健康診断の結果を良くするために効果的な指導内容とは?

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新型コロナウイルス感染症の影響で業種にかかわりなくテレワークせざるを得ない状況が続き、現在は外出自粛が緩和されたものの運動不足になっている人が多いことでしょう。
健康支援アプリを運営する株式会社リンクアンドコミュニケーションの調査によると、今年2~3月の8週間において、同アプリユーザーの1日の歩数は約1,000歩減少し、体重は約1kg増加がみられました

こうした運動不足が続けば高血圧により引き起こされる心筋梗塞や脳卒中の増加、うつ症状や認知機能低下にもつながる可能性があると専門家が指摘する通り、新型コロナウイルスに感染しなくても他の病気にかかるリスクが懸念されます。

特に、肥満はさまざまな病気の原因となる可能性があるため、人事・総務担当者はニューノーマルと言われているこの時代で、従業員が体形や健康状態を元の状態に戻すにはどのような制度や仕組みを設け、指導していくのか知識が必要です。これは、いかに医療コストを抑えられるかという課題解決へ向けた施策にもなります。

この記事では、企業が従業員の健康管理を持つべき理由とそのかかわり方について、法律や事例を交えて解説し、健康管理の指針となる健康診断の結果改善に効果的な方法をご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.企業が従業員の健康管理に関心を持つべき理由
    1. 1.1.法令順守
    2. 1.2.長期的に見てコスト削減に繋がる
  2. 2.特定健診・特定保健指導とは?
    1. 2.1.特定健診とは?
    2. 2.2.特定保健指導とは?
  3. 3.特定健診・特定保健指導と企業のかかわり方
    1. 3.1.特定健診
    2. 3.2.特定保健指導
  4. 4.まとめ

企業が従業員の健康管理に関心を持つべき理由

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法令順守

最も重要な理由は、企業側には従業員に対する安全配慮義務があるということです。最高裁判決によると、労働契約法5条には「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」とあります。
そして、この「必要な配慮」の範囲とは、労働安全衛生法が定める「職場における労働者の安全と健康の確保」です。単に労災や事故が起きないような取り組みをするだけでなく、安全衛生に関する自主的な活動も含むとされています。

また、従業員に健康上の問題が実際に生じた場合、会社側の義務違反は、その心身の不調を「予測可能だったか」、「回避可能だったか」、「結果と因果関係があるか」によって判断されます。
会社が安全配慮義務に違反したと認定された場合は、従業員は会社側に民法415条(債務不履行責任)、709条(不法行為責任)、715条(使用者責任)に基づき、損害賠償を請求することが可能です。そうなれば、企業は金銭的な損失だけでなく、社会的地位や企業イメージにも大きなダメージを受けることになるでしょう。

そこで企業は産業医や保健師と協力・連携して、健康診断の結果より前に従業員の不調を防止する策を講じることが必要です。従業員の自助努力に企業の指導が後押しして従業員が健康でいられることは、企業のブランディングやイメージアップにも繋がります。


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長期的に見てコスト削減に繋がる

企業が保健指導を積極的に取り組むためには一定のコストが必要です。しかし、考えてみると、施策が不十分で、従業員が体調不良になれば、結果として労働生産性の低下に繋がります。また、心身不調の従業員が増えれば増えるほど職場の士気は下がってしまいます。

加えて、従業員が健康上の問題を抱えて通院・受診することになれば、企業側の医療費負担が増大し、状態によっては休職や離職を招いてしまうと、新たな人材を採用するためのコストもかかってしまいます。

企業がしっかりと保健指導することにより、従業員が心身ともに健康であれば、従業員のWell-Beingにもつながり、労働生産性が高くなり、企業ブランドも向上する、という良い循環が作り上げられます。
政府は、従業員の健康づくりに積極的に取り組み、健康経営を実践する企業を「健康経営優良法人」とし、その上位500法人については「ホワイト500」として認定しています。


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特定健診・特定保健指導とは?

健康診断を行う医師と受診する女性従業員

特定健診とは?

企業の具体的支援の前提となるのが、特定健康診査(特定健診)です。従来、健康診断はがんや生活習慣病を早期発見するために実施されていましたが、2008年以降、このような疾患を予防する観点から、そもそもの原因となるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)該当者および予備軍を減少させることを目的として、40歳から75歳未満の被保険者・被扶養者を対象に実施するようになりました。

メタボリックシンドロームは腹囲が男性85cm、女性90cm以上で、かつ、血圧・血糖・脂質のうち2つ以上が基準値から外れるかどうかによって判定されます。

特定保健指導とは?

