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企業と人材をベストマッチングへ!助成金も活用できる「トライアル雇用」とは?

企業が従業員を採用する際、履歴書や面接だけで適性を判断するのは難しいものです。求職者にとっても、社風や実際の業務内容とレベル、相性などは入社してみないとわかりません。入社後に「こんなはずじゃなかった」と悩むことは、お互いに避けたいところです。

そうした企業と求職者のミスマッチを防ぐために利用したいのが「トライアル雇用」という制度です。原則3ヶ月間、「試しに雇用する」期間を経て、常用雇用の可否を判断するものです。企業と求職者の双方にメリットがある制度ですが、利用するには要件を満たさなければいけないので注意が必要です。今回は、トライアル雇用の目的・対象者・種類から助成金の支給額まで、制度の基本情報を解説します。

目次[非表示]

  1. 1.「トライアル雇用」って何?試用期間とは違う目的と対象者
    1. 1.1.目的は常用雇用の促進と人手不足解消
    2. 1.2.「一般向け」「障害者向け」の対象者
    3. 1.3.試用期間との違いは?
  2. 2.トライアル雇用がもたらすメリット
    1. 2.1.企業側のメリット
    2. 2.2.求職者側のメリット
  3. 3.トライアル雇用がもたらすデメリット
    1. 3.1.企業側のデメリット
    2. 3.2.求職者側のデメリット
  4. 4.事業者は助成金を活用しよう!支給額と手続きの流れ
    1. 4.1.種類別の支給額
    2. 4.2.手続きの流れ
  5. 5.リスクを抑えながら活用できる制度

「トライアル雇用」って何?試用期間とは違う目的と対象者

厚生労働省が実施している「トライアル雇用」の目的、対象者などを説明します。また混同しやすい「試用期間」との違いも見ていきます。

目的は常用雇用の促進と人手不足解消

トライアル雇用の目的は、雇用される側である「求職者」と雇用する側の「企業(事業者)」の双方を救うことにあります。まず求職者については、以下のような状況にある人たちの常用雇用のきっかけとなることが、第一の目的になっています。

・学校卒業後に円滑に就職できず、その後1年以上就労していない
・出産育児、病気療養、家族の介護などのため長期間離職していた
・就業経験があっても非正規雇用のような断続的なものだった
・何らかの事情で一度も就業した経験がない

企業については、人手不足の解消の一助となることを目的としています。企業は新卒者や経験のある転職者の募集に重きを置きがちですが、それだけでは人手不足を解消しきれないのが実情です。経歴やブランクにこだわらず求職者個人の能力を見極めることができれば、適切な人材を雇用することも可能になるのです。

「一般向け」「障害者向け」の対象者

トライアル雇用は、すべての求職者に適用されるわけではありません。厚生労働省は一定の要件を設定しています。また種類も「一般向け」と「障害者向け」の2つのコースが用意されています。

[一般向けトライアル雇用の対象者]
次のいずれかの要件を満たした上で、紹介日に本人がトライアル雇用を希望した場合に対象となる。
1. 紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望する
2. 紹介日時点で、学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業に就いていない
3. 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
4. 紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている
5. 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
6. 就業の援助を行うに当たって、特別の配慮を要する
※厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)のご案内」より引用

[障害者向けトライアル雇用の対象者]
1.紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望している
2.紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
3.紹介日の前日時点で、離職している期間が6ヶ月を超えている
4.重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者
※厚生労働省「障害者トライアル雇用のご案内」より引用

試用期間との違いは?

一般に「試用期間」とは「すでに採用した従業員の教育期間」を指す言葉であり、各企業が独自にルールを設定しています。対してトライアル雇用は、厚生労働省が主体となり推進する制度です。国がバックアップする代わりに、トライアル期間は厚生労働省が一定の関与をしてきます。トライアル雇用と試用期間における主な違いには以下のようなものがあります。

・トライアル雇用では一定期間(原則3ヶ月)という期限が設定されている

・試用期間(一般雇用)は本採用前でも企業と従業員の間で雇用契約が締結されている。そのため、能力の欠如や不適性などの理由で自由に解雇はできない。解雇する場合、正社員と同様の手順が必要となる

・トライアル雇用は、労働者と企業の契約の間に厚生労働省が介入する。期間満了後の採用の義務はなく、企業の判断で雇用を終了することができる


トライアル雇用がもたらすメリット

トライアル雇用には、どのようなメリットがあるのでしょうか。企業側と求職者側、双方の視点から解説します。

企業側のメリット

■適性や能力を見極めた上で雇用の可否を決められる
人事のプロでも履歴書や面接だけで判断するのは難しいものですが、トライアル雇用では求職者の適性や能力を見極めた上で採用を決められます。また障害者を雇用したことがない企業も、障害者トライアル雇用を活用することで一歩を踏み出せます。「どれくらいのサポートが必要か、それが自社で実現可能か」を見極められます。

■常用雇用が義務ではないので、比較的容易に契約解除できる
トライアル後の常用雇用が義務ではないので、期間が満了すれば自社意向による契約の解除も、一般雇用よりは容易に行えます。とはいえ、正当な理由なく解雇すると次回からは助成金が出なくなります。企業側には誠意が求められ、制度を乱用できない仕組みになっています。

