休職のメリット・デメリットとは?企業側・従業員側からそれぞれ解説

​​​​​​​出社していきいきと働く従業員のイメージ

近年、多忙による疲労やうつ病や適応障害などの精神的な病気、ケガなどを理由に、一時的に休職を希望する従業員が増えています。従業員の休職は、短期的に見ればデメリットも大きいですが、長い目で見ると、従業員側だけでなく企業側のメリットに転じるケースも少なくありません。そこで今回は、企業側と従業員側それぞれから見た休職のメリットとデメリットを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.企業側から見た休職のメリット
    1. 1.1.離職率低下・人材確保が期待できる
    2. 1.2.復帰後の生産性向上が見込める
    3. 1.3.企業のイメージアップにつながる
  2. 2.企業側から見た休職のデメリット
    1. 2.1.休職期間中も社会保険料を負担する必要がある
    2. 2.2.人事担当者の通常の業務を圧迫する可能性も
    3. 2.3.他の従業員の負担が増す
    4. 2.4.新しい従業員を雇用しづらい
  3. 3.従業員側から見た休職のメリット
    1. 3.1.仕事から離れて心身の療養に専念できる
    2. 3.2.自分自身と向きあい、今後についてじっくり考えることができる
    3. 3.3.心身の体調が回復すれば職場への復帰も可能
  4. 4.従業員側から見た休職のデメリット 
    1. 4.1.収入が大幅に減る
    2. 4.2.社内評価が下がり、キャリア形成に不利になる
    3. 4.3.一度休職すると復帰しづらく感じる場合もある
  5. 5.企業側にデメリットが多い休職への対策として、JTBベネフィットのサービスをご活用ください

企業側から見た休職のメリット

休職制度を整えておくことは、企業側にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

離職率低下・人材確保が期待できる

休職制度があれば、従業員の就業継続が困難になったとしても、即座に解雇する必要がありません。そのため、企業全体の離職率の上昇を抑えることができます。さらに、休職という選択肢があることは福利厚生の充実にも直結するため、安心して働きやすい環境を求める優秀な人材の確保に役立つことも期待されます。

復帰後の生産性向上が見込める

休職の選択肢がない場合、従業員は無理して就業するか、退職するかの2択しかありません。従業員が退職すれば、企業として貴重な戦力を失うことになりますが、無理に就業させたところで生産性の低下は避けられないでしょう。しかし、休職して万全の体調で復帰してもらえば、将来的には生産性が向上することも期待されます。

企業のイメージアップにつながる

休職の制度を整えておけば、「従業員を大切にしている企業」という対外的な評価が得られます。そのイメージアップが、商品の売上増加やクライアントの獲得、競合他社との差別化などにつながる可能性もあります。


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企業側から見た休職のデメリット

給与明細に記載されている代表的な保険料の項目

休職制度が実際に使われることにより、企業にはいくつかのデメリットも生じます。

休職期間中も社会保険料を負担する必要がある

従業員が休職したとしても、雇用契約が解消されるわけではありません。ただし、労働基準法第24条にはノーワーク・ノーペイの原則が定められているため、休職期間中は給与の支払いをする必要は原則ありません。しかし、従業員の籍は残った状態であるため、社会保険料の一部は引き続き会社が負担する必要があります。具体的には、以下の保険料が対象になります。

・健康保険料
・厚生年金保険料
・介護保険料

健康保険料は、事業主と被保険者がそれぞれ折半で支払います。例えば、東京都で働く標準報酬月額300,000円の従業員(39歳以下)が休職すれば、会社は毎月14,805円の保険料を負担する必要があります。

人事担当者の通常の業務を圧迫する可能性も

心身の不調を理由にした従業員の休職の手続きは、秘密裏に進められることも少なくありません。職務上知りえる立場にある人事担当者には、その事実を漏えいさせないように注意しながら、手続きを進めなければならないという重圧がかかります。また、従業員の休職前から休職中、復帰後にかけて細かい気配りやフォローをする必要もあります。そのため、通常業務の忙しさに加えて、休職者対応でさらに業務が圧迫されてしまう可能性があります。

他の従業員の負担が増す

組織は基本的には分業や協働により成立しています。そのため従業員が休職した場合には、残された従業員で仕事を分担しなければなりません。例えば、10人編成で仕事をしている組織で1人が休職した場合、10%分の仕事を残りの9人に配分して業務をまわしていく必要があります。これまでより負担が大きくなるため、疲労やストレスを抱える従業員も出てくるでしょう。

