時差出勤とは?出社でもテレワークでも効果的なウィズコロナ時代の働き方を解説

わが社の働き方改革奮闘記 ~時差出勤編~2

新型コロナウイルスの感染症対策としていち早く注目されたテレワークや在宅勤務ですが、株式会社インティメート・マージャーの【IM 働き方改革に関する調査レポート vol.2】によると、ゴールデンウィークを境目にしてわずかながら出勤の上昇傾向がみられました。特に早朝出勤する人の割合が増え、午前6時台に出社する人の割合については新型コロナ感染拡大前の2月25日と、拡大後の5月12日で比較すると52%も高くなっていることがわかりました。

このデータから言えることは、新型コロナ対策の働き方は、テレワークだけでなく時差出勤を多くの企業で採用していることを示しています。長い間、注目されながらも定着されていなかった時差出勤ですが、未導入の企業は今こそ導入を検討する時期にあると言えます。

今回は、時差出勤について導入のメリット・デメリットや時差出勤とよく似た意味合いで用いられるフレックスタイム制との違い、そして時差出勤を導入する場合に注意しておきたいことについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.時差出勤とフレックスタイム制の違い
    1. 1.1.時差出勤とは?
    2. 1.2.フレックスタイム制とは?
  2. 2.時差出勤のメリット
    1. 2.1.企業にとってのメリット
    2. 2.2.従業員にとってのメリット
  3. 3.時差出勤のデメリット
    1. 3.1.企業にとってのデメリット
    2. 3.2.従業員にとってのデメリット
  4. 4.時差出勤を導入する時の注意点
    1. 4.1.まずは小規模のトライアルから始める
    2. 4.2.従業員の労務管理は正確に
    3. 4.3.円滑なコミュニケーション確保のための対策
  5. 5.まとめ

時差出勤とフレックスタイム制の違い

わが社の働き方改革奮闘記 ~新米パパの変則勤務編~2

時差出勤とは?

時差出勤とは、1日の総労働時間は所定労働時間のとおりですが、始業時間を変更することで自由に始業時間と終業時間を決められる働き方を意味します。


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フレックスタイム制とは?

フレックスタイム制は、始業時間も終業時間も含め、従業員が1日にどれだけ働くかを自由に決定できる制度です。フレックスタイム制において企業が決めておくのは、月の総労働時間と「コアタイム」です。

コアタイムとは、すべての従業員が必ず出社しなければいけない時間帯のことです。フレキシブルな勤務ができても、コアタイムを設定しておくことで従業員同士のコミュニケーションをとる機会は確保されます。


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時差出勤のメリット

建設業でオフィスワークをする女性従業員

新型コロナ対策として時差出勤が注目されているのは、公共交通機関での密集空間を少しでも避けるためです。その点から考えると、時差出勤は通勤手段に電車やバスが利用されている都市部で導入される傾向が高いことになります。ここからは時差通勤のメリットとデメリットを従業員側と企業側の視点からそれぞれ検証しましょう。

企業にとってのメリット

優秀な人材を確保して離職率を低下
従業員が置かれている状況に寄り添った多様な働き方を認めることで従業員エンゲージメントを高め、優秀な人材の囲い込みがしやすくなります。結果として離職率が下がり、新たに人材を採用するコストも不要です。


健康経営に寄与
従業員がワークライフバランスを保ちつつ心身ともに健康な状態で働くことができれば、従業員の健康管理を戦略的に取り組んでいる企業とみなされ、社会的評価も高くなります。また、医療にかかるコストが抑えられます。


人手不足の解消や顧客満足度が向上
時差出勤を導入することで幅広い時間帯に労働力を確保でき、特にコールセンターなど顧客対応が必要な業務においては、顧客と向き合える時間が増え、安定した対応ができるため顧客満足度が向上します。そして、会社全体の生産性が向上し、時間外手当の削減も期待できます。


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従業員にとってのメリット

通勤ラッシュでのストレス緩和
時差出勤は、新型コロナに感染するかもしれないという不安を軽減できるだけではなく、通勤時間が重なる際に発生する満員電車や交通渋滞を分散させることで、通勤にかかるストレスを緩和させることが最大のメリットです。


労働生産性や従業員満足度の向上
通勤でのストレスが緩和されると、出勤後は高いパフォーマンスを発揮して生産性が向上します。ひいては従業員満足度にも大きな影響を及ぼします。


ワークライフバランスが実現
育児や介護に時間やエネルギーを注ぐ必要のある従業員が時差出勤を利用することで、育児や介護と仕事の両立が可能になり、ワークライフバランスが実現できます。自分のライフスタイルに合わせて勤務時間帯を選べることが時差出勤の特徴でもあります。


