テレワーク中でも従業員に健康意識を持ってもらう方法とは?

​​​​​​​テレワーク(リモートワーク)中の男性従業員

テレワークにより、行動量や人との接触が減少し、体力の低下やメンタル面での影響が危惧されています。コロナ禍以前より出社回数が減る状況下で、人事総務担当者は従業員の健康管理に難しさを感じておられることでしょう。働き方が大きく変化する中で、担当者もこれまでとは異なるアプローチで健康経営に取り組む必要があります。今回は従業員の健康意識をキーワードに、その取り組み方について紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.テレワークにより生まれている健康リスクとは?
    1. 1.1.メンタル面での健康リスク
    2. 1.2.運動不足による健康リスク
  2. 2.【調査】世の中の健康意識はどう推移している?
    1. 2.1.コロナ禍における健康意識の変化
    2. 2.2.上記の調査結果からわかること
  3. 3.従業員の健康意識を高める方法
    1. 3.1.そもそも健康とは?
    2. 3.2.健康意識を高める方法
  4. 4.従業員の健康意識を高めている企業の事例紹介
    1. 4.1.不動産賃貸を手掛ける大手企業の事例
    2. 4.2.国内大手食品メーカーの事例
  5. 5.まとめ

テレワークにより生まれている健康リスクとは?

子どもを抱えてテレワークしていて集中しにくい従業員

メンタル面での健康リスク

テレワークにより在宅の時間が増えれば、日常生活と仕事との境界が曖昧になります。ビズヒッツが2020年6月に961名の男女を対象に実施した調査によると、84.3%が「リモートワーク(テレワーク)をするうえで悩みがある」と回答しました。具体的には「家族がいて集中できない」、「コミュニケーションが取りにくい」、「集中力が続かない」といった悩みが上位を占めています。

こうした悩みを抱えながら、テレワークを続けることにストレスを感じる従業員も増えており、メンタルヘルスをいかにマネジメントするかが課題になっています。この点は、「月間総務」が2020年9月に全国の総務担当者を対象におこなった調査からもわかります。

この調査によると、総務担当者の54.6%が「テレワーク推進でストレスが増えた」、73.3%が「テレワークの方が従業員のメンタルケアが難しい」と回答しています。また、従業員のメンタル不調の要因に関して、60%が「テレワークによるコミュニケーション不足・孤独感」と答えており、半数以上の割合でメンタルヘルスでの課題を抱えていることがわかります。

運動不足による健康リスク

長時間の座位が続き、運動不足になりがちなテレワークは別の健康リスクも引き起こします。2020年1月に国立がん研究センターと研究センター予防研究グループが中心になって実施した研究では、仕事中に座っている時間の長さとがん発症率の相関関係が明らかになりました。

同研究によると、座っている時間が長ければ長いほど、男性はすい臓がん、女性は肺がんの発症リスクが高い傾向がみられました。その理由として、研究グループは身体活動の低下により、血糖値を下げる働きをするインスリンの働きが抑制されて慢性炎症を引き起こし、それががん発症の引き金になると指摘しています。


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【調査】世の中の健康意識はどう推移している?

出社回数よりテレワークの回数が増加すれば、人事総務担当者がオフィスで従業員のヘルスマネジメントをおこなうことが難しくなります。そこでカギとなるのは、従業員一人ひとりの健康意識の向上です。新型コロナウイルスの拡大によって、世の中の健康意識はどのように変化したのでしょうか。

コロナ禍における健康意識の変化

明治安田生命は2020年8月に全国の20~79歳の既婚男女5,640人を対象に「健康」に関するアンケート調査を実施しました。

・45.1%の人がステイホーム・コロナ禍を機に「健康への意識が高まった」と回答しています。具体的には50.9%が「食事・栄養に気を配るようになった」、35.3%が「運動を心がけるようになった」と回答しています。

・新型コロナウイルスの影響に関して、21.1%が「運動不足・食生活の乱れで体重が増えた」、24.1%が「ストレスが増えた」と回答しています。

・48.1%が新型コロナウイルス感染拡大前と比べて「健康になった」と回答し、そのうち40.1%が「日常的に運動・スポーツをおこなっている」と答え、81.6%が「健康的な食生活を意識している」と回答しています。

上記の調査結果からわかること

同調査が8月に実施されたこともあり、新型コロナウイルス感染拡大の初期と比較すると、初期より健康意識が高まったと回答している人が約半数いることから、健康リスクについて意識を高めている人が増加したことがわかります。また、このような健康意識は食生活や運動といった毎日の習慣改善に反映されています。


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従業員の健康意識を高める方法

メーターで見るモチベーションのイメージ

そもそも健康とは?

