【新型コロナウイルス対応も網羅】中小企業の経営対策!IT導入補助金をはじめ、補助金や助成金がつく支援事業を一覧でご紹介!
この記事のまとめ
・補助金と助成金は様々な機関から支給され、返済は原則不要
・補助金は審査が厳しい分、受給金額は助成金よりも高額な場合が多い
・新型コロナウイルスによるテレワークの設備投資や給与補償に際しては、IT導入補助金や雇用調整助成金を要確認
・補助金は申請期間が短いので注意が必要
目次[非表示]
- 1.補助金と助成金の目的は支援事業の促進。その他の同異点は?
- 1.1.補助金と助成金の共通点
- 1.2.補助金と助成金の相違点
- 2.補助金の概要と対象
- 2.1.補助金の概要
- 2.2.補助金の対象となる費用
- 3.助成金の概要と対象
- 3.1.助成金の概要
- 3.2.助成金の対象となる費用
- 4.新型コロナウイルス対応!要確認の補助金・助成金一覧と受給のための対策
- 5.まとめ
補助金と助成金の目的は支援事業の促進。その他の同異点は?
支給元が推進する支援事業の更なる促進を目的として、補助金や助成金は支給されます。こちらのトピックスでは、補助金と助成金の共通点と相違点をご紹介します。
補助金と助成金の共通点
・支給元が推進する支援事業の更なる促進が目的
・支給元が指定する「受給に必要な要件」を満たす必要がある
・受給されたお金の返済は原則不要である
補助金と助成金の相違点
補助金と助成金の比較
区分 |
公募時期 |
種類 |
支給額 |
審査 |
支給金の
使用可能範囲
|
主たる財源 |
補助金 |
4,5月が多い |
多い |
高額 |
難易度 高 |
広い |
税金 |
助成金 |
通年 |
少ない |
低額 |
難易度 低 |
狭い |
雇用保険料 |
補助金は予算が決まっているので倍率の関係で審査は厳しくなり、要件を満たしているだけでは受給できない可能性があります。一方で、助成金は要件を満たせば原則として受給可能です。
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補助金の概要と対象
次に、補助金について詳しくご紹介します。
補助金の概要
1.補助金の支給元について
補助金の支給元は主に経済産業省で、経済産業省に紐づく組織から支給されます。
その対象事業は延べ数千件に至ります。「国が推進する事業の促進」なので、ニュースでよく耳にするようなワードが以下の「対象事業(例)」に多く盛り込まれていることがわかります。
補助金の支給元と対象事業例
経済産業省関係部局名 |
対象事業(例) |
総予算
(概算)
|
大臣官房 |
約16億円 |
|
産業技術環境局 |
約1億円 |
|
貿易経済協力局 |
約43億円 |
|
製造産業局 |
約130億円 |
|
商務情報政策局 |
約6億円 |
|
資源エネルギー庁 |
約460億円 |
|
特許庁 |
約2億円 |
|
中小企業庁 |
約43億円 |
出典:経済産業省 組織図
:経済産業省 新型コロナウイルスウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ
:中小企業庁 補助金等公募案内
2.補助金の基本ルール
・既に事業化されている事業は対象外
・事業の推進に際しての自己負担の一部を後払いで補助金として受給する
・原則、補助事業期間内に発注・納品・検収・請求・支払をおこなっている経費が対象
※交付決定前に使った経費(発注した経費含む)は対象外
・受給審査は、書類審査や面接を経て3ヶ月ほどで終了するケースが多い
・受給に際して支払証憑類の提出が必要
補助金の対象となる費用
補助金の対象事業毎に確認が必要ですが、一般的に補助金の対象となる経費の一覧をご紹介します。
一般的に補助金の対象となる経費
経費項目 |
内容 |
人件費 |
事業に従事する者の作業時間に対する人件費 |
旅費 |
事業を行うために必要な国内出張及び海外出張に係る経費 |
会議費 |
事業を行うために必要な会議、講演会、シンポジウム等に要する経費 |
謝金 |
事業を行うために必要な謝金 |
備品費 |
事業を行うために必要な物品(ただし、1年以上継続して使用できるもの)の購入、製造に必要な経費 |
借料 |
事業を行うために必要な機械器具等のリース・レンタルに要する経費 |
消耗品費 |
事業を行うために必要な物品であって備品費に属さないもの (ただし、当該事業のみで使用されることが確認できるもの)の購入に要する経費 |
外注費 |
補助事業者が直接実施することができないもの又は適当でないものについて、他の事業者に外注するために必要な経費(請負契約) |
印刷製本費 |
事業で使用するパンフレット・リーフレット、事業成果報告書等の印刷製本に関する経費 |
補助員人件費 |
事業を実施するために必要な補助員(アルバイト等)に係る経費 |
その他諸経費 |
事業を行うために必要な経費であって、他のいずれの区分にも属さないもの。原則として、当該事業のために使用されることが特定・確認できるもの。 (例) ・通信運搬費(郵便料、運送代、通信・電話料等) ・光熱水料(電気、水道、ガス) ・設備の修繕・保守費 ・翻訳通訳、速記費用 ・文献購入費、法定検査、検定料、特許出願関連費用 等 |
