早期退職のメリット・デメリットを解説!新しい早期退職のかたちも紹介!

​​​​​​​早期退職制度を利用した部下に花束を贈る上司

コロナ禍の現在、景気の低迷や先行きが見えない中で早期退職制度を実施している企業が増えています。早期退職制度というと、会社都合の「リストラ」、「クビ」、「人員整理」など、ネガティブな言葉が思い浮かぶかもしれません。しかし、早期退職制度が一概に良くない仕組みだとはいえません。事業再編などへ向けたポジティブな企業成長に有効な手段でもあるのです。

そこで今回は、早期退職制度のメリットやデメリット、変遷まで紹介していきます。企業の人事担当の方は、早期退職制度の目的や効果をきちんと把握し、戦略的に遂行できるようにしましょう。

目次[非表示]

  1. 1.早期退職制度の目的
    1. 1.1.人員整理
    2. 1.2.人材構成の再構築
    3. 1.3.従業員の再出発
  2. 2.早期退職制度のメリット
    1. 2.1.若返り・活性化
    2. 2.2.人員整理によるトラブル軽減
  3. 3.早期退職制度のデメリット
    1. 3.1.人事計画に沿わない退職
    2. 3.2.人材流出
    3. 3.3.割り増し退職金の負担
    4. 3.4.企業イメージの低下
  4. 4.前向きな早期退職という新しい流れ
    1. 4.1.黒字企業の早期退職が注目された2019年
    2. 4.2.新しい退職制度を導入する企業も
  5. 5.想定外の人財流出防止のため、JTBベネフィットのサービスをご活用ください

早期退職制度の目的

早期退職制度とは、何を目的としておこなわれるのでしょうか?ここでは、主な3つの目的を紹介します。

人員整理

早期退職制度の導入で多いのが人員整理です。人員整理により、事業縮小、人件費削減をおこない、経営の安定化を図る目的があります。

人件費は、コントロールが難しい費用ですが、経営を圧迫する大きな要素の一つでもあります。そのため、企業が経費削減を目指した場合、着目するものの一つとして人員整理はおこなわれます。早期退職制度を用いたり、早期希望退職者の応募や、リストラをおこなったりすることで人件費削減を図るのです。
一時的に割り増しの退職金の支払いや、再就職先を斡旋の労力がかかる場合もありますが、それらを加味しても十分なコスト削減が見込めます。


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人材構成の再構築

早期退職制度は、組織構造を是正し、組織全体の若返りを図る目的もあります。

少子高齢化による生産年齢人口の減少などが原因となり社内の高齢化が進むと、いつの間にか不必要な役職が増えたり、ベテラン従業員と若手従業員との人員構成比が偏ったりします。ベテラン従業員が多ければ若手従業員を投入する余地が生まれず、組織の将来的な発展や若返り、活性化が実現しません。

そのため、早期退職制度の導入は、人員構成の再構築をおこない組織の新陳代謝を高めるチャンスです。


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従業員の再出発

早期退職制度は、定年後再雇用に至らない人材に対し、早期にキャリアチェンジを再考して自分で転職などをしてもらう機会となります。

2015年4月に改正された「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」第九条において、定年制度の引き上げや廃止、継続雇用の導入を定めているほか、従来の再雇用制度により高齢者の雇用確保を目的とした措置が作られていますが、すべての企業で対応できていないのが実情です。

そのため、定年後の再雇用が見込めない人材に対しては、早期退職制度で自発的な再出発を促します。


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早期退職制度のメリット

カジュアルな服装でディスカッションする従業員

ここでは、企業にとって早期退職制度がどのようなメリットをもたらすのかを紹介します。

若返り・活性化

日本の少子高齢化が深刻であるのと同じく、企業内においても高齢化が進行し若手社員が少なくなっているのが実情です。企業内の高齢化は、従業員の平均年齢が上昇するだけではなく、若手社員が活躍の場を得られない、有能な人材の昇進が難しくなる、といった弊害もあります。

そこで、40代以降のベテラン社員を対象とした早期退職制度を導入することで、企業全体の世代構成の若返りが期待できます。
若い世代が増えれば、仕事の幅や今までにない新たな発想が生まれたり、活発なやり取りが展開されたりして、企業の新陳代謝の向上が見込めます。

人員整理によるトラブル軽減

早期退職制度は、人員整理によって起こり得るトラブルを最小限にとどめることが可能です。

万が一、企業側が強制的な解雇をおこなえば不当解雇の疑いがかかり、労働者側とトラブルに発展する可能性もあります。一方で、早期退職制度には、割り増しの退職金や再就職の斡旋など、従業員側にとってのメリットが用意されています。
スムーズな人員整理を実現するには、早期退職制度の活用が有効だといえます。


