職場を変えるハイパフォーマー!その行動特性から育成方法まで
実績を上げ、職場そのものを変化させるほどの力を発揮するのが「ハイパフォーマー」といわれる人材です。企業が大きく成長していくためには、このハイパフォーマーといわれる人材をより多く育成、獲得する必要があります。今回は、ハイパフォーマーの概念や行動特性(コンピテンシー)、育成方法などについて解説していきます。自社でハイパフォーマーを生み出し、業績向上を目指したい人事担当の方は、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.ハイパフォーマーとは
- 1.1.ハイパフォーマーの特徴
- 1.2.ハイパフォーマーがもたらす効果
- 2.ハイパフォーマーの行動特性とその分析評価
- 2.1.ハイパフォーマーの行動特性
- 2.2.ハイパフォーマーを分析・評価する方法
- 3.ハイパフォーマーを育てるには
- 3.1.ハイパフォーマーを洗い出す
- 3.2.ハイパフォーマーの行動を分析し共有
- 3.3.パフォーマンスを生み出せる環境整備
- 4.客観的データでハイパフォーマーを見出し育てる
ハイパフォーマーとは
ハイパフォーマーとは、高いスキルやノウハウ、経験を持ち合わせ、それらを活かし高い生産性と成果を発揮し、企業や組織の成長に貢献できる人材を指します。この記事では、ハイパフォーマーといわれる人材の特徴や、ハイパフォーマーがもたらす効果を紹介します。
ハイパフォーマーの特徴
ハイパフォーマーとは、単にスキルやノウハウ、経験を持ち合わせているだけではありません。それらを駆使し高い生産性と成果を発揮できる人材だけが、ハイパフォーマーと呼ばれるにふさわしいといわれています。そして、スキルやノウハウ、経験のみならず、人間性が高いという特徴があります。裏を返せば、人間性があるからこそ、誰にも負けない実力を発揮できるとも考えられます。
ハイパフォーマーには、主に以下のような特徴がみられます。
ポジティブ思考
すぐに諦めずトライアンドエラーを楽しみながら仕事を進める
謙虚
自分の実力におごらず、上司や同僚など他の社員に対しても、常に尊敬や思いやりの気持ちを持っている
周囲からの信頼が厚い
相手の立場を考慮して物事を考えサポートをする
自分の考えをしっかりと持っている
周囲に流されずあらゆる視点から俯瞰し、自分なりの考えを持っている
相手のニーズをくみ取れる
相手が求めていることを理解し、応えることができる
ハイパフォーマーがもたらす効果
ハイパフォーマーは、会社の業績向上に貢献するだけはなく、イノベーションをもたらします。そして、ほかの従業員に対しても好影響を与え、彼らの今まで発揮できずにいた新たな能力を開花させます。ハイパフォーマーの存在自体が、人材育成につながるといえるでしょう。
ハイパフォーマーの存在は、パレートの法則にも通ずるものです。パレートの法則とは、「全体の要素の2割が、8割を生み出している」とする理論です。これを会社に当てはめると、「全従業員の2割が、会社の8割の売上を生み出している」となり、会社に利益をもたらし経営の柱となっているのは、実質2割の従業員ということになります。
つまり、上位2割に属する人材がハイパフォーマーに該当し、会社としてはハイパフォーマーが最大限の成果を発揮できる労働環境を整備することが、効率良く業績を向上させる手段です。そして、2割のハイパフォーマーたちがなぜ大きな利益を生み出す影響力を持つのかという点を分析すると、会社全体の底上げが実現します。
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ハイパフォーマーの行動特性とその分析評価
では、ハイパフォーマーは、具体的にどのような行動特性を持っているのでしょうか。そして、どうやってハイパフォーマーとなる逸材を見つけだすことができるのでしょうか。
ハイパフォーマーの行動特性
行動特性とは、その人物が持つ特徴的な行動パターンを指します。ハイパフォーマーの行動特性を知ることで、新たなハイパフォーマーの育成や採用に役立ちます。ハイパフォーマーの行動特性は、主に以下の4つが挙げられます。
行動力
ハイパフォーマーには、失敗を恐れず挑戦する行動力が備わっています。行動がなければ成果が生まれないという物事の真理を、きちんと理解しているからです。そのため、ただやみくもに行動するのではなく、広い視野と知識を持って、先を見据えた行動ができます。そして、トライアンドエラーを繰り返しながら、確実に成果を出していきます。
コミュニケーション力