委託費 |
補助事業者が直接実施することができないもの又は適当でないものについて、他の事業者に行わせるために必要な経費(委任契約) |
出典:経済産業省大臣官房会計課 補助事業事務処理マニュアル
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助成金の概要と対象
次に、助成金について詳しくご紹介します。
助成金の概要
1.助成金の支給元について
助成金の支給元は主に厚生労働省と経済産業省(と一部の企業)です。
厚生労働省からは雇用の支援金、経済産業省からは研究開発の支援金が助成されます。
このうち、汎用性の高い厚生労働省の助成金の種類は、以下の通り、大きくわけて11種類あります。
助成金の支給元と対象事業例
厚生労働省関係部局名 |
対象事業 |
助成額(目安) |
勤労者退職金共済機構 |
(例)
退職金掛け金の1/2 等
|
|
都道府県労働局 |
上限450万円 |
|
上限100万円 |
||
上限1,000万円 |
||
(旧称:時間外労働等改善助成金)
|
上限500万円 |
|
(例)
若年・女性建設労働者1名につき上限4万円/月
|
||
上限5,000万円 |
||
建設業労働災害防止協会 |
上限20万円 |
|
労働者健康安全機構 |
(例)
ストレスチェック実施で1労働者あたり500円 等
|
|
高齢・障害・求職者 雇用支援機構 |
上限450万円 |
|
上限450万円 |
出典:厚生労働省 各種助成金・奨励金の制度
:厚生労働省 生活を支えるための支援のご案内
2.助成金の基本ルール
・要件を満たせば、原則受給できる
・事業の推進に際しての自己負担の一部を後払いで助成金として受給する
・補助金ほどの詳細な証憑書類の提出が求められることは少ない
助成金の対象となる費用
助成金の対象事業毎に確認が必要ですが、一般的に補助金の対象となる費用とあまり変わりません。前項2.2.に記載した「一般的に補助金の対象となる経費」をご参照ください。
ただ、対象事業毎に経費の扱いは異なりますので、必ず確認が必要です。
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新型コロナウイルス対応!要確認の補助金・助成金一覧と受給のための対策
新型コロナウイルスの影響に関連する補助金・助成金
以下の1.と2.は補助金で、主に設備投資(例:テレワークの環境整備に資するツールの購入)に対して給付します。設備投資は多額な資金がかかる一方で、その効果(コスト回収)は長期に及ぶので、補助金は大きなメリットがあります。
テレワーク導入関連資金も補助対象となりますので、出典元を含めご確認ください。
1.IT導入補助金(C型)
項目 |
内容 |
補助対象者 |
中小企業者・小規模事業者 |
補助対象経費 |
ソフトウエア費、導入関連費、ハードウェアレンタル費 |
補助対象要件 |
サプライチェーンの毀損への対応、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備のいずれか1つ以上 |
補助率上限 |
2/3 |
補助金上限 |
450万円 |
出典:一般社団法人 サービスデザイン推進協議会 IT導入補助金2020
2.ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(特別枠)
項目 |
内容 |
補助対象者 |
中小企業者・特定非営利活動法人 |
補助対象経費 |
機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費 等 |
補助対象要件 |
新製品の開発・新たな生産方式の導入・新役務の開発等に加え、経費の1/6以上をサプライチェーンの毀損への対応、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備に投資する |
補助率上限 |
2/3 |
補助金上限 |
1,000万円 |
出典:中小企業庁 令和2年度補正予算「ものづくり補助金」の「特別枠」の公募が開始されました
:ものづくり補助金事務局 ものづくり・商業・サービス補助金
以下の3.と4.は助成金で5.は給付金です。助成金は補助金と異なりツール購入費などではなく、人件費の一部を支給します。また、給付金は経費に関係なく支給されるお金です。
東京都をはじめ、緊急事態宣言が継続している1都1道3県(令和2年5月21日現在)では、営業を再開できない事業者や休校している小学校が多く、助成金の必要性はますます高まっています。
特に、雇用調整助成金は5月末を目処に助成上限額が上がる方針ですのでよくご確認ください。
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3.雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症特例措置)