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時差出勤のデメリット

人手不足やストレスで悩む従業員

企業にとってのデメリット

従業員ごとの出退勤時間が変わりますので、一人ひとりの勤怠や給与などの労務管理や、健康や安全に配慮しなければならなくなり、従業員の管理における業務量が増大し、負担を強いられることになる可能性があります。

従業員にとってのデメリット

特に時差出勤の導入直後において、今までの勤務パターンに慣れていた人にとっては、生活のリズムがつかみにくくなります。また、会議など他の人とのスケジュール調整や確認が今までより難しくなり、コミュニケーションにおいても若干希薄になりがちという点があります。


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時差出勤を導入する時の注意点

適正な労働時間を管理する時計とタイムカード

まずは小規模のトライアルから始める

時差出勤を導入しようとしてうまくいかない理由のひとつに、会社全体で制度として一気に導入を開始しようとするため、従業員のニーズに合わずにうまく機能しないという点があります。

時差出勤を導入する大きな理由は従業員の働きやすさの追求ですから、各従業員、各部署の働き方に関するニーズや業務内容をアンケートなどで調査し、最初はニーズに合致した限られた範囲でトライアルを兼ねて導入してみることが成功の秘訣です。

効果検証をおこなう際は、各従業員や各部署から率直なフィードバックをしてもらいましょう。ただ、その場合、時差出勤に適さない従業員や部署が不公平感を感じないように工夫が必要です。


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従業員の労務管理は正確に

労務管理が時差出勤のデメリットと先に述べたように、この課題をどう乗り越えるかが時差出勤の成功をわける分水嶺と言っても良いでしょう。

例えば、通常の勤務時間帯が9時から17時の8時間勤務で、休憩時間や時間外手当、深夜労働(22時から5時までの労働)の扱いも一律という企業において、社員が時差出勤で1時間前倒しの8時に始業した場合、22時以降も残業した場合は時間外労働に深夜労働も加わり、手当の割増率は50%以上になります。
しかし、これが時差出勤を利用して15時から出社した社員の場合は、22時以降の深夜労働ではあっても時間外労働にはならないケースも考えられ、その場合は25%以上の割増率にとどまります。

このような労務管理を大前提として、時差出勤のすべてパターンを就業規則に記載しておく必要があります。始業時間と終業時間は、就業規則の絶対的記載事項(労働基準法第89条)とされているからです。労務管理を社員一人ひとり正確におこなうためには、ITやICTシステムを活用した仕組み作りが時差出勤を導入する前に必要です。


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円滑なコミュニケーション確保のための対策

前述しましたが、時差出勤は出退勤が一律の勤務形態に比べて、どうしても従業員同士のコミュニケーションが希薄になる傾向があります。例えば、これまで従業員が一斉に出社してすぐに朝礼やミーティングをおこなっていたところ、時差出勤だとそれが難しくなります。従業員それぞれの稼働状況が異なるため、一同に集まる会議を設定するのも困難になります。そのため、いかにして社内コミュニケーションを確保するかということが課題になります。

また、時差出勤を利用する時間の幅が広くなることで一斉に休憩を取ることが容易ではなくなると、休憩時間のコミュニケーションもとることが難しくなります。一斉休憩については法律で定められています(労働基準法第34条第2項)ので、それを解除するために労使協定の締結が必要になります。

これらの対策として、これまで対面でおこなっていたことをチャットなどのITを用いたコミュニケーションツールの活用を検討してみるのも一つの方法です。そうすると限られた時間でもリアルタイムでコミュニケーションをとることができ、業務をスムーズに進めることができます。これはテレワーク中の時差出勤でも活用できる有効な方法です。


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まとめ

これまで時差出勤を導入しようと何度も試みたものの、浸透、定着はなかなかしていませんでした。それが今年は東京オリンピックの開催で世界各国から訪日される人との混雑緩和のために政府が推進していましたが、状況が変わり、新型コロナでの感染リスクを減らすことを目的として時差出勤が推進されるようになりました。

もし、新型コロナをもってしても今は時差出勤を導入することが困難であっても、今後に向けて体制を整える時間がまだ残されています。新型コロナは収束するまで数年かかると予想されており、特に直近ではインフルエンザが猛威を振るう冬季が一番の難局と言われています。人事総務担当者の方は、今からでも真剣に時差出勤の導入を検討すべきです。

企業は時差出勤やテレワークを含めて、多様な勤務形態をコミットする体制をいち早く整えることが急務と言えます。しっかりとした運用ルールができていれば従業員全員が安心して働ける環境ができ、従業員の定着やエンゲージメントを高めることで生産性や業績が向上しますので、現在のような状況下であってもきっと企業の持続的な成長につなげられることでしょう。


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