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会社選びの指針となる離職率を知り、従業員定着率をアップさせる方法

少子高齢化が進み労働人口が減っていくなか、企業は優秀な人材を確保し、定着させる努力が求められます。企業から人材が離れる割合を示す「離職率」を理解することは、その助けになるでしょう。従業員が定着しやすい魅力的な職場環境づくりに役立つ情報をお伝えします。

目次[非表示]

  1. 1.離職率の定義や計算方法
    1. 1.1.離職率の計算方法
    2. 1.2.離職率の実際の数値
  2. 2.離職率が高い企業と低い企業の特徴とは?
    1. 2.1.離職率が高い企業
    2. 2.2.離職率が低い企業
  3. 3.人事担当者必見!従業員を定着させる方法
    1. 3.1.コミュニケーションを活性化し、従業員の意見をくみ上げる
    2. 3.2.閉鎖的にならない風通しの良い職場環境をつくる
    3. 3.3.働き方を選べるシステムをつくる
    4. 3.4.福利厚生を充実させる
  4. 4.従業員の日々変化に気づくことで離職率を下げる

離職率の定義や計算方法

「離職率」とは、一定期間に企業から退職した従業員数を割合として算出した数字のことです。離職率は、裏を返せば企業に従業員が定着している割合=定着率を示すことになります。一般的に、従業員が定着しにくい会社は職場環境に問題を抱えているイメージがあります。離職率は、就職活動中の学生や転職希望の社会人などが企業を選ぶ指針のひとつにもなっており、人材確保の視点からも重要と言えるでしょう。

離職率の計算方法

離職率の計算方法について、法律で定められたものはありません。民間企業が独自の計算式で算出するケースも見られますが、ここでは厚生労働省が用いている計算式をご紹介します。

「一定期間中の退職者数」÷「1月1日現在の常用労働者数」×100(%)

簡単な例としては、今年1月1日の時点で従業員が100人いた会社から、12月31日までに15人辞めた場合、離職率は15%になります。

離職率の実際の数値

厚生労働省の報告「平成29年雇用動向調査結果の概況」をもとに、離職率の数値を見ていきましょう。平成29年における1年間の離職者の総数は約735万人でした。年初の常用労働者に対する割合で見ると離職率は14.9%で、前年と比べると0.1ポイント低下しています。

性別で見ると男性の離職率は13.0%、女性は17.2%です。就業形態別で見ると一般労働者の離職率が11.6%、パートタイム労働者の離職率が25.5%になっています。産業別に見ると、「宿泊業・飲食サービス業」が最も高く30.0%、次いで「生活関連サービス業・娯楽業」が22.1%となっています。


離職率が高い企業と低い企業の特徴とは?

離職率を計算して自社の離職率が高かった場合、人事担当者が知りたいのは以下のようなことではないでしょうか。

「なぜ自社の離職率は他社より高いのか?」
「どうすれば従業員の離職率を下げられるのか?」

一般的に「離職率が高い」と聞くと、従業員が次々辞める居心地の悪い職場をイメージしてしまいます。反対に「離職率が低い」と、居心地が良く働きやすい職場がイメージされます。たとえアルバイトであっても、頻繁に募集広告が出ているような職場は不安を感じてしまいます。学生が新卒で入る会社を選ぶ際は、なおさら離職率を気にしています。企業側からすれば自社の離職率が高いとイメージダウンにつながりますし、実際に優秀な人材の流出も食い止めたいところです。

なぜ職場によって離職率に差が出てしまうのでしょうか。離職率が高い企業と低い企業の特徴を比較してみます。

離職率が高い企業

離職率が高い企業に多く見られる特徴は、下記のようなものです。

■拘束時間が長く、多様な働き方ができない
先の厚労省の調査によると、前職の退職理由として「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」という理由を挙げる回答者が多く見られます。離職率のデータに目を向けると、業種としては前述のとおり「宿泊業・飲食サービス業」の離職率が高くなっています。これは年末年始や長期休暇の時期ほど忙しく、休みが取りにくいことが主な原因と考えられます。また業種を問わず、休みを取ることに罪の意識を感じさせるような旧態依然とした社風が残っている企業も、従業員にとっては働きにくい環境と言えるでしょう。一方、多様な働き方が推進されている現在にあって、さまざまな事情によって時短勤務やスマートワークなどを希望する人も増えています。そうした個々の要望に応じた勤務形態を選べないことも、従業員の定着を阻害する要因のひとつに数えられます。

