モチベーションをコントロールする方法とは?企業側にはどのような工夫が必要?

​​​​​​​公平で適正な評価をする企業が一般的にホワイト企業といわれている

常に安定した結果を出すことが求められているビジネスパーソンは、「今日はモチベーションが上がらないから成果が出せない」などと言い訳することはできません。しかし、実際のところ、モチベーションはコントロールすることが可能で、いかに維持・向上させるかは個人の仕事に対するやりがいと大きく関係しています。そして、個人のやりがいを高め、支援するのは何よりも企業側での工夫が必要です。
今回は、従業員のモチベーションをコントロールする方法と、企業側で工夫すべき取り組みについて事例とともに紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.モチベーションとは?
    1. 1.1.モチベーションの構造
    2. 1.2.モチベーションが必要な理由
  2. 2.モチベーション向上のメリット
    1. 2.1.従業員側のメリット:幸福感を感じることができる
    2. 2.2.企業側のメリット:労働生産性が上がり、離職率が下がる
  3. 3.モチベーションをコントロールする方法
    1. 3.1.2種類の動機づけ
    2. 3.2.少しの難度が高い目標を立て、達成したことを記録する
  4. 4.モチベーションのコントロールに成功した事例
    1. 4.1.信頼し、マイクロマネジメントを避ける
    2. 4.2.敬意や感謝を表現する
  5. 5.まとめ

モチベーションとは?

ヘルスリテラシーとは?健康経営における位置づけとリテラシー教育の方法

モチベーションの構造

まず、モチベーションという言葉を正確に理解するために、心理学者マズローが提唱した欲求5段階説を紹介します。
マズローは、人間の欲求を5段階のピラミッド型にモデル化し、第1段階の欲求が満たされれば、次の第2段階へと進み、最終的にはピラミッドの頂点に位置する「自己実現の欲求」に到達すると定義しました。

マズローの欲求5段階説のイメージ

第1段階:生理的欲求(生命を維持したい)

第2段階:安全の欲求(身の安全を守りたい)

第3段階:社会的欲求(他者と関わりたい、集団に属したい)

第4段階:尊厳・承認の欲求(他者から自分の価値を認めてもらいたい)

第5段階:自己実現の欲求(自分の能力を発揮して創造的な活動をしたい)

モチベーションが必要な理由

従業員個人単位であっても、チームや部署、あるいは企業単位であっても、目標を達成するためにはそれを後押しするための動機づけを意味するモチベーションが必要と言われています。では、なぜそこでモチベーションが必要なのでしょうか。

マズローの理論に鑑みれば、従業員が能力を十分に発揮して働けるようにするためには、企業が従業員の「自己実現の欲求」に至る他の4つの欲求を満たす必要があります。例えば、残業が続いたことで食事や睡眠すらままならないような環境であれば、ごく基本的な欲求である「生理的欲求」や「安全の欲求」も満たされていないことになります。また、従業員の努力が上司や企業から見過ごされているなら「尊厳・承認の欲求」が満たされていない状態になり、やりがいやモチベーションは低下します。
人間はモチベーションを維持できていなければ、行動を起こすことが容易ではないのです。自動車に例えて言うならば、目的地が決まっていてもガソリンが入っていなければ、車は走り出すことができないのと同じです。


あわせて読みたいおすすめの記事

  従業員の仕事に対するモチベーションを維持・向上させるために企業ができることとは? 人間である以上、その日の体調や心理状態、労働環境などさまざまな要因によりモチベーションが下がってしまうことは避けられません。そこで今回は、モチベーションが下がってしまう理由やデメリット、そしてモチベーションが下がった状態から回復するために企業や人事部ができることについて考察していきます。 株式会社JTBベネフィット


モチベーション向上のメリット

ホワイト企業に勤めて笑顔でいきいきしている従業員

従業員側のメリット:幸福感を感じることができる

「幸福学」を提唱している前野隆司氏は、幸せの心的要因に関連するアンケートを1,500人の日本人に対しておこない、「幸せの4つの因子」を導き出しました。そして、その第1因子として挙げられているのが「やってみよう」だと言います。

つまり、仕事においても高いモチベーションを保って取り組める人ほど幸福感や満足感を感じやすいことを示しています。さらに、米カリフォルニア大学のソニア・リュボミアスキー教授によると、「幸せな社員は、不幸せな社員より生産性が1.3倍高い」と言い、モチベーションが高く幸福な社員は仕事において成果を出しやすく、より質の高い仕事をするという傾向がみられました。つまり、以下のような正のスパイラルが描かれます。


