コミュニケーションの促進は健康経営へのカギ。その理由と具体的事例を紹介

思いのほかアリ!従業員間のコミュニケーションや企業のブランディングに欠かせない「社歌」という施策!4​​​​​​​

健康経営にはコミュニケーションが不可欠です。いくら経営陣や担当者が有効な戦略を立てたとしても、従業員同士の活発なコミュニケーションがなければ、それが企業や組織全体に浸透していくのは難しいでしょう。
ここで、企業にとって悩ましいのは、コロナ禍のテレワークが普及したことによって、担当者が発信する機会や、従業員同士のコミュニケーションが減っているということです。では、企業はどのようにコミュニケーションの機会や環境を創出し、健康経営を堅持できるのでしょうか。今回は、コミュニケーションがなぜ健康に効果があるのか、その理由と具体的なアイデアや事例を紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.コミュニケーションと健康の関係
    1. 1.1.ヘルスコミュニケーションとは
    2. 1.2.ヘルスリテラシーの重要性
    3. 1.3.テレワークが健康に与えている影響
  2. 2.健康を促進するコミュニケーション方法とは?
  3. 3.コミュニケーションで健康経営を促進している企業の事例
    1. 3.1.テレワーク中の従業員の健康問題を解消するための取り組み
    2. 3.2.大手食品加工会社のA社
    3. 3.3.清涼飲料水の製造販売を手がけるB社
  4. 4.まとめ

コミュニケーションと健康の関係

マスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保ちながら会話をするスーツ姿の従業員

ヘルスコミュニケーションとは

2019年3月、株式会社ミクシィが日本の全地域の20~69歳を対象に実施した調査によると、日常的に会話をする相手が多いほど、自分の健康状態が良いと感じており、積極的に健康へのケアをしている傾向があるということが発表されました。このように、コミュニケーションは、高齢者が健康寿命を延ばすのに役立つことがわかりました。

コミュニケーションが活発であればあるほど、健康が促進される理由を解き明かす一つの考え方が「ヘルスコミュニケーション(Health Communication)」という概念です。個人が積極的に健康へのケアをするには健康への情報収集が不可欠ですが、ヘルスコミュニケーションとは、このような意思決定に役立つ健康情報をわかりやすく伝えることをいいます。
もちろん、誰かと話すときに健康のことばかりを話題にするわけではありませんが、人とのコミュニケーションに限らず、テレビやSNS、インターネットや実在店舗での買い物なども含めて健康やヘルスケア商品に関する情報に触れる機会が増えれば増えるほど、健康への取り組みが高まることは確かでしょう。

これを裏付けているのが米国の事例です。さかのぼること1979年、アメリカ社会では健康格差が解消されない一つの理由として、健康情報が伝わらないことだと指摘されてきました。そこで、保険社会福祉局(HHS)は「ヘルシーピープル」という方針を打ち出し、幼児から高齢者まで年齢に応じた健康づくりをまとめた報告書を公表しました。ヘルシーピープルは、今では10年ごとに見直している健康施策となり、2020年には「ヘルシーピープル2020」が公表されました。
ヘルシーピープル2020では、健康におけるソーシャルサポートのネットワークを作ったり、医療や公衆衛生の専門家がIT技術の活用することで健康情報の交換を促進したり、全てのアメリカ国民のヘルスリテラシーを向上したりすることを具体的な施策として挙げています。


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ヘルスリテラシーの重要性

ヘルスリテラシーとは、「健康情報を入手し、理解し、評価し、活用するための知識、意欲、能力であり、それによって、日常生活におけるヘルスケア、疾病予防、ヘルスポロモーションについて判断したり意思決定をしたりして生涯を通じて生活の質を維持・向上させることができるもの」と定義されています。

職場でのコミュニケーションとは、従業員同士のコミュニケーションだけでなく、企業と従業員間のコミュニケーションも含みます。企業・組織の担当者は、健康に関する情報を機会あるごとに発信しますが、中にはやや専門的な言葉も含まれており、それを受け取る従業員自身にも一定レベルのヘルスリテラシーが必要です。職場でのコミュニケーション創出に加えて、従業員一人ひとりがヘルスリテラシーを身につけてはじめて、一方通行な情報伝達ではなく、双方向のヘルスコミュニケーションが成立するのです。


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テレワークが健康に与えている影響

2021年4月に日本ユニファイド通信事業者協会がテレワークを実施している会社員に対して実施した調査によると、テレワークによって「体調や精神面での悪い変化」を感じた人は72%に上りました。同調査では、テレワーク導入後に困ったこととして、40%の人が「社内コミュニケーション不足」を挙げていることから、テレワークによるコミュニケーション不足と健康悪化の間に因果関係を見出せます。

つまり、従業員の健康にはコミュニケーション、その中でも特にヘルスコミュニケーションが不可欠であるにもかかわらず、その機会を確保できないことが要因の一つとなり、健康面で悪影響が出ている可能性は高いといえます。


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健康を促進するコミュニケーション方法とは?

