ダイバーシティ推進と働き方改革の切っても切れない関係を解説

​​​​​​​ダイバーシティとは多様な価値観を受け入れることと理解した従業員

働き方改革の中では、ダイバーシティ推進も謳われており、これを受けてダイバーシティ経営と就業規則の見直しなどをおこなう企業が増えています。また、ダイバーシティマネジメントといった、組織のマネジメントに多様性を持たせるという言葉も生まれ、各種セミナーなども開催されています。

そこで今回は、ダイバーシティ推進と働き方改革の関係と、具体的な実現方法について詳しく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.ダイバーシティ推進と働き方改革の関係
    1. 1.1.男女共同参画からダイバーシティへ
    2. 1.2.ダイバーシティ推進は働き方改革の一角
    3. 1.3.働き方改革そのものがダイバーシティを推進する
  2. 2.ダイバーシティ推進と働き方改革が求められる理由
    1. 2.1.労働力不足時代の必然
    2. 2.2.ミレニアル世代の価値観
    3. 2.3.生産性向上とイノベーション
  3. 3.働き方改革はどのようなダイバーシティを実現するのか
    1. 3.1.女性
    2. 3.2.年齢
    3. 3.3.国籍・人種
    4. 3.4.障がい者
    5. 3.5.LGBT
    6. 3.6.個人の置かれている状況
    7. 3.7.個人の価値観
  4. 4.多様な働き方とダイバーシティ
    1. 4.1.テレワーク・在宅ワーク・時短勤務・フレックスタイムなど
    2. 4.2.同一労働同一賃金
    3. 4.3.業務を可視化、効率化
    4. 4.4.副業
  5. 5.ダイバーシティ推進をサポートするJTBベネフィットのflappiをご検討ください

ダイバーシティ推進と働き方改革の関係

まず、ダイバーシティ推進と働き方改革の関係を確認しましょう。

男女共同参画からダイバーシティへ

日本で女性の雇用が推進され始めたのは、男女雇用機会均等法などが整備された1985年からです。

男女雇用機会均等法では採用や昇進などにおいて女性に対する差別をおこなうことが禁止され、1999年に制定された男女共同参画では男女が対等の立場で個人としての能力を十分に発揮できる社会の実現を目的として、女性に対する積極的改善措置(ポジティブ・アクション)がとられています。

さらに、2016年には厚生労働省による女性活躍推進法が施行され、女性の労働環境は少しずつ改善されています。しかし、欧米と比較すると、日本企業にはいまだ男尊女卑ともいえるような男性優遇の文化が一部残っていることもあり、女性の社会進出が遅れているのが現状の課題です。

本来は多様性を受容するダイバーシティ経営ですが、日本では女性の雇用における制度・環境の改善に限った取り組みと誤解されていることが多いです。

ダイバーシティ推進は働き方改革の一角

政府は、多様な背景・属性を持つ労働者一人ひとりが働きやすい環境を作ることを目的として、ダイバーシティ推進を働き方改革の一角に位置付けています。

働き方改革そのものがダイバーシティを推進する

多くの人が働きやすい環境作りは、それ自体が職場にダイバーシティをもたらします。次の章で、働き方改革そのものがダイバーシティ推進する理由を詳しく見ていきましょう。


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ダイバーシティ推進と働き方改革が求められる理由

介助犬がオフィスにいるという理由への理解と、ダイバーシティでは見た目の多様性を認めることも必須

ダイバーシティ推進と働き方改革が結びつけられるようになったのは、職場におけるダイバーシティを推進する理由と働き方改革を推進する理由が重なるためです。

労働力不足時代の必然

少子高齢化が急速に進んでいることで労働人口は減少し、企業は慢性的な人材不足に悩んでいます。

政府は働き改革によって人材不足を解消しようと、これまで働いていなかった人、特に働く意思があるものの環境や個人が抱える問題によって働くことができなかった人が働けるように、様々な施策を打ち出しています。

その一つがダイバーシティの推進であり、多様な属性の人が働きやすい環境を作る、という視点を持つことで生産性を向上させる取り組みです。

ミレニアル世代の価値観

労働者の意識や価値観は、時代とともに変化しています。

1980年代から2000年代初頭までに生まれたミレニアル世代は、仕事以外のプライベートな時間を重視しており、日本人の従来の価値観とは異なる価値観を持った世代です。

ミレニアル世代の労働者としての社会参入は、労働者全体のワークライフバランスと柔軟な働き方へのニーズが高まった理由の一つといえるでしょう。

労働者の価値観の変化によって、職場のダイバーシティ推進は今や必須となりつつあります。

生産性向上とイノベーション

働き方改革では「月~金曜日の9~17時までオフィスで働く」といった画一的かつ硬直した働き方や、生産性が低くなる長時間労働からの脱却、多様性がもたらすイノベーションが必要とされています。

