従業員の健康づくりを促進できる企業だけがニューノーマル時代に生き残る!

SDGsを企業が取り組むメリットと"簡単に"社内に浸透させる方法20

このたび県境をまたぐ移動制限が全国的に解除され、テレワーク中心だった働き方から再び出社する頻度が増えるかと思います。それに伴い、自宅から会社へ向かうことだけでも体力の低下を感じられることになるかもしれません。

スポーツクラブにおいても3密の懸念から全ての機能が利用できる状態での再開がまだ先になることが予想されますが、自宅の限られたスペースや公園などに設置されているツールでの体力づくりは決して容易ではありません。

この状況下で企業はどのように従業員の健康を促進し、生き生きと働けるような環境づくりを実現できるのでしょうか。

目次[非表示]

  1. 1.企業が従業員の健康づくりにかかわるべき理由
    1. 1.1.「健康日本21」の推進
    2. 1.2.コスト削減につながり生産性が向上する
    3. 1.3.企業のブランド力やイメージアップに繋がる
  2. 2.健康増進計画とは?
  3. 3.従業員の健康づくりに向けた企業側のプログラム策定と具体的な事例
    1. 3.1.自動車メーカー
    2. 3.2.電気機器メーカー
    3. 3.3.電機メーカー
    4. 3.4.事例からわかること
  4. 4.まとめ~ニューノーマル時代の最優先課題は健康状態の回復へ向けた積極的なサポート

企業が従業員の健康づくりにかかわるべき理由

健康診断を行う医師と受診する女性従業員

「健康日本21」の推進

2000年に厚生労働省によって始められた健康に関する総合政策である「健康日本21」は、2013年度に「健康日本21(第二次)」として全面改正されました。その目的は、2022年までに国民が支え合い、健康で幸せに暮らせる社会の実現を目指す、というものです。

健康日本21推進全国連絡協議会の事務局運営をおこなっている公益財団法人健康・体力づくり事業財団によると、「健康日本21(第二次)」は次の5つの目標からなっています。


5つの目標
具体的な取り組み・プラン
健康寿命の延伸・健康格差の縮小
2040年までに健康寿命を75歳以上にすることを目指す。
そのための健やかな生活習慣形成など
生活習慣病の発症予防と重症化の予防の徹底
がん、循環器疾患、糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の予防、特定健康診査の受診など
社会生活を営むための必要な機能の維持・向上
こころの健康、高齢者の健康のために「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」と「認知症」の予防、子供が健康な生活習慣を培えるようなサポートなど
健康を支え、守るための社会環境の整備
地域社会におけるコミュニティづくり、ボランティアやサークルへの参加など
栄養、食生活、身体活動、運動、休養、飲食、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善
生活習慣予防のためのウォーキングの推進、未成年や妊婦の飲酒をなくす、禁煙の推奨、「8020運動(80歳になっても20本の自分の歯を保つ)」など

出典:厚生労働省 告示430号 健康日本21(第2次)(2013年~)

コスト削減につながり生産性が向上する

「健康日本21」の取り組みと調和して、少子高齢化に伴う労働人口の減少や長時間労働が常態化する中で健康経営の重要性が叫ばれるようになっています。これは単に「企業は従業員の健康を気遣わねばならない」という道徳的観点から推進されているわけではなく、あくまでもこの問題を経営課題の観点から捉え、戦略的に従業員の健康管理に取り組もうとする施策のことです。

多くの企業が属する健康保険組合の2019年における財政状況を見ると、保険料収入は8兆1,132億円であり、2007年度の6兆0,502億円から約2兆円増加しています。被保険者一人あたりの支払額は年間38万3,612円から49万5,732円に増加しています。

出典:健康保険組合連合会 平成31年度(2019 年度)健保組合予算早期集計結果の概要等について


大企業の場合、この保険料の約4割は高齢者の医療費を対象にした拠出金に回されますが、約半分を占める保険料給付に関しては、従業員が健康になれば通院する機会が減り、医療費の負担も減ることになります。また、健康な従業員が増えれば、休職や離職率も減るため、新たな従業員を採用するためのコストも削減することができるのです。

