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従業員のストレス軽減に役立つ「ストレスコーピング」とは?具体例も解説

従業員のパフォーマンスが上がらない、職場の雰囲気が良くない……。それはもしかしたら、従業員のストレスが原因なのかもしれません。そこで知っておきたいのが「ストレスコーピング」です。簡単に言うと、ストレスと上手に付き合う手法のことで、近年従業員のストレスマネジメントの一環として用いる企業が増えています。では、ストレスコーピングとはどのようなものなのでしょうか?
具体例を交えて解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.ストレスコーピングって何?
    1. 1.1.適応機制やストレスマネジメントとの違い
    2. 1.2.ストレスコーピングの種類
  2. 2.ストレスコーピングの具体例
    1. 2.1.問題焦点型コーピングの具体例
    2. 2.2.情動焦点型コーピングの具体例
    3. 2.3.気分転換型コーピングの具体例
  3. 3.ストレスコーピングのために企業ができること
    1. 3.1.相談できる環境をつくる
    2. 3.2.ストレスコーピング研修や人材育成
    3. 3.3.「ストレスチェック」を行う
    4. 3.4.人材流出や組織力低下を防ぐための施策を

ストレスコーピングって何?

ストレスコーピング(Stress Coping)とは、ストレスへの対処方法に関するメンタルヘルス用語です。copeには「問題に対処する」「うまくやる」という意味があります。ストレスコーピングはストレス発散だけを意味するのではなく、ストレスとの向き合い方を知り、ストレスと上手に付き合っていく手法を指します。

適応機制やストレスマネジメントとの違い

ストレスコーピングが意識的にストレスをコントロールするのに対し、「適応機制」は無意識下で働く防衛反応です。また、ストレスコーピングがストレス対処法を指すのに対し、「ストレスマネジメント」はストレスを管理するというより広義な意味を持っています。ストレスマネジメントで用いる手法のひとつがストレスコーピングと理解するとよいでしょう。

ストレスコーピングの種類

ストレスは、1.ストレッサー(ストレスの基)から刺激を受けて、2.ストレスを認知し、3.ストレスに心身が反応する、という三つの要素で構成されています。ストレスコーピングは、この構成要素のどこにアプローチするかによって以下の3種類に分かれます。

■問題焦点型コーピング…ストレッサーそのものを排除したり改善したりして解決を図る手法
■情動焦点型コーピング…ストレスに対する認知の仕方(感じ方や考え方)を変える手法
■気分転換型コーピング…ストレスを受け入れた後に解消する手法。いわゆる「ストレス発散」


ストレスコーピングの具体例

ストレスコーピングを理解するには、具体例を知るのが近道です。先述したコーピングの種類ごとに解説していきます。

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問題焦点型コーピングの具体例

【例】
上司から指示される仕事の量が明らかに多く、パワハラではないかと感じている。連日残業になり、肉体的にも精神的にもストレスを抱えるようになった。

問題焦点型コーピングは、「ストレッサー自体をなくす」という手法です。この場合のストレッサーは上司だと考えられます。対処法としては、上司にパワハラをやめてもらうようにお願いする、あるいは上司の上席となる人物に対応を仰ぐなどの方法が考えられます。これによって上司のパワハラが一切なくなれば万事OKですが、残念ながら、現実的にはすぐに解決しない場合も多いでしょう。

さらに突き詰めていけば、その上司もストレスを抱えている可能性があります。上司が部下に無理な仕事を押しつけてしまうのは、上司に根本的な原因があるのではなく、人材不足という企業が抱える構造的な問題が要因になっているのかもしれません。ストレスはいろいろな要素が絡み合って発生するものです。根気強く対応していくことが大事です。

情動焦点型コーピングの具体例

【例】
自分の発想力を活かすため、新たな商品を生み出す商品開発部への異動を希望していたが、配属されたのは営業部だった。コミュニケーションが得意なほうではないため営業の仕事は向いていないと感じている。次第にストレスを抱えるようになった。

この場合のストレッサーは、希望していなかった営業の仕事です。問題焦点型コーピングであれば、上司に部署異動を申し出るという方法になりますが、ストレッサーに対する捉え方を変える情動焦点型コーピングでは、次のように対処します。

■営業の経験が将来の役に立つと考える
■コミュニケーションスキルを磨くチャンスだと考える
■現場の声を開発部にフィードバックすれば、より良い商品がつくれるかもしれないと考える
■営業の仕事を通じて人と会うことで人脈が広がり、新しい世界があることに気付く

つまり、物事の悪い面ばかりではなく良い面を見ようとする姿勢が大事だということです。「自分は営業の仕事に向いていない、開発の仕事が合っている」というのも、実は思い込みにすぎないのかもしれないのです。

とはいえ、自分のなかで納得していないのに無理やりポジティブに捉えるのは危険です。対処が遅れてより深刻な事態を招きかねません。あくまで、「こんなふうにも考えられるかも」とリラックスした状態で出てきた感情に身を任せてみることが大事です。

気分転換型コーピングの具体例

気分転換型コーピングは、「気分転換」「ストレス発散」「リフレッシュ」とも言い換えられ、多くの人が日常的に行っているものです。問題焦点型コーピングや情動焦点型コーピングを試しても、ストレスを軽減・除去できない場合に行うものとされています。

気分転換型コーピングは、雑談をする、コーヒーを飲んで一息つく、おいしいものを食べる、好きな音楽を聴く、買い物をする、散歩をする、有給休暇を取って旅行に行くなど、その対処法は千差万別です。自分なりのリフレッシュ方法をいくつか持ち、必要に応じて意識的に行動に移し、自己のストレスをコントロールしていきましょう。


ストレスコーピングのために企業ができること

従業員のストレスコーピングのために企業や人事はどんなことができるのでしょうか。ここでは三つに絞ってご紹介します。

相談できる環境をつくる

ストレスを抱えたときは、誰かに話を聞いてもらうだけで解消されることが多々あります。ストレスコーピングの最中も、そのコーピングが適切なのかを確認するために相談したいケースもあるでしょう。そこで人事部が行えることは、相談したいときに相談できる環境づくりです。

コミュニケーションが不足していないか、上司と部下の関係は良好か、チームが健全に機能しているかといったことを確認し、問題があるようなら対策を講じましょう。また、リラックスして会話ができる休憩室を充実させたり、カフェテリアを新設したりといった、ハード面からアプローチするのもひとつの方法です。

ストレスコーピング研修や人材育成

ストレスコーピングの効果を最大限に得るためには、従業員自身がストレスコーピングの有効性を理解することです。ストレスコーピングの研修を導入したり、メンタルカウンセラーを育成したりと、ストレスに対する意識を高める取り組みも検討していきましょう。

「ストレスチェック」を行う

より早期に正確にストレスケアを行いたい場合は、外部のシステムを活用するのもひとつです。労働安全衛生法改正に基づく「ストレスチェック」の実施から、「組織分析」「医師面談やアフターフォロー」を一元管理できるシステムの導入が効果的でしょう。

人材流出や組織力低下を防ぐための施策を

個人の能力が重要視される時代だからこそ、従業員のストレスケアは重要です。ストレスを抱えた状態では、従業員のモチベーションは上がらず生産力は低下します。そのことがチームや組織力の低下にもつながるかもしれません。また、ストレスによって心身のバランスを崩し休職者や退職者が続けば、人手不足から新たなストレスを職場に招きかねません。

こうした事態を回避するためにも、企業や人事部においてはストレスをためない環境づくりと、ストレスコーピングによるストレスへの対処法を伝えていくことが大事です。まずは関係部署と連携しながら、できることから始めてみてはいかがでしょうか。


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