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早期退職制度のデメリット

人事戦略のプレゼンにあたり若干緊張している従業員

メリットの一方で、早期退職制度にはデメリットも存在します。早期退職者の中には、家族のために生活費の収入を稼がなければなりません。早期退職制度には、ある程度のリスクも伴うことを認識しておきましょう。

人事計画に沿わない退職

企業側の想定外の人材、かつ重要なポジションを担っている人材が早期退職を希望した場合、会社に与える損失は決して少なくありません。
重要なポジションであるほど、後任の選出や引き継ぎに膨大な時間と労力がかかります。また、上司が退職することにより、部下たちの間に混乱を招く可能性もあります。

早期退職制度は、必ずしも企業側の想定する人材が申し出るとは限らないのです。

人材流出

前述にも関連しますが、早期退職制度は、企業側が残留してほしい人材の早期退職を促してしまうリスクがあります。
「この人には自社で末永く働いてほしい」と思っていた人材が、あっけなく早期退職してしまうケースも考えられるということです。

割り増し退職金の負担

早期退職制度を利用する退職者には、会社を離れるからこそ得られるメリットを提示しなければなりません。そのため、退職金は通常より割り増しで支給するケースが一般的です。

これにより、早期退職者を集めることはできるかもしれませんが、早期退職者が多ければ多いほど、当然、企業側の負担は増加します。一時的な支出ではありますが、長期計画をもとに上限人数や退職金の金額を決定する必要があります。

企業イメージの低下

早期退職制度を導入することによる、企業イメージの低下も考えられます。

従業員に早期退職制度導入の目的が浸透されなければ、「自社の経営状況が悪化しているのではないか」と不安を与える可能性があります。それが引き金となり、優秀な人材が退職を決意する可能性も否定できません。

ただし、従業員によっては、早期退職制度による割り増しの退職金や再就職の斡旋、準備のための特別有給休暇の付与などをメリットと感じ、今後のキャリア再構築に有効活用する場合もあるでしょう。


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前向きな早期退職という新しい流れ

冒頭でも触れたように、従来の早期退職制度は、決して良い印象を与えるものではありませんでした。

しかし、近年は「前向きな早期退職」という新しい流れもやってきています。

黒字企業の早期退職が注目された2019年

2019年は、黒字経営にもかかわらず、早期退職を募った企業が注目されました。

東京商工リサーチの調査では、2019年の1年間で希望、早期退職者を募集した上場企業は36社、1万1,351人にのぼったことがわかっています。この数字は、前年の2018年と比較し3倍増という結果です。

しかし、この結果は、バブル崩壊やリーマンショック後に起こったような経営悪化が招いたものではありません。あくまでも、今後のビジネス展開を見据えた計画的な取り組みなのです。

新しい退職制度を導入する企業も

近年では、50歳前後の従業員に研修を実施し、今一度、定年までのキャリアビジョンを構築し、モチベーションを向上させ、早期退職を促す動きもあります。

その研修は、長年勤めた従業員にこのまま末永く働いてほしいと考えるのではなく、自社以外の新たなフィールドでの活躍を促したいという考えのもとでおこなわれているのです。
企業の中には、その研修に「活き活きチャレンジ制度」などポジティブな名称をつけて従業員へアピールし、参加を促しているケースもあります。


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想定外の人財流出防止のため、JTBベネフィットのサービスをご活用ください

早期退職制度には企業、従業員双方にメリットがある制度ですが、場合によっては企業が必要としている優秀な人財(※)が流出する可能性もあります。
そのような事態を回避するためにも、早期退職制度導入の際は、あらゆる想定と対処法を検討した上でおこないましょう。

想定外の人財流出を予防するには、福利厚生の充実や便利なソリューションの充実が有効です。

企業型確定拠出年金導入支援」は、従業員の老後資金の確保に役立つ選択制企業型確定拠出年金の導入を支援するサービスです。

コンケア」は、従業員一人ひとりのコンディション変化を見える化し、メンタルの不調や意欲の低下にいち早く気がつくことができるサービスです。

お気軽☆LINE」は、若手の離職防止に特化した次世代の新サービスです。従業員が不安をため込む前に、LINEを使って気軽に愚痴を吐き出させることで、離職防止へとつなげます。

ぜひ、JTBベネフィットのユニークなサービスを利用し、従業員が安心して働ける職場環境を整えていきましょう。


※JTBグループでは、社員の成長・活カが会社の成長、グループの発展を支えるという基本理念のもとで人は財産であるとし、「人材」を「人財」と表記しています。


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