経営人材とは?育成のために企業がおこなうべきこと、成功のポイントなどを紹介

近未来の働き方:データを扱う従業員​​​​​​​

「経営人材」という言葉をご存じでしょうか?厚生労働省の調査によると、調査対象となる上場企業の過半数が経営人材候補を育成するための取り組みをおこなっています。企業を発展させ持続させるためには、次世代の経営を任せられる人材の育成が必要です。しかし、経営人材育成を成功させるためのポイントを押さえずに計画を策定すれば、コストのわりに、成果が出ない育成方法となってしまいます。

そこで本記事では、経営人材の定義や経営人材に求められる要素といった基本的なことから、経営人材候補の選抜方法など、育成を成功に導くポイントに至るまでを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.経営人材とは?
  2. 2.経営人材に求められる4つの要素
    1. 2.1.冷静な判断力・決断力
    2. 2.2.安定したメンタル
    3. 2.3.ポジティブな思考
    4. 2.4.創造性
  3. 3.経営人材を育成するために企業がおこなうべきこと
    1. 3.1.必要とする人材のイメージを明確化する
    2. 3.2.候補者を選定する
    3. 3.3.育成計画を立て、機会を与える
    4. 3.4.定期的なコミュニケーション
  4. 4.経営人材の育成を成功させるポイント
    1. 4.1.合理的な人材選抜をする
    2. 4.2.計画的に人員を配置する
    3. 4.3.古い慣習にとらわれず適切な人材登用をおこなう
    4. 4.4.経営人材に適切な成長機会を与える
    5. 4.5.経営層が経営人材育成にコミットする
  5. 5.経営人材育成にはツールを活用する

経営人材とは?

経営人材候補育成の取り組みをしている企業の多くは、経営人材を「CEO・COO(社長)」または「副社長・専務・常務」と定義しています。
経営人材とは、経営や事業の目標や目的、課題について設定をする人材のことを指します。経営人材と似た言葉に幹部人材という言葉がありますが、幹部人材は目標や目的などに応える人のことをいいます。

経営人材は、問いを立てる役割を担い、幹部人材は問いに答える人材であることが、経営人材と幹部人材の大きな違いです。


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経営人材に求められる4つの要素

未来を見据えてそれぞれが考え込む従業員たち

経営人材には、一つの分野に関するプロフェッショナルではなく、多元的な要素が求められますが、ここでは4つの要素をご紹介します。

冷静な判断力・決断力

経営人材には、冷静な判断力や決断力が求められます。企業の業績が良いからといっておごらず、経営の危機にひんしているような状況でも慌てず、常に次は何をすべきかを考えることができる冷静さが必要です。また、企業の行く末を左右するような思い切った決断を迫られることもあります。したがって、決断力がない人が経営人材として活躍することは難しいでしょう。

物事を冷静に俯瞰する能力があれば、どんな局面でも状況を分析し、次の行動に移すことができるので、そのような素質が経営人材には求められます。


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安定したメンタル

経営人材は、常に精神的に落着いていなければなりません。自身の状況などに左右され、精神的に不安定になりがちな人物は、時に周囲への態度がころころと変わり、周囲にも不安や迷いなどの精神的な悪影響を及ぼす可能性があるため、経営人材は務まらないでしょう。


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ポジティブな思考

経営人材に求められる要素の一つとして、ポジティブさも非常に重要です。重大なトラブルに直面しても前向きに対処できる資質がなければ、部下など周りの者までも不安にさせてしまい、負の連鎖に陥ってしまいます。一方、どんな局面でもチームで乗越えていこうと前向きな姿勢でリーダーシップをとる人材は、周囲の者を安心させ、導き、さまざまな課題を解決することができます。

ネガティブな状況をポジティブに変える力は、周囲の信頼と忠誠心を獲得することができるでしょう。「この人となら一緒に最後まで頑張れる」と思わせるカリスマ性が、経営人材に必要な要素となります。


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創造性

自社の事業ビジョンや個々のサービスの到達点、目指すべき姿を描く力も、経営人材に求められる要素です。
創造性に欠ける人材は、既存の事業モデルやサービス方法にとらわれ、部下のアイデアや提言を受入れることができず、経営人材としてはふさわしくありません。

刻一刻と変化していく社会において、必要とされる企業となるべく、新しい将来像をイメージできることが、自社の発展と持続につながります。


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経営人材を育成するために企業がおこなうべきこと

分析したデータが記載されている資料

厚生労働省の調査によれば、調査対象の過半数の企業で、経営人材候補の育成に取り組んでいますが、16.5%の企業では依然として何ら取り組みも検討もなされていません。経営人材の育成は持続性のある企業を目指す上で不可欠なため、まだ取り組んでいない企業は、何をすべきか知ることが重要です。
そこで、企業がおこなうべき施策を以下で見ていきましょう。

