特別休暇・有給休暇・法定休暇の違いとは?特別休暇の種類や作り方も解説
働き方改革によって労働者の働き方が多様化したことでワークライフバランスが向上し、近年ではユニークな特別休暇を新設する企業が増えています。しかし、この特別休暇は果たして各企業で自由に定められるものなのか、また、どのような手順で導入すれば良いのかを悩む方もいることでしょう。
今回の記事では、特別休暇の種類やその他の休暇との違い、導入手順などについて紹介します。特別休暇の導入により福利厚生が充実すれば、優秀な人材の確保にも効果的です。人事担当者は、特別休暇について知識を深め自社の取り組みに役立てましょう。
目次[非表示]
- 1.特別休暇・有給休暇・法定休暇の違いとは
- 2.特別休暇の種類
- 3.特別休暇は賞与に影響するか
- 4.特別休暇を導入するには
- 4.1.目的と内容を検討
- 4.2.条件を決定し、就業規則へ記載
- 4.3.従業員へ周知する
- 4.4.労働基準監督へ届け出
- 5.特別休暇の有効活用はJTBベネフィットの「えらべる倶楽部」で!
特別休暇・有給休暇・法定休暇の違いとは
特別休暇だけでなく、「休暇」と名の付くものはいくつか存在していることはご存じでしょうか。これらは同じ休暇ではありますが、目的としているものが異なります。
まずは、特別休暇、有給休暇、法定休暇の概要について解説します。
特別休暇
特別休暇とは、福利厚生の一環として、企業が従業員に自由に付与できる休暇です。
特別休暇は法律の定めがない「法定外休暇」にあたるため、休暇の目的や有給・無給は各企業で自由に決定できます。
特別休暇を利用して自社のビジョンや特色を表現することができれば、既存社員の流出を防いだり、新規人材の採用時にアピール材料として使えたりと、企業にとっての様々な効果が見込めます。
有給休暇
有給休暇は特別休暇と異なり、労働基準法で定められている「法定休暇」です。企業は条件に該当する従業員に対して、必ず有給休暇を付与しなければなりません。
また、基本的に有給休暇の取得目的は従業員の自由となるため、企業側の承認は不要です。
年次有給休暇については、2019年4月以降の働き方改革関連法にて一定日数の確実な取得が義務づけられました。これにより、年間10日以上の年次有給休暇が付与される従業員に対しては年間5日、時季を指定して与えなければなりません。
法定休暇
有給休暇の他にも、法律で定められている休暇があります。これらを「法定休暇」と呼び、有給休暇以外の法定休暇には、産前産後休業、育児休業、子の看護休暇、生理休暇、介護休業・休暇があります。
これらはすべて、企業が自由に付与できる特別休暇と異なり、法律で従業員への付与が義務づけられている休暇です。
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特別休暇の種類
先述したように、特別休暇は企業が独自に設けることができるものです。そのため、他社にはないようなユニークな休暇制度を設けている会社も多くあります。
ここでは、代表的な特別休暇を8種類紹介します。
慶弔休暇
慶弔休暇とは、従業員の結婚や出産、親族の死亡による葬儀などで付与する特別休暇です。慶弔の理由によって付与する特別休暇日数をルール化して定めている企業が多く、1~4日間程度が一般的です。
慶弔休暇は、特別休暇の中でも最もポピュラーで、導入している企業が多い休暇となっています。
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病気休暇
病気休暇とは、従業員が心身に何らかの病気を患った際、通院や治療、療養の目的で使ってもらうために付与する特別休暇です。企業によっては、半日単位での取得を認めているケースもあります。
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ボランティア休暇
ボランティア休暇とは、ボランティア活動に参加する従業員に付与する特別休暇です。従業員の積極的な社会貢献活動を後押しする目的で設けられています。
この休暇を与えることで従業員のボランティア活動が活発になれば、「従業員一人ひとりの世界観が広がる」「企業のイメージアップにつながる」などのメリットにもなります。
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リフレッシュ休暇
リフレッシュ休暇とは、従業員や家族の慰労、自己啓発などを目的として付与する特別休暇です。
すべての従業員を対象とせず、年齢や勤続年数が一定に達した場合に付与するのが一般的です。付与日数も一律ではなく、多くの企業では従業員の年齢に応じて幅広く設定されています。
夏季休暇・年末年始休暇