高いモチベーションを保つ

幸福感がアップ

成果がアップ

ますますモチベーションが向上する

企業側のメリット:労働生産性が上がり、離職率が下がる

前述のとおり、社員一人ひとりが仕事において満足感や幸福感を感じることができれば、定着率が安定し、離職防止に効果的です。そして、離職率が下がれば、新たな人材を雇うことで生じる採用コストもかかりません。

また、社会的な企業の評価やブランディングにも寄与し、優秀な人材が定着するからこそ高い生産性を得ることができます。生産性が向上するということは、企業の価値や業績も向上し、持続的な成長へとつながります。


あわせて読みたいおすすめの記事

  従業員のWell-Beingを向上するために企業が取り組む3つのこと Well-Being(ウェルビーイング)とは、「幸福な状態」のこと。世界の幸福度ランキングで日本が他の先進国に後れをとっていることをご存じの方も多いでしょう。従業員がWell-Beingを享受するためには、働き方やオフィスでの取り組みが大きく関係しています。今回は、Well-Beingを向上させる3つのポイントを紹介します。 株式会社JTBベネフィット


モチベーションをコントロールする方法

高い目標を設定して達成し、さらにモチベーションが向上した従業員とその社内

2種類の動機づけ

モチベーションを維持し、向上させるためには「外発的動機づけ」「内発的動機づけ」の2種類の動機づけがあるとされています。前者は給与やインセンティブ(報酬)制度によって代表され、後者は自分の好奇心や探求心によって動機づけられます。前者の方が即効性はあるとされますが、後者に比べて持続性がありません。

つまり、企業が従業員のモチベーションをコントロールするためにインセンティブを付与するだけでは、従業員はいつしか慣れてしまいモチベーション維持に効力を発揮しなくなりますので、従業員各自が担当している仕事にやりがいや楽しみを感じ続けることが必要とされています。


あわせて読みたいおすすめの記事

  内発的動機づけとは?企業ができるモチベーションアップ対策を解説 人手不足が慢性化する日本では、内発的動機づけによって従業員のモチベーションを高いレベルで向上させる方法が注目されています。従業員の内発的動機づけが可能となると、質の高い行動が続けられるなどの利点が生まれます。本記事では、内発的動機づけの意味や従業員に促すための対応策などを紹介します。 株式会社JTBベネフィット

少しの難度が高い目標を立て、達成したことを記録する

内発的動機づけを強めるためには、仕事に取り組む前後に少し工夫が必要です。「フロー」の研究で知られる心理学者のミハイ・チクセントミハイ氏によると、人が何かに没頭し、夢中になる「フロー状態」に入るためには、自分の能力より「少し難しい」挑戦をすることが必要と言います。ですから、仕事を漫然と始めるのではなく、自分にとって少し達成するのが難しいと思える制限時間を設定すると良いかもしれません。

また、仕事の終わりには必ず振り返りをすることもモチベーション維持に効果的です。ハーバード大学の研究者が数千人によって記録された膨大なページの日誌を分析したところ、当人にとってその日がどんな一日だったかを決定づけるのは進捗だと言います。つまり、仕事の重要度にかかわりなく、どんな小さなことでも進捗を感じることができていれば、モチベーション向上につながるということがわかりました。仕事の後には自分が成し遂げたことを記録し、カウントするようにしてみましょう。


あわせて読みたいおすすめの記事

  目標管理のフレームワーク「OKR」とは? KPI、MBOとの違いも理解しよう 会社が掲げる目標の方向性を定めるにあたり、大切なのは各部署、従業員の合意です。OKRとは、シリコンバレーの名だたる企業が次々に導入し、注目を集めている画期的な目標管理形式です。今回は、OKRの概要とKPIやMBOの違い、導入のメリットと方法について紹介します。 株式会社JTBベネフィット


モチベーションのコントロールに成功した事例

出社して会議をしている従業員

モチベーションをコントロールするためには従業員一人ひとりの工夫だけでなく、企業の工夫も大きく関係しています。ここでは、事例と合わせて企業側で施した工夫を見てみましょう。

信頼し、マイクロマネジメントを避ける

これは、前述したマズローの欲求5段階説に出てきた「自己実現の欲求」に至る4つの欲求をいかに満たすかということに他なりません。その一つが上司の部下に対する接し方です。例えば、上司が部下を細かく監視するマイクロマネジメントでは、部下の「承認・尊厳の欲求」が満たされません。逆に、部下を信頼して一定の権限を与えて任せると、「やってみよう」というモチベーションを引き出すことができます。

