スキルアップで受給できる助成金とは?従業員の学びを支援する3つの給付金を紹介

​​​​​​​従業員のスキルアップイメージ

従業員のスキルアップ支援における国の助成金活用は、人材育成コストの節約をする上でも非常に有効な手段です。しかし、実際に活用を検討する場合、「具体的にどのような助成金があるのか」、「どういった従業員に使えるのか」などの条件が気になることかと思います。

そこで今回は、正社員を中心とした人材教育で助成金活用を考える方に、国の掲げる目的や、労働者のスキルアップに使える助成金の種類などを詳しく解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.政府がスキルアップに助成金を支給する目的を解説
    1. 1.1.雇用を安定させる
    2. 1.2.労働者の待遇を改善する
    3. 1.3.生産性向上で経済成長を実現する
  2. 2.従業員のスキルアップ(リカレント教育)で企業が得られるメリット・デメリット
    1. 2.1.従業員のスキルアップ(リカレント教育)のメリット
    2. 2.2.従業員のスキルアップ(リカレント教育)のデメリット
  3. 3.労働者のスキルアップに対する助成金3選
    1. 3.1.人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)
    2. 3.2.教育訓練給付金
    3. 3.3.キャリアアップ助成金
  4. 4.スキルアップによる助成金申請の際の注意点と知っておきたいこと
    1. 4.1.必要書類に不備がないよう注意する
    2. 4.2.キャリアアップ計画は慎重に作成する
    3. 4.3.助成金申請から給付までスケジュール感を把握する
    4. 4.4.事業場規模が小さいほど受けられる助成額が大きくなる
  5. 5.社員のスキルアップ向上にセミナーを利用してみませんか?

政府がスキルアップに助成金を支給する目的を解説

スキルアップのイメージグラフ

まず、国が働く人のスキルアップに助成金を支給する3つの目的を確認しておきましょう。

雇用を安定させる

労働者側における最大のメリットは、助成金を使ったスキルアップによって高いスキルが身につくと、正社員として長く安定的に働けるようになる点です。そして雇用の安定によって将来への不安が解消された場合、将来の転職などを考えずに、いま携わる仕事に集中しやすくなります。

ちなみに「キャリアアップ助成金」は、将来的に正規雇用に切り替える予定の非正規雇用の人たちを対象とした制度です。一方、すでに雇用が安定している正社員の場合は、「キャリア形成促進助成金」を使って、さらなるスキルアップや安定性を高められる仕組みになっています。

このように様々な労働者を対象とする助成金は、スキルを多く補う必要がある非正規雇用だけでなく、管理職などを目指すレベルの高い正社員にも使える制度なのです。

労働者の待遇を改善する

助成金によるスキルアップで資格や技能を身につけると、資格手当や昇格、昇給などによって、労働者の待遇が大幅に改善できます。こうした流れで従業員のモチベーションが高まると、仕事の質も良くなり、企業の業績アップや生産性向上なども期待できます。

生産性向上で経済成長を実現する

従業員のスキルアップによる各企業の生産性向上は、国の経済にも成長をもたらします。

近年、少子高齢化の影響で労働人口が減少していることもあり、日本の労働生産性はG7各国の中でも最下位となっています。しかし、助成金を使ったスキルアップによって快適かつ安定的に働ける労働者が増えれば、国内の生産性向上にもつながるでしょう。


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従業員のスキルアップ(リカレント教育)で企業が得られるメリット・デメリット

スキルアップでモチベーションを維持し笑顔の女性従業員

義務教育や基礎教育が終わって労働者になった人が、必要に応じて教育機関に戻って学習することを、リカレント教育と呼びます。この教育方法は、正社員になった人材が管理職や経営幹部になることを目指して、幅広い教養や専門知識を得るためにも非常に役立つ仕組みです。

ここでは、従業員のスキルアップにリカレント教育を活用することで得られる企業側のメリットとデメリットを紹介していきます。


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従業員のスキルアップ(リカレント教育)のメリット

企業がリカレント教育をおこなうメリットは、以下の2つです。


1.企業成長のきっかけになる
社会人視点でおこなう新たな知識の習得には、学生時代と違って日々の実務に応用できるという利点があります。教育を受けた従業員一人ひとりの知識が充実することで仕事の質が高まり、生産性が向上すると、事業所単位のみならず企業全体における業績アップや成長につながります。


2.人材確保・採用ブランディングにつながる
従業員のスキルアップに力を入れる企業は、求職者にとっても非常に魅力的にうつります。優秀な人材を積極採用したい場合は、採用サイトや求人情報などで自社におけるリカレント教育の実績などを公開しても良いでしょう。
また、就業規則に盛り込むことで人材の定着にも効果的です。

従業員のスキルアップ(リカレント教育)のデメリット

リカレント教育を導入すると、以下のようなデメリットが生じる場合もあります。


1.コストがかかる
企業が学びの場を提供する場合、多少なりとも教育コストが発生します。また、従業員が自己負担で勉強をする際にも、従業員1人当たりの研修や教材などの費用の高さが大きなハードルになるケースも多いです。金銭的な問題で従業員の学習意欲を低下させないためにも、企業は国の助成金をうまく活用して積極的なサポートをおこなう必要があります。


