テレワークの健康リスクと健康経営施策で効果的なセミナーの選び方とは?

​​​​​​​​​​​​​​自宅でオンラインによる越境学習をする従業員

テレワークに代表されるような場所と時間を問わない働き方は、ワークライフバランスの実現には最適で、コロナ禍の今は感染リスクを避けられたり、家族と過ごす時間が増えたりするメリットをもたらしています。それと同時に、労務管理の煩雑化や情報セキュリティへの不安、そして、従業員の運動不足やメンタルヘルスの不調を引き起こしています。今回は、テレワークがもたらす健康リスクに触れ、企業側ができる対応策と健康経営施策に最も効果があると言われている健康セミナーについて、テーマや内容の選び方や注意点を紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.テレワーク中の健康リスク
    1. 1.1.日本と世界のテレワーク実施事情
    2. 1.2.運動不足による健康リスク
    3. 1.3.メンタルヘルスでの健康リスク
  2. 2.従業員の健康リスクを避けるため企業にできること
    1. 2.1.運動不足に対する取り組み
    2. 2.2.メンタルヘルスに対する取り組み
  3. 3.健康セミナーを選ぶ3つのポイント
    1. 3.1.テーマが豊富で自社のニーズにあったものを選べるか?
    2. 3.2.すぐに活用できる実践的な内容か?
    3. 3.3.感染防止対策が徹底されているか?
  4. 4.まとめ

テレワーク中の健康リスク

子育て世代の女性従業員によるオンラインランチミーティング

日本と世界のテレワーク実施事情

エンワールド・ジャパンが2021年11月に実施した外資系と日系企業の担当者を対象に実施したテレワークに関する調査によると、以下の通り外資系企業の方が出社率が低いことがわかりました。例えば、アメリカでは2010年にテレワーク推進法が制定されているため、国内全体の85%にあたる企業がコロナ以前からテレワークを導入しており、常時テレワークで仕事をしている人は全体の34%になります。これには、ジョブ型雇用に代表されるような分業制の働き方が主流であることがテレワークを導入しやすい環境にあるということも考えられます。イギリスではテレワーク導入率は約40%で、2000年に制定されたフレキシブルワーキング法という法律で、従業員が時間や場所にとらわれない働き方を選択できるようになったため、テレワークもその働き方の一つとして導入されている背景があります。外資系企業のテレワーク実施率が高いのは、本国企業の働き方を日本でも取り入れているからであるということがわかります。


現在の従業員の出社率

出社率
外資系企業
日系企業
0%(フルリモート)
5%
2%
1~10%未満
22%
16%
11~30%未満
38%
19%
31~50%未満
18%
26%
51~70%未満
8%
16%
71~100%未満
6%
17%
100%
0.2%
0.8%

出典:エンワールド・ジャパン株式会社 グローバル企業のリモートワーク実態調査2021

運動不足による健康リスク

テレワークが引き起こす弊害の一つに運動不足があります。また、オフィスにあるような心身に配慮する機能がない家庭用のイスに座りっぱなしで業務する時間の増加による健康リスクもあります。新型コロナウイルスの世界的拡大の前から日本人は座っている時間が長いことが指摘されていましたが、テレワークでさらに拍車がかかっていると言えます。

座りすぎによって血流が悪化し、筋力は低下します。筑波大学の田中喜代次名誉教授によると、中高年の方々が1ヶ月筋トレをおこなえば脚筋力を20%向上させることができますが、座位中心の生活を1ヶ月間実施するとその内の7%が失われると述べています。働く場所の変化により、これまでオフィスに出勤する際にしていた徒歩での移動や階段の上り下り、オフィス内での往来がなくなり、筋力の維持が難しくなっています。運動不足は、肥満や心筋梗塞、脳血管疾患、血栓症などのさまざまな病気の原因にもなり、WHOの調査によれば、座りすぎが世界中で約200万もの人々の死因と関係しているとのことです。

メンタルヘルスでの健康リスク

オフィスでは、仕事の合間に雑談するなど従業員同士のコミュニケーションの機会があったのに対し、テレワークでは自宅でコツコツと一人での仕事が中心になります。上司、同僚、部下とのやりとりもメールやチャットなどのテキストが中心であり、誰かと言葉を交わす機会が極端に減少しています。

テレワークには生産性向上の効果はあったものの、仕事のメリハリがつけにくい点がメンタルヘルスに影響を与えます。アメリカの事例ですが、人材サービス会社モンスターが2021年7月に実施した調査によると、テレワーク実施者の69%がバーンアウト(燃え尽き)を感じているとのことです。さらに、国際労働機関(ILO)の調査でも、テレワークはワークライフバランスの実現に貢献していますが、オフィスで勤務する場合よりも感じるストレスが多く、不眠症の発症率が高いと報告されています。


