報通信業 55.4%
   卸売業 48.4%
   小売業 49.5%
   飲食サービス業 64.0%
   生活関連サービス業、娯楽業 45.2%

労働分配率が一番高い飲食サービス業と、一番低い電気・ガス業の差は実に40%以上もあります。基本的に、労働分配率が低いということは、利益が出ているにもかかわらず従業員の給与水準が低く、逆に労働分配率が高いということは、利益に対して人件費が過多になっているということになります。ただし飲食サービス業のように労働集約型の業種は、インフラ系や機械化が進んでいる製造業、電気・ガス業に比べどうしても労働分配率は高くなる傾向があります。そのため自社の労働分配率を見るときも単純に数字だけを見るのではなく、自社が属する業種の平均値を参考にすることで、改善すべき点も見えてくるようになります。


労働生産性や労働分配率改善のポイントは適切な人件費の配分

労働生産性や労働分配率を改善する方法のひとつとして人件費の見直しがあります。しかし単純に人件費を減らせば効果が出るかといえばそうではありません。例えば人件費に付随する費用のひとつである福利厚生費や接待交際費を減らせば、確かに人件費の総額は減額されます。ただしそれによって従業員のモチベーションが下がり、生産性が落ちてしまえばかえって労働生産性が悪くなってしまう場合もあります。

従業員のモチベーションを下げることなく、人件費の適正な配分を行うことが肝要です。その上で利益が増える仕組みを作っていくことが、労働生産性や労働分配率改善の最大のポイントとなるでしょう。


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