項目 |
内容 |
助成対象者 |
雇用保険に加盟しており新型コロナウイルスの影響で売上が前年同月比で5%減少している者 |
助成対象経費 |
雇用保険被保険者、被保険者でないパート等の休業手当 |
助成対象要件 |
事業主が休業手当を支給して休ませるか、教育訓練をした場合 ※休業要請あり、解雇有無で補助率変動 |
助成率上限 |
中小企業10/10、大企業3/4 |
助成金上限 |
一人あたり8,330円/日(※) |
出典:厚生労働省 雇用調整助成金
※令和2年5月14日、政府は補助金上限を8,330円から15,000円に引き上げる方針を表明。令和2年5月27日をめどに概算決定をおこない、国会に提出する予定です。
あわせて、休業手当が支払われない中小企業の労働者に向けて賃金の8割程度を支給する方針を固めました。
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4.新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金
項目 |
内容 |
助成対象者 |
小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子の保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規雇用・非正規雇用を問わず、有給の休暇(年次有給休暇を除く)を取得させた企業 |
助成対象経費 |
有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金 |
助成対象要件 |
有給の休暇(年次有給休暇を除く)を取得させている |
助成率上限 |
有給手当全額 |
助成金上限 |
一人あたり8,330円/日 |
出典:厚生労働省 事業主の方へ
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5.持続化給付金
項目 |
内容 |
給付対象者 |
資本金10億円未満の企業 |
給付対象経費 |
給付 |
給付対象要件 |
新型コロナウイルスの影響で売上が前年同月比で50%減少 |
給付率上限 |
― |
給付金上限 |
200万円(中小企業) |
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6.番外編その1(ライフライン料金の支払いが苦しい場合)
項目 |
内容 |
家賃 |
住宅確保給付金(要件を満たせば原則3ヶ月の家賃受給) |
携帯電話利用料 |
支払い期限3ヶ月延長(携帯電話各社のHPをご確認ください) |
水道・電気・ガス |
総務省からの要請を受けて、各社支払い期限の延長を発表 |
7.番外編その2(政府系のフリーランス向け融資)
項目 |
内容 |
金利引き下げなし |
売上高等の要件はなし |
実質無金利 |
原則、売上高5%以上減少(小規模は15%、中小企業は20%減) |
出典:経済産業省 新型コロナウイルスウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ
補助金や助成金を受給するための対策や補助金・助成金の探し方
多くの支給元が様々な補助金や助成金を支給しているため、支給元のHPなどを1つ1つ調べることは非常に非効率です。
独立行政法人中小企業基盤整備機構の中小企業の支援サイト「J-NET21」では、都道府県別に補助金や助成金の情報をまとめており、実質無利子融資の情報やウィズコロナ・アフターコロナの支援情報をまとめており、検索ツールとして非常に優れております。
あわせて、助成金等をまとめているサイト「みんなの助成金」なども参考に、自社の状況に合った補助金や助成金を見つけて申請しましょう。
なお、補助金は募集開始から締め切りまでが短期間のため、普段から事業計画書、決算書、財務諸表は作成しておくことをおすすめします。
【はたらくサプリ内補助金・助成金の関連記事一覧】
補助金
助成金
まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事では補助金と助成金の同異点、その支給元や具体的な対象事業をご紹介しました。東京都など緊急事態宣言が継続している都道府県もあり、今後、新型コロナウイルスの第2波も予想される中で、新型コロナウイルスの影響に関連した補助金・助成金の情報もご紹介しました。申請を検討される際にもご参考ください。
今回のポイントは以下の通りです。
この記事のまとめ
・補助金と助成金は様々な機関から支給され、返済は原則不要
・補助金は審査が厳しい分、受給金額は助成金よりも高額な場合が多い
・新型コロナウイルスによるテレワークの設備投資や給与補償に際しては、IT導入補助金や雇用調整助成金を要確認
・補助金は申請期間が短いので注意が必要
※この記事は令和2年5月18日時点の情報です。
最新の情報については、経済産業省のHPや厚生労働省のHPもご確認ください。
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