■採用コストを軽減しながら人材発掘ができる
企業としては即戦力になる経験者を採用したいところですが、応募者が適材ばかりとは限りません。採用してもミスマッチが判明して離職されては余計に採用コストがかかってしまいます。他方で未経験者のなかに人材を求めるのも、やはりリスクを伴います。トライアル雇用であれば、そのリスクを軽減することが可能です。

また後述するように、トライアル雇用を実施した事業者は助成金を受けることができます。この助成金活用も、人件費の負担減につながると言えるでしょう。

求職者側のメリット

■正式に採用される前に、実際の業務を体験できる
社風や実際の業務内容、仕事の進め方などを体験できるのが最大のメリットです。また上司や同僚と一緒に働くことでさまざまな情報を得られます。入社したあとに「こんなはずじゃなかった」という不一致に陥ることを防げます。トライアル後に本採用された場合は、業務内容を理解しているので無理なく現場になじめるでしょう。

■未経験の職種に挑戦できる
「経験者優遇」の壁もトライアル雇用で越えられる場合があります。経験のない職種へ挑戦し、大きくステップアップすることもできるでしょう。もし不採用となっても、新しいスキルを身につけられます。

■約8割がトライアル雇用から常用雇用へ移行できる
トライアル雇用から常用雇用への移行は、約8割という高い傾向が見られます。求職者にとっては、高いモチベーションで業務を行えるでしょう。


トライアル雇用がもたらすデメリット

トライアル雇用にもデメリットはあります。種々のデメリットについても理解した上で、検討する必要があるでしょう。

企業側のデメリット

■申請からトライアル雇用終了に至るまで、手続きが必要
厚生労働省と連携しているトライアル雇用は、制度の利用に当たってさまざまな書類処理が発生します。申請からトライアル雇用開始、終了後に至るまで各フェーズで提出すべき書類があり、期間中も対応しなければいけないものがあるので、人事担当者の負担が通常より増える可能性があります。

■教育に時間と手間がかかる場合がある
トライアル雇用対象者には業務未経験者が多いので教育期間が必要です。就業経験自体が少ない場合にはビジネスマナーの指導が必要な場合もあり、教育期間が長期にわたる可能性があります。もちろん対象者によって千差万別で、長期のブランクがあってもスキルを活かせる求職者もいます。

求職者側のデメリット

■常用雇用への移行は絶対的なものではない
常用雇用への移行の割合が約8割と高いとはいえ、さまざまな理由で雇用がかなわない場合もあります。双方の事情によって常用雇用されない可能性があることも念頭に置いた方がいいでしょう。

■履歴書に短期間の職歴を記入しなければならない
トライアル雇用であっても職歴として残ります。トライアル終了後に不採用となっても3ヶ月の職歴は履歴書に記載することになります。短期間での転職をマイナス面と捉える採用担当者もいるので、その後の就職活動に影響する場合があります。

■同時に複数の企業に応募することはできない
トライアル雇用を利用できるのは1社です。同時進行で複数の企業に応募することはできないため、自分に合った企業を吟味する必要があります。

■通常応募の方が効率的なケースもある
一刻も早い常用雇用を求める人にとっては、トライアル雇用を使わない通常応募の方が効率性が高いケースもあるので見極めが必要です。トライアル雇用の場合、常用雇用への移行は原則3ヶ月の雇用期間を経ることが必須であり、その後不採用になった場合は、新たに求職活動をしなくてはなりません。


事業者は助成金を活用しよう!支給額と手続きの流れ

トライアル雇用を取り入れるなら、事業者はぜひとも助成金を活用しましょう。3ヶ月間、実際の現場で働いてもらうことはリスクを伴いますが、人件費については助成金を活用することで負担が軽減できます。ただしトライアル雇用と助成金の申請はセットになっておらず、採用決定後にあらためて助成金の申請をしなければなりません。

またトライアル雇用には「一般トライアルコース」と「障害者トライアルコース」の2種類があり、助成金においても、それぞれの受給条件や支給額などが異なっています。種類別の支給額と、手続きの流れを把握しておきましょう。

種類別の支給額

■一般トライアルコース
・対象者1人当たり、月額最大4万円(最長3ヶ月間)
※対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合で、一定の条件がそろえば1人当たり月額最大5万円(最長3ヶ月間)となります

■障害者トライアルコース
・対象者1人当たり、月額最大4万円(最長3ヶ月間)
・精神障害者を初めて雇用する場合、月額最大8万円(最長3ヶ月間)
※精神障害者は最大12ヶ月トライアル雇用期間を設けることができます。ただし、助成金の支給対象期間は3ヶ月に限ります。

手続きの流れ

助成金の請求手続きは、2つのコースで共通しています。
(1)事前にトライアル雇用求人をハローワークや地方運輸局などに提出
(2)対象者を原則3ヶ月の有期雇用で雇い入れることが決定し、トライアル雇用を開始してから2週間以内にハローワークに実施計画書を提出
(3)トライアル雇用期間終了日の翌日から起算して2ヶ月以内に、ハローワークまたは労働局に支給申請書を提出
※申請期間を過ぎると助成金を受給できなくなりますのでご注意ください。


リスクを抑えながら活用できる制度

トライアル雇用は、企業にとっても求職者にとっても活用する価値のある制度と言えるでしょう。特に企業はリスクを抑えながらベストマッチな人材を見つけることが可能です。貴重な時間や費用を有効に使うため、しっかり情報を吟味して活用を検討しましょう。


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