■働きを正当に評価されない、インセンティブがない
従業員が継続的に働くためには、モチベーション(意欲)の維持・向上も重要になります。エン・ジャパン株式会社の「エン転職」のサイトユーザーを対象とした調査によれば、本当の退職理由は「人間関係」の次に「評価・人事制度」であるという結果でした。「働きを正当に評価されない」「インセンティブがない」職場では、働く意欲が上がりにくいと言えます。上司や同僚などからの公正な評価によって、自分の仕事の意義や価値が見いだされることでやる気が湧いてくるものです。評価システムが未整備だと、仕事の貢献度が見えづらくなります。

■福利厚生制度が充実しておらず、モチベーションが下がる
従業員が働きやすさや働きがいを向上させるためには、社内の環境整備が必要になります。各種手当がない、福利厚生施設が利用できない、職場環境が不衛生、スキルアップが難しいといった環境では従業員のやる気は減退してしまいます。

■閉鎖的な人間関係になりやすい職場環境
人間関係に問題のある職場だと、離職率にも影響を及ぼします。社内各所でのコミュニケーション不足や連携不足があれば、必然的に不和が生じやすくなり、その際に起きる問題についても誰にも相談することができません。結果として、悩みを抱えたまま辞めていく人も多くなります。先のエン・ジャパン株式会社の調査でも、本当の退職理由として「人間関係」が最多でした。

離職率が低い企業

離職率が低い企業の特徴は、離職率が高い企業の裏返しのような職場環境であると言えます。

■労働時間の設定に融通が利いて、多様な働き方ができる
適切な労働時間が守られ、なおかつ休暇を取得しやすい職場は魅力的です。時短勤務やテレワークなど多様な働き方ができれば、出産・育児や急な病気、家族の介護などにも対応しやすくなります。仕事と生活の調和が取りやすい企業は、多くの労働者に求められています。

■働きが正当に評価される、インセンティブや福利厚生制度が充実している
離職率が低い企業では、従業員の働きが正当に評価されています。年功序列の考えが根強く残る企業もあるなか、年齢によらず能力が正当に評価されればモチベーションが上がります。公正でわかりやすい人事評価制度の導入も効果的です。また金銭面以外にも、福利厚生制度が充実していたり、研修制度や資格支援制度が手厚かったりする企業は従業員の働きやすさを向上させます。旅行や宿泊施設、飲食店の割引など家族も利用できる福利厚生サービスや健康づくりを支援するメニューなどがあれば、ワーク・ライフ・バランスの向上にも寄与します。

■風通しの良い職場環境がある
風通しの良い職場環境をつくるよう配慮されていることも、従業員を引きつけます。先に書いたように、退職の理由になることが多い人間関係の悩みが解消されやすいからです。コミュニケーションを促進するためのITツールを活用して、チーム内や部署間連携を図る企業も増えています。

ただし付け加えておきたいのは、離職率の高い企業がすべてブラック企業というわけではないということです。労働基準法に違反しているような企業は論外ですが、そのような企業ばかりではありません。スキルが高い従業員がそろっているからこそ、他社に引き抜かれている可能性もあります。

また離職率が低いということは、「上のポジションが詰まって昇進しづらい」「外部で活躍する人材になりにくい」「新しい知識を得ることに、貪欲な従業員が少ない」など、自己実現や自己成長をしたい人材にとってのデメリットになる可能性もあります。

企業は職場の特性を分析した上で、従業員のモチベーションを刺激して、働きやすい環境や仕組みをつくり、生き生きと働ける環境整備を目指すことが大切です。


人事担当者必見!従業員を定着させる方法

従業員のモチベーションを上げて定着率を高めるために、人事担当者ができる施策をご紹介します。

コミュニケーションを活性化し、従業員の意見をくみ上げる

従業員が人間関係に悩んでいるとき、放置せず手を差し伸べられる職場が理想的です。個人的な問題から業務に関わることまで、従業員を支援することが大切です。もし従業員同士の対立があるならば、第三者が間に入った方が解決しやすいケースも多いからです。 大切なのは、一方的な縦のつながりではなく、横のつながりを重視することです。上司と部下、従業員同士が相談しやすい環境をつくりましょう。とはいえ、同じ企業内でも、よく知らない人には相談しにくいものです。普段からコミュニケーションを取りやすくしておくことがポイントになります。