ウェビナー登壇者視点からのウェビナー開催風景のイメージ

厚生労働省によると生活習慣の改善をうながすためには、メッセージを発信する際に以下の3点を意識した内容にすることが大切とされています。

1. ターゲットをしぼる(WHO)
2. メッセージをしぼる(WHAT)
3. 印象にのこる方法で伝える(HOW)

逆にいえば、従業員すべてに届くようなメッセージは一般的、抽象的な伝え方になり、個人が「自分事化」して実践できないため、結果的に誰にとっても有効でないものになってしまうのです。


生活習慣改善のための行動変容・各ステージ

厚生労働省の「コミュニケーションの手引き-生活習慣の改善をうながすために」より生活習慣改善のための行動変容・各ステージの図

出典:厚生労働省 コミュニケーションの手引き-生活習慣の改善をうながすために


厚生労働省の研究によると、効果的に行動変容を起こさせるためには、上の図のA~Dすべての従業員を対象にするのではなく、Cグループのみに向けて発信すべきとしています。この層は、普段から意識的に良い生活習慣を保とうとしており、健康についての知識も持ち合わせているものの、なかなか継続できない層です。

そして、Cグループに向けた効果的なヘルスコミュニケーションとは、目標設定を低くしても十分効果があることを具体的に伝えてその事実を正しく認識してもらい、継続した行動へとうながすことです。つまり、情報を受け取る側のヘルスリテラシーが不足しているなら、それを向上させる取り組みや教育も企業側に求められるということなのです。


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コミュニケーションで健康経営を促進している企業の事例

リアルに伝わるオンラインコミュニケーションを実践する従業員

テレワーク中の従業員の健康問題を解消するための取り組み

2020年9月に大手生命保険会社が経営者523人を対象に実施した調査で、テレワークにおける従業員の健康について懸念点を質問したところ、58.8%の企業で運動不足やメンタル不調など何らかの健康問題が発生していました。そして、その解消のために実施中、もしくは実施予定の健康管理施策や取り組みの中で最も多かったのが「コミュニケーションの場をつくる(チャットツール上の雑談ルームなど)」(38.5%)です。この目的の一つとして、コミュニケーションの場を作ることで、従業員が普段の会話の中でお互いの経験を共有してストレスを軽減し、体調の変化に気づけるようにしました。

大手食品加工会社のA社

A社は、テレワークによるメンタル不調や病気などの健康リスクを未然に防ぐために、「テレワークうつ予防チーム」を設け、グループの社員約1,360名を対象に、疲労ストレスを機器によって計測し、それに基づいた対策プログラムを実施したり、オンライン面談を実施したりしています。
これは、ヘルスコミュニケーションに特化した企業側の積極的な施策であり、社員のヘルスリテラシー向上にも寄与する取り組みといえるでしょう。

清涼飲料水の製造販売を手がけるB社

B社では、新型コロナウイルス拡大前から健康経営に取り組んでおり、2019年3月には「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも認定されていました。コロナ禍でテレワークが増え、社員が運動する時間も大幅に減少したため2020年12月に「Sawayakaウォーク2020」の実施を決定しました。
この取り組みは、社員は貸与されているスマートフォンを使って「歩いた歩数」と「目標達成率」を測定し、結果は1日、1週間単位で表示される仕組みになっています。歩数上位者をランキングで表示したり、部署や支店などチーム単位で参加したりできる機能も備えているため、チームビルディングの促進やコミュニケーションの活性化にも期待できます。


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まとめ

新型コロナウイルス拡大前と社内のコミュニケーションの形は大きく変化していますが、ICTツールの活用により、それを維持することは可能です。JTBベネフィットが提供する「ウェルネスGO」は、”60日間”SNS機能を活用しながらチームで励ましあい、楽しく健康活動に取り組む健康オンラインプログラムです。テレワークをしている従業員も含め、企業や組織全体で取り組みながらヘルスコミュニケーションを促進することができます。従業員の健康に対する意識を高め、相互のコミュニケーションの機会を創出するために、ぜひともご検討ください。


  ウェルネスGo 60日間「チーム」で楽しむ健康プログラム。従業員の健康意識向上や組織のコミュニュケーション活性化に役立ちます。 株式会社JTBベネフィット


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