特定健診の結果で、生活習慣病の発症リスクが高いため生活習慣の改善が必要と判断された人に対しておこなわれる保健指導のことです。

特定保健指導は、まず対象者に「動機づけ支援」が実施されます。これは、対象者との個別もしくはグループでの面接を通して、生活習慣の改善に気づきを与え、行動目標を立てて、行動するための動機づけを与えることを目的としています。

これに加え、特に肥満リスクが高い人には3ヶ月以上の定期的かつ継続的な「積極的支援」がおこなわれます。通常、積極的支援は電話やメール、FAX、手紙などを用いて案内されます。ただし、65歳から74歳の前期高齢者は積極的支援の対象になった場合でも、動機づけ支援になります。


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特定健診・特定保健指導と企業のかかわり方

ネットワーク健康診断のイメージ

前項の特定健診と特定保健指導は、企業側に課された義務ではなく、その義務を負うのは保険者(市町村や健康保険組合)です。だからといって、企業はその実施を従業員各自に任せて良いというわけではありません。

特定健診

先に述べたように企業は従業員に対して安全配慮義務を負い、「必要な配慮」をする必要があり、労働安全衛生法により事業者(企業)による健康診断の実施が義務づけられています。
そして、事業者健診と特定健診の検査項目はほとんど一致していますので、重複して実施する必要はなく、特定健診の項目のうち足りないものだけに保険者が追加実施する義務があります。

もし、企業が保険者や健診機関と協力すれば、従業員は特定健診が予定しているすべての項目に関して滞りなく検査を受けることができるはずです。


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特定保健指導

結論からいうと、特定保健指導も事業者にとっては義務ではなく、努力義務とされています。そうなると、保健指導を利用するかどうかは完全に従業員の意思にゆだねられ、特定保健指導の主旨が骨抜きになってしまいます。

しかし、厚生労働省は事業者に対して「特定保健指導等を受けるための機会の拡充や実施率の向上は、労働者の健康の保持増進につながり、医療費適正化を通じて事業者の保険料負担にも関係することから、事業者におかれては、就業時間中の特定保健指導に要した時間の賃金等の取り扱いについて、特段の配慮をいただき、協力いただきたい」と通知しています。

この事例として、某大手製薬会社の健康保険組合は、特定保健指導を外部職員へアウトソーシングしており、従業員が都合や状況に合わせてプログラムを受けるようにしています。

コースは以下の3つです。

1.ウェアブル端末で脂肪燃焼指導をするコース
2.オンライン面談で気軽に相談できるコース
3.専門医師にしっかり相談できるコース

もちろん、アウトソーシングするだけでなく、職場でも対象従業員に対して個別に通知をおこなうことや、特定保健指導を実際に受けたどうか確認する仕組み作りが必要です。

このような特定保健指導を受けることにより、従業員は健康づくりのための動機づけを得て、主体的かつ継続的に生活習慣の改善に取り組むことができるようになります。


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まとめ

特定健診と特定保健指導は従業員の健康づくりにとって有効な施策ですが、自社の従業員が特定保健指導該当者の対象にならなければ企業側が支払う医療費をさらに抑制することができます。
また、従業員本人にとっても、メタボになってしまってから生活習慣を改善するよりそもそもメタボと判定されないに越したことはありません。

JTBベネフィットの「減量キャンペーン」は、健康診断を実施する2~3ヶ月前に取り組むと効果的な短期集中の減量プログラムです。
参加者はキャンペーン期間中、週1回の体重を計測してサポートツールに入力することで、ポイントをためることができます。ポイントは健康に関するクイズに回答することでもためることができ、たまったポイント数に応じて賞品の獲得ができます。体重を計測する習慣で本人の成果が可視化され、減量意識を啓発し、改善行動を促します。

休業要請や外出自粛が緩和されていく過程で、実施が延期されている健康診断が順次再開されると思いますが、健康診断が実施される前に「減量キャンペーン」をご活用いただければ、健康診断の結果の改善と従業員の健康への意識を高めることが可能です。健康経営のためにも、ぜひご活用ください。


  減量キャンペーン 『減量キャンペーン』は「週1回の体重をはかるだけ!」の意識づけインセンティブプログラムです。次回健診を良い結果で迎えたい・ローコストで参加ハードルの低いメニューを導入したい、企業様におすすめの健康イベントです。 株式会社JTBベネフィット


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