人事担当者ができることは、まず従業員同士がコミュニケーションを取りやすい人事配置を心がけることです。さらにコミュニケーションを活性化させる制度を実施すると、より良い効果が望めます。また、「メンター制度」「ブラザーシスター制度」などで、業務面だけでなくメンタル面での支援・協力体制を整備することが効果的です。これらの制度は従業員教育にも役立ちます。

小さなイベントを開催する方法もあります。定期的なランチ会は実行しやすいでしょう。上司と部下、部署の垣根を越えた組み合わせなど、参加者を工夫することで新鮮な出会いが生まれます。また近年、「大人の部活」と称して、同じ趣味を持つ人々が集まるイベントが行われています。「読書部」「写真部」「自転車部」などを社内に取り入れる方法もあります。会社や人事部の役目は出会いの機会をつくることです。その後は従業員同士が自主的に交流し、信頼の輪が広げられるようになります。

閉鎖的にならない風通しの良い職場環境をつくる

上記の方策にも通じますが、閉鎖的な関係になるほど人間関係の問題は起こりやすくなります。例えば少人数の部署で上司や同僚と相性が悪い、しかもデスクワークで年中同じ席に座っている、社内には相談相手がいないなどの悪循環によって、いっそう息苦しい職場環境になってしまいます。

そうしたことが起こりにくいように「席を固定しない」「他部署と交流する機会を増やす」「食事会の費用を会社が一部負担する」などの工夫が必要です。こうした取組みを人事部主導で行うことで、コミュニケーションが活発化し、従業員同士の風通しが良好になることが期待できます。

働き方を選べるシステムをつくる

出産や育児、介護などのさまざまな事情を抱えながら、仕事と家庭を両立したいと願う人が増えています。ところが、そのような人たちは、「9:00から17:00まで」のように決まった時間に出勤することが難しい状況にあります。結果として働く意思はあるのに辞めざるを得ないことも多いのです。人材の流出は企業としても痛手です。

そのような人々を企業に戻すには、新しいワークスタイルを導入することが効果的です。近年取り入れられているのは、フレックスタイム制や週休3日制、テレワーク、時短勤務など、まさに多種多様な就労スタイルです。自社の業務内容と照らし合わせて、可能な制度から取り入れてみましょう。働き方改革がさらに推進されるなか、多様な働き方への希望に応えることが、従業員を定着させる有効な策となります。

福利厚生を充実させる

福利厚生が充実していないと既存従業員はもちろん、これから入社を考えている人にとっても不安要素になります。

「福利」とは幸福と利益、「厚生」とは人々の暮らしを豊かなものにすること。そして「福利厚生」とは、企業が従業員とその家族の生活を充実させるために設けた制度や施設です(『明鏡国語辞典』)より)。

すなわち福利厚生に力を入れている企業は、従業員が幸福を感じることを重要視していると言えます。福利厚生が充実していれば従業員は満足感を得るので、定着率も高くなるわけです。

福利厚生のプランは年々充実しており、多様な人材の多様な働き方に合わせてサービスを提供できるようになってきています。年代や価値観など、それぞれに合った制度を導入することで、従業員の働きやすさが向上するでしょう。現行の制度を棚卸しして、必要であれば新しい福利厚生制度の導入を検討するのもひとつの手でしょう。


従業員の日々変化に気づくことで離職率を下げる

人が離れない会社は働く環境が優れた会社であり、新たな人材を呼び込む魅力にもなります。それを数値で表すことができる「離職率」を理解することは、従業員定着率のアップにつながります。定着率を上げる最大のポイントは、従業員の心と体のコンディションを見守ることです。相談しやすい環境を整えるとともに、普段から日々のちょっとした変化に気づくことが重要です。

従業員が悲鳴を上げる前に手を差し伸べましょう。近年は、従業員の気分の変化を察知するようなITツールがたくさん出てきています。従業員のコンディションの変化を「見える化」し、問題が起きたらサポートしてくれる無料電話相談もあり、離職率低減に効果を発揮します。従業員のメンタルケアを受け持つ人事担当者こそ、問題を社内だけで抱え込まず、第三者の力を借りることも重要でしょう。


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