この事例として、インターネット関連のサービスと製品に特化したアメリカの大手企業では、「20パーセントルール」を設け、業務時間内の20%は普段の担務と異なる業務に携われるようにしています。このルールを実施した結果、イノベーションが起こり、画期的なサービスや製品が生まれました。

また、料理レシピのサイトを運営する国内企業の事例では、オフィス内に自由に料理ができるキッチンやスペースを設けたり、自分のやりたいことをおこなうために異動を申し出た従業員を歓迎する制度を設けたりして、従業員の「承認・尊厳の欲求」を満たす工夫をしています。


あわせて読みたいおすすめの記事

  やる気をフルに発揮させるモチベーションマネジメントの理論と実践 モチベーションマネジメントとは、従業員がモチベーションを高く仕事に取り組む環境をつくりだす施策です。今回は、モチベーションマネジメントの概念や理論、企業の成功事例について紹介していきます。人材管理のひとつの手法として知識を得たい人事担当の方は、ぜひ参考にしてください。 株式会社JTBベネフィット

敬意や感謝を表現する

日本の職場では、ビジネスマナーには厳しいものの、心からの感謝や敬意を言葉によって表す習慣がなかなか根付きません。しかし、従業員同士の「承認・尊厳の欲求」「社会的欲求」を満たすためには、それらを言葉によって表現し合う企業文化を醸成したいものです。

この事例として、オフィスデザインと内装工事を手掛ける企業は、他人の仕事をサポートしたり、会社のためになることをしてくれたりした従業員に「グッジョブカード」を書いて渡す施策をおこない、これが人事評価の指標にもなっています。このように制度化することによって、お互いが照れずに素直に感謝の気持ちを伝えられるというメリットだけでなく、人事担当者がカードを回収し、内容をピックアップして全従業員に共有することにより、社内の「当たり前」として定着しました。


あわせて読みたいおすすめの記事

  社内における表彰制度とは?メリット・デメリットと導入の注意点を解説 社内の表彰制度は組織全体の業績や生産性に関わっており、働く社員のやる気を向上させられる手法として導入が進んでいます。今回は表彰制度とはなにか、導入するメリット・デメリットについて詳しく紹介していきます。代表的な表彰制度や留意点などがわかるので、自社に表彰制度の導入を検討している方はぜひ参考にしてください。 株式会社JTBベネフィット


まとめ

ここまで見てきたように、従業員のモチベーションを向上させることは、労働生産性の向上や業績向上につながります。しかし、人事総務担当者や管理職の方にとって、従業員のモチベーションの度合いを把握するのは困難でしょう。特に、在宅勤務が増えた現在の環境下では、研修やeラーニングでセルフマネジメントを実施しても、企業側が全従業員分を把握することは容易ではありません。

そこで、JTBベネフィットでは、専門性の高いアライアンスと提携し「コンケア」という従業員のモチベーションを日々記録し、適切なタイミングでフォローできるサービスを提供しています。従業員のモチベーションをコントロールするだけではなく、従業員の心の変化にもいち早く気づくことで離職防止にも役立ちますので、ぜひご検討ください。


  コンケア 従業員の日々のコンディションを見える化し、不調者の早期発見をサポートするサービスです。 株式会社JTBベネフィット


あわせて読みたいおすすめの記事

  自ら動く従業員をつくるモチベーション3.0とは?その要約を解説 モチベーション3.0とは、従業員の内面から湧き出るモチベーションを指すものです。今回は、モチベーション3.0の概要やモチベーション1.0、2.0との関係性、モチベーション3.0を引き出す方法などを紹介していきます。この機会に、モチベーション3.0への理解を深め、自社の人材育成に活用していきましょう。 株式会社JTBベネフィット


  メンタルヘルスケアの必要性とは?厚生労働省が示す4つの方法を解説 メンタルヘルスケアの意味を正しく理解し、実行していくことは、企業の利益にもつながる大事な取り組みです。厚生労働省では、メンタルヘルスケアの詳しい指針を公開しています。本記事では、企業におけるメンタルヘルスケアの必要性や、心に不調を抱えた従業員に生じやすい4つの兆しなどを紹介します。 株式会社JTBベネフィット


記事検索

記事アクセスランキング

アーカイブ

カテゴリー一覧

タグ一覧