ハイパフォーマーは、周囲とまめなコミュニケーションを取り、円滑な人間関係を構築しています。仕事は一人の力だけでなく、各所とコミュニケーションを取り連携しながら進めていくことが最も効率的であることを理解しています。相手の立場に立った思いやりのあるコミュニケーションができるため、たとえ困難な場面に直面しても、周囲の人が力を貸してくれます。
自発性
ハイパフォーマーは、自発性が高く、会社や社会への高い貢献心を持っています。上司から指示されることなく自ら業務の課題をあぶり出し、その解決のための積極的な行動が可能です。課題を自らの力で解決に導く成功体験によってモチベーションが持続され、好循環をもたらしています。
上昇志向
ハイパフォーマーは、成果にコミットし仕事の精度を上げ、確実に成果につなげる上昇志向を持っています。その根源は、他者ではなく過去の自分自身であったり、さらに上のポジションへ就きたいというモチベーションであったりします。
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ハイパフォーマーを分析・評価する方法
ハイパフォーマーの分析、評価には、以下のような数値化された客観的なデータが必要です。日頃から、人事管理システムなどにデータベース化しておくと、いざというときに役立ちます。
・属性データ:名前、性別、年齢、所属部署、学歴など
・入社時データ:履歴書、適性検査結果など
・行動データ:勤怠履歴、スケジュール、その他数値化できるもの
・評価データ:人事評価、多面評価など
ただし、評価データに関しては、評価者によるバイアスがかかっているため、すべてを鵜呑みにするのは少々危険です。そのため、評価者を限定しない、多面評価の結果も踏まえて判断すると良いでしょう。なお、ハイパフォーマーの評価基準の一例は、以下となります。
・価値観:ポジティブ、目的意識、仕事に対する姿勢
・スキル:柔軟性、影響力、リーダーシップ
・行動特性:成果主義、行動力、周囲へのサポート
上記の評価基準をベースに、自社にとってのハイパフォーマーの分析、評価をおこなっていきましょう。
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ハイパフォーマーを育てるには
ハイパフォーマーを生み出すためには、そのための土壌を整える必要があります。ここでは、ハイパフォーマーを育成するために必要な手順を紹介します。
ハイパフォーマーを洗い出す
ハイパフォーマーを育成するためには、現時点における自社のハイパフォーマーを特定しなければなりません。その際には、ハイパフォーマーに明確な定義付けをおこなう必要があります。自社にとってどのような人材がハイパフォーマーであるのか必要な要素がわからなければ、適切な洗い出しが難しくなります。
ハイパフォーマーの行動を分析し共有
ハイパフォーマーの定義が明確化されたら、その定義に該当する従業員の個人データを分析していきます。ハイパフォーマーのどのような要素が、高いパフォーマンスの発揮に影響を与えているのかを明確化しましょう。そして、彼らと共通項を持つ、潜在的なハイパフォーマーを探っていきましょう。
さらに、特定されたハイパフォーマーの要素は、社内に情報共有します。情報共有することにより波及効果を生み、従業員の意識にも変化があらわれます。
パフォーマンスを生み出せる環境整備
会社は、ハイパフォーマーが高いパフォーマンスを生み出せる労働環境を整備する必要があります。ハイパフォーマーの潜在能力を最大限引き出し、実力を発揮できる環境とはどのようなものであるか、ハイパフォーマーの分析から検証していきましょう。
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客観的データでハイパフォーマーを見出し育てる
企業が業績を上げ、さらに拡大していくために、ハイパフォーマーの存在は欠かせません。ハイパフォーマーのさまざまな特性を十分に分析し、彼らが存分に成果を挙げられる職場を構築すると同時に、新たなハイパフォーマーの育成にも力を入れていきましょう。
JTBベネフィットの「flappi(フラッピ)」は、企業がハイパフォーマーとなりうる人材を見出し、育成するための支援と、従業員の個人データの一元管理、分析、活用まで一貫したサービス提供をおこなっています。flappiを活用し、ハイパフォーマーの活用に取り組んでいきましょう。
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