RPAとは?メリット・デメリットからRPA資格の「RPA技術者検定」まで紹介します
大々的におこなわれている働き方改革や業務の効率化や労働環境の改善などを理由に、RPAを取り入れる企業が増えています。それを受けて、2018年にRPAに関する資格試験が始まりました。
この記事では、RPAとはいったい何なのか、RPAを導入することで企業にどのようなメリット・デメリットがあるのかなど、RPAの基本から資格の内容まで、企業担当者が気になる点を詳しく解説していきます。
目次[非表示]
- 1.RPAとは何か
- 1.1.RPAとは?
- 1.2.RPAが注目される背景
- 1.3.RPAの導入は3ステップ
- 2.RPAを導入するメリット
- 2.1.生産性の向上
- 2.2.人為的ミスを防止
- 2.3.経費削減
- 3.RPAを導入するデメリット
- 3.1.情報漏洩
- 3.2.システム障害による業務停止
- 3.3.使用できる人材が限られる
- 4.RPA資格にはどんな種類があるの?
- 4.1.RPAに関わる資格は「RPA技術者検定」
- 4.2.RPA技術者検定:アソシエイト
- 4.3.RPA技術者検定:エキスパート
- 4.4.RPA技術者検定:プロフェッショナル
- 5.豊富なスキルアップコンテンツはflappiにお任せください
RPAとは何か
まず、RPAとはいったい何なのか、近年注目されている背景と、導入の具体的ステップについて紹介します。
RPAとは?
RPAとは、Robotics Process Automationの略です。Roboticsはロボット工学、Processは処理すること、Automationは自動化という意味です。つまりRPAとは、これまで人間がおこなってきた業務をロボットにより自動化する仕組みやその概念を指します。
人間の業務をロボットが代わりにするということから、人工知能であるAIを想像しがちですが、高度で汎用性の高いAIとは違い、RPAは工程が決まっている業務を自動化するものです。つまり、業務の順番を決めて指示を出せば、RPAが自動的に作業を進めてくれるということです。これによって、人間は人間にしかできない業務に集中できるため、人材不足に悩む多くの企業がRPAを導入しています。
IoT(モノのインターネット)においても、RPAが注目されています。IoTでは、さまざまな電子機器がデータのやり取りを実施しますが、IoTが収集した情報をRPAが処理することで、大幅な効率化が期待できます。
RPAが注目される背景
RPAが注目されるようになった背景には、2019年から本格的に施行された働き方改革があります。
この働き方改革では、労働生産性を向上させたり、業務の効率化を図ったりして従業員の業務量を減らし、ワークライフバランスを整えることが目的ですが、多様な働き方が広まるにつれてRPAの利用が検討され始めたのです。
また、深刻な人材不足も背景にあります。働き手が少なく、労働力は売り手市場といわれる中、膨大な単純作業に頭を悩ませる企業は少なくありません。それを解決するために、RPAが導入され始めたのです。
RPAの導入は3ステップ
RPAには3段階の自動化レベルがあるとされており、クラス1からクラス3へと進むにつれて高度な自動化がおこなわれるようになります。
そのステップを見ると、現在の多くのRPAはクラス1に当たり定型業務に対応しています。ここからは、それぞれのステップについて解説していきましょう。
クラス1:RPA(Robotics Process Automation)
前述のとおり、定型業務を自動化するために利用されるのがRPAです。
例えば情報を収集したり、データを入力したりするといった定型的な作業をRPAが担当します。パソコンの基本操作やエラー処理を自動化したりできるため、RPAはすでに大手都市銀行などでも導入され、大幅な作業時間の削減に成功しています。
クラス2:EPA(Enhanced Process Automation)
EPAでは、RPAとAIが学習した技術を組み合せることによって、さらに高度な作業の自動化を実現します。例えば言語解析やデータ分析のような、非定型的な作業を自動化することができます。
クラス3:CA(Cognitive Automation)
CAでは、ディープラーニングや自然言語処理をおこなうことができます。例えば、日本語を理解するAIエンジンを利用し、対話をするだけでデータ入力ができるだけでなく、業務の改善や決定までも自動化することができます。
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RPAを導入するメリット
RPAの内容を理解したところで、次はRPAを導入することで得られるメリットについて見ていきます。業務の自動化・効率化を図ることができるRPAですが、単純に業務の手間を減らす以外にも、さまざまなメリットがあります。
生産性の向上
これまでおこなっていた業務を自動化することができるため、担当の従業員は他の業務に取りかかることができます。これによって生産性の向上が期待できるほか、貴重な人員を新しいプロジェクトなどに充てることができるでしょう。