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従業員の健康リスクを避けるため企業にできること

テレワーク中にタブレットを使用してチャットでコミュニケーションを図る従業員

運動不足に対する取り組み

前項の表でもおわかりの通り、完全なテレワーク環境を実施している企業は少ないですが、オフィス以外での勤務時間が増加していることで企業側の管理が困難になるため、生活習慣を改善し、一定の運動量を確保するには、企業側の推進と従業員の自発的な取り組みが求められます。そのためには、従業員がオフィスを離れていても企業として健康づくりに取り組めるような工夫が必要になります。

新型コロナウイルス拡大前から健康経営は注目されていましたが、コロナ禍でいっそう推進されるようになりました。例えば、フィジカル面での取り組みとして、アプリを使って歩数を計測したり、血圧や心拍数などをウェアラブル端末で記録したりして健康管理をおこなう方法があります。また、自宅でできる簡単なエクササイズやストレッチの動画を配信して、テレワーク中の決まった時間に体を動かすように促すこともできます。


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メンタルヘルスに対する取り組み

テレワークを実施している従業員がメンタル面で健康を維持するためには、抱えている不安な気持ちを言葉や声にして相談できるようにすることが重要です。オフィスで顔を合わせていると上司が部下の不調に気づくこともできますが、テレワーク環境ではそれが困難ですので、チャットルームを設けたり、1on1ミーティングを実施したり、オンラインでの食事会を開催したりして今までと変わらずコミュニケーションを図る環境づくりをおこないましょう。

また、社内で専門の窓口を設けて気軽に相談できる体制を整えることも必要です。ただし、利用履歴や相談内容が会社に知られることを障壁に利用をためらう従業員がいると思いますので、利用に関する丁寧な案内と積極的な面談の機会を設けてハードルを下げましょう。特に、働く女性は結婚や出産などライフステージごとに抱える悩みが大きく異なりますので、同じ悩みを共有できる産業医や保健師からアドバイスを受けられるようにすると良いかもしれません。


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健康セミナーを選ぶ3つのポイント

ウェビナー登壇者視点からのウェビナー開催風景のイメージ

企業が従業員の運動不足やメンタルヘルスの不調に対して、全社一斉に情報共有が実施できる健康経営施策にセミナーや講座の開催があります。セミナーを通じて、健康に関する正しい知識を学び、体験することでヘルスリテラシーの向上につながります。ここでは、健康セミナーを選ぶ上で大切な3つのポイントをお伝えします。

テーマが豊富で自社のニーズにあったものを選べるか?

健康セミナーには体力づくりやダイエット、メンタルヘルスの他に、食生活やコミュニケーション、禁煙や睡眠というようにひじょうに幅広い内容です。また、健康セミナーを企業全体でおこなうか、特定の部署や年齢層ごとにおこなうかによってテーマは異なります。前項でも触れましたが、特に女性は若年層や子育て世代などでライフステージ応じたテーマがあります。セミナーを依頼した先は、自社のニーズに対応できる講師派遣(出張)が可能なのか、資格やプロフィールなどを含め事前によくチェックしておきましょう。

すぐに活用できる実践的な内容か?

従業員の健康は企業の業績や生産性に直結します。特に、WEBでのオンラインセミナーであれば、現状に即した活用できる知識や自分だけでもできる実践法があるテーマを選びましょう。オンラインでのセミナー開催ではライブ配信とアーカイブ配信といった2つの種類があります。ライブ配信の場合は、チャットや会話機能を活用した質疑応答の時間があるかどうか、講師とインタラクティブなコミュニケーションがとれるかどうかも従業員の理解度を深めるためには重要な内容です。アーカイブ配信の場合でも、後日の回答で質疑応答が受け付けられるのかも確認しておきましょう。形だけの施策ではなく、実践のための動機づけが得られて「参加してよかった」とフィードバックがあるような健康経営につながるセミナーを開催して、従業員満足度を高めましょう。

感染防止対策が徹底されているか?

もし、オンラインではなくリアル開催を実施するのであれば、感染症への対策にも十分な確認が必要です。新型コロナウイルス拡大によって引き起こされた健康リスクを解決するためのセミナーで、感染者が発生することにでもなればまさに本末転倒です。マスクや手洗いはもちろんのこと、手指消毒の徹底や飛沫防止のためのパーテーション設置、そして、定員より十分な広さの会場とソーシャルディスタンスの確保が不可欠です。このようにリアル開催では、感染症対策のために用意するものが多くなります。


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まとめ

健康経営を実践している企業でも、コロナ禍での健康管理は大きな課題といえます。しかし、逆に言えば、従業員の健康維持に対する意識を高めて自律的な努力を促すことができると、ピンチをチャンスに変えることができます。そのためには、従業員の健康に対してきちんとした方向性を提示することが必要です。その点、健康セミナーの実施は適切なソリューションと言えますので、本記事を参考に他社のセミナーに参加して、得られた内容にもとづいて自社でも開催し、どのような環境であっても全員が健康でいられるような健康経営を実施しましょう。


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