企業の採用力を強化する!できる採用担当者が実践している採用活動とは?
人事や総務向けの記事でよく見かける「採用力」は、企業の成長を加速させる上でも大変重要なキーワードです。しかし、実際に採用活動をおこなう担当者からは、「採用力の強化」といわれても、具体的にどのような対策を講じれば良いのかイメージしにくいといった声も聞かれます。
そこで今回は、企業における採用力の強化が求められる背景を紹介し、優秀な人材の確保につながる7つの活動をわかりやすく解説していきます。
目次[非表示]
- 1.採用力の強化が求められる環境と背景
- 1.1.少子高齢化による慢性的な労働人口不足
- 1.2.業種や企業規模によって応募者数に偏りがある
- 1.3.顧客ニーズのグローバル化に対応できる人材の高度化
- 1.4.多様な働き方への対応
- 2.採用力を強化するための7つの活動
- 2.1.人材像を明確にする
- 2.2.応募者への対応力を向上させる
- 2.3.自社の理念や魅力を伝え惹きつける
- 2.4.インタビュー力を高める
- 2.5.働きやすい環境を整える
- 2.6.計画的な採用活動をおこなう
- 2.7.社内全体を巻き込む
- 3.採用力の強化は企業活動の要
採用力の強化が求められる環境と背景
近年の日本では、以下のような社会的背景により、各企業における採用力の強化が欠かせなくなっています。
少子高齢化による慢性的な労働人口不足
各企業が採用力を高めるべき最大の理由は、少子高齢化によって労働人口が慢性的に不足しているためです。こうした状況下で求職者を惹きつけて優秀な人材を採用し、なおかつ定着率を高めるためには、採用活動において今までとは異なる工夫や課題改善が求められます。
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業種や企業規模によって応募者数に偏りがある
企業への応募者数は、会社の規模や業種によって偏りが生じるものです。これは、新卒採用においても、中途採用においても同様です。
例えば、人気の高いIT業界においても、数千人もの従業員がいる人気の大手企業と10人前後のベンチャー企業では、応募者は前者のほうに集まります。そのため、ベンチャー企業や中小企業が十分な数の応募者を集めようとする場合には、採用方法の工夫が必要でしょう。
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顧客ニーズのグローバル化に対応できる人材の高度化
インターネットの普及などにより顧客ニーズが多様化したことで、多くの企業にグローバル化に向けた対応が求められるようになりました。こうした市場の波にのみ込まれない強い会社であり続けるためには、やはり高度な人材確保を実現する採用力の強化が必要となります。
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多様な働き方への対応
日本政府が推進する働き方改革によって、応募者が自身の様々な事情に合った企業を選びやすい環境が生まれています。現在は、かつての日本のようにすべての優秀な人が正社員としてフルタイムで働くわけではありません。そういった実情を鑑みると、採用活動をする企業側でも、今の時代に合ったアプローチ方法を考える必要があるのです。
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採用力を強化するための7つの活動
こうした社会背景のある日本においては、以下のような改善や工夫が、企業の採用力強化につながります。
人材像を明確にする
採用活動を始める上で最初におこなうべきことは、「求める人材の人物像」の明確化です。そのためには、まず社内の各部署や年代ごとに人材の厚みを調査した上で、今の弱点を分析する必要があります。
しっかりと弱点を分析することによって、「優秀な候補者かどうか」といった漠然とした基準ではなく、「自社の弱点を補う最適な人材か」という視点で採用の可否判断ができるようになります。この考え方は、採用戦略の要になるため、必ず押さえておくようにしましょう。
応募者への対応力を向上させる
売り手市場のこの時代に競合他社との差別化を図るには、応募者からの問い合せにすばやく返信する対応力も必要です。このポイントが徹底されると、返信を受取った応募者は「自分に関心を持ってくれている」といったポジティブな印象を持ちやすくなります。
