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わが社の働き方改革奮闘記 ~総務部目線の服装ガイドライン撤廃編~

何事においても中途半端な指示はよくない。

これはわが社が長年使用していた「服装ガイドライン」の一部抜粋である。


(靴)極端にヒールの高いもの

(その他)派手なアクセサリーは不可

     匂いの強い香水、華美な化粧は不可


あらためて眺めても、とても中途半端である。

いずれも女性のみの規定だが、例えば靴についてはパンプス等の具体的な「物」に対する記載はない。不可のものしか書かれていないことが中途半端である。


「極端に高いとは何センチから?」

「派手って、ひとによって感じ方や印象が違うよね」

等、社員たちの声が聞こえる気がする。


働き方改革、社員の自主性、多様性尊重・・・

わが社では2019年11月1日から服装ガイドライン撤廃を実現した。


目次[非表示]

  1. 1.2016年、夏のある日
  2. 2.2018年、初夏のある日
  3. 3.2019年、梅雨入り前のある日
  4. 4.2020年、実施4ヶ月が経過してどうなったか?

2016年、夏のある日

わが社はこの時点で、夏季期間のクールビズはすでに定着しており、この年も男性はノーネクタイで、基本アイテムはジャケット着用なしの半袖ワイシャツ、下はネイビーやグレーのスラックスという、よくあるサラリーマンの服装。


一方、女性は「服装ガイドライン」である程度のルールがあるものの、部署により徹底度合いに温度差もあり、総務部をはじめ、一部部署の女性たちの間で、

「○○さんのあの服装はありえない。なんで課長は注意しないのお(怒)」

「△△さんの香水がきつすぎる。周りが迷惑(怒)」

というような会話が日々繰り返されている割には、本人へ注意するわけでもなく、上長へ忠告することでもないという、「日本の会社ではよくありそうな風景」が繰り広げられていた。


また一部の上長からは、

「このガイドラインでは部下を注意できない。もっと具体的な内容やポイントを記してほしい。でも下手に注意して、ハラスメントって声が上がったら最後」

等の声も聞こえてきた。


「そんなに不平不満があるなら、ガイドラインを見直せば?」

という、この会社に着任1年目の自分の、ある意味「無責任な」一言により、総務部のメンバーは服装ガイドラインの改定案作成に着手。


ちなみに就業中の服装に関して、わが社の就業規則では

「社員は、就業時間中は節度ある服装に努めなければならない」

のみが記載されており、これを補う形で前述の「服装ガイドライン」が存在していた。

男女共通の決まりとしては「清潔感のある身だしなみ」である。


このときの見直しの方向性は、当然のようにより細かくガイドラインを定める方向で議論は推移。

グループ内他社の事例も参考に、ヘアカラーもNPO法人日本ヘアカラー協会が定める色番号を指定、ネイルカラーについても、OKとNGのサンプル例の素材を準備、ほぼ万全の状態で、わが社の意思決定機関である経営会議へ付議を行った。


そこで役員、部長から出された意見は・・・

「そこまで細かく締め付ける必要あるの?」

「細かく規定できても、男性の上司は本当に注意できるのかな」

「あわせて10月以降のウォームビズを検討してほしい」

「各部長の意見も聞いたほうが・・・」


議論は見事にとっ散らかり、あらためて検討していくことになりこの会議での議論は終了・・・結局、頓挫。


2018年、初夏のある日


この年、世の中は「働き方改革」全盛。

「朝活~会社が朝食提供」「多様性・自主性尊重のために服装自由化・フレックス制導入」等、ベンチャー企業だけではなく大手企業の活動もおすすめとして頻繁にマスコミで紹介されていた。

わが社にはブランド力向上に向け様々な取り組みを行う委員会があり、その年の活動計画のひとつとして「企業風土改革を目的としたビジネスカジュアルの導入」を挙げていた。メンバーでの度重なる議論の結果、具体的な計画案が出来上がった。

その中心で動いていた部長が、役員、他の部長へ経営会議前の事前根回しを行っていたところ、事件が発生。ある役員から「うちの会社には相応しくない」回答。あろうことかとのダメ出しを宣告されてしまったのだ。


1. 新たな組織風土の構築 

2. 組織の活性化による生産性の向上 

3. 企業価値の向上を目的


以上の3点を掲げたまでは全く問題なかったのだが、具体的な取り組みでは、

「旧来の企業風土を廃し、新たな企業風土への刷新を意識づけるために、トップダウンの改革推進を演出する。具体的には、ビジネスカジュアル導入に併せて、わが社の協力企業に参加いただき、役員をはじめとしたメンバーへコーディネートプログラムを実施しPRを行う」

としており、役員たちが自ら体現して、真っ先に取り組むはずが、受け入れてもらえなかったらしい。


2019年、梅雨入り前のある日

新規事業立ち上げ、創立20周年、4月から新社長就任。

風土(カルチャー)改革が絶対的不可欠な2020年度。


昨年度、社員の声で発案された「企業風土改革を目的としたビジネスカジュアルの導入」は、

事前根回し時点でストップがかかってしまい、社員から

「せっかく意見を出して取り組んだのに」

と声が聞こえてきてもおかしくない状況。

そこで、新社長に小職から切り出してみた。


「クールビズ終了時点で、服装ガイドラインを廃止したい」

「そのこころは?」

「中途半端なルールは社員にとって一番よくない状況を呼ぶ。どちらかの極に振るべきである」

「ルールを細かく決めるか、完全撤廃か」


新社長はこれに応じてくれた。

20周年を迎えるに際し、全社員に改革の必要性を訴えた11月の「ビジネスミーティング」

冒頭、6つの「変えること」について、新社長よりプレゼンテーション。

1つ目の「変えること」は服装ルールだった・・・


「服装ルールを変える」とは?

「社員は、就業時間中は節度ある服装に努めなければならない」(就業規則)

が、ルール。それ以外のガイドライン一切なし。

つまり、服装規定(ドレスコード)はなくなったのだった。


2020年、実施4ヶ月が経過してどうなったか?

・全般的には成功

・変化を受け入れたひとはどんどん進化


・Tシャツ・ジーンズ・スニーカーでオフィス内にいても違和感がなくなった

・カラーシャツをパンツにinしなくても違和感がなくなった

・もともと一律スーツではない女性にはほとんど影響なさそうかと思ったが、「靴」の制約がなくなったことについて、女性は喜んでいる様子


・営業メンバーはスーツの日と私服の日を上手く使い分けて仕事している

・お客様のところへ、あえてスーツでない服装でいき、社内の変革事情を説明することもメリットと考えている社員も多い


・おじさんも2極化

・スーツにネクタイのフォーマルスタイルがポリシー、というおじさんにも自主性の範囲で受け入れられている

・これから迎える夏場の服装を心配する社員も

・新社長は短パンもOKと宣言している


わが社の服装変革の奮闘はまだまだ続きそうである。


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