新しい従業員を雇用しづらい

ほかの従業員の負担を軽減するために、新しく従業員を雇用するという方法もありますが、休職は復帰を前提とした制度です。そのため、新規雇用によって従業員が過剰になるというリスクも生じます。このように、企業としては、休職者の穴埋めをするための戦略に苦心することにもなりえます。


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従業員側から見た休職のメリット

コーヒーブレイクをする従業員

休職制度があることは、従業員にとってどのようなメリットになるのでしょうか。

仕事から離れて心身の療養に専念できる

休職制度を活用すれば、毎日職場に行く状況から解放されます。そのため「仕事の締切りが迫っている」、「数字を取らなければ」、「上司の嫌味を聞きたくない」などといったような、仕事に関する心配事を一切する必要がなくなり、体調の回復に専念することができます。仕事のストレスが原因での体調不良だった場合には、仕事から一時的に離れることで、一気に回復することも見込めるでしょう。

自分自身と向きあい、今後についてじっくり考えることができる

仕事に行かなくなることで、自由な時間が生まれます。その時間を使って、自分は今後どうすべきなのかをじっくりと考えることができます。休職前は多忙で、とにかく「会社に行く」「仕事をする」しか選択肢がなかった人も、改めてさまざまな選択肢のメリットとデメリットについて考えてみることができます。そうすることで、今後の最適な過ごし方を見つけられるかもしれません。

心身の体調が回復すれば職場への復帰も可能

休職の最大のメリットともいえるのが、仕事を休みながらも雇用関係は解消されないという点です。つまり、医師の診断を受け、診断書の提出など所定の手続きをおこなうことで職場にはいつでも復帰することができます。休職後の仕事は保証されているので、特に転職活動することも不要で、「体調が良くなったら職を探さなければ」というプレッシャーを感じる必要もありません。


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従業員側から見た休職のデメリット 

休職制度を利用することは、従業員側にもデメリットがあります。具体的にはどういったことが挙げられるでしょうか。

収入が大幅に減る

休職中に給与が支給されるか否かは企業の規定や就業規則によります。一切支給されないという場合も少なくありません。しかし、労災保険の休業補償制度、健康保険の傷病手当金の制度などがあるので、当面の期間、ある程度の収入は期待できます。

それでも、通常働いている場合に比べて収入が減少するのは避けられません。さらに、休職期間中でも各種保険料や住民税の支払いは必要です。差引きの結果、手取りがマイナスになる場合もあります。休職する場合には、ある程度生活が苦しくなることを覚悟しなければなりません。

社内評価が下がり、キャリア形成に不利になる

昇進のための条件として、実務の経験年数や成果を挙げる会社は少なくありません。休職すると当然その期間は実績にカウントされないため、周囲と比較してキャリア形成が不利になってしまう場合があります。また、休職したこと自体が、評価の低下につながることもあります。

一度休職すると復帰しづらく感じる場合もある

真面目な人ほど仕事で無理をしてしまい、自らをギリギリまで追い詰めた結果、休職に陥ってしまうことがあります。そういった人は、休職したことで楽になるのではなく、「周囲にも迷惑をかけてしまった」、「自分が弱い人間だと思われている」、「復帰しても白い目で見られるのではないか」といったようなプレッシャーを抱えてしまい、復職がしづらいと感じることも少なくありません。実際に、休職後に職場復帰できた人の割合は5割程度に留まっているというデータがあります。つまり、休職制度を利用した人のうち、半分近くはそのまま退職してしまっているということです。


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企業側にデメリットが多い休職への対策として、JTBベネフィットのサービスをご活用ください

休職制度には、企業と従業員双方にそれぞれメリットとデメリットがあります。休職によって結果的に事態が好転することもあるでしょう。しかし、一番望ましいのは、従業員が休職せず、毎日元気に働き続けられることです。そのためには、従業員が心身のストレスをため込みすぎないこと、悩みや不安はいつでも吐き出せて相談できる環境があることが大切です。

コンケア」は従業員の不調を早期発見し、いち早く対処することで休職を未然に防ぐことができるサービスです。また、人には打ち明けづらい不満を気軽に吐き出す場所を提供する「お気軽☆LINE」というサービスもあります。企業にとってもデメリットの多い従業員の休職を、これらのサービスを導入することによって、少しでも防ぐことができれば、企業側と従業員側双方にとってのより良い社内環境づくりが期待できるでしょう。


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