健康ではない状態で業務をしていても集中することが難しくなります。たとえば頭痛や発熱があるのに無理して出勤してもほとんど仕事にならなかった、という経験はだれしもあることでしょう。

従業員の健康づくりにコストをかけるということは、長期的に見れば医療費のみならず採用などのコストを減らすことができ、労働生産性が向上すれば従業員の活力がさらに沸き、モチベーションや幸福感もアップするということです。

企業のブランド力やイメージアップに繋がる

経済産業省は前述した健康経営を実践している「健康経営優良法人」のうち、大規模法人上位500社を「ホワイト500」として認定しています。

こうした政府の動きと調和し、積極的に従業員の健康づくりに取り組めば、社会から認知されます。そして、ブランド力が向上し、企業のイメージアップにもつながります。結果としてこれらは、従業員の採用や資金調達をする際にもメリットが得られます。


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健康増進計画とは?

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先に挙げた「健康促進法」の第8条によると、都道府県は基本方針(2013年に打ち出された「健康日本21(第二次)」)を勘案して都道府県健康増進計画を定め、市町村は国の基本方針と都道府県の健康増進計画を勘案して市町村健康増進計画を定める、とあります。

こうした健康増進計画は地方自治体のみで促進できるものではなく、企業と連携し、情報共有することを厚生労働省は想定しています。そうすることにより、小規模事業者など支援が不十分な層も含めてメリットを感じられるようになります。また、現場レベルで連携することにより、柔軟なPDCAサイクルに基づいた効果的な事業展開が可能になります。

実際、いくら法律や自治体による健康増進計画の内容が素晴らしいとしても、それを現場で実践できなければ絵に描いた餅になってしまうでしょう。例えば、「野菜摂取量の増加」を自治体が掲げても、社員食堂がある企業であれば、野菜が多いヘルシーなメニューを提供しなければ意味がありません。

また、健康診断の結果で日常生活における運動量の増加が必要であるとの所見がなされても、それを単に従業員への「お知らせ」で終わらせるのではなく、その後の健康指導をどの程度充実させるか、身体活動量増加のために環境整備するかどうか企業が検討する必要があります。このように、従業員に動機づけを与えて健康づくりを習慣化させるかは、企業の努力が必要です。


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従業員の健康づくりに向けた企業側のプログラム策定と具体的な事例

「チームワーク」が企業にとって重要な理由と、向上させるポイント2

従業員の健康づくりに対して企業側が戦略的にかかわることの重要性については、前項でおわかりいただけたかと思います。本項では、企業が具体的にどのように健康促進計画に調和してプログラムを策定し、実践しているのか、事例をみてみましょう。

自動車メーカー

世界有数の大手自動車メーカーは「健康チャレンジ8」と称して、「健康日本21」がまさに目指している「従業員の生活習慣の改善」に取り組んでいます。
「健康チャレンジ8」の8つの分野とは以下のとおりです。

・適正体重
・朝食
・間食
・飲酒
・運動
・禁煙
・睡眠
・ストレス

年2回、それぞれの実践率を表したデータを従業員へフィードバックしています。それにより、従業員は全社平均に対して、自分がどういう位置づけにあるのか、また、分野別の強みと弱みを把握することができます。

従業員はフィードバックによって「気づき」を得た後に、産業保健スタッフが「健康出前講話」を各事業所にて展開します。そして、独自に開発した健康づくりのアプリによるキャンペーンを実施して従業員は目標を設定し、その達成状況を「みえる化」します。一定の基準をクリアした場合には、ポイントが付与される仕組みになっており、従業員のモチベーションもアップします。従業員数が多い企業であるため、豊富なデータとエビデンスを保持していることも、こうしたプログラムを促進する上での大きな強みと言えるでしょう。