必要とする人材のイメージを明確化する

求める人材像をイメージし、経営人材に必要な要件を設定する必要があります。人材像の明確化とは、「自社ならではのあるべき人材像の明確化」や「今後求められる人材像の明確化」であり、これを決定する際に重要なのは、経営戦略を踏まえることです。新規事業立案を重視するのであれば、マーケティング戦略や柔軟な発想力に秀でた人材を求めなければなりません。


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候補者を選定する

経営人材候補者の選定にあたり、社内の人材を把握し、必要な要件を満たした人物を選定しなければなりません。この要件を満たす候補者を選定する方法には「上司・部門長の推薦」「人事による総合的判断」「過去の人事評価の優秀者」などがあります。


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育成計画を立て、機会を与える

経営人材育成には人的・時間的・金銭的コストがかかります。コストを含めた育成計画を立て、経営人材候補者を育てなければなりません。人事部門は常に、誰をどのように育てるか、育成にかかるコストを捻出できるかについて考える必要があります。


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定期的なコミュニケーション

現場だけに育成を任せるのではなく、経営に関わる人間が経営人材候補と定期的なコミュニケーションをとり、人材のモチベーションを維持させるなど、経営に関わる人間も関心を持つことが大切です。

経営人材育成に限りませんが、多くの企業が実施している人材の育成計画の具体例として「経営層から薫陶を受ける機会の設定」を挙げることができます。人材を育てるには、目標となる人物からの影響も大きく受けるため、実際に経営に関わる人間から声をかけてもらえる、話を聞ける、ということの意味は大きいでしょう。


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経営人材の育成を成功させるポイント

コストをかけて経営人材を育成するからには、成功させなければなりません。以下にそのポイントをご紹介します。

合理的な人材選抜をする

経営人材の候補者を選抜する上で、人情や企業風土が邪魔をすることがあります。経営人材育成のためには、素質のある人物を合理的に選抜することが大切であり、選抜可否の判断基準策定がポイントとなります。

多くの企業が選抜可否の判断基準として「上司・部門長の推薦」、「過去の業務実績」、「過去の査定結果」を採用していることから、候補者の選定にあたっては、上司・部門長の判断が大きく影響することがわかります。上司・部門長の判断が客観性を損なえば、優秀な人材を発掘することができません。そこで、複数の上長の判断、基準の可視化などが課題となります。


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計画的に人員を配置する

異動や配置転換が多いと、一つの分野に精通する人材を育成できないというデメリットがあります。しかし、異動や配置転換を長期的なビジョンで計画的に実行すれば、多元的な要素を持つ経営人材候補を養成することができます。


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古い慣習にとらわれず適切な人材登用をおこなう

ビジネスにおける難局にも対応できる人材を早期に育てるためにも、年功序列などの慣習にとらわれず、育った人材を要職へ登用することが重要です。


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経営人材に適切な成長機会を与える

「70:20:10の法則」の活用も経営人材候補を効果的に成長させる方法の一つです。これは、リーダーシップ開発に有効という要素を分析し導き出された法則であり、人の成長に役立つ要素の割合が、実務経験70%、薫陶(くんとう=コミュニケーション)20%、研修10%であるということを意味しています。これを見れば、経営者の話を聞く薫陶の機会、研修などの座学も人材育成に一定の効果があることがわかりますが、人材の成長を促す最大の要素は業務での実体験だといえるでしょう。

なお、選抜人材への教育は「社外の教育会社の講師」、「社長以外の役員」、「社長」が務めることが多いようです。また、経営人材育成を実施している企業では、経営戦略・事業戦略、リーダーシップなどについて研修がおこなわれています。


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経営層が経営人材育成にコミットする

人材や資源、資本の動員を決定するのは経営層の役目です。経営層が多くの時間を割いて経営人材育成に取り組めば、社内全体にその重要性が伝わります。経営層がコミットすることは、経営人材育成の成功が、企業にとって責任の伴う目的であることを社内に知らしめることになります。また経営人材候補だけではなく、候補を出す部門など、育成が会社全体の責務であるという共通認識を醸成することになるでしょう。


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経営人材育成にはツールを活用する

経営人材の意義、育成に成功するためのポイントなどを見てきましたが、経営人材の選定をおこなうには、あらゆる角度からの視点で評価する必要があります。しかし、厚生労働省の調査によると、「誰を対象にするか、選抜の判断が難しい」というのが経営人材育成を検討しない理由として挙げられています。経営人材の選定方法策定は、企業の重要課題の一つといえるでしょう。

この課題解決のため、人材のスキル・マインドを詳細に分析し、360度評価することができるJTBベネフィットの人財(※)育成ソリューション「flappi」を、ぜひご検討ください。


※JTBグループでは、社員の成長・活カが会社の成長、グループの発展を支えるという基本理念のもとで人は財産であるとし、「人材」を「人財」と表記しています。


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終了しました。多数の方にご参加いただき、誠にありがとうございました!

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