RPAを導入して業務内容を改善することは、従業員一人あたりの業務量を減らすだけではなく、モチベーションアップにもつながるため、非常にメリットが大きいと言えます。
人為的ミスを防止
RPAの導入により、業務の正確性が高まります。集中力が低下したり眠気に襲われたりした際に起きやすい、人為的ミスが発生しないからです。RPAは指示された業務を正確におこなうことができるため、人為的なミスに対処する時間や手間を省くことができます。
経費削減
人間が処理できる仕事量には限界があります。一方、ロボットであるRPAは指示された業務を正確にこなすことができ、時間も曜日も関係なく働いてくれます。これまで人間が担当していた作業をRPAが代わりにおこなうことで、作業時間や工程が短縮され残業カットや人件費削減につながるのです。RPAは、大幅な経費削減に貢献してくれます。
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RPAを導入するデメリット
次は、RPAを導入すると起こり得るデメリットについて見てみましょう。新しいシステムを導入するにあたって業務体制が変化したり、RPAに関わる従業員が仕組みを理解する必要があったりと、対応が難しいというデメリットがあります。
情報漏洩
インターネットに接続した状態でRPAを実行すると、不正アクセスによって情報漏洩が起こる可能性があるため、セキュリティ対策を強化する必要があります。
システム障害による業務停止
RPAはITのシステムなので、人間のように集中力が切れることはありませんが、システムに障害やバグが発生することがあります。これによって業務が停止してしまったり、重要なデータが消えてしまったりする可能性があります。RPAへの移行が進んでいる場合は、リカバリー(修復)が難しいこともあります。
使用できる人材が限られる
社内の誰もがRPAを取り扱えるわけではありません。担当者がネットワークやITに疎い場合は、RPAの導入や利用が難しいでしょう。社員のITリテラシーの向上を図り、多くの社員がRPAを使いこなせるようにする必要があります。
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RPA資格にはどんな種類があるの?
RPAの導入を検討する企業が増えているため、RPAの知識を有し、うまく扱うことができる人材が求められています。RPA関連の資格には、「RPA技術者検定」があります。ここではRPA技術者検定の内容や料金のほか、試験に合格するとどのようなことができるのか解説していきます。
RPAに関わる資格は「RPA技術者検定」
RPAに関する唯一の資格として知られているのが「RPA技術者検定」です。
2018年にスタートした資格ですが、この検定には3段階の試験が設けられており、それぞれ合格後にできることが異なります。試験では、日本でもっとも利用されているRPAツールであるWinActor(ウィンアクター)を用いており、WinActorの開発およびRPA技術者検定は、NTTデータによっておこなわれています。
まずは無料の入門講座を受講し、WinActorそのものについて学習してから以下の検定を受験しましょう。
RPA技術者検定:アソシエイト
RPA技術者検定の1段階目の試験は、「アソシエイト」と呼ばれる入門編です。
50問を60分で回答する試験で、受験料は7,150円です。受験資格は特にありませんが、WinActorの基本的知識を有している人や、WinActorでシナリオ作成経験がある人、WinActorの基礎知識を体系的に勉強したい人が対象です。正答率7割以上で合格となりますが、試験によって問題の難易度が変わる場合もあります。
RPA技術者検定:エキスパート
次は、「エキスパート」という段階です。
エキスパートでは実技試験がおこなわれ、問題は5問、試験時間は120分で、WinActorの基本機能を使ったシナリオ作成やその修正などが出題されます。受験料は16,500円で、正答率が6割以上で合格となります。こちらも受験資格は特にありませんが、WinActorの機能について深く理解している人や、業務でWinActorを利用した経験のある人が対象です。
RPA技術者検定:プロフェッショナル
RPA技術者検定でもっとも難易度が高いのが、「プロフェッショナル」です。
この検定は未だおこなわれたことがなく、検定の詳細についても公開されていません。WinActorのスペシャリストとして、非常に高い知識・技術レベルが求められる検定であることは間違いないでしょう。
豊富なスキルアップコンテンツはflappiにお任せください
RPAは業務の効率化や改善において、非常に役立つツールです。
日々の単調な作業を自動化できるRPAの需要は、確実に高まっています。そのため、RPA技術者検定という資格を取得する人が増えており、今後は求められるレベルが高くなっていくでしょう。
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