電気機器メーカー

この大手電気機器メーカーは「健康第一主義×三自(自発・自治・自覚)の精神」を健康経営の方針としています。具体的には、休業・休職日数や医療費について目標を設定し、過去の定期健診の結果から生活習慣病の原因を分析し、喫煙、早食い、運動、睡眠時間などに着目して対策しています。こうした施策にあたり、健康保険組合と共同でITツールを活用し、健康診断の結果をフィードバックしたり、ウォーキングイベントを実施したりしています。

電機メーカー

こちらの大手電機メーカーでは「従業員の安全と健康を守ることを全てにおいて優先する」と社長自ら健康経営を公言し、会社、労働組合、健康保険組合と共同して各施策を展開しています。

具体的には、WEBを活用して従業員のBMI、運動、喫煙の習慣、歯のお手入れなどの現状を数値化して評価をおこない、事業所別のランキングを公表しています。また、良好な生活習慣や健康を維持している社員に対しては賞品交換ができるポイントを付与する制度を展開し、社員のモチベーション維持を図っています。

事例からわかること

自治体の健康増進計画は単なるスローガンではありませんし、企業は従業員に健康診断を継続して受診させて、一部の該当者のみ保健指導を受けさせるだけはありません。健康経営の本質とは、全ての従業員に対する生活習慣の改善につながるような具体的な施策に落とし込まなければなりません。
また、ITやICTなどを活用して可視化できるデータを作成し、従業員がみずから「気づき」を得て、主体的に実践できるようにモチベーションをアップさせるための工夫も必要であることがおわかりいただけたと思います。


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まとめ~ニューノーマル時代の最優先課題は健康状態の回復へ向けた積極的なサポート

ニューノーマル時代が到来し、企業がまず優先すべきなのは、従業員の健康状態の回復です。テレワークでの巣ごもりに慣れた身体にいきなり過大な負荷をかけることは避け、動作の基本である「歩く」ことから始めるのが賢明です。ウォーキングは出勤、帰宅時をはじめ普段の動作で十分おこなうことが可能で、従業員にも負荷がかかりません。

以下はウォーキングが健康に効果的であるという検証結果です。
群馬県中之条町に住む500人を対象に、24時間365日にわたり身体活動状況をモニタリングした結果、毎日平均8,000歩以上のウォーキングに加え、20分以上の中強度活動(早歩きなど)を含めることが健康維持・増進に役立つことが明らかになりました。これは日本の医療費の3分の2を占めると言われる11の病気・病態(高血圧、高血糖、肥満、動脈硬化、脳卒中、心疾患など)の予防にもつながります。


ホワイト500に認定されているJTBベネフィットが専門性の高いアライアンスと提携した歩数計アプリ「RenoBody」は、従業員一人ひとりの中強度活動を計測し、中之条町の研究に基づいた健康評価に基づき、従業員の健康状態を「見える化」します。
このデータを活用したウォーキングイベントを開催し、ランキングの上位には賞品と交換できるインセンティブポイントの付与をおこない、従業員のモチベーションを高めることも可能です。従業員は押し付けられている感覚や過度に意識する必要なく、自発的に楽しみながら健康づくりをおこなうことができます。

従業員は企業にとって最も大事な資産です。従業員が病気になってしまってから治療費にコストをかけるのではなく、すぐにでも積極的かつ戦略的な健康づくりに取り組めば、企業と従業員のどちらも健康で笑顔になれることができるでしょう。


  RenoBody スマートフォン用歩数計アプリ「RenoBody」を活用し、企業や健保組合のウォーキングイベントが簡単に開催できます。参加者の方はスマホや機器を使って活動データを計測しながら、個人やグループ対抗のランキングイベントや、ウォークラリーをお楽しみいただけます。管理者の方は、期間中の活動・記録データをPCの管理画面から確認したり、ダウンロードする事が可能になります。 RenoBodyウォーキングイベントサービスは、多くの企業様や健保組合様、自治体にご利用いただいており、 健康経営への取り組み、健康経営優良法人やホワイト500の認定サポートにご活用いただけます。 株式会社JTBベネフィット


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