従業員の健康管理、職場での取り組み方は?アイデアとおすすめサービスを紹介

※この記事は2020年12月18日に更新しました。


会社の安定的な経営には、従業員が健康でイキイキと働ける状況を保つことが重要です。そのため、従業員の健康管理は本人だけの問題に留まらず、避けては通れない会社の使命ともいえるでしょう。
今回は、従業員の健康管理の重要性やアプローチ方法、健康管理の取り組みに効果的なアイデアやサービスを紹介します。職場でできる健康管理方法について知りたい人事、総務担当の方は、ぜひ自社の取り組みの参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.【大前提】従業員の健康管理は会社の義務!
    1. 1.1.従業員の健康管理、なぜ必要?
    2. 1.2.従業員の健康のための「安全配慮義務」とは?
  2. 2.【職場の健康管理対策】2つのアプローチとは?
    1. 2.1.ITを活用した健康管理
    2. 2.2.人がおこなう健康管理
  3. 3.職場主導で実践!従業員の健康管理アイデアとおすすめサービス
    1. 3.1.健康診断の実施と健康データの管理
    2. 3.2.過度の残業による健康障害に気を配る
    3. 3.3.健康管理に関するセミナーや勉強会を開催する
    4. 3.4.従業員の相談窓口を設ける
  4. 4.職場における健康管理の事例
    1. 4.1.職場における受動喫煙防止
    2. 4.2.健康インセンティブ制度の実施
    3. 4.3.健康管理に関する知識やノウハウを取り入れてもらう
  5. 5.従業員の健康管理は、職場から!

【大前提】従業員の健康管理は会社の義務!

はじめに、従業員の健康管理は会社の義務であることを認識しなければなりません。従業員の健康管理の必要性や、会社に義務付けられている「安全配慮義務」について解説します。

従業員の健康管理、なぜ必要?

従業員の健康管理の必要性とは、従業員が健康で幸せな人生を送る上で不可欠な要素であることはもちろんですが、会社の利益損失の防止にもつながります。会社は、一人ひとりの従業員で成り立っており、会社の成長や事業の拡大は、商品やサービスを生み出し顧客へ提供する従業員がもたらすものといえるでしょう。そのため、従業員が不健康で、高いパフォーマンスを発揮できない状態は会社の損失であり、長期化すれば利益が確保できず、経営に深刻なダメージを与えます。

しかし、昨今深刻化する会社の人手不足により、従業員一人ひとりにかかる負担が大きくなっているため、過重労働が疾病を誘発し、労働災害に認定されるケースも増加しているのが現状です。従業員の健康が損なわれると、重大なミスを犯すリスクが高まり、症状が悪化して休職や退職に至った場合は、新規人材を確保して教育するコストや労力が発生します。

従業員の健康管理は、法律遵守という目的だけでなく、従業員自身の人生を幸せなものに導き、会社の生産性や顧客満足、利益の向上のためにも欠かせないものです。会社は今まで以上に、従業員のヘルスケアやメンタルケアに注力しなければなりません。


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従業員の健康のための「安全配慮義務」とは?

安全配慮義務とは、労働契約法第5条で以下のように定められています。

「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働ができるよう、必要な配慮をするものとする。」

会社が安全配慮義務を理解し義務を遵守する上で、以下のポイントを押さえておきましょう。


適性労働条件措置義務

従業員が過労により健康を害し過労自殺する事態を招かぬよう、労働時間や休憩時間、休日、労働環境、人員配置などの労働条件を適正化する義務


健康管理義務

従業員に健康診断を実施し、健康状態を把握、管理する義務


適性労働義務

従業員の年齢や健康状態を配慮し、症状に応じて労働時間や就労場所、労働量など適正な措置をおこなう義務


看護・治療義務

従業員が病気や怪我を負った際に、適切な看護や治療をおこなう義務


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【職場の健康管理対策】2つのアプローチとは?