従業員の健康意識を高める上で、共通認識として持っておきたいのが「健康」の定義です。「健康」を単に「病気をしないこと」ととらえれば、従業員は当面のところ「健康」に見えるかもしれませんが、いずれそのリスクは表面化します。結果として、それは会社の生産性を低下させ、コスト増大などの足かせをもたらすことになります。

世界保健機関(WHO)憲章で、健康は「病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(Well-Being)にあること」だと定義されています。
経営陣から従業員、人事総務担当者においても、健康についてこの共通認識を持っておくことが非常に大切です。


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健康意識を高める方法

「気づき」を生み出す

健康意識を高めるためには、従業員一人ひとりに「気づき」が必要です。
ビジネスの様々なシーンで強調される「気づき」とは、「これまで意識していなかったことにまで目や心が行き届くようになる」ことです。つまり、テレワークでの健康を意識していなかった従業員が、健康を維持するためには、運動や食事の改善が必要であると気づかなければ、具体的な行動につながりません。
前出の健康意識に関する調査が示しているように、コロナ禍は健康について「気づき」を与えるきっかけになりました。

また、自分の健康状態や生活習慣をデータなどにより可視化することも「気づき」につながります。そして、企業内に健康相談窓口を設け、産業医や看護職に自分の健康リスクを話せるような環境づくりも必要でしょう。


エンゲージメントを高める

エンゲージメントには「ワークエンゲージメント」と「従業員エンゲージメント」の2種類があります。「ワークエンゲージメント」とは、自分の仕事に熱意をもって打ち込み、そこから活力を得ている状態を指します。「従業員エンゲージメント」とは、従業員が企業にもつ愛着、コミットメントのことです。
お気づきのように、従業員のワークエンゲージメントと健康意識には密接な関係があります。そのどちらも従業員の主体的なかかわり方が関係しています。

では、どうすればワークエンゲージメントを高められるのでしょうか。それは仕事における裁量権や自己効力感を高めることです。テレワークにおいても、企業側がマイクロマネジメントを避け、従業員に一定の裁量を与え、やりがいを感じやすいように工夫しましょう。しかし、従業員が仕事に没頭しすぎて長時間労働に陥り、健康維持をおろそかにするなら本末転倒です。それを避けるために、企業や管理者との緊密なコミュニケーションを図ることが必要です。


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従業員の健康意識を高めている企業の事例紹介

ヘルスリテラシーとは?健康経営における位置づけとリテラシー教育の方法2

不動産賃貸を手掛ける大手企業の事例

「健康経営優良法人 ホワイト500」に2年連続して選ばれた不動産賃貸を手掛ける国内大手企業の事例を見てみましょう。
同社は社内に「ヘルスケア推進室」を設け、健康経営の実現に向けた4つの取り組みをおこなっています。その中でも「心の健康づくりプロジェクト」、「食生活改善プロジェクト」が従業員の健康意識を高めるのに寄与しています。

「心の健康づくりプロジェクト」は、アンガーマネジメント、ストレスコントロールなど、適切なストレス対処法の習得を目的としています。「食生活改善プロジェクト」では、管理栄養士による食生活コーチングを実施し、従業員の生活習慣や肥満・糖尿病の防止、体質改善をサポートします。

国内大手食品メーカーの事例

同社はテレワーカーに向けて、「栄養」「運動」「社会参加」の3つの側面から健康に過ごすための情報を提供しています。
例えば、「栄養」に関しては、栄養バランスが取れ、かつ、15分以内の短時間で作れるレシピを従業員に配信しています。また、「運動」面では、スポーツトレーナーの協力を得て動画配信をおこない、テレワークの合間に体を動かせるようにサポートし、「社会参加」については、従業員に高齢者の家族とのSNSや電話を用いたコミュニケーションを呼びかけています。

単に健康に関する知識を提供するだけにとどまらず、社会とつながることがメンタルヘルス維持に必要であるとの「気づき」を与えるものとなっています。


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まとめ

テレワーク中の健康管理のカギは、従業員の健康意識の向上であることがおわかりいただけたかと思いますが、従業員に気づきを与えるためにわかりやすい方法が健康データの可視化です。データを可視化することで健康の基準や取り組みが一目で把握でき、ヘルスリテラシーも身につきます。例えば、ウェアラブルデバイスにより毎日の歩数や心拍数、睡眠の質、血圧や体重などを測定し、それをグラフ化してみるとよいでしょう。

JTBベネフィットが提供する健康経営推進のサポートツール「グッピーヘルスケア」は、健康管理に必要な様々なコンテンツをひとつのアプリに集約し、多元的に従業員一人ひとりの健康状態を把握することが可能です。従業員も自分の健康状態が可視化できれば、健康意識を高めるための「気づき」につながります。また、たまったポイントは現金やギフト券に交換できるため、モチベーションの維持にも役立ちます。
従業員のワークエンゲージメントやWell-Beingを高めるために、ぜひご活用ください。


11/5(木)に健康意識や健康管理に関連したウェビナーを開催します!

終了しました。多数の方にご参加いただき、誠にありがとうございました!

  【11/5(木)開催ウェビナー】    社員の健康に悩む人事・総務のための、今できる健康管理セミナー 生活環境が大きく変化した今だから取り組める、社員のからだと心の健康管理法を管理栄養士がお伝えします。 株式会社JTBベネフィット


  グッピーヘルスケア[健康ポイント] 健康管理に必要なたくさんのコンテンツを一つのアプリに集約。健康活動はポイント化されモチベーションUP。従業員の健康意識を高め、健康経営を始めるならこのサービスで決まり。 株式会社JTBベネフィット


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