メンタルヘルス対策の課題と進め方!厚生労働省の指針をもとに解説

​​​​​​​メンタルヘルスが不調の従業員を気遣う人事担当者

企業が生産性を向上させて成長するには、労働者のメンタルヘルスを良好に保つことが深く関係しています。メンタルヘルスが良好であれば労働者は意欲的に業務に取り組むことができ、明るく居心地の良い雰囲気となって離職率が下がるなど職場に良い効果をもたらします。

そこで今回は、厚生労働省の「職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針~」から、企業においてメンタルヘルス対策をおこなうにあたり、押さえておきたいポイントを紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.メンタルヘルス対策とは?
    1. 1.1.メンタルヘルス対策には3段階ある
  2. 2.メンタルヘルス対策の課題
    1. 2.1.心の健康問題の特性
    2. 2.2.労働者の個人情報の保護への配慮
    3. 2.3.人事労務管理との関係
    4. 2.4.家庭・個人生活等の職場以外の問題
  3. 3.メンタルヘルス対策の進め方   
    1. 3.1.心の健康づくり計画
    2. 3.2.4つのケアとは
    3. 3.3.具体的なメンタルヘルス対策
  4. 4.事業者向けの相談窓口 
    1. 4.1.産業保健総合支援センター
    2. 4.2.地域窓口(地域産業保健センター)
  5. 5.メンタルヘルス対策はJTBベネフィットにお任せください!

メンタルヘルス対策とは?

心も身体も健康でモチベーション高くいきいきと働く従業員

日本では、メンタルヘルス対策とは、心の健康を維持するための取り組みのことと定義しています。

ストレスによってメンタルヘルスが不調な状態が続くと、やる気や集中力の低下が起こり、やがて適応障害やうつ病などの病気を引き起こす可能性もあります。メンタルヘルスの不調を防止・改善するには、身体に無理のない生活を送り精神的に充実することが大切です。

メンタルヘルス対策には3段階ある

メンタルヘルス対策は1次予防、2次予防、3次予防の3段階があります。


1次予防

労働者にストレスを与えない職場づくりのことです。
1次予防は原因を根本から解決するための取り組みであり、最も大切といえます。

労働者のストレスとなる要因をリストアップし、できるところから解消していきましょう。代表的なストレスの原因には、仕事量や残業時間に代表されるような働き方に関する負担、コミュニケーション・人間関係の悩み、パワハラ・セクハラ、温度や騒音といった環境的な負荷などがあります。

また、定期的にストレスチェックをおこない、労働者自身にメンタルヘルスを管理する意識を持ってもらうことも大切です。


2次予防

メンタルヘルスに不調があらわれた労働者を発見し、対応する段階です。管理監督者が日頃から労働者の様子に気を配ることが早期発見につながります。

労働者のストレスの要因をすぐに解消できない場合には、休職して療養させる必要があります。休職の判断については管理監督者の一存でおこなうのではなく、産業医や医師の判断のもとでおこないましょう。


3次予防

メンタル不調をきたした労働者が休職後に職場復帰した際のフォロー、再発予防段階での取り組みのことをいいます。

休職した労働者は社会復帰へ不安や、職場に迷惑をかけたという思いから復帰を焦る傾向があります。復職時期は必ず医師の診断結果をもとにして判断し、復帰後はテレワークや時短勤務、または負荷の軽い仕事から始められるよう配慮しましょう。


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メンタルヘルス対策の課題

課題に対してディスカッションして検討を重ねる従業員たち

厚生労働省の「職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針~」によると、メンタルヘルス対策を進めるにあたっては、以下の4つに気を配る必要性があるとしています。

1.  心の健康問題の特性
2.  労働者の個人情報の保護への配慮
3.  人事労務管理との関係
4.  家庭・個人生活等の職場以外の問題

以下に、その具体的な考え方を要約して説明します。

心の健康問題の特性

心の健康問題の発生過程は個人差が大きく、そのプロセスの把握は困難です。また、心の健康を害すことは誰にでも起こり得ることであるにもかかわらず、身体の健康問題以外の観点から評価がおこなわれるケースが多いことが問題であるとされています。

労働者の個人情報の保護への配慮

心の健康情報は労働者の個人情報の一つであり、その個人情報を適切に保護することが大切です。労働者の意思を尊重することで、安心してメンタルヘルスケアを受ける環境を整えることも重要です。

人事労務管理との関係

メンタルヘルス対策は、職場の配置変更や人事異動などが必要な場合もあります。人事労務管理と連携しなければ、適切に進まない場合が多くあります。

家庭・個人生活等の職場以外の問題

家庭や個人生活など、職場外のストレス要因の影響を受けている場合も多いと考えられます。


このように、メンタルヘルスが不調となる原因は一つではありません。様々な要素が複合して発生し、労働者の心を傷つけたり、気力を奪ったりすることを留意しておきましょう。
また、メンタル不調の原因がわかったとしてもすぐに解決を図ることが難しいケースも決して少なくはありません。そのため、0か100かの成果を求めるのではなく、できることから少しずつ問題の解決に取り組むことが大切です。   


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メンタルヘルス対策の進め方   

厚生労働省の「職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針~」では、メンタルヘルス対策の進め方として事業者に以下の3つの手順を案内しています。

1.  職場の実態を調査・審議のもと「心の健康づくり計画」 を策定する
2.  4つのケアを継続的にかつ計画的に実施する
3.  具体的なメンタルヘルス対策の実施