以上を踏まえ、会社は従業員の健康管理対策を講じる必要があります。その際に効果的とされているのが、次に挙げる2つの手法です。

ITを活用した健康管理

従業員の健康管理には、ITの活用を積極的に進めるべきです。例えば、健康管理システムを導入することで、従業員の健康データを一元化し、管理や運用を効率化できます。

・労働基準監督署への提出が必要な「定期健康診断結果報告書」の作成を簡略化
・検査結果に所見がみられる従業員のフォローや経過観察
・従業員の勤務状態と健康状態の因果関係を調査

このような領域をITに委ねることで、人事担当者は別の業務にマンパワーを割けます。


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人がおこなう健康管理

ITを活用した健康管理は、会社側の作業効率化に不可欠ではありますが、人が直接おこなう健康管理も重要です。従業員の健康状態は、データからすべて把握できる訳ではありません。抱えている精神的ストレスや、業務、人間関係においての悩みなどを把握しサポートするためには、従業員本人と直接コミュニケーションの機会をもつ必要があります。

そのためにも、やはりITを活用し、人の業務を簡略化していくことは重要です。従業員の健康管理は、「IT」と「人」のすみわけを図り、適切な対策を講じていきましょう。


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職場主導で実践!従業員の健康管理アイデアとおすすめサービス

ここからは、会社主導で実践できる、従業員の健康管理の取り組みアイデアやおすすめサービスを紹介します。ユニークなものが揃っているので、自社に取り入れられそうなものを検討してみてください。

健康診断の実施と健康データの管理

冒頭でも触れたとおり、健康診断の実施は事業主の安全配慮義務の一つですが、実施率は100%ではなく、企業規模が小さくなればなるほど下がる傾向にあります。厚生労働省が平成24年に実施した「労働者健康状況調査」によると、企業規模が5,000人以上の大企業であれば実施率は99.9%ですが、10~29人の企業では84.4%まで下がります。また、受診率の全体平均は81.5%であり、安全配慮義務の主旨が実際には徹底し切れていないことが伺えます。

健康診断の受診率を単に100%に近づけるだけで良いわけでもありません。重要なのは、健康診断で得られたデータをどのように利活用するかです。
現在、事業主が特定健診結果や電子化されたレセプト(診療報酬請求)を保有している健康保険組合と情報を共有する「コラボヘルス」と呼ばれる動きが進んでいます。これらのデータを分析することにより、従業員一人ひとりのメタボ該当者や糖尿病予備軍などの健康リスクを前もって把握し、対応策をとることが可能になります。従業員本人にとってメリットがあるだけでなく、結果的には企業の生産性維持にもつながります。


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過度の残業による健康障害に気を配る

会社は、従業員の過度な残業による健康障害の発生を防止するよう努める必要があります。たとえ、36協定で月45時間を超える時間外労働をおこなわせることが可能な場合でも、健康障害防止のためには45時間以内に抑えるに越したことはありません。

また、定められた基準を超える時間外労働が確認された従業員に関しては、産業医等の医師による面接指導などを実施する義務が課されます。前述以外の従業員に関しても、健康障害の予防的観点から、都度必要な措置をおこないましょう。


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健康管理に関するセミナーや勉強会を開催する

会社で健康管理に関するセミナーや勉強会を実施することで、従業員の健康管理意識の向上が期待できます。会社主体の健康管理への取り組みは必須ですが、その効果を最大化するためには本人への意識付けが欠かせません。会社は、従業員自身が自分の健康管理に関心をもち、自主的に食事や運動習慣を改善するよう促す必要があります。

※新型コロナウイルス感染症拡大の対応として、オンラインセミナーを実施しております。


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従業員の相談窓口を設ける

メンタルヘルスケアの一環として、従業員の相談窓口の設置は重要です。相談窓口は電話、メール、SNSのチャットやダイレクトメッセージなど種類を多く設け、従業員がいつでも気軽に相談できる体制を整えることが大切です。

メンタルヘルスに関しては、精神科医や産業医、保健師やカウンセラーといった専門スタッフの確保が求められますが、普段から接する機会が多い上司が部下の異常にいち早く気づき、悩みを聴いてあげることも重要です。