柔軟な働き方とダイバーシティ推進は、切っても切れない関係なのです。


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働き方改革はどのようなダイバーシティを実現するのか

働き方改革が実現しようとしているダイバーシティとは、どのようなものなのでしょうか。

日本では、ダイバーシティを女性の雇用に限定した意識改善と捉えている企業が多いといわれていますが、本来のダイバーシティは前述のとおり女性だけでなく、多様な属性を持つ人を受容するという考え方です。

働き方改革では、主に以下の属性を持つ人の対応や支援、意識の改善を進めていくとしています。

女性

女性の採用や評価を平等におこなうとともに、戦力として活躍してもらうことを目指しています。

特に出産・子育てと仕事の両立は難しく、離職の原因になりやすいため、政府は労働者に対しては保育の拡充や育児休業制度など、企業に対しては両立支援等助成金などによる支援をおこなっています。


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年齢

一億総活躍社会では、高齢者も働き手として活躍することが求められています。政府は、高齢者が働ける受け皿の拡大や再就職支援の拡充に取り組んでいます。

若者の雇用においても、若者の採用・育成に積極的かつ雇用管理状況が優秀な中小企業を厚生労働大臣が認定するユースエール認定制度を設けるなど、幅広い年代の人材が働きやすい社会を目指しています。


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国籍・人種

働き方改革では、外国人労働者の受け入れの拡大と、それにともなう職場のダイバーシティ化も掲げられています。

外国人労働者の受け入れ拡大により、人材不足の解消やイノベーションの創出が期待できます。外国人労働者の業務範囲の拡大や長期間雇用は、すでに外国人労働者を雇用している企業にとってもメリットとなります。

しかし、日本の外国人労働者獲得力は欧米諸国と比べると低く、人材獲得力を強化するためのダイバーシティを推進していく必要があります。


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障がい者

障害者雇用促進法は改正を重ね、2018年の改正では企業における障がい者の法定雇用率を2.2%に引き上げて、対象となる事業所の従業員数も50人以上から45.5人以上に変更し、2020年4月から施行されました。

また、2019年には現行法に「事業主に対する給付制度」と「優良事業主としての認定制度の創設」を追加するなど、国がダイバーシティ推進に障がい者の活躍も含めていることがわかります。


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LGBT

ダイバーシティではLGBT(性的マイノリティー)も多様性の一つであり、それを理由に雇用や働き方が制限されることがあってはなりません。本来、職能と性別は無関係ですが、LGBTは差別的な扱いを受けやすいのが現状です。

日本経済団体連合会が2017年に発表した『ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて』によると、LGBTに対応する取り組みを実施している企業は42.1%と半数に満たない状況であり、LGBTが働きやすい環境作りが急務となっています。


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個人の置かれている状況

働き方改革では、病気や育児、介護などの労働者の個人的な問題と仕事を両立できるよう両立支援等助成金などによってサポートするとともに、企業に就業制度や働き方の整備を求めています。

労働者に長く働いてもらうためには、病気や育児、介護などを抱える人でも働きやすい環境を作ることが重要です。

個人の価値観

政府はこれまでに述べた属性の人に限らず、労働者一人ひとりの違いを尊重し、多様な価値観を受け入れる雇用システムの拡大に取り組んでおり、企業も制度や環境の整備、従業員のリテラシー向上を図る必要があります。また、従業員同士が互いを理解し認め合う風土づくりも重要です。


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多様な働き方とダイバーシティ

多様性を表したイメージイラスト

働き方改革の中でも、「多様な働き方」はそれ自体がダイバーシティを推進する取り組みです。

テレワーク・在宅ワーク・時短勤務・フレックスタイムなど

テレワーク(リモートワーク)や在宅ワークを認めることで、通勤が難しい人や、時間に制約のある人でも働きやすい環境を作ることができます。

インターネットの普及・サービスの向上によって、ビデオ会議やオンライン上での勤怠管理もできるようになった現在では、リモートでも問題なくおこなえる業務も多いです。特にコロナ禍の現在、リモートでおこなえない業務については、デジタル化やオートメーション化することで、誰もが公平にテレワークを活用できるように改善を進めることが急務です。これは感染症対策だけでなく業務効率化と生産性向上にも効果が期待できます。

同一労働同一賃金

「同一労働同一賃金」は、正規雇用従業員と非正規雇用従業員の間に不合理な待遇差を設けることを禁止する制度です。業務内容・範囲が同じ正社員とパート社員・契約社員・派遣社員を差別して低賃金で使用することは禁じられています。

正社員と業務内容・範囲が異なる場合は、正社員と異なる待遇とすることが認められますが、正社員と比較して不合理な待遇差を設けることは禁止されています。

業務を可視化、効率化

業務を可視化して属人的な作業をマニュアル化することで、特定の従業員に負荷が集中することを回避できます。そうすると別の人がそのスキルを身につけることになるため、公平で多様な働き方につながります。

副業

従業員は副業によって収入とスキル・知識を得ることができ、企業は従業員が副業によって得たスキル・知識を本業に活かしてもらうことで生産性の向上を図ることができます。


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