2.仕事との両立が難しい
従業員の学習への本気度が高すぎた場合、本業の仕事を圧迫したり、疲労が溜まりすぎたりすることにも注意が必要です。例えば、従業員がスクーリングによる学習をおこなう場合は、その期間だけでも残業の要らない作業を担当させるなどの配慮も必要となるでしょう。


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労働者のスキルアップに対する助成金3選

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スキルアップを支援する助成金には、非常に多くの種類があります。今回はその中から、たくさんの企業で活用されている3つの助成金の特徴をご紹介していきます。細かな受給条件などは、厚生労働省のサイトを確認してください。

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)

従業員の人材開発促進を目的とした職業訓練開発をおこなった事業者に、訓練中の賃金や経費の一部を支給する助成金です。助成対象は中小企業の事業主が原則となるものの、コースによっては大企業でも受給できる場合もあります。

この助成金には、支給申請をおこなう直近の生産性に一定条件以上の伸びがある企業には、助成率や助成額を引き上げるという特徴があります。したがって、生産性向上に力を入れる企業にとって、高いメリットが得られやすい制度であるといえます。

この制度で利用できる訓練には、以下のコースがあります。


【特定訓練コース】
・労働生産性の向上に直結する訓練
・雇用型訓練
・若年労働者への訓練
・技能承継等の訓練
・グローバル人材育成の訓練


【一般訓練コース】
・特定訓練コース以外の訓練


【キャリア形成支援制度導入コース】
・セルフ・キャリアドック制度
・教育訓練休暇等制度


【職業能力検定制度導入コース】
・技能検定合格報奨金制度
・社内検定制度・業界検定


詳しい制度内容は、以下のページを確認してください。
厚生労働省・都道府県労働 人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)

教育訓練給付金

主体的な能力開発や、中長期的なキャリア形成の支援を目的とする助成金です。この制度では、一般教育訓練給付と専門実践教育訓練給付の2種類が用意されています。個人が教育訓練受講で支払った費用のうち、以下の割合や金額がハローワークから支給される仕組みです。


・一般教育訓練給付:教育訓練経費の20%(上限は10万円)
・専門実践教育訓練給付(受講中):教育訓練経費の50%
・専門実践教育訓練給付(修了後、一定条件に該当した場合):教育訓練経費の70%


教育訓練給付金には、学び直しや日々の業務に活かすことができそうな14,000もの講座が用意されています。代表的なものを以下に挙げました。


【教育訓練給付金 指定講座の例】
・大学院修士課程
・専門学校入学
・プログラミング講座
・簿記講座
・英語検定講座
・介護講座
・税理士資格 取得講座


細かな支給要件や制度内容は、以下のページを確認してください。
厚生労働省 教育訓練給付制度

キャリアアップ助成金

派遣社員などの有期契約労働者や、短時間労働者など直接雇用でも非正規雇用労働者の処遇や地位の向上をおこなった事業主に支給される助成金です。この制度には、従業員のスキルアップによって非正規雇用を減らし、正規雇用に転換させる主目的があります。

全部で7つのコースがあるキャリアアップ助成金は、賃金規定の改定や諸手当制度の共通化によって有期契約労働者の労働条件を向上させる取り組みをした場合にも利用可能となります。

詳しくは、以下のページを確認してください。
厚生労働省 キャリアアップ助成金


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スキルアップによる助成金申請の際の注意点と知っておきたいこと

パソコンで使用してオフィスワークする従業員たち

従業員のスキルアップに役立つ助成金を使う際には、以下のポイントに注意しましょう。

必要書類に不備がないよう注意する

当初の計画どおりに助成金を受給するためには、利用する制度やコースに合った必要書類を早めに準備する必要があります。例えば、事業主がおこなう訓練で人材開発支援助成金を利用する際には、計画段階の各コース共通のものだけでも、以下のようにたくさんの書類を用意しなければなりません。


・人材開発支援助成金事業主訓練実施計画届(様式1号)
・年間職業能力開発計画(様式3号)
・訓練別の対象者一覧(様式4号)
・企業の資本の額、出資の総額、企業全体の常時雇用する労働者数がわかる書類
・訓練対象者が被保険者であることが確認できる書類
・Off-JTの実施内容などを確認するための書類


また、訓練主体が異なる場合は提出書類も変わってきます。申請の際には「何がいつまでに必要になるのか?」を確認してください。

キャリアアップ計画は慎重に作成する

事前に決めた計画の目標や予定期間、対象者と、実際の実施内容とが一致しない場合、助成金の給付申請が通らなくなる場合があります。こうしたトラブルを防ぐためには、対象者の業務内容や自社の事業スケジュールなどを最初に確認した上で、無理のないキャリアアップ計画を立てる必要があります。

助成金申請から給付までスケジュール感を把握する

助成金には一般的に、計画書の作成から教育の実施、申請、そして支給までに長い期間がかかります。例えば人材開発支援助成金の場合、審査開始まで6ヶ月程度かかるのが標準であり、多くの事業者が申請をしていた場合には、それ以上の期間がかかる可能性もあるようです。

人材教育に助成金を活用する際には、すぐには支給されないケースが多いということを頭に入れた上で、予算面の調整や計画をおこなうようにしてください。

事業場規模が小さいほど受けられる助成額が大きくなる

事業者向けの助成金は、規模や従業員数の少ない中小企業ほど多く受給できる傾向があります。ただし、その詳細は利用する制度やコースによっても変わってくるため、検討時に必ず詳細を確認してください。


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