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職場における健康管理の事例

職場における受動喫煙防止

厚生労働省は、中小企業の事業主を対象に喫煙室の設置にかかる経費の2分の1(上限100万円)を助成金として交付するなどして、積極的な対策を進めています。

神奈川県川崎市にある社員35名の建設会社では「健康第一、安全第一、家庭第一」という会社理念の下、「喫煙者ゼロ」を最終目標に掲げ、「就業時の全面禁煙」「24時間非喫煙宣言(家庭を含む)」を推奨しました。
具体的には、喫煙者に対して喫煙本数等のモニタリング、社長から喫煙者家族に対する「喫煙協力お願い」の手紙を送るなどの取り組みをおこない、取り組みを始めて2年で社員の喫煙率は37%から17%まで減少しました。

健康インセンティブ制度の実施

健康インセンティブとは、社員の健康活動に対してポイントを付与し、各自のモチベーションや意識を向上させる制度やサービスのことです。

電話による健康相談や各種医療サービスを手掛ける中小企業では「顧客の健康を預かるためには、まず社員が健康であるべきである」との考え方に基づき、生活習慣病対策として社員の歩数計を配布してウォーキングを推奨しています。ウォーキング参加者には毎日8,000歩を目標に、半年ごとに集計した歩数に応じた図書カードが贈呈されています。

健康管理に関する知識やノウハウを取り入れてもらう

国内のみならず海外にも多くの拠点をもつこの大手総合商社は、「社員の健康は会社にとって大切な財産」という認識の下、2009年より勤務時間内にトレーナーが巡回し、すべての部署が週1回8分間の「ラウンドリフレッシュ」を実施しています。
この施策の特徴は、勤務時間中に着替えたり場所を移動することなく、ストレッチやエクササイズをおこなって心身ともにリフレッシュし、周囲とのコミュニケーションも促進されることです。

また、国内大手食料品製造会社では、身体機能維持のため、各職場において毎日10分間のラジオ体操をおこなっています。ラジオ体操はやり方によって効果が大きく異なることから、健康保険組合のインストラクターが正しいラジオ体操をおこなうための指導を実施しています。

 

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従業員の健康管理は、職場から!

従業員の健康を守るのは、会社の重大な使命です。健康への投資をおこなわない理由はありませんので、今回の内容を参考に、具体的な取り組みを進めていきましょう。JTBベネフィットでは職場の健康管理に役立つさまざまなサービスを提供しています。コロナ禍において増加した在宅勤務にも対応していますので、自社の健康管理対策に、ぜひご検討ください。


健診代行サービス&健康情報ポータルサイト

JTBベネフィットが提供する「健診代行サービス」は、医療機関の契約や予約、精算代行、結果データの一元化までトータルで請け負っています。煩雑な検診業務がスムーズに進み、人事、総務担当者の負担が大幅に軽減されます。


ヘルスサポートシステム

健康データ集計・管理サービスを提供している「ヘルスサポートシステム」は、クラウド上で従業員の健康データを管理できるシステムです。クラウド方式により、健康診断結果データ、ストレスチェックデータ、就労データを経年で一元管理し、人事担当者、医療機関担当者、従業員が同じ結果を参照することが可能となります。


お気軽☆LINE

メンタルヘルスケアの一環として、従業員の相談窓口の設置は重要です。JTBベネフィットでは、SNSチャット相談「お気軽☆LINE」のサービスを提供しています。
「お気軽☆LINE」は、特に若手の離職防止に特化した相談サービスで、名前にあるようにコミュニケーションアプリ「LINE」で、有資格者であるチャット相談員に気軽に悩みや愚痴を相談できるサービスです。現代に最適な相談環境を整備することで、事態が深刻化する前に問題の芽を摘むことが可能となり、メンタルヘルスケアに効果を発揮します。


  健診代行サービス 健診から受診後のフォローまでワンストップで支援するサービスです。 株式会社JTBベネフィット


  ヘルスサポートシステム 従業員の健康管理にかかせない3つの情報を一元管理できるサービスです。 株式会社JTBベネフィット


  お気軽☆LINE 若手の離職抑制に特化した次世代の新相談サービスです。 株式会社JTBベネフィット


  セミナー詳細 JTBベネフィットが提供するイベント・セミナーでは、貴社の個別ニーズや多様性に合わせ「ワークライフバランス」の実現を目指した価値あるイベント・セミナー企画をご提案いたします。 株式会社JTBベネフィット


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