夏季休暇とは、お盆期間の前後に連休を付与し、年末年始休暇とは、元旦の前後に連休を付与する特別休暇です。
基本的には特別休暇として企業が連続的に付与するものですが、夏季休暇においては企業によって夏季期間に計画年休を適用し、夏季休暇としているケースもあります。後者の場合、従業員から反発を受ける可能性もあるため、注意が必要です。
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誕生日休暇
誕生日休暇とは、従業員の誕生日に付与する特別休暇です。
業務状況により誕生日当日に取得できない可能性もあるため、「誕生月内で好きな1日」「誕生日から前後○日以内」など、振替を認めている企業が多くなっています。
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アニバーサリー休暇
アニバーサリー休暇とは、従業員の大切な日や特別な日に付与する特別休暇です。
従業員自身や大切な人の誕生日、結婚記念日などプライベートに関わることはもちろん、過去に仕事で大きな成果をあげた日など、仕事で思い出のある日に付与することも可能です。
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教育訓練休暇
教育訓練休暇とは、従業員が仕事上必要なスキル習得を目的とし、一定日数業務から離れて教育訓練を受ける際に付与する特別休暇です。教育訓練休暇を導入して条件を満たした企業には、国から人材開発支援助成金が支給されます。
教育訓練に要する日数は受講コースによって異なるため、企業側はそれに応じた日数の特別休暇を付与するケースが多いです。
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特別休暇は賞与に影響するか
特別休暇は、先述したように企業が自由に定め従業員へ付与できる休暇です。
そのため、賞与の勤怠査定や出勤率の算出で、特別休暇取得日を出勤、欠勤どちらの扱いにするかの判断も、それぞれ企業の判断に委ねられています。
よって、賞与の出勤率を欠勤として算出しても法的な問題はありませんが、本来の休暇の意味を考慮すると、適当な判断とはあまりいえないでしょう。
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特別休暇を導入するには
実際に、特別休暇を新設する場合の手順を紹介していきます。
目的と内容を検討
まずは、新設する特別休暇の目的と内容を明確にします。新設する特別休暇によって、企業側がどのようなメリットを享受したいのか、従業員へ何を提供したいのかを検討しましょう。
目的や内容を決める際には、担当者が人事的な知識だけを持ち寄って話し合いを重ねていると、視野が狭くなり気づきも得られにくくなります。日頃から耳にしている従業員の声を参考にしたり、新たに意見を聞いてみたりして、広い視野をもつように心がけましょう。
条件を決定し、就業規則へ記載
目的と内容が固まったら、特別休暇の対象者や付与日数、方法、期限、有給・無給などの細かい条件を決定していきます。
決定する際には、「最初に定めた目標が実現可能な条件になっているか」という点に注意しながら進めていきましょう。ここで整合性をとらなければ不具合が生じてしまい、後々変更せざるを得ない状況になる可能性もあります。
内容が確定したら、就業規則へ反映しましょう。
従業員へ周知する
特別休暇が新設された旨を、従業員へ周知します。
掲示板への貼り出し、社内報の発行、メール、社内ポータルへの掲載など、あらゆるツールを活用し、すべての従業員へ確実に周知する必要があります。各所属長から部下たちに直接伝達してもらうのも良いでしょう。
労働基準監督へ届け出
特別休暇の新設にともなって就業規則を変更した場合、各事業場を管轄する労働基準監督署への届け出が必要です。この際、変更済の就業規則のほかに、就業規則(変更)届と意見書もあわせて提出することが求められています。
届け出は、持参・郵送のどちらでも可能ですので、すみやかに手続きを済ませましょう。
書き方については、本社の所在地を管轄する労働局のホームページをご確認ください。
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特別休暇は、法的に導入が定められているものではありませんが、従業員の心身の健康や幸せな未来の実現に資する制度です。企業にとっても、社内外に職場環境の充実をアピールできる要素となるため、自社のビジョンや目的を踏まえて、最適な特別休暇の導入を検討していきましょう。
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