それぞれの項目を具体的に見ていきましょう。

心の健康づくり計画

心の健康づくり計画には、以下の項目を盛り込むことが求められています。

  • 事業者がメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨の表明に関すること
  • 心の健康づくりの体制の整備に関すること
  • 職場の問題点の把握、メンタルヘルスケアの実施に関すること
  • メンタルヘルスケアをおこなうために必要な人材の確保、社外資源の活用に関すること
  • 労働者の健康情報の保護に関すること
  • 心の健康づくり計画の実施状況の評価、計画の見直しに関すること
  • その他、労働者の心の健康づくりに必要な措置に関すること

心の健康づくり計画は事業者の独断で作成するのではなく、労働者の意見を取り入れて職場の実態に合わせた内容とする必要があります。

4つのケアとは

4つのケアとは、労働者、管理監督者、事業所内産業保健スタッフ、事業所外の4つの立場からおこなうメンタルヘルス対策のことです。具体的な内容は以下のとおりです。

対策
対策をおこなう人
内容
セルフケア
労働者自身

・ストレスチェック

・困った際の相談先や対策を知っておく

ラインによるケア

管理監督者

・職場環境の把握と改善

・労働者の日頃の様子を把握し、異変があれば声かけや面談などをおこない改善する

・休職の案内

・復職する労働者の支援

事業内産業保健スタッフなどによるケア

産業医、衛生管理者、保健師、社内カウンセラーなど

・メンタルヘルスケアの企画立案

・健康情報の取り扱い

・専門家などとのネットワークの形成やその窓口

・休職の案内

・復職する労働者の支援
事業場外資源によるケア
臨床心理士やカウンセラーなどの専門家

・情報の提供、アドバイス

・ネットワークの形成

4つのケアを進めるには、事業者が積極的にメンタルヘルス対策に取り組むとともに、管理監督者や産業保健スタッフが連携することが重要です。

具体的なメンタルヘルス対策

メンタルヘルス対策を進めるには、4つのケアと合わせて以下の4つの必須項目があります。


1.メンタルヘルスケアの教育研修・情報提供

労働者、管理監督者、事業場内産業保健スタッフなどに対し、職務に応じた教育研修・情報提供を実施します。必要に応じて事業場外資源が実施する研修などへの参加についても配慮をおこないます。


2.職場環境などの把握と改善

管理監督者や事業場内産業保健スタッフなどに対し、職場環境の把握と改善の活動を実施しやすい環境を整備するなどの支援をおこないます。


3.メンタルヘルス不調への気づきと対応

労働者のメンタルヘルスの不調を早期発見し対応するため、相談がしやすい環境づくりやストレスのセルフチェック実施などをおこないます。また、個人情報に注意しつつ労働者・管理監督者・家族などからの相談に対して適切に対応できる体制を整備します。


4.職場復帰における支援

メンタルヘルス不調により休職した労働者が円滑に職場に復帰、就業を継続できるようにするため、復職時の支援を適切におこないます。


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事業者向けの相談窓口 

心の健康づくり計画やメンタルヘルス対策の進め方に迷った際には、専門的な知識を持つ人に相談しましょう。以下の2つの相談窓口では、産業保健に関する相談としてメンタルヘルス対策についても相談が可能です。

産業保健総合支援センター

事業者、産業医、衛生管理者、産業看護職、人事労務担当者などの産業保健関係者に向けて経験豊富な専門スタッフがメンタルヘルス対策をはじめとする産業保健に関する相談、研修、情報提供などの支援をおこなっています。料金は原則として無料です。

地域窓口(地域産業保健センター)

労働者数50名未満の小規模事業者やそこで働く方を対象として、労働安全衛生法で定められた保健指導などの産業保健サービスを無料で提供しています。

産業保健に関する窓口相談(予約制)、電話・電子メールでの相談、産業保健に関する研修、講師の紹介、セミナーの実施などに対応しています。

  

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メンタルヘルス対策はJTBベネフィットにお任せください!

メンタルヘルス対策ではメンタルヘルスが悪化する前に気づき、対応することが大切です。
しかし、日々の業務の中では従業員のわずかな様子の違いを見落としてしまったり、相談に乗る時間をすぐに確保できないこともあるかもしれません。

そのようなときに便利なのが、JTBベネフィットの健康支援サービスです。
特に、メンタルヘルス対策には、毎日、定期的にその日の気分に近いお天気マークを押すだけで日々のコンディションを見える化して蓄積する「コンケア」や、医師面接の手配や高ストレス者へのフォローと連動できる「ストレスチェック」、SNS利用者の多い20代に相談員がチャットで対応する「お気軽☆LINE」の3つが効果的です。
JTBベネフィットの健康支援サービスをメンタルヘルス対策に取り入れて従業員の健康を保つことは、成功する働き方改革への投資ですので、ぜひ、ご検討ください。


  コンケア 従業員の日々のコンディションを見える化し、不調者の早期発見をサポートするサービスです。 株式会社JTBベネフィット


  ストレスチェック 平成26年(2014年)6月に国会で可決・成立、平成27年(2015年)12月に施行となった改正労働安全衛生法「労働安全衛生法の一部を改正する法案」に対応したストレスチェックで、Web及びペーパーにて実施が可能です。 検査項目は、厚生労働省が検査の標準項目の参考とする「職業性ストレス簡易調査票」をベースとした「新職業性ストレス簡易調査票」を採用、“ティーペックのEAP ノウハウ” と“NTT データの健康管理システムの開発・運用ノウハウ” を融合し、従業員情報を一元管理できるストレスチェックサービスを協同開発しました。 株式会社JTBベネフィット


  お気軽☆LINE 若手の離職抑制に特化した次世代の新相談サービスです。 株式会社JTBベネフィット


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