一方、誰もがスマートフォンを使うこの時代に、なかなか問い合せへの返事がない会社は、それだけで「働きやすい職場とは言い難い」というマイナスイメージを与えてしまうかもしれません。
自社の理念や魅力を伝え惹きつける
採用力を高めるためには、応募者に「この会社で働いてみたい」「素敵な仕事ができそうだ」と思ってもらうための企業力のアピールも必要です。特に企業理念は、自社と相性の良い人材とつながる上でとても大事なポイントとなります。
また、魅力の伝え方も重要です。例えば、家電メーカーがセミナーなどで自社の魅力を伝える際には、シンプルに「暮らしに便利な家電をたくさん作っています」と伝えるよりも「家電を通してお客様の暮らしを豊かにする仕事です」と伝えるほうが効果的です。
このように魅力の伝え方を工夫することでやりがいが伝わり、仕事内容に対してポジティブな印象を抱いてもらいやすくなります。
インタビュー力を高める
最初に明確化した人物像に合った応募者を採用するためには、聞きたい情報を引き出す上で欠かせないインタビュー力も磨くことが大切です。
面接などでよく使われる以下のような言葉は、意味が漠然としているため、採用担当者と応募者の間に認識のずれが生じやすい傾向があります。
・コミュニケーション力
・モチベーション
・やる気
・意志
・主体性
したがって、面接で「主体性」について尋ねる場合、あえてこの言葉を使わず「上司からの指示がないときには、どのように行動しますか?」といった具体的な質問をしたほうが、求める答えが返ってきやすくなります。
インタビュー力は、経営幹部などへのヒアリングにも役立ちますので、採用担当者がこのスキルを磨くメリットは非常に高いでしょう。
働きやすい環境を整える
入社後に働きやすい環境を整え、間接的に企業価値を高めることも、長い目で見ると採用力の強化につながります。頑張って採用した優秀な人材にできるだけ長く働いてもらうためには、長時間労働の是正や人事評価制度の見直しなどをおこない、入社後の不満や不公平感が生じにくい環境にすることが必要です。
特に、採用担当からの説明と入社後の現実に大きなギャップがあった場合、優秀な人材の定着率が下がってしまう、といった事例もあります。
従業員全員が働きやすい職場を目指して、環境の改善に努めましょう。
計画的な採用活動をおこなう
将来的な会社の成長や世代交代、技能継承などを考えると、各部署や各年代にバランス良く人材配置をするのが理想です。こうした配慮によって計画的な採用をおこなえば、新入社員が年齢の近い先輩に相談できる環境が整うため、仕事をする上での不安も解消しやすくなります。
また、年配のベテラン従業員が多い部署に若い従業員を配置する場合には、2名以上採用するのが良いでしょう。お互い励まし合いながら働くことができ、定着率や活動力が高まりやすいのです。
社内全体を巻き込む
採用力を強化するためには、採用担当者だけが頑張るのではなく、経営陣や他部署の協力を仰ぎながら採用活動を進めていくことも大切です。これは、採用活動という仕事が会社全体を成長させる取り組みであることに大きく関係します。
例えば、会社にとって必要な人材像を明確化する際に経営陣や現場担当者からヒアリングすれば、採用担当者だけではわからない細かな適性や年代などの基準も把握できます。
こうした作業によって精度の高い採用活動ができれば、従業員の定着率が高まり、結果的に人事や総務の負担軽減にもつながるでしょう。
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採用力の強化は企業活動の要
学生の就職に対する考え方を含め、様々な状況が目まぐるしく変わる現代において、採用力の強化方法に決まった答えはありません。
だからこそ、社会や業界の動向、自社の社会的ポジションなどを分析し、人材採用における独自の指標を見出していくことが重要です。採用担当者は、常に応募者の意識や動向に関心を持ちながら自社の採用力の検証をおこない、社会の変化に応じて柔軟に対応できるよう準備しておく必要があります。
採用力強化に向けては、待遇面で自社